346プロの雑用バイト君   作:焼肉定食

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5話 夢のキャンパスライフ

 

 今日は新入生向けのガイダンスがあるらしいとのことで大学に来ている。 そこで、なんだっけ?履修……登録? まぁとにかく時間割の決め方なんかを教えてくれるらしい。

 

 

「にしても広いよなぁ……この大学」

 

 

 キャンパスの広さもそうだけど、大きな建物がめちゃくちゃ多い。 高校とは規模が違う!それに至る所にベンチやテーブルがあって……そう考えると346の事務所みたいだ。

 

 でも高校と1番違うのは……

 

 

(ほ、本当に女子がいる……)

 

 

 そう、男子校出身の俺からすれば、学校に女子がいることが新鮮でならないのだ。

 

 いやまぁ、入学式の日に女子がいることはわかってたんだけどね? でもあの日は会場がこのキャンパスじゃなかったし、みんなスーツだったから……私服の女子がたくさんいるのはやっぱりすごい。

 

 

(こんだけ女子がいるなら俺にも彼女ができたりするんじゃないだろうか……)

 

 

 彼女と一緒に講義を受けて、彼女と一緒にお昼を食べて、彼女と一緒に勉強して、彼女と一緒に町へ繰り出したりして…… 男の夢だね。

 

 まぁ、今のところ大学に女子の知り合いは1人もいないんだけど…

 入学式の後にやった懇親会とかいうやつでも男の友達は何人かできたけど、女の子とは話せなかったし……

 

 

「とりあえずガイダンス受けに行くか」

 

 

 

 

 

 

 

 ガイダンスが始まって、今は学長が壇上でご機嫌にトークをしている。 正直言って退屈だ。しっかり聞かなくちゃいけないような大事な話でもないし…… それにしてもこの講堂めちゃくちゃ広い。流石大講堂とか言うだけのことはある。

 

 

(あ〜……なんか落ち着かない)

 

 

 落ち着かない理由は2つある。1つ目はこの新環境にまだ慣れていないということ。そして2つ目は……隣に座ってる子がめちゃくちゃ可愛い……

 

 綺麗な金髪?にぱっちりとした目! そしてお花の香りがする。 なんでこんなにいい匂いがするんだ? 本当に同じ人間?

 

 とにかく隣に座る女の子が可愛すぎて落ち着かないんじゃ〜

 講堂に入って順に詰めて座るように言われたんだけどまさか隣にこんな可愛い子が来るなんてね。

 

 

 ダメだダメだ。一応学長の話も聞いておかないと。

 

 

『え〜 高校までとは違い周りには知らない人ばかりでしょう。でも今後社会なんかに出た時はね、そんな人たちと一緒に仕事をしたり、仕事相手として接していかなくてはいけないわけでね……』

 

 

 正論だな…… 俺の場合は相手が女性じゃなきゃ多分いけると思うけど。

 

 

『だからちょっとした練習をしておきましょう! 今隣に座ってる人同士で簡単な自己紹介とかしてみよっか。 緊張するだろうけどこれも慣れだよ慣れ。』

 

 

 は?何言っちゃってんのあのおじ様は……

 

 え、え?隣の人? 隣の女の子は1番端に座ってるから、あの子にとっての隣の人は俺しかいないわけで…… ま、マジ?

 

 

「………」ソロ-

「………」ニコッ

 

 

 はうっ! ちょっと横見たらめっちゃ俺のこと見てた……そしてあの笑顔。ま、まずい……可愛いすぎる。

 

 

「え〜っと じゃあ自己紹介しよっか! 周りのみんなも始めてるみたいだし」

「え? あ、あぁ!そうですね! し、しましょうか……」

「私たちきっと同い年だし敬語なんていらないよ♪」

「わ、わかった。 じゃあ、どっちからしよっか?」

「じゃあ私からするね! 」

 

 

 すごいハキハキとした子だなぁ……俺も見習わないと。

 

 

「私は相葉夕美って言うんだ!出身は神奈川で趣味はガーデニングなんだ!よろしくね♪」ニコッ

 

 

 うっ……ま、まぶしぃ…… なんだその笑顔は、破壊力が高すぎる。

 

 

「名前は白石幸輝です。えーっと、千葉のめっちゃ田舎の方から来たんだ。よ、よろしくお願いします。」

「うん!よろしくね♪」

 

 

 ぎゅっ……

 

「おぉっ!」

「わっ……ど、どうしたの?」

 

 

 て、て、手、握られてる……? な、なんでいきなりのボディタッチを? あ、これ握手か。

 

 

「ご、ごめん。あんまり慣れてないからビックリしちゃって……」アハハ

「そうだったの!? ごめんね?私急に手なんか握っちゃって……」

「い、いやいや!相葉さんは悪くないよ! 俺がもう少ししっかりしてれば……」

「女の子が苦手なの?」

「ず、ずっと男子校だったから慣れてないだけだよ」

「でもそれじゃあ困っちゃうよね?これからは女の子もいる環境で過ごしていくんだし……」

 

 

 そうだよね、このままじゃ良くないことはわかってはいるんだけど……いざ女の子と対面するとどうしてもなぁ。

 

 

「じゃあちょっと練習してみよっか!」

「え?」

「こういうのは慣れだよ慣れ♪」

「確かに…そうかも」

「はいっ!じゃあまずは私の顔を真っ直ぐ見つめてみて?」

「や、やってみる」

 

