346プロの雑用バイト君   作:焼肉定食

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22話 物を買うときは下調べが大事

 

 

 地元にいる俺の母さんからは定期的に電話がかかってくる。 俺がちゃんと一人暮らしできているのか心配なんだろう。

 

 

『幸輝、アンタちゃんとやっていけてるの?』

「大丈夫だって……大学もちゃんと行ってるしバイトもしてるからさ」

『ちゃんとご飯食べてんのかい? 外食とかばっかしてないで偶には自炊してるんだろうね? そっち行く前に簡単な料理教えてやっただろう?』

「……だ、大丈夫だよ。 り、料理も結構上手くなっちゃってさ〜」アハハ

『……ならいいんだけど…何かあったらちゃんと報告するんだよ? それじゃあね!』

 

 

 プツッ...ツ-...ツ-...

 

 

「ふぅ……」チラッ

 

 

 改めて自分の部屋を見回す。 生活するのに必要最低限の家具は揃っているが、逆に言えばそれ以外何もない殺風景な部屋だ。

 

 

「自炊かぁ……」

 

 

 ごめんなさいお母様……実は俺この部屋に越してきてからほとんど自炊などしていないのです…。

 

 別に飯を抜いてるわけじゃないんだけどね……大学の学食で済ませたり、家で食べる時はスーパーで安売りされてる弁当で済ませたりカップラーメンを食べている。家でする料理と言えば朝に目玉焼きを作るぐらいだ。

 

 

「でもこれじゃ良くないよなぁ……炊飯器すらウチにないし」

 

 

 我が家に炊飯器なる物は存在しない。 最近は電子レンジさえあればチンするだけでお米も食べれるからね。

 

 

「バイト代も入ったことだし…いい加減もうちょっとマシな部屋にするか……」

 

 

〜〜〜〜

 

 

 

「いらっしゃいませ〜! あ、白石くんじゃないですか〜」

「こんにちは菜々さん。また来ちゃいました」アハハ

「いえいえ! 歓迎しますよ〜! それじゃあお好きなお席へどうぞ〜」

 

 

 休日、俺は午前中だけバイトを入れてもらい午後は家具屋や家電量販店を訪れようと計画していた。

 

 今は昼食を取るために346のカフェを訪れている。

 ここのカフェは値段が高くないのに味も量もかなり充実しるから結構利用してるんだよね。

 

 

「菜々さん、注文いいですか?」

「は〜い♪ ご注文はいかが致しましょうか?」

「このサンドイッチでお願いします」

「お飲み物はどうしますか?」

「お冷で大丈夫です」

「かしこまりました〜♪ すぐにお持ち致しますね〜」

 

 

 その後すぐに出てきたサンドイッチを食べながら、片手で家具やなんやらがたくさん載っているカタログのページをめくる。

 

 

「ん〜 なるべく安いやつで……炊飯器以外にも棚とか欲しいな〜」モグモグ

 

 

「やっほー!しらしー久しぶりー!」

「えっ?」

「なにそれ? 何読んでるの〜?」ズイッ

「うぉぉっ!?」

 

 

 急に本田さんが隣に座り肩を組んできた……ビックリして思わず大きな声が出る。

 

 近い近い近い。 ていうか今一瞬なんか柔らかい感触がしたけどあれってアレだよね…?

 

 

「わわっ! どうしたの急に? ビックリした〜」

「び、ビックリしたのはこっちだって!」

「何で?」

「急にあんな近くにこられたらビックリもするよ……」

「え〜? 私的には普通なんだけどなぁ」

「ほ、本田さんパーソナルスペースおかしくない……?」

 

 

 これはアレだな……クラスで本田って俺のこと好きなんじゃね…?系男子が量産されているんだろうな〜

 

 まぁ俺もあんまりそういうことされると勘違いしそうになるけど。

 

 

「やだなしらしー、肩組んだだけでそんなに慌てちゃって〜 顔が赤いぞ〜?」

「べ、別に赤くないけど……?」

「うっそだぁ〜 未央ちゃんにドキッとしちゃったんでしょ〜?」ニヤニヤ

「し、してない……」

「素直になっちゃいなよ〜 あんなに大きな声出しちゃってさ〜」

 

 

 めちゃくちゃニヤニヤしてるし……

 

 ていうか肩組んだだけって……本田さんもしかして自分のアレが当たってたことに気づいてないのかな…?

 

 ……ここは年上の男として忠告をした方がいいのかもしれない。

 でも言うの恥ずかしいなぁ…………よし、言うぞ…!

