神無月、という言葉がある。
文字通り神が存在しない月を表しており、現在の10月を旧暦で呼ぶ時の名だ。
10月といえば、秋の季節であるわけだが、多くの人は秋と聞いて何を思い浮かべるだろうか。たとえば、紅葉の秋。実りの秋。秋を形容づける言葉は神の力の一端を表している。神が無い月であるにもかかわらず、これは一体どういう事だろうか?
私が推測するに、月が地上の民に報復をしているのだろう。その理由は勿論ある。世界が月の旧暦から太陽の新暦へと変わり、人々が月ではなく太陽を選んだ事に怒っているのだ。にもかかわらず、我々は未だに月日を表すために「日」だけではなく「月」も使っている。
つまり、我々が月を裏切った事に対して、月は時間をずらしたのだろう。その結果、過去と現在は同じ呼び方でありながら、似て非なるものになってしまった。時間にして1ヶ月から2ヶ月ほどずらされていると考えるのだが、その証拠として旧暦の月の呼び方の由来を考えてみよう。
例えば、葉月。現在の8月だが、何故『葉』の月なのだろうか。葉っぱが生い茂っていたから? いいや、違う。立秋と残暑の時期であるが、紅葉には早く、緑の葉が生い茂るには遅すぎる。だが、時間をずらした場合は紅葉の時期である。葉っぱが染まり、舞い落ちる月だ。
例えば、神無月。現在の10月だが、時間をずらすと12月。生命が死に絶え、雪が全てを覆い隠す過酷な月である。この状況の原因が『神の力が無くなったため』と考えると、師走よりも神無月と呼ぶ方が正しいのではないだろうか。
さて、どうしてこのような話をしたのか。
――――――鮮やかに色づいて舞い落ちる葉。風に吹かれて揺れるススキ。
幻想郷にも秋が訪れたのだった。
◇ ◇ ◇ ◇
太陽が輝き、朝の光が地上へと降り注ぐ。魔法の森の入り口にある道具店『香霖堂』。その店の裏口では、勢いよく斧を振り回す者の姿があった。正体は1ヶ月ほど前に店で雇われた従業員。要するに私であった。
「よっと。これで薪割りは終わりですかね」
斧の先を確認すると、斧は見事に薪の姿を二つへと変えていた。薪割りの腕前はまだまだ未熟なのだが、ひとまずは上手くいったようだ。一息をつき、横の薪置き場を見る。そこには私が割り続けた薪が山のように重なっていた。
何気なく空を見上げる。太陽の動きを見ると、薪割りを開始してから一時間ぐらいか。薪は大雑把に切ったため一つ一つの形は大きいが、今回の森近さんから頼まれたのは風呂や竈に使う薪の備蓄である。使用する時に再び小さく切り分けるため、これで問題無いのだ。
「おーい、仕事は終わったか? こっちにきてくれ」
「はい、終わったので行きますよ」
タオルで汗を拭い、それから一休みしていた時だった。店内から聞こえてきた声は男性の声。店主の森近さんだ。後片づけが終わったのを確認して、私は駆け足で戻る。次はどのような仕事だろうか。
足早に戻りながら考えた事は自らの現状だった。記憶が無い私は未だに香霖堂で働いている。その合間に森近さんへ外の世界の知識を伝授したり、逆に森近さんから幻想郷で必要な技術や知識を仕事と一緒に学んでいるのであった。
「お疲れ様。もう薪割りは習得したか?」
「おかげさまでなんとか。次は何を教えてくれるんですか?」
「そうだな。竈を使ったご飯の炊き方は教えたし、後は縫い物かな。服が破れた時に直せないと困るから」
店へと入った私の眼に映ったのは、店の奥で巫女服を縫っている森近さんの姿であった。どうやら霊夢さんからまたツケで依頼を受けたらしい。お店で厄介になっている私が言う事ではないかもしれないが、ツケで依頼を受け続けて大丈夫なのだろうか。
霊夢さんとは幻想郷の管理・維持を行う博麗の巫女、博麗霊夢の事である。森近さんとは仲が良いのか、度々お店に冷やかしにやってくる人だ。私もすでに何度も面識があるが、初対面で御札と針を投げつけられたのが原因で少々苦手な印象を持っている。
巫女といえば神職の補佐を行うものだと私は記憶していたが、幻想郷では違うようで。博麗の巫女の仕事は、人里での祈祷や悪い妖怪を懲らしめる事が主のようだ。
