忍と灰と焚べる者と狩人とダンジョン 連載編 作:noanothermoom
頂いた感想とそういえば焚べる者がヒュアキントスに今度はもっと頑張れ的なことを言っていたけれど戦わなかったな
というのに設定だけしていた灰達の本気を書く機会がなかったなということでできたお話です
タイトルにもある様にこの話は灰達がガチギレした状態での戦争遊戯の話です
つまりは残酷表現注意という事です
...多分
IF 灰達がガチギレした状態の【戦争遊戯】 或いは神も知らない戦い
「来るぞ...」
ゴクリ、と固唾をのんだのは誰だったか。
自分だったようにも、周囲だったようにも、これを見ている神々だったようにも思う。
ヘスティア・ファミリアとアポロン・ファミリアの【
SIDE 狼
砦の前、ある門の眼前に座して時を待つ人影があった。
それは
狼。
狼の事を知る者があればその様子を怪しむだろう。
狼、忍びとは影に潜み、夜に生き、暗闇からその命を狙う者だ。
まかり間違っても真正面からの戦いなど試みるはずもない。
だが、鐘の音が開戦を知らせると同時に狼は門へと進んでいく。
その姿はいっそ滑稽ですらあった。
忍びが白昼堂々真正面から戦いを挑もうというのだから。
何より構えるように手を添えてこそいるものの、未だに狼の愛刀楔丸は鞘の中に収められている。
武器を抜くことすらせずに忍びが何をするというのか。
それが門を守る冒険者達の思ったことであり、同時に彼等の最後の思考となった。
秘伝・一心
鞘と楔丸に添えられた狼の手が動いた、と思った時にはもう終わっていた。
刃が閃き、そして鞘に納められる。
戦いの心得がない者ならば、いや日々戦っている冒険者達ですら狼の手元がぶれたようにしか見えなかった。
だがそれだけの間に狼の攻撃は終わっていた。
凄まじい一撃が門にぶつかる。
光すら置き去りにする一撃、いやそれですら
軋み傷つきながらも
雨のごとく降り注ぐ剣戟は門を軋ませ、削り、蝕む。
それでもなお耐えきったのは称賛に値しよう。
しかしこの一撃は一心。
切ることにただ、一心になるが故の秘儀。
再び鞘に納められた楔丸が閃く。
一度で足りなければ何度でも放てばよい。
それこそが葦名流の教えだ。
「敵襲、敵襲!」
今度こそ崩れ落ちた門を踏みつけ狼が砦へと入る。
当然砦の中には冒険者達が陣形を組み狼を待ち受けていた。
その中の幾名かが武器を掲げながら狼の足を止めさせる為に襲い掛かる。
本命は後ろで詠唱をしている魔導士であり、上から狙いを定めている弓使い達だろう。
その一切を断ち切る。
秘伝・不死斬り
赤黒い悍ましい刀身が抜かれる。
不死斬り【拝涙】それが刀の銘だ。
葦名に伝わる
その刀身に纏っている今まで切り殺して来た者達の無念を形にしたような赤黒い瘴気を見れば、その伝説を嘘だなどと言えなくなるだろう。
だが真にこの刀が恐れられるは鞘より抜いた者の命を吸い殺すが故だ。
死なずを切る為の刀でありながら、死なずでなければ抜けない矛盾する大太刀。
九郎より【回生】を授けられた狼で無くば使いこなすことの出来ぬ呪われた刀。
だが、その伝説に偽りはない。
一度使いこなせれば、葦名に蔓延る蟲憑きも赤目も
一瞬の静寂。
そして
狼に相対していた冒険者達も、後に詰めていた者達も、いやその後ろの砦さえも大きく切り裂く。
不死斬りは自身の犠牲者が増えたことを喜ぶようにその紅さを増し、狼はそんな不死斬りを鞘へと納める。
「ば、馬鹿な」
喘ぐように誰かが言った。
砦に築かれた強固な防衛線。
それに対して狼が行ったことは武器をたった三回振っただけ。
