真剣で?私に?恋しなさい?→それはちょっとわからないです。 作:みょーん
「へぇ~小学生のときからつるんでるなんてやるなお前ら」
日付は変わり朝、寮を出てから学校へと向かう途中に風間ファミリーについての話を聞いていた。
今日も河川敷の辺りでは登校生で賑わいを見せている。
それにしても今日もいい天気だなぁ…
あー思ったけど俺にも小学校のときからこんなに長く続いている友人って居たっけ?
あぁ…草薙くらいか。
「それにしても何だ…あーお姉さまだっけか?その人はいつ拝めるんだ?」
「あー姉さんなら多分そのうち降って来るよ」
「はぁ?降って来るってお前そりゃあ…」
そんな馬鹿みたいなこと言うなんて思わなかったぞ。
そういう前に本当に降って来やがった。
落下地点と思われる場所で腰を落として身構えて受け止めるために力を入れる。
「空から美少女参上!」
「おっわあぶねぇ!」
想像以上に軽い…というか殆ど重さなど感じなかった。
受け止めたときよりも今、抱えている状態のほうが重みを感じるほどだ。
というかついつい反射的に抱きかかえてしまったがこの体勢にはいささか問題があるのではないだろうか?
…それにしても何処から飛んできたんだよこいつ。
「ふーんお前が妹の言っていた転校生か」
ひらりと身を翻して地面へ降りる自称美少女。
そしてそいつがこちらを見て目が合った瞬間確信した。
こいつこそがかの武神であり俺が初めての敗北を記した女…
そうか、お前が俺の…
「んーどうした?」
「いや…なんでもねぇ…それよりアンタ名前は?」
「私か?私は川神百代だ。気軽にモモ先輩と呼んでもいいぞ」
「あぁ、俺は…真吾とでも呼んでくれ」
「そうか、では真吾はなにか武道をしていたりするか?」
「一応な」
そこで俺を選別でもするかのような目で見た後、興味を失ったのかくるりと背を向けて先に歩いていってしまった。
「…そうか、さーて今日も挑戦者を「なぁ…」
俺はモモ先輩の言葉を遮って言葉を続ける。
「この学園では決闘の制度が有ったよな?」
「あぁ確かに有るぞ」
「じゃあ…決闘をしようじゃないか」
あぁ…何言ってんだ俺は…確かにいつかもう一度戦いたいとは思っていた。
だけど俺自身、この言葉が出てきてしまったことには少々驚いている。
こんなに戦闘欲は高くなかったと自分でも思ってはいたのだけれどな。
全員が驚いたような困ったような顔をしてこちらを見ている。
「お、おい真吾、姉さんは武神と呼ばれるのだから強さは伊達じゃないぞ!?」
「そのくらい知ってるぜ?」
大和、呆れたような顔をしてこっちを見るんじゃない。
「お姉さまと真吾じゃその…力の差がありすぎて勝負にならないんじゃ…」
「真吾には失礼だが私もその意見には同意する」
一子ちゃんやクリスさんまでもが微妙な顔をして自分たちの意見を言う。
「ふーん、俺じゃ武神とは戦えない…と?」
うーんここまで言われちゃうとさすがの俺も傷付くってやつだよ。
大体そこまで弱いと思われてるのか普段の俺って?
「…悪いが私もお前とは戦えないな。興味本位での挑戦ならお断り…」
「…ふざけるな」
一瞬、世界が凍りついたかの様な…いや、凍り付いていたのかもしれない。
それほどまでに研ぎ澄まされた闘気による威圧感。
…そして強烈な殺気。
一点に向けられてはいるものの、そこから周りに溢れ出しているものだけでも凄まじいプレッシャーだ。
現に京は大和を庇いながら身構え、クリス、一子、由紀江も咄嗟に距離を取り身構えた。
その額には汗が流れ落ち、気を抜いただけで意識が遠ざかりそうになる。
すでにガクトやモロは気を失って倒れていた。
そんな殺気を真正面から受けた武神もまた身構えていた。
「(これが先と同じやつから発せられるものなのか?これではまるで…別人のようだ)」
「これは…こんなものがあの真吾から…」
「先ほどまでとは全く別人だね」
「そうですね(まさか真吾さんの八神って…)」
そして世界は動き出す。
京から発せられていた強大なプレッシャーが一瞬で無くなり元の一般人としか思えない八神真吾へと戻った。
「…すまない、悪かったなみんな」
自分が一瞬キレてしまったのは分かったがまさかそんなところまで行くとは思っても見なかった。
あの程度の言葉で…まだまだこんなものか俺の力も。
こんなことだからきっと八神は…いや、今は関係がないことだったな。
「さっきの話は忘れてくれ。俺の実力じゃアンタには全く歯がたたなさそうだからな」
「歯が立たない?あれほどまでの闘気をその身に秘め、殺気だけで私を身構えさせたのにか?前言撤回だ真吾。お前は確実に私を楽しませてくれるだろうからな。
じじいには私から言っておいてやる」
「…あぁ」
それだけ言い残して先に学校へと向かったモモ先輩。
とりあえず戦えるだけいいのかな?
それよりもこっち何とかしないとなぁ…
「えっと…とりあえずもう身構えるのやめてもらえないかな?」
「あぁ、いや、すまないな。あまりにも強大なプレッシャーだったからつい」
「その…すまん。詳しくはまだ言えないが…そうだな決闘の後にでも話すよ」
これは少しだけ距離が開いてしまったかもしれないな。
特に椎名さんが一番だろうなこれは…
うまく笑えたか分からないが苦笑程度の笑顔を向けた後、学校へと向かってぞろぞろとまた歩き出す。
ガクトとモロだが、モロは仕方なくおぶっていったのだがガクトは重いし暑苦しそうだったのでそのままにしておいた。
「…そっとしておこう」
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真吾さん、一瞬ぎこちない笑顔を向けた後、振り返る瞬間に悲しそうな顔をしているのを私は見逃しませんでした。
きっと私たちが離れていってしまうのではと心配しているのではないのでしょうか?
少なくとも私はそうではありません。
まだお友達にすらなれたか分からないままなのに…
そして、少しだけ気になることもありますので。
感想とか批評とかあれば幸いです。
まだまだ初心者なので至らない点ばかりですがなるべく改善はしていきたいと思うのでよろしくお願いします。