 

 

「ほ、本田さんの胸が当たってたからちょっとびっくりしちゃってね…今後はもう少し気をつけた方がいいかもしれないよ?…なんて……は、ははは…」

「へっ…!?」

 

 

 あ、やっぱり本田さん無自覚だったんだ……その証拠に顔も俺と同じで真っ赤で……あれ。

 

 

「あ、当たっちゃってた……?///」

「え……う、うん。ちょっとだけ……」

「そ、そっかぁ……き、気をつけるよ……///」

 

 

 あれ……なんだこの空気…… 本田さん顔真っ赤にして静かになっちゃったぞ…。

 

 

 …………やば、俺も何かさらに恥ずかしくなってきた……

 

 

 

「あれ、未央ちゃんも来てたんですか? 何か注文しますか……って、どうしたんですかこの空気は?」

「えっ!? な、ななな何でもないよウサミン! ねっ!しらしー!?」

「う、うんうん! ちょっと考え事してただけですから…!」

「そうなんですか…? それで未央ちゃんは何か注文しますか?」

「じゃ、じゃあオレンジジュースで!」

「かしこまりました〜♪」

 

 

「「はぁ……」」

 

 

「あ、あのさしらしー……さっきのはお互い忘れるってことで……」

「わ、わかった……」

 

 

 ごめん本田さん、ぶっちゃけ俺はあの感触を忘れられないよ……

 

 

「よしっ! 切り替え完了! それでしらしーは何の本読んでたの?」

「ん? あぁこれね……ちょっと家具とか買おうかな〜って思っててさ」

「へ〜 なんか楽しそうだね!」

「俺の部屋必要最低限の物しかなくて殺風景だなって気づいちゃってさ〜 ここいらでもうちょっといい感じにしようかなって」

「しらしーの部屋が生まれ変わったら私も遊びに行こーっと♪」

「いやいや……それはマズイって」

「ぶ〜!ぶ〜!」

 

 

 本田さんと軽い雑談をしているとすぐにカタログを読み終わってしまう。

 

 うーん……ずっとカタログ眺めてても始まんないよね。 そろそろ行動するか。

 

 

「じゃあ俺はこれで」

「今から行くの?」

「そうだよ。今日はこの後休みだからね」

「面白そう! 私も一緒に行っていい?」

「えっ……ま、まぁ別にいいけど…」

「やった〜! へへっ…未央ちゃんも一緒に色々選んであげるね〜♪」

 

 

 思わずオッケーしちゃったけど……まぁ別にいいか。 落ち着け俺……今さら2人きりとか意識するんじゃない。 ここに来てから何回か女の子と2人になることはあったじゃないか……深呼吸深呼吸……。

 

 

「じゃ、じゃあ……いざ…参りましょうか」

「すごい変な喋り方になってるけど大丈夫?」

 

 

〜〜〜〜

 

 

 

「それで何が欲しいの?しらしーは」

「うーん……絶対に今日買おうと思ってるのは炊飯器で、後はなんか適当に……いい感じの棚とかさ」

「しらしーの部屋ってどんな感じなの?」

「ベッドがあって……キッチンに冷蔵庫が置いてあって……クローゼットと洗濯機とトイレがあって……テレビとパソコンもあるな……そんくらいかな」

「うわー、本当に最低限の物しか置いてないんだね……何か娯楽用品とかないの?」

「ゲームと漫画はあるけど……とにかく家具が全然ないんだよね。クッションとか欲しい」

 

 

 本田さんと他愛のない話をしながら電車に乗り目的地へと向かう。

 

 今日向かう場所は一つの大きな敷地内に家電量販店と家具屋さんとホームセンターなどが集結されている商業施設なのでとてもありがたい。

 

 駅から降りて歩くこと数分、目的の場所が見えてくる。

 

 

「うわ〜! おっきい〜!!」

「こういう商業施設見るとテンション上がるよね〜」

「あ〜! それわかるよ! 色々買い物するぞ〜!って気持ちになるよね!」

「本田さんは今日何か買うの?」

「気分ってことだよ〜! さぁさぁ!早く中に入ろうよ!」

 

 

 本田さん興奮してるなぁ……女子は買い物好きだって聞いたことあるけど本当みたいだ。

 

 

「さてさて〜 何を見よっかな〜」

「いや炊飯器を見に行きたいんだけどなぁ」

「あっ!そっか〜 えへへ……って…あれ?」

「どうしたの? 何か見つけた……って本田さん?」

 

 

 本田さんの視線の先には俺たちに背を向けるように立っている2人組の女子。

 本田さんはそろりそろりとその2人組に近づいて……ってなにするつもりなんだ?