だが三振りによって防衛線は使い物にならないくらいズタズタにされてしまった。
そこで砦に詰めた冒険者達は気が付く。
強固な守りの砦。
その出入口は狼の後ろにある。
「こ、こんなの相手に出来るか!俺は逃げぎゃあ!!」
真っ先に逃げ出そうとした者達の背中に手裏剣が刺さったことで冒険者達は理解する。
自分達が生き延びるにはこの忍びをどうにかしなければならないのだと。
敵うはずがないと理解しながら、それでも生き延びる為に冒険者達は立ち向かう。
◆◆◆◆
自身へと向かってくる冒険者達を見ながら狼は再び不死斬りに手を添える。
己は忍びである。
影に生き、夜に紛れ、暗闇より標的の命を狙う者。
その戦いは感情を揺るがさず、冷たく静かな物で無くてはいけない。
だが、だが今この時だけは殺すことを望もう。
その想いが怨嗟を降り積もらせるものだと理解していてもなお。
この
SIDE 狩人
「ヒィ、ヒィ」「目が、目がぁ」「ああ、嫌だ、嫌だ」「こないでくれぇ!!」
うわ言の様に悲鳴を上げる
その内容は支離滅裂、正気とは思えない言葉を呟く彼等がどんな目に遭ったのか想像が付こう。
そんな彼らが砦の中に無造作に転がされている。
屍累々という言葉が似合いの地獄絵図。
だがそんなものは今外に迫っている
この【
ならば太陽は頂点で光り輝いているはずだ。
だが砦の外では月が冷たく
世界が犯されていた。
昼が夜に、光が影に、神聖が冒涜に蝕まれる。
コツ、コツ
地面を歩いているとは思えない程に硬質な音が響く
ズル、ズル
地面を歩いているとは思えない水音が響く。
それは悪夢。
それは冒涜。
それは
月に照らされ地面に影を落としながら歩いていたのはヘスティア・ファミリアが冒険者の一人。
月の狩人
だが、それだけで世界が
その歩んだ
「...」
狩人はしばし目の前の門を見つめる。
その瞳にどのような光があったのか。
それを誰も知らないことはきっと幸せだったのだろう。
そして
「爪狩獣瞳穢継苗蠢輝」
その声を何に例えよう。
全てを飲み込む大渦の様に響き、光も届かぬ水底の様に静かで、地の底から手を伸ばす死者の悲鳴の様に耳にこびりつく。
だが、どれだけ言葉を重ねた所でその本質を言い表すことは出来ないのだろう。
ただ、一つその声を形容するのであれば恐怖であった。
「ヒイヤアァァァァ」
方向性を持たせたわけでもないただ周囲へとその在り方をまき散らしただけの叫び。
だが、それは確かに
それを聞いて人が無事なはずもない。
声が届く範疇の冒険者達は発狂、絶望、或いは人では理解できない悍ましいナニカによって死ぬ。
それでもなおこの場で死ねた者は幸運だったのだろう。
強固な門が捩じれ、歪み、世界ごと捩じ切られた姿を見ずに消えられたのだから。
◆◆◆◆
ささやかな
呼んでしまった以上どうしようもない。
その声を聴いたものを呪い、発狂させ、殺す。
悍ましい叫び声はしかし、声の本質ではない。
当たり前だろう。
上位者の叫びがたったそれだけで終わるわけがない。
星が墜ちる。
流れ星と言えばロマンチックかもしれない。
だが、上位者によって呼ばれた物にそんなロマンを求めるべきではない。
轟音、灼熱、そして壊滅。
知るがいい呪いを、怒りを、お前達は触れるべきでない物に触れたのだ。
SIDE 火の無い灰
「と、止めろ...何を使ってでも止めるんだ!!」「止めろって言ったって...あんなもん、どうやって止めればいいんだ!!」
悲鳴を上げる冒険者達。
だが、
彼らが相対しているのはヘスティア・ファミリアが冒険者の一人。
火の無い灰。