 

「………」ジ-

「………」ジ-

 

 

 なんだこれ…やばいくらい心臓バクバクしてるんだけど慣れる気がしないぞ。

 ていうか相葉さんと見つめ合うとか、俺じゃなくても照れるんじゃないかなぁ。

 

 

「どう?」

「えっ? 可愛いと思う」

「えぇっ!? も、もうっ!そういうことじゃなくて! 緊張するかしないかだよっ!」

「あ、あぁ……ごめんごめん。 すっごく緊張してるし、心臓がバクバクしてる……」

「そっかぁ〜 そう簡単には慣れたりしないか〜」

 

 

 無茶言わんでください……むしろもっと緊張するって。

 

 

 

『じゃあそろそろ終了してください。それでは次からの話は大事な話なのでしっかりと聞いてくださいね』

 

 

「あ、じゃあお話聞かないとね」

「そうだね」

 

 

 その後は履修登録の話やら、なんやらを色々と聞いた。 う〜ん……大学のシステムは中々に複雑だ。

 

 

 

 

 

 ガイダンスが終了した後は、相葉さんと一言挨拶を交わして俺は講堂を後にした。

 講義は今度からだから今日はこれで終了だ。ただ今日はバイトもなく暇なので大学の中を探索してみることにしようかな。

 

 

「野球サークルどうですかー!一緒に汗を流しましょうー!」

「バドミントン楽しいですよー!」

「運動が苦手な子は漫画研究会に是非!」

「ポ◯モン研究会もあるよー!」

 

 

 すごいなぁ……どこもかしこも新入生を獲得しようとするサークルの人たちだらけだ。

 俺も何かのサークルに入った方がいい出会いが……

 

 

「ごめん!白石くんちょっと!」

「え、え!?相葉さん!? どうしたの?」

「はぁ……はぁ……ちょっとだけ手助けしてくれないかな!?」

「手助け?何のこと?」

 

 

 いきなり息を切らした相葉さんが俺の元へと駆け寄ってきた。 何事だろうと考えているとイケイケな感じの男2人が姿を現す。

 

 

「ちょっとちょっと〜夕美ちゃ〜ん。まだ話の途中じゃんか〜」

「そうそう!で、どう?俺らのサークル入ってよ〜 楽しいよ〜テニス!」

 

 

 ……話が読めてきたぞ。相葉さんはこのイケイケ男たちのサークルに勧誘されてるのか。 まぁ相葉さん可愛いし入ってほしいという気持ちはわかるけど。

 

 

「アイドルの夕美ちゃんが入ってくれれば俺たちのサークルももっと盛り上がるからさ〜」

 

 

 そうそう、まさにアイドル級の可愛さ。ん?アイドル……?

 

 

「私この人のサークルに入るんです! というわけでこれからお話を伺うとこなので……失礼しま〜す!」

「え?俺サークル入って……」

「い、いいから!ちょっと来て?お願い!」ボソボソ

 

 

「失礼しました〜」と笑顔を浮かべる相葉さんに引っ張られて、その場から離れる。

 イケイケ男たちも他のサークルに入ると聞いて流石に諦めたのだろう。後を追ってはこない。

 

 

「もう大丈夫かな? ごめんね?隠れ蓑に使うようなことしちゃって……」

「え?あぁいや、全然大丈夫だよ」

「ほんとごめんね―。すっごくしつこくて……」

「でもあんだけ自信満々に女子に話しかけられるのはすごいよね……もしかしたら俺もあんな風にガツガツ行った方が女の子と仲良くなれるのかな?」ウ-ン

「えっ……白石くんはそのまんまでいいと思うよ……? ていうかあんな風になる白石くんは想像できないな〜」アハハ

 

 

 まじですか。白石幸輝チャラ男計画ここに潰える。

 

 

「ていうか相葉さんアイドルって言われてたよね?」

「あ〜うん。私アイドルをやらせてもらってて……ていうか私急いでるんだった!」

「仕事的なやつ?」

「今日はレッスンなの! ごめんね、今度ちゃんと説明するから! また大学で見かけたら声かけるね! ばいば〜い!」

 

 

 言ってしまった。 ていうかアイドルって346でやってんのかな? だとしたら……もしかしたら大学より先に事務所で再会することになるかもしれないよな…… 相葉さんの驚く顔が楽しみだ。

 

 

「俺も行くか」

 

 

 

 

 大学を出た俺はせっかく暇な日なので東京をぶらぶらと探索していた。 探索と言ってもただ散歩してるだけだけど。

 

 それにしても東京は本当に人が多い。 道も複雑だしこんなとこで迷子になったらとんでもないことになるな。

 

 

「ちょっと休憩するか……」

 

 

 少しだけ歩き疲れたので公園のベンチに腰を掛ける。すると足元にボールが飛んでくる。

 

 

 

「すいませーん!投げてくださーい!」

「ん? あぁこれ?投げるよー!」

 

 

 声をかけてきた男の子に向かってボールを投げ返す。 あんなに小さいのに敬語が使えるなんていい子じゃないか。と、感心していると

 

 

 

「…………」チョイチョイ

「え……」

 

 

 青みがかった髪色で無表情の女の子が俺の裾を引っ張っていた。

 




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