 

 

「えいっ!」

「にゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「オイ!」

 

 

 本田さんは後ろから女の子のほっぺをむぎゅっと掴んだ。

 するとその女の子は驚いたように大声をあげ隣の子も連鎖する様に声をあげる。

 

 

「だ、誰にゃぁぁ!」

「えっへへー♪ みくにゃんゲットだぜ〜」

「ミオ! びっくり…しました…」

「にゃ!? み、未央ちゃんなの!? ぐぬぬ……は、離すにゃあ!」グイッ

 

 

 どうやら3人は知り合いのようだ。 お互いのことを知っている感じだし。

 

 

「んもー! ビックリしたにゃあ!」

「えっへへ〜 ごめんごめん」

「こんにちは、ミオ」

「こんにちは! アーニャ、みくにゃん! 2人は何してたの?」

「何って……そりゃあ買い物にゃ」

「ミオも…買い物ですか…?」

「あ、私は別に何かを買いにきた訳じゃないんだ」

「じゃなんでこんなとこにいるにゃ」

「私は友達の付き添いで……えーっと、あ!

しらしー! そんなとこで見てないでこっち来て!」

「えっ……」

 

 

 来てって言われてもなぁ……俺その子たち知らないし……うっ、誰あれ?って目で見られてるよ……

 

 

 

「ど、どうも」アハハ

「アー、ミオのお友達ですか…?」

「そ、そんな感じです…」

「ミニャーザヴート アナスタシア…アーニャと呼んでください。よろしくお願いします♪」

「アーニャはハーフさんなんだよ!」

「パパがロシアで…ママがニホンですね♪」

「なるほど……」

 

 

 ハーフか……まぁ見た目的にそんな感じはしてたけどこれで納得がいったよ。

 

 

「えーっと……俺はしらいし……」

「こっちは私たちの事務所でアルバイトしてるしらしーだよ!」

「シラシー…? んー、アーニャと同じで…ハーフの人ですか…?」

「本田さん、初対面なんだしちゃんと本名を紹介しなきゃ」

「それもそうだね〜」

 

 

「えーっと……改めまして、俺は白石幸輝です。 本田さんの言った通りアナスタシアさんの所属している事務所でアルバイトとして働かせてもらっています」

「ダー♪ よろしく…お願いしますですね、コウキ」ニコッ

「よ、よろしくお願いします……アナスタシアさん」

「アーニャでいいですよ♪」

「あ、アーニャ……さん…」

「ダー♪」ニコニコ

 

 

 か、かわいい……

 

 一見クールな印象があったけど……すごく笑顔が可愛い。

 

 

「………」ジ-ッ..

「……? どうかしましたか…?」

「はっ! な、何でもないです…!」

「なら…安心ですね♪」

「は、ははは……」

 

 

「こらこら、しらしー……アーニャが綺麗で可愛いからって惚れちゃいかんですよ…」ボソボソ

「そ、そんなんじゃないし……」

「またまた〜 今ボーっとしてたくせに〜 このこの〜」グイグイ

「い、いてて……肘でつつかないでよ…」

 

 

 

「なんだかみくが置いてけぼりにゃあ」

「「あっ」」

「あっ!じゃないでしょ!もー!」

「ご、ごめんごめんみくにゃん……ほら、しらしー自己紹介して!」

「う、うん……白石幸輝です。さっき言った通り346でアルバイトしてます」

「あ、みくそれは知ってるよ」

「えっ? な、なんでですか?」

「なんでもなにも会社の中で見たことあるってだけにゃ。 よろしくね白石クン」

「よ、よろしくです…」

「じゃあ次はみくの番ね!」ゴソゴソ

 

 

 そう言うと目の前の彼女はバッグから何かを取り出し……あれは…何かの耳?