無人の野を行くかのように悠々と歩くその姿は戦場を歩くというよりかはいっそ、優雅な散歩をしているようにすら見える。
無論冒険者達も馬鹿にされて黙っている訳がない。
矢を、魔法を、それ以外の攻撃を加えようとする、いやしようと
だが、その全ては何の結果ももたらさなかった。
避けられたのか?否。
迎撃されたのか?ある意味ではそうだろう。
防がれたのか?それも間違いではない。
雨と降り注ぐ無数の攻撃に対して火の無い灰が行ったことは何もない。
ただ何も変わらず歩いていただけだ。
だが、それだけで冒険者達の攻撃は全て
現実味の無い出来事だった。
雨の様な矢も、
全て火の無い灰にたどり着く前に燃え尽き、後に残ったのは一握りの灰だけ。
歩くだけで攻撃の全てを燃やし尽くしたあいつがこの砦にたどり着いた時何が起きるのか。
自分に向かってきた攻撃をただ歩くだけで燃やし尽くした火の無い灰の姿を見た冒険者達は怯えた。
だが、どうすればいいというのか。
たった今自分達の攻撃は全て燃やし尽くされてしまったというのに。
必死の抵抗もむなしく火の無い灰は砦の門まで辿り着く。
そして小さく呟いた。
「少しばかり火力を上げるか」
取り出したのは捩じれた大剣。
始まりの火を受け継ぎ【火の時代】を守った王達の化身が振るった螺旋剣。
火継ぎの大剣。
翳り消えゆく火を一時的に猛らせるその力を使い、火の無い灰は自身の持つ始まりの火の残り火に力を与え...
そして全てが燃えた。
燃える、燃える。
全てが燃える。
罪も、罰も。
生きる者も、死ぬ者も。
形あるものも、形なきものも。
世界も。
「なんだ...あれ...」
生き延びてしまった不幸な冒険者達は目の前で起きた余りの出来事に呆然と呟く。
大地が、空が燃えていた。
岩と土、そして僅かばかりの植物が生えていた地面はめくれ上がり燃え尽きる。
その下には
青い空が燃え墜ちる。
スクリーンの様に黒く焼け落ちる。
その下からは朝とも夜ともつかない仄暗い空が広がっていた。
死んでしまった冒険者達は幸いであった。
彼らは人だ。
故に自分達が見ているものが何なのか理解できなかった。
火の無い灰が取り出した大剣も、その後産まれた火も、世界が焼け落ちてその下から見えた
全ての意味を理解せず灰が振るった火継ぎの大剣によって砦ごと焼け落ち死んでしまった。
◆◆◆◆
跡形もなく焼き払った門から砦に入る。
苦痛なく死ねるのは幸いだ。
ふと形の残っている死体を見て思った。
焼死というのは数多くある死の中でも最も苦しい死の一つらしい。
体に纏わり付く火からは逃れられず、火傷は絶え間ない苦痛を与え、立ち上る熱気は息をすることすら苦痛とし、そして何より
ロスリックを旅する中で燃えて死んだことも幾度となくあったが、あの場所で留めておく必要のある記憶などなぜ死んだかだけだ。
その死に方に苦痛があるか無いかなど意味もない。
それでも苦痛なき死などという物を思い浮かべたのは、火継ぎの大剣を取り出したからだろう。
幾度となく回った、幾度となく廻った、幾度となく終わらせた、幾度となく継いだ。
だが、やはり俺にとって
「少し感傷が過ぎるな」
呟きまた歩き出す。
大切なのは
罰さねばならぬ、呪わねばならぬ。
犯された罪にはそれ相応の罰を与えられなければならない。
奴らが何をしでかしたのか知らしめなければならない。
そう、俺達はヘスティア・ファミリア。
殺し、奪い、冒涜し、嗤う者。
SIDE 絶望を焚べる者
「なんだあれは、何だあれは、何なんだあれは!!」
砦の最奥。
戦場を見渡せるその部屋でヒュアキントスは叫ぶ。
三振りで防衛線を断ち切る
昼を犯し夜を従える
歩むだけですべてを灰燼に返す