ただ、彼女の妖怪退治は見敵必殺といえば聞こえがいいが、機嫌が悪いと見境なく妖怪もそれ以外も倒していくらしい。恐ろしい事である。
「縫い物ですか。細かい仕事は苦手なんですよね」
「なに、慣れればすぐにすいすいとできるようになる。何事も慣れだよ、慣れ」
「いやぁ、中々慣れるものじゃないですよ」
縫い物も、幻想郷も。そして、自分自身についても。すぐになんとかしてしまえるほど、私は器用ではなかったようだ。
で、店主の様子を見る限り、今日のお客様はその霊夢さんで決まりだろう。お茶の準備はしておくとして、煎餅はどうしようか? でも、あの人は一番良いのを店から直感で漁って食べるんだよなぁ。諦めて、最初から良いのを用意しておこう。
頭を悩ますのは、巫女さんにあるまじき行動。魔理沙さんだけかと思ったら、彼女も勝手に漁る派だったのだ。霊夢さんと魔理沙さんの仲の良さを考えると、類は友を呼ぶという事だろうか。謎である。
――カラン、カラン。
「霖之助さん、いるかしら?」
私の心を知ってか知らずか、霊夢さんがお店に訪れたのはすぐ後の事だった。
「奥にいますよ。森近さん、霊夢さんが来ましたよ」
「ちょっと待たせておいてくれ。もう少しで終わるから」
私が店の奥へと振り返ると、森近さんはさっと顔を覗かせて、再び服を縫う作業へと戻ってしまった。一方、霊夢さんは用意したお茶うけを黙々と食べている。いつも通りの姿である。
いや、私は違和感を感じた。よく見ると、霊夢さんの表情は普段の気怠い表情とは異なり、生き生きとしている。
「霊夢さん。今日って特別な事か何かありました?」
不思議に思った私の質問に、霊夢さんは笑顔を輝かせて楽しげに答えた。
「あら? 私にとっては毎日が特別よ。でも、そうね。確かにいつも以上に特別な日だわ。なんてったって今日は」
「収穫祭が人里で行われるんだ」
話に被せてやってきたのは森近さん。言葉を取られて不満そうな霊夢さんを尻目に、彼は手に持ってきた巫女服を机に置き、続きを話し始めた。
「外の世界はどうだか知らないが、幻想郷では年に一度、秋に収穫祭を行うのさ。神の力や自然の恵みに感謝して盛大にね」
「それで今日は巫女服を取りに来たのよ。神といえば神社。神社といえば巫女。つまり、祭りで信仰を増やすチャンスなわけ。で、霖之助さん。もう服は出来たの?」
さっきからうずうずしていた霊夢さんは、森近さんの話を聞きながら、巫女服を広げて眺めている。
「あぁ、もう出来ているよ。全く、もう少し大事に着てくれると助かるんだが」
「文句は妖怪達に言ってよね。私の姿を見た途端、悲鳴を上げながら弾幕を打ってくるんだから」
「日頃の行いに問題があるのだと僕は思うよ」
「まさか。私のような素敵な巫女にそんな事あるわけないじゃない」
「はいはい。ところで、その素敵な巫女さんに頼み事があるんだが」
「アレね。霖之助さんが珍しく頼んできたからちゃんと覚えているわ」
突然、二人の視線がこちらを向く。どうしたのだろうか。森近さんと霊夢さんは私の姿を見て、話を続けた。
「名無しさんは今まで人里に行った事はなかったんでしょ?」
「道中が危ないから、人里への所属申請は森近さんにお願いしましたね」
外来人が外を歩くのが如何に危険なのかは、これまでの彼の教えで他の常識と共に習得している。そのため、まだ私は人里を見た事が無い。
「だから、霊夢がやってきたのが好都合と思ってね。祭りの日は皆が寛容になるから自己紹介にはいいのだが、道中で名無しを僕が守れる自信が無い。そこで霊夢に白羽の矢を立てたのさ」
「矢が立って犠牲になるのは道中の奴らだけどね。服のお返しは道中の適当な奴にぶつけるから、さくっと人里へ行けるわよ。という訳で、貴方の安全は私に任せなさい」
「ありがとうございます」
霊夢さんの言葉に頷く私。少々物騒だが嬉しい申し出である。彼女は返答に満足したのか、いそいそと準備を始めた。
「名無し。これを持っていくといい。」
森近さんは私に何かを放ってきた。掴んだ手のひらには、巾着袋?