 それを頭につけようとしたところを本田さんに止められていた。

 

 

「み、みくにゃん…!そんなことしたら人が集まるって!」

「そ、それもそうにゃ……こほん」

 

 

「みくはネコチャンアイドルの前川みくにゃ! よろしくにゃ!」

「………え?」

 

 

 ネコチャンアイドル……? なんだそれは…

 

 

「あの……」

「ん? 何かにゃ?」

「さっきから気になってたんですけど……

にゃ……っていうのはどこかの方言なんですか…?」

「にゃっ!?」

「ぶふっ!」

「ホウゲン…?」

 

 

「ち、違うにゃぁぁぁぁぁ! みくはネコチャンだからなのにゃ!」

「あっはっははは!! し、しらしー!それはないでしょ〜!」

「ホウゲン…?」

 

 

 めっちゃ怒ってる前川さんとめっちゃ笑ってる本田さんに頭傾げてるアーニャさん。

 

 まずい、何やら前川さんを怒らせてしまった……

 

 

「し、しらしー、みくにゃんはね…? ふふっ……猫ちゃんが大好きなんだよ」

「猫……あっ、ていうことは猫キャラってことで語尾ににゃをつけてるのか…!」

「キャラじゃないにゃ! みくはネコチャンなの! わかった!?」

「わ、わかりました…!」

「方言で言ったらみくにゃんは大阪の人だから関西弁だよね」

「えっ!? 関西の方なんですか?」

「そうにゃ、何か文句あるかにゃ…?」ゴゴゴ

「な、ないです……」

「まったく……」

 

 

 関西弁バリバリの前川さんか……それは少し見てみたい気もする。

 

 

「それで? 未央チャンは白石クンの買い物に付き添ってきたんだっけ…?」

「そうだよ! みくにゃんたちも何か買いに来たの?」

「これです♪」

 

 

 そう言ってアーニャさんが取り出したのは……何だあれ? ちっちゃな扇風機…?

 

 

「あ! ハンディタイプのやつ! それ便利だよね〜 どこでも持ち歩けるし」

「みくのを見てあーにゃんも欲しくなったのにゃ。これから暑くなるし必須アイテムにゃ」

「は、ハンディ…? 」

「しらしー知らないの? あれはあんなにちっちゃいけどちゃんと扇風機なんだよ?」

「ダー♪」カチッ

 

 

 アーニャさんがそれを俺の顔に向けてスイッチを押すと心地良い風が……

 

 

「おぉ〜 涼しい……」

「気持ちいい…ですね…」フフッ

「はい……」

 

 

 あ〜 これ涼しくていいな……そして何よりアーニャさんという美少女が風を当ててくれてるのがより一層清涼感を高めている。もうずっとこうしていたい……

 

 

「アホなこと考えてないで戻ってくるにゃ」

「はっ!」

「しらしー優しそうな性格しといて結構変態さんだよね。あとムッツリ」

「えっ……」

「さぁさぁ!あーにゃん、一緒に寮に帰るにゃ」

「2人とも寮住まいなんですか?」

「そうにゃ」

「へー……そうだったのか……前川さんは大阪からで、アーニャさんも遠くから来たんですか…?」

「アーニャは、北海道です♪」

「へー……北海道ですか。いいですね」

 

 

 いいよなぁ、北海道。 美味しいもんがたくさんありそうで……実際に住んだら不便とか色々あるのかもしれないけどいつか行ってみたい。

 

 

「みくにゃんもアーニャも一緒に行こうよ〜」

「え〜……みくはもう帰る気マンマンだったにゃ……」

「アーニャはいいですよ♪」

「ほらほら!アーニャもこう言ってるよ!」

「しょうがないにゃあ……」

「やった!」

 

 

 いつの間にか俺抜きで前川さんとアーニャさんもついてくることが決まった。 まぁ全然構わないけど。

 

 

「それで?白石クンは何買いに来たの?」

「俺は炊飯器を……流石に家にないのはどうかと思って……」

「え……1人暮らしで…?」

「はい」

「炊飯器ないってパンばっかり食べてるの?」

「いや……米は今時レンチンするやつとかあるし……後はそもそも家で自炊とかあんまりしてなくって、カップラーメンとかスーパーの弁当とか……」

「乱れた食生活にゃ……」

「ダー。キョウコにバレたら……すごく、怒られますね…」

「……怒った響子ちゃんは思い出したくないにゃあ……」

 

 

 すごい言われようだなぁ……その人。 会ったことないけど……

 

 そんなことを話しながら俺たちは炊飯器売り場へと移動する。

 

 

「たくさんあるねー!」

「どういうのがいいとかあるのかにゃ?」

「安くて普通に米が炊けるのなら……」

「それならすぐ見つかりそうにゃ……」

 

 

「しらしー!これ良さそうだよ〜!」

「どれどれ……って!じゅ、10万!? む、無理無理無理!!」

「コウキ、これはどうですか…? パンも焼けます♪」

「アーニャさん……パンは焼かなくてもいいかなって……」

「ニェット……」

「もうこれでいいんじゃない? ほどほどに安くて良さそうにゃ」

「……そうだなぁ、これにするかぁ……」ジ-

 