あり得ない。
あり得るはずがない。
あり得て良いはずがない。
あんなものが
頭を掻きむしり、エルフとも見間違わんばかりの端正な顔を歪めるヒュアキントス。
悶え、のたうつ様を笑うことは出来ないだろう。
彼の命題はこの
ならばあの化け物共に立ち向かわなければならないのだから。
そう、彼はまだ勝利を諦めていなかった。
それは偏に
故に人知を超えた存在を見てなお
「まだだ!まだ終わってない!まだ負けてない!!」
叫びながら部屋から飛び出すヒュアキントス。
逃亡...ではない。
その逆。
ヒュアキントスは
「まだだ、まだ砦は落ちてない。なら先に相手の大将を落とせばこちらの勝ちだ!!」
ヒュアキントスの言う通り、この砦を攻めている火の無い灰達の進みは遅い。
それは万に一つの反撃も許さない殲滅の為ではあるが、まだ時間はある。
ならばこの砦が落ちきる前に相手の大将を取れば...アポロン・ファミリアの勝利の目はまだある。
「私なら出来る。
私がやる。
私がやるしかないのだ。
「やあ」
「貴様!!焚べる者!!」
自身を支える
トレードマークとなっている仮面を脱ぎ
だが、突き付けられた武器を気にも留めずに焚べる者は僅かに嘲る。
「さて、貴公。今度こそ私に名を刻む程度には奮闘し給えよ」
「っ!!貴様を相手にしている時間はない!!」
アポロン・ファミリアがヘスティア・ファミリアの拠点へと襲撃した日。
拠点から逃げ出したベル達を追跡していたヒュアキントスの前に立ちはだかったのが絶望を焚べる者だ。
当然ヒュアキントスは戦ったが、結果は惨敗。
いや、むしろ戦いにすらなっていなかった。
全力を持って戦ったヒュアキントスに対して焚べる者は常にほんのちょっと上を行く攻撃で返し続け、言わば指南を続け実力の差を
最後には火の無い灰がアポロン・ファミリアの拠点で暴れ回っていることに気が付いたヒュアキントスが焚べる者に見逃して
そういった経緯からヒュアキントスにとって因縁のある相手であり、何よりも
だが、今のヒュアキントスには怯える時間も惜しい。
「邪魔だ」と叫び撃ち込んだ何の変哲もない攻撃はしかし焚べる者の纏う鎧の首元の隙間を確かに狙っており、そしてそのまま吸い込まれるようその隙間に向かっていき。
「かふ...」
「え...?」
...そして焚べる者の首を貫いた。
小さく血を吐き倒れる焚べる者。
その姿をヒュアキントスは呆然と見送った。
有り得ない。
それがヒュアキントスの偽らざる本心だ。
あの焚べる者が一撃で、それも何の変哲もない一撃で死んでしまうなど。
だが、どれだけヒュアキントスが疑おうと現実は変わらない。
絶望を焚べる者は地に伏し、自身の武器にはその血がべったりとついている。
まさか死んだふりか?とも疑ったが、地に伏した焚べる者から流れ出た血で一面が血の海だ。
たとえ先程の一撃で死んでいなかったとしても、これだけ血を流せば出血死は免れない。
「ふ...ふはは、何だ気を抜いていたのか?それともこの間の戦いが何かの間違いだったのか?」
間違いなく死んだ焚べる者を見下ろしヒュアキントスは笑う。
たとえ何万分の一の確率でのラッキーヒットであったとしても焚べる者は地に伏せ、自身は立っている。
間違いなく勝者は自分だ。
想定外に相手の戦力の1/4を削ることが出来た。
間違いなく風は自分の方に来ている。
勝てる。
地に伏せる焚べる者から目を離し、確信を持って歩みだす。
戦いと戦いの合間。
ほんの一瞬の気のゆるみに陥りながら、それでもなお背後からの攻撃を防いだのは流石歴戦の冒険者と褒めるべきだろう。
だが...
