インセクター羽蛾「え?オレが聖杯戦争に召喚されたんだって?」 作:妖怪もやし
side羽蛾
「まったく、シケた王様たちだよなぁ~。 あの後はあっけなく解散しちゃうし、城で何かコソコソとやってたみたいだし」
「貴方は行かなかったんですか?」
「カワイイ虫たちに探らせたけど、酒の臭いがしたらしくてさぁ。 遠慮したんだよね。 ほら、俺ってこう見えても決まりとかは守るタイプだし。 オレって未成年じゃん」
「…そうですか」
なんか傷つくなぁ、この子の反応。
ま、別に構わないけどね。
さーて、あの立派なお城で色々あった後、状況が動いたようだねぇ~。
ま、俺は静観させて貰おうかな…。
「おやおやぁ~? ライダーが逃げていくよ」
「羽蛾さん、どこに行くんですか?」
「ちょっと野暮用でね。 なぁに、すぐ済むさ」
オレは可愛い昆虫たちを引き連れ、その場を去った。
残された少女の思惑に気付くことも無く…。
「どけキャスター、今は貴様ごときに構っている暇はない!」
「ひょひょ~? 貴様ごとき? 驚いたねぇ。 相手を正確に評価できないなんてさぁ。 とても王サマの言葉と判断とは思えないなぁ~」
「っ…!」
「俺はさぁ、既に二騎のサーヴァントを葬っているんだよ? 騎士王サマ」
今、俺はお友達の救出に向かってるセイバーの前に立ち塞がっているよ。
何故って?
何となく気に入らないからさ。
ヒャーッヒャッヒャッヒャ!
「こりゃマスターをさらわれたのがよっぽど堪えてるみたいだねぇ。 まあ無理もないかぁ。 自分の不手際のせいで、何てさ。 どっかの出来事を思い出したりしてるのかな? セイバーちゃん?」
「黙れ!」
「おっとぉ!」
セイバーの剣により、俺の可愛い「カマキラー」が破壊される。
「ごめんねぇ、余計なコト言っちゃったかな? 聞き流してよ」
「安い挑発で相手をかき乱すか。 そう簡単に術中にいれられると思うなよ、キャスター!」
「まるで正義のヒーローだねぇ。 でもさぁ、俺たちはこうして召喚されて争ってる時点で同じ穴のムジナ。 本質のトコは変わらないくせに、正義のヒーロー面するんじゃねえ。 …なーんて、コレも言うつもり無かったんだよなぁ~」
煽り続けているうちに違和感を覚える。
俺が今している言動も行動も、どこかで行ったモノである気がする。
そんなコトとは関係なく、口も手も動いていく。
「セイバー、今日でお前には退場して貰うよ。 なぁに、安心しろって。 お前のマスターちゃんも、ライダーだかアーチャーだかも、俺がみんな殲滅して同じトコに送ってやるからさぁ。 ヒャッヒャッヒャ!」
「カマキラー」がやられている間に二体の生贄を用意して召喚した「インセクト女王」。
俺が信じるモンスターは、かつてランサーにそうしたように、セイバーの首を掻っ切った。
はずだった。
「ひょひょー!? な、何で攻撃が通じてないんだよ!」
「なにを勘違いしている?」
「ひょ?」
「お前がそんなに強いわけが無いだろう!」
その後、俺はセイバーに惨殺された。
俺のマスターだった少女は、俺が消したバーサーカーを再召喚して契約し、優勝。
聖杯を起動させ、なぜか冬木は滅んだらしい。
ま、俺はもう退場したから、関係は無いけどねぇ~。
ヒャーッヒャッヒャ。
おわり