「中身は、お金。これ、どうしたんですか?」
「君の道具を買った時のお金と、僅かだが賃金だ。祭りを楽しんでくるといい」
そう言って、彼は眼鏡を弄りながら笑った。
手元には水筒、編み笠、食料に財布。準備が整った事を確認し、私は店の戸を開けて歩き出す。
外では霊夢さんが巫女服の飾りを指でいじりながら私の出立を待っていた。
「それでは行ってきます。霊夢さん、道中お願いします」
「わかったわ」と張り切った霊夢さんの声。期待に胸を躍らせつつ、私は一歩を踏み出した。
◇ ◇ ◇ ◇
目の前には、たくさんの人が行きかう姿。
道中では特に何事も無く、私達は人間の里に到着した。
霊夢さんの気配に気づいたのか、道中は僅かな襲撃があるだけだった。撃退する時に霊夢さんが発射した光球は綺麗で、当分忘れそうに無い。あれが妖怪を退治する力、弾幕なのだろう。弾幕を受けた幻獣は派手に吹っ飛び、人を襲う気は無くなっていたようだった。弾幕は普通の人間が使えるものではなく、私が真似するのは不可能だろう。
おっと、話が逸れた。人間の里に入る前には、入り口で簡易的な取り調べを受ける必要があった。里以外に住む外来人が珍しいらしく、日々の生活を詳しく聞かれたが、里の人間にはこれも娯楽になるらしい。時々香霖堂に配られる天狗の怪しい新聞が、人里では好評を博しているほどなのだからよほど娯楽が少ないと見える。質問攻めに遭った私が解放されたのは、半刻の時が過ぎ去った後だった。
一緒に来た霊夢さんはというと、私と違ってすんなりと里へ入り、既に仕事に出かけたようだ。伝言によると、祭りの終了後にここで待っていれば、帰りも送ってくれるらしい。心配事も無くなった事だし、それでは先に進むとしよう。ついに私は里へと足を踏み入れたのだった。
周囲を見回すと、多くの人は収穫祭の準備をしているようだ。よく見ると妖怪と思わしき人々も嬉しそうに屋台の準備をしている。祭りに人妖の境界線は無く、皆が祭りを楽しみにしているのだろう。
軽く見まわして満足した私は、邪魔にならないように近くの団子屋で一休みをする事にした。
店内では多くの人間が寛いでいる。団子を食べる人。お茶を飲む人。新聞を読む人。私もその中の一人になった。暖簾をくぐった先で舌鼓を打つ私。そこに来客が訪れたのは、頼んだ草団子を食べ終え、お茶を飲もうとしていた時だった。
私の前にやってきたのは青と白が入り混じった服装をした女性。不思議な帽子を被り、手に串団子を持っている彼女を私は見つめるが、立ち姿にはとんと見覚えが無い。誰だろうか。彼女は私を見つめて、話しかけてきた。
「こんにちは。失礼ながら、こちらの席に座ってもよろしいでしょうか?」
「はい、もちろん構いませんよ」
彼女は私の返答を聞き、正面の椅子にゆっくりと座った。彼女の物腰は柔らかだが、その瞳は人に非ざる輝きを発している。背筋が寒くなるような氷の輝き。たぶん彼女は妖怪だろう。
その彼女は、私を見つめて僅かに微笑んでいる。彼女の機嫌を損なわせないために何か話した方がいいのだろうか。
「えっと、初めまして、ですよね?」
「ええ、貴方から見ればそれで合っています。初めまして、私は上白沢慧音。寺子屋で子供への指導をしている者です。貴方は魔法の森に住む外来人ですね? 貴方の事は博麗の巫女から聞いています」