「なっ...!?貴様!?確かに死んだはず!!」
「敵に生き死にを気にしている暇があるのかね?」
死んだはずの相手からの攻撃には動揺を隠せなかった。
その隙を焚べる者が見逃す道理もなく攻め立てられる。
「なめ...るなぁあ!」
大きく跳んで距離を取り仕切りなおし攻勢に回る。
その一撃が先程と同じ軌道を描いたのは無意識のうちに先程の体験に縋りついたのだろう。
だが、その選択は間違いだった。
「
小さな呟きと共に攻撃が受け流される。
体が流れ致命的な隙を晒す。
焚べる者が手に持つ大剣で串刺しにされ...る直前でもう一つの武器、連理の短刀で脇腹を貫く。
僅かに呻き焚べる者が一歩下がった隙にその首をフランベルジュで飛ばす。
首の無くなった焚べる者の体は急に何も見えなくなったことを訝しがるように自分の頭があるはずの場所で頭を探していたが、飛ばされた首が地面に落ちるのと同時に糸が切れた操り人形の様に倒れる。
さっきのは何かの間違い。
血糊か何かを仕込んでいただけ。
首を飛ばしたのだ今度こそ死んだ。
そんなヒュアキントスの考えを嗤うかのように、地に倒れ伏し沈黙していた焚べる者の胴体は一度痙攣すると再び失った頭部を探すようにあたりを探り、傍に落ちていた頭部を拾い上げると首に付け立ち上がった。
幾度となく殺した。
幾度となく打ち倒した。
だが、その度に立ち上がり再び向かってくる。
いや、それだけならばまだよい。
問題は立ち上がる度に動きがどんどん洗練されていくことだ。
一度見せた攻撃は次から通用しない。
一枚一枚薄皮を剥ぐ様に私の手札が失われていく。
勝っているはずなのに、私は
追い込まれているのは私だ。
フランベルジュの斬撃。
「もう見た」
短刀による刺突。
「もう見た」
「もう見た」
「もう見た」「もう見た」「もう見た」「もう見た」
「見た」「見た」「見た」「見た」「見た」「見た」...
何をしても防がれる。
何をしても弾かれる。
何をしても受けられる。
何もすることが出来ない。
それは暴かれた自身の手札と同じ数だけ焚べる者が死を繰り返したことを示す。
だが焚べる者はまるでその事実を意に介していない。
有り得ない。
「はあ、はあ、はあ...。
何なのだ...貴様は。なんなんだ貴様は!」
自身ですら耐えられない数の死を乗り越え向かってくる焚べる者に悲鳴の様な疑問を投げる。
その言葉に動きを止めた焚べる者は綺麗な一礼をし名乗る。
「...絶望を焚べる者です」
かくして絶望は焚べられた。
SIDE カサンドラ
「どうして!?どうして夢から覚めないの!?」
火と夜と修羅に攻められ廃墟となった砦の中悲鳴を上げる冒険者がいた。
黒い髪に黒いローブを身に纏った陰気な彼女の名はカサンドラ・イリオン。
アポロン・ファミリアの冒険者だ。
カサンドラが
正確に言うのであればスキルですらない彼女の持つ
予知夢という形で未来の出来事を知ることが出来るそれ故に、カサンドラは何の制約もなしに
何より彼女は神々の話し合いで
そうして疑っていけばこの世界は実に歪だ。
砦の中こそ現実と変わりないが、
何よりカサンドラは既に何度か
火の無い灰に、月の狩人に、忍びに、絶望を焚べる者によって殺されているのだ、
だが意識が闇に呑まれると同時に全ては元通りになっており、そうしてまた蹂躙される。
ならばこれを
だが、幾たび殺されようと。
幾たび負けようと。
遂には彼女は悲鳴を上げた。
地面に額づき泣き叫ぶカサンドラ。
周囲にいる
狂っているのはどちらだ。
ぐずぐずと地面を濡らすカサンドラはしかし、周囲が暗闇に包まれていることに気が付く。
