ラブライブ! スピンオフ A-RISE   作:watton

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前回のA-RISE!

 ゆるふわパーマのあんじゅです!
 オーディション合格して、次のライブが1ヶ月後だと思ったら1週間後にお披露目ライブってハードスケジュールすぎるよ!
 しかも、オーディションの時みたいに事前に練習する時間がない……
 それでもツバサちゃんなら…ツバサちゃんならきっと何とかしてくれる…!!


3話 あんじゅとツバサ

 お披露目ライブの重要性について知るためには、A-RISEを知る必要がある。

 

 A-RISEとは、一言で言えばUTX高校のシンボルだ。

 A-RISEになるためには、2つの難関をクリアしなければならない。

 

 1つ目が、学年ごと行われる総合オーディション。学年で3人選出される。

 2つ目が、学年対抗A-RISE決定ライブ。3つの学年ごとと現A-RISEの計4グループでライブをし、最も優れたグループがA-RISEとなる。

 

 ここで重要なのが、学年対抗A-RISE決定ライブの審査の時期である。

 1年生は入学直後、オーディションが済んでから1ヶ月間しか期間がない。

 それに比べ、2年生、3年生は芸能学科で学んだことを生かして挑むことができる。

 UTX高校には、常設のイベントコンサートホールがあり、そこに芸能科の子たちが交代で毎日二回のアイドルステージ公演している。

 2年生、3年生は公演を続けてきているのだから、ツバサ達よりずっと経験値があるのだ。

 つまり、ツバサ達は入学したてで不利な状況の中、学年対抗で強豪たちを相手にしなければならないわけである。

 

 とするならば、無名のツバサ達が知名度を上げ、有利に事を運ばせるには、学年対抗ライブ前のお披露目ライブを、何としても成功させなければならないのは言うまでもない。

 

 

 

---

 放課後の練習部屋で二人。

 ふわパーマセミロングのあんじゅはショートヘアおでこのツバサに悩みを打ち明ける。

 

「綺羅さん……。実は……」

「ん? どうしたの?」

「私……1週間じゃ自分のパートを覚えきれない……かもしれない……」

 

 ツバサはあんじゅの深刻な様子を察した。

 オーディションを通った実力があるにも関わらず、一週間で出来ないというあんじゅ。

 普通ならば、冗談として受けてもおかしくないが、あんじゅに呼応して真剣に聞くツバサ。

 

「続けて」

「決して『センター』をやりたいわけじゃないの……、本当に覚えられないと思う」

「詳しく聞かせてもらえるかしら」

 

 練習時間がない。毎日放課後いっぱい使っても2週間は必須。

 1つの曲をダンス、歌詞ともに完璧にマスターすることは現時点で不可能。

 自分の経験から、間違いない。

 あんじゅは隠さずそれをツバサに伝えた。

 

「優木さん、よく話してくれたわ。ありがとう」

「私はできない……」

「何とかしましょう。今は時間が惜しい。少しでも練習よ!」

 

 

 ツバサは自分の覚え方を教えてみたが、あんじゅはあんじゅなりに覚え方があった。

 やはりそれぞれ自分にあったやり方があるのだ。

 今日の練習は2人だけということもあって、あまり進まなかった。

 

 

---

 一区切り着いた所で練習が終わり、帰宅することにした。

 2人がUTX高校の外に出るとすっかり日が暮れていた。

 

「綺羅さん。今日はありがとう」

「私こそ、ありがとう、優木さん」

 

 歩くと練習でかいた汗を風が撫でてひんやり寒い。

 あんじゅは練習中、ずっとツバサに伝えたかったことがあった。

 

「私ね、『どんなことがあっても、最後まで止めずにやる。それがライブに大事なこと』

 って聞いて、すごく感動しちゃった。あぁ、その通りだなぁって」

 

 あんじゅが空を見上げると星が少し瞬いていた。

 ツバサもそれにつられて空を見上げる。

 

「それ、中学時代の私の友達の受け売りなんだ」

「そうなの?」

「ええ、こう見えても私、ガールズバンドやってたのよ」

「すごいね! やっぱりボーカル?」

「ふふっ残念、ベースよ! それで、話の続きだけどね。練習の時、

 ボーカルの人が歌詞間違えて歌っちゃって、あ、間違えたなって演奏を私が止めちゃったことがあった。

 それでドラムの人に『曲を止めたらいけない』って怒られたの」

 

 あんじゅは意外だなぁと思いながらツバサの話に聞き入っていた。

 あんじゅのイメージでツバサは完璧超人だったから、そういう失敗の話は新鮮だった。

 

「失敗とライブの演出とは紙一重。

 例えば、2番まである曲の1番を2回やることはサービスと受け取ることもできる。

 "失敗しても完成していればそれは失敗ではなく演出になる"」

 

 ツバサはあんじゅの顔を見ると、笑顔になった。

 やっぱりこの笑顔、反則だ……、と思うあんじゅだった。

 

「何か偉そうなこと言っちゃったね」

「ううん。すごくいいこと聞いちゃった。日記に書いておかないと!」

「照れるよ、優木さん」

 

 3歩あんじゅがツバサの前を走って振り向くとスカートがふわっとした。

 

「……私のこと、あんじゅって呼んでいいよ」

「お! 実はね、心のなかでは既に呼んでるのよ、あんじゅ!」

「ほんと?! 私もツバサって呼びたかったよ」

「嬉しい! あ! でも、やっぱりお互い下の名前で呼ぶのはやめよう」

「えっ?」

「統堂さんも一緒に下の名前で呼び合える仲になったら、その時改めて!」

 

 RISEは3人で1グループ。英玲奈を入れて3人だ。ツバサはそれなら3人一緒がいいと思った。

 

「……それ」

 

 

 

「すごくいいね!」

 

 あんじゅはツバサの提案を受け入れた。

 寒いはずの風がひんやり気持ちよかった。

 

---

 駅に着く。

 二人で改札を抜け、自分達の電車の時間を確認した。

 

「今晩、私は統堂さんに電話して相談してみるわね」

「私はハターキさんに期日を延ばしてもらえないか聞いてみるよ」

「OK! またね、優木さん」

「うん、またね。綺羅さん」

 

 あんじゅはツバサと一緒に居て何とかなりそうな気持ちになっていた。

 時間は夜7時を回ろうとしていた。

 




今回は短めでしたがちょうど区切りがよかったのでアップしました。

次回、英玲奈があんじゅのズルを学校で公表! あんじゅやっぱりRISE不合格!(嘘

お楽しみに!
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