「という事は、霊夢さんのお知り合いですか」
「知り合いといえば、確かにそうでしょう。あまり良い出会いとは言えませんが。ですが、その話は置いといて。私は貴方に用があって来たのです」
「私に? 何か人里の掟を破ってしまいましたか?」
「いえ、単刀直入に申します。外の世界に関する授業資料を作る上で貴方にも協力していただきたいのです。貴重な知識は多いに越した事はありませんから」
彼女は真面目な顔をして、例え話や身振り手振りでその重要性を表そうとしていた。他の客がこちらを見ているが、その目線に気付かないほどの真剣な目つきだ。
「なるほど。それで私にですか」
「はい。最近は特に異変が多く、外の知識は里の人間には関係が無い……とは言い切れませんから。人里はこれからも外の妖怪や道具が入ってくるたびに影響を受けるでしょう。その時に僅かでも里の役に立てたらと思い、里の外来人や貴方に声をかけているのです」
「それならば、もちろん喜んで協力しますよ」
「それは良かった。この後は何か用事でも? 無ければ、私が里を案内しますよ」
「お願いします」と、私は頼んだ。
知らないままに彷徨うのもいいが、多くの人と顔を合わせるのはこちらの方が良いだろう。
その後も彼女と話を続け、喉が乾いた事に気付いたのは長い話が終わってからの事だった。いい加減にお茶を飲もう。と思ったが、どうやら彼女は里の案内をするつもりで店を出るらしい。
私はもう少し休みたかったが、急いで手元のお茶を飲み干して彼女の後を追う事に決めた。口の中に冷え切ったお茶の味を残しながら。
◇ ◇ ◇ ◇
端的に言おう。足が棒になりそうだ。
里の大部分を慧音さんに案内され、訪れた場所は数えきれず。貸本屋、花屋、お菓子屋、様々な場所を訪れては挨拶をし、自己紹介をしていく。そして、目の前には木造のそれなりの大きさの家屋。最後に訪れたのは慧音さんが働いている此処、寺子屋だった。
空を見ると、既に暁色に染まっていた。暮れるまでの時間は短くなったとはいえ、随分と私は歩き通したようだ。横を歩く慧音さんを見ると、疲労困憊で倒れそうな私に比べ、彼女はまだまだ余裕そうだ。これが普通なのだろうか。
慧音さんと共に寺子屋の中に入る。当たり前の話だが、此処には人の気配は全くなかった。今日は祭りの日。この場所に通っている子供達は皆、屋台巡りをして楽しんでいるのだから。
教室の片隅に目をやると、外来人が伝えたサッカー用の玩具が置いてあった。子供達の物らしい。紫色の立方体に取っ手があってまるで鈍器のようだ。しかし、これほど頑丈なサッカーボールがあっただろうか。娯楽では外の世界よりも進んでいる所もあるのかもしれない。
その後も黙々と慧音さんに続いて廊下を歩きながら、私は寺子屋の説明を聞き入った。慧音さんは誇らしげに手を広げ、如何に寺子屋が素晴らしいかを熱弁していた。
普段から慧音さんはしっかりと授業をしているのだろう。阿求さんという人が作った資料を見せては説明をする事を繰り返し、まるで私だけに授業をしているようだった。それから、幾何かの時間が流れ。
外から、大きく太鼓の音が鳴り響く、周囲では収穫祭が佳境を迎えていた。夜が訪れたからだ。