見上げた空はいつの間にか
異常な大きさの月はいつの間にか血走った朱い瞳に変わり。
「ひっ...」
そうしてカサンドラが気が付いた時には陰鬱な顔をした狩人がそばに立っていた。
「なるほど。夢の巡りがどうも変だと思っていたら貴様が原因か」
「夢...?これは夢なんですか!いったい何が「知る必要はない」」
急に現れた狩人の存在に怯えるも何かを知っている様子に問い詰めようとするカサンドラ。
だがその言葉を切り捨て狩人はカサンドラの頭に手を翳す。
とたんに襲うのは耐え難い眠気。
そのまま座り込んでしまい瞼が落ちていく。
だが恐くはない。
この夢から覚めるのだという不思議な確信だけがあった。
目を覚ます。
見上げる先には見慣れた天井。
上半身を起こして辺りを見まわす。
確かにここは私の部屋だ。
「あれ...?」
私は時々予知夢を見る。
その内容は様々で良い事もあれば悪いこともある。
だけれど、どんな夢だったとしても誰に話しても信じて貰えなかった。
それでも私はみんなに話さずにはいられなかった。
今回もそう。
ヘスティア・ファミリアとの【
その度に飛び起きて見た夢の話をみんなにするけれど
「夢の話だろ」「疲れてるんだよ」「そんな奴らいるはずがない」
そんな風にまともに取り合ってもくれなかった。
それでも寝れば夢を見るし、その度に飛び起きる。
今も飛び起きたからまた
「どんな夢...だったっけ?」
どうしても夢の内容を思いだせない。
ただただ、酷い夢だったことだけは覚えている。
こんなことは初めてだ。
冒険者になって、予知夢を見るようになって、誰にも信じて貰えなくて。
そんな風な生活を続けて来たけれど私が夢の内容を忘れてしまう事なんて一度もなかった。
どうにかして思い出そうと唸っていると親友のダフネちゃんが「何してるの?最近あんまり寝れてないんでしょ早く寝なよ」と様子を見に来てくれた。
そうだね。
なんでか分からないけれど思い出せないのならしょうがない。
それに誰に言っても信じて貰えないんだから思い出す必要もないよね。
もう一度ベッドに横になる。
するとすぐに眠気がやって来た。
今度は悪夢を見ないと良いな。
迫りくる暗闇の中小さく声が聞こえた。
「忘れてしまえ何もかも。世界には知らぬ方が良い物もあるのだ」
どうも皆さま
夢落ちなんてサイテー
私です
えーお久しぶりです
大変お久しぶりです
いやネタは出来てたんですよ?
FILM RED見に行ったり
FILM REDで脳を焼かれたり
ワンピースの新しい小説書いたりしていたらこんなに間が空いてしまいました
ごめんなさい
感覚的な物になるのですがワンピの方にはワンピの方のこっちにはこっちの小説の書き方があるのでリハビリになんか短い話を書きたいなー
灰達の本気もかきたいなー
でも灰達の本気とか世界壊れる
狩人の領域(夢の世界)でなら大丈夫?
でも灰達が淡々と殺し続けるだけとか面白いかこれ?
...そういえばどっちかというとソウルの業とか書いた人がいたわ
という事で急遽抜擢されたカサンドラさん
可哀そう
今話の舞台は狩人の作った夢の世界なのでそこに出てくるアポロン・ファミリア冒険者達は基本本人たちを模しただけの書き割りです
ですが割り振られた役割は完璧にこなすのでスワンプマン問題とか
SFでよくある完璧に死んだ人物を再現した人工知能を搭載したアンドロイドを作ることが出来たのならそれは死者の復活なのか?
或いはそれを破壊した場合殺人になるのか?
みたいな哲学的問題につながりますね?