 

 うん……値段も安いし……これにしよう。

 

 そして俺は念願…?の炊飯器を購入した。 せっかく買ったんだしもうちょっと自炊をしなきゃな……

 

 

「お待たせ。こんなん貰ったよ」

「なにこれ? 抽選券?」

「一定以上の値段買い物すると貰えるんだってさ。入り口でやってるらしいよ」

「ダー♪ いきましょう…!」

「どうせポケットティシュにゃ」

 

 

 入り口に向かうとガラポン抽選機とその後ろには豪華そうな家電が盛りだくさん。

 

 

「うわ〜♪ 早く引こうよしらしー!」

「うん、行こっか」

 

「………」キラキラ

 

「ん……?」

 

 

 アーニャさんがガラポンをキラキラした目で見つめてる……

 

 

「アーニャさん、引く?」

「えっ……でも、それは…コウキのですね…」

「いいよいいよ。 気にしないで?」

「……じゃあ……やります…!」フンス

 

 

 ウキウキアーニャさんは店員さんに券を渡してガラポンに手をかける。

 

 

「これで一等とか出ちゃったらどうするの?アーニャにあげるの…?」

「ん? 別にいいんじゃない?それでも。まぁ当たらないと思うけどね」ハハハ

「そうにゃそうにゃ。 絶対ポケットティシュにゃ」

「前川さん結構現実主義者だね」

 

 

 ガラガラガラガラガラ

 

 

 くだらない会話をしていた俺たち3人だったが、アーニャさんが回し始めると抽選の行く末を食い入るように見守る。

 

 

 コロンッ...

 

 

「3等! 3等賞でーす!」カラン!カラン!

 

 

 

「うっそぉぉ!?」

「ま、マジで…!?」

「あーにゃんすごいにゃあ!」

 

「ハラショー…! やりました♪」

 

 

 まさかの結果に俺たちは全員興奮が隠しきれない。 こういうのって当たるもんなんだね……

 

 

「それでそれで!3等って何なの!」

 

「はい、3等のフィッシュロースターでございます! こちら最新の商品で豪華な商品となっております♪」

 

 

「フィッシュロースター……って何?」

「要するにグリルみたいなもんじゃないかな? これで魚とか焼けるみたいだよ」

「えっ……」

 

 

「じゃあはい、アーニャさん」

「……ニェット、アーニャ………引いただけです。 あのチケットは…コウキのですね」

「むしろ引いたのが1番すごいよ! 俺が引いててもどうせポケットティシュだったよ」

「アーニャ、ここはしらしーのお言葉に甘えたらどう…?」

「……わかりました。スパシーバ!コウキ!寮に持って帰りますね…♪」ニコッ

「よしっ!……じゃあそろそろ帰りますか…!」

「うん!」

「ダー♪」

 

 

「い、いらないにゃあ!」

 

 

「え?」

「ミク…?」

「どうして、みくにゃん? ほら、こんな機能もついてるみたいだよ?」

「みくはお魚は食べないにゃ!」

「みくにゃんは食べなければいいんじゃない?」

「寮でお魚をグリルするなんてみくは反対にゃあ!」

 

 

 急に前川さんが騒ぎ出した。 どうしたんだろう…?

 

 

「本田さん、前川さんどうしたの?」

「あ〜……あのね? みくにゃんは魚嫌いなんだよね〜 しかもものすごく」

「猫キャラなのに…?」

「キャラじゃないにゃ! みくはネコチャン! でもお魚は嫌いなの! 肉食なのにゃ!さぁ、あーにゃん!それを白石クンに返すのにゃ!」

「ダメです♪ これはもうアーニャのです♪」

「そうだぞーみくにゃん。これを機に魚にチャレンジしてみてはどうかね?」

「む、無理にゃぁぁ!」

 

 

「今日はキョウコにこれでお魚焼いてもらいましょう♪」

「い、嫌にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 駄々をこねる前川さんを連れて俺たち4人は帰路に着いた。

 

 あの後前川さんが魚を食べさせられたのかどうか……俺は知らない。

 

 

 

 

 

「おぉ……自分で炊いたからか米が美味い…」

 

 

 その日の夜俺は早速買った炊飯器で炊いた米を堪能した。

 

 本当は炊飯器以外にもインテリアグッズとかも見たかったけど……まぁ今日はいい買い物ができたからいいか。

 

 それにしてもやっぱり炊き立ての米は最高だな。

 

 

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