人の時間である昼が過ぎ去り、夜行性が多い妖怪達の祭りへとバトンが渡される。人間の屋台が消え、代わりに妖怪の屋台が増えるのだ。カラーうさぎに人魂ぼんぼん、河童の射的屋。物珍しい屋台に人妖が惹きつけられる。さて、私も祭りを見るとしよう。
慧音先生に後日、改めて詳しい話をする事を約束し、私は祭りへと繰り出していったのだった。
◇ ◇ ◇ ◇
人と妖怪が焚火を燃やし、酒を飲み、肩を組んで、大声で叫ぶ。今の外の世界ではまず見ることができない光景だ。あれから里の方々に混じった私は、収穫祭に参加した多くの神々を眺め、神の奇蹟を間近で見たり、焼き芋を売る神から食べ物を買ったりして祭りを存分に楽しんだのだった。
しかし、一つだけ残念な事があった。
それは、どうやら私がお酒に弱い事だ。里の方々と騒いだはずだが、気が付くと見慣れた香霖堂の入り口。完全に記憶が飛んでいた。祭りの最後間近までは覚えているから、そこからどうやってここまで来たのやら。
「えーと、森近さん?」
目の前には眼鏡をかけた森近さんが呆れた顔をして、地面に座り込んだこちらを眺めていた。彼の手には井戸から掬ってきた水桶が握られている。
「やれやれ、ようやく気が付いたか。そら、お水を汲んできたから飲むがいい」
「ありがとうございます。あれ? ここは香霖堂ですよね?」
お礼を言って水を飲む。冷たい水は火照った頭を冷やすのに丁度良い。
「そうだ。全く記憶に無いのか? 霊夢の奴に霊力で運ばれ、いや、放り投げられてきたが」
「残念ながら、全く覚えていませんね」
記憶が飛んで思い出せないが、祭りで倒れた私を霊夢さんが運んで立ち去ったらしい。
「はぁ、危なっかしいことだ。妖怪にでも食われたら、どうしようかと思ったよ」
妖怪の中には人と馴れ合う事を良しとしないものがいる。もしも彼らに遭遇してしまったらどうなった事やら。あと、凄く眠いです。
「ですね。あ、あとお水をもう少し下さい」
「やれやれ、頭がふらふらしてるぞ。水を取ってくるから、外で寝るんじゃない」
そう言って、森近さんはカランカランと鳴る扉の向こうへと入っていった。
魔法の森は漆黒に染まり、冷たい地面が心地良い。彼の後ろ姿を見送った後で、私は地面に寝ころんだ。再来月は師走。師ですら走り回らないといけないほどの忙しさが訪れる月だ。
思い出すのは人里の師である慧音さん。彼女の寺子屋はきっと忙しいだろう。けれど、私が働く香霖堂の師は?
視界一杯に広がる空には満天の星空。月ははっきりと黄金色に輝いている。
月は今も昔も変わらずに輝き続けていた。一説によると、月には遥か昔から神が住んでおり、地球を眺め続けているらしい。本当に神がいるのであれば、地上の人々の行動や未来も知っているのだろうか。
しかし、神にだって限界はあるはずだ。過去も未来も把握する神でさえ、神が存在しない時間はどうにもできないのだ。
だから、私は月に尋ねた。2ヶ月先の香霖堂の事を。神にしか理解できない未来の事を。本来ならば、その未来が『神無月』の時である事を知りながら。
『神無月』は神が存在しない月だ。神が存在しないのは時間の月か。場所の月か。
空に浮かぶ月からの返事は、予想通り無かった。