そしてそんな所に迷い込んでしまったカサンドラさん
可哀そう
とりあえず気が付かないうちに殺してくれる狼
正気を失って夢のうちに殺してくれる狩人
纏めて焼き殺してくれる火の無い灰
それともひたすら追いかけてくる絶望を焚べる者
どれが一番恐ろしいでしょうか
カサンドラさんは全員相手にさせられたのですが
可哀そう
でも一番かわいそうなのは
こんな灰達を何とかなだめていたヘスティア様なんですよ...
可哀そう
ここから下は設定上の灰達の最大火力とかを垂れ流しにしているだけのお話です
詰まる所読まなくてもいい奴です
お暇な方はどうぞ
そうでない方はお帰り下さい
それではありがとうございました
火の無い灰
本気になると始まりの火関連の力を使いだす
本編だと21話遺物に登場
...21話から全く出てなかったことに今驚いています
単純な熱だけではある物のその火力は絶大万物を焼き墜とす
この小説内ではオラリオをはじめとしたダンまち世界は
終わりを迎えた火の時代を苗床として産まれた新たな世界なので
その繁栄の下には朽ち果てた火の時代の残骸が存在します
灰の最大火力は始まりの火の再熾
自身に宿る始まりの火の種火を火継ぎの大剣で強め
自身のソウルを薪とすることで再び熾す
始まりの火が生まれるという事は
火の時代が始まる(再来する)という事であり
岩の時代(古い時代)が終わるという事である
いわば時代ごと相手を殺す自爆技であり
過剰火力にもほどがある技でもある
ぶっちゃけ設定だけの絶対使わない技
狼
本気になると不死斬りを使う
実際不死断ちが使えるようになり
死なず或いは神を殺せるようになる以上の事はない
忍びの戦いとは常に一撃必殺の戦い故に
最大火力は自身に積もった怨嗟を受け入れての修羅モード
ただ火力は大幅に上がるが
仏師殿の末路を見る限り隠密とか出来そうにもないので
結果として忍びとしては弱体化でしかない
ぶっちゃけ火力がいるのなら灰達がいるのでそっちに頼めばいいし使わない
月の狩人
本気になると上位者としての権限を使いだす
夢を操る、神秘及び血を使った攻撃の威力が爆上がりするが
上位者の力を使っているという事自体が狩人の怒りに触れるので
使いたがらない
最大火力は彼方への呼びかけ(上位者バージョン)
宇宙から無数の隕石を落とし続ける
18階層で使ったのの火力マシマシバージョン
というよりも上位者として本気を出せば
相手を夢の世界に取り込むことや現実を夢で侵食するなどが出来るようになるので
こっちが本命
狩人の悪夢と繋いで風雲漁村城とかできる
やらないけど
悪夢から獣や正気を失った狩人を呼び出すことも出来る
絶対にやらないけど
そもそも上位者としての力を使っている時点で
全ての行動に相手は発狂するとかついてくるようになるので
火力に意味はほとんどない
絶望を焚べる者
本気になるとルカティエル装備からファーナム装備に変わる
特にステータス的な意味はないのだが
無敗のルカティエル伝説を作る為に不敗を誓った状態から
万に一つの勝機を掴むために無数の屍を積む不死者スタイルになる
時には相手の攻撃をその身で受けてでも相手の動きを見極め
最も効果的な武器を探し出し相手に何もさせずに勝利する
それこそが不死者の戦い方だ
それは相手が圧倒的な格下であったとしても変わらない
万に一つ、億に一つの敗北へと至る落とし穴を自分の死体で埋めていく
生きる為に死に続ける不死者の生という
その矛盾の果てを体現する戦い方
ぶっちゃけ他の奴の本気がボスモードみたいなのに
文字通り死んでも追いかけ続けてくるのは怖い
こいつだけ強化の方向性がプレイヤー側なんですよ
こんな所でしょうか
次はもうちょっと早く更新しますので待っていただけると幸いです
それでは最後までありがとうございました