IS ~悪魔の名を持つ機体~   作:湯呑み茶碗

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 鈴は登場したものの、メインキャラとして活躍するのはもう少し後です


特訓

 放課後、第三アリーナ

 

「あら、案外早く申請が通りましたのね。訓練機」

「良かったね」

 専用機を纏った二人が、訓練用量産機『打鉄(うちがね)』を纏った箒に声をかける。

 

「ああ、二人とも特訓への参加を許してくれた事感謝する」

「「お気になさらず」」

「それで、特訓って何をするんだ?」

 この特訓の主役である一夏が口を開く。現時点では全員が集まってISの装着をしたのみの状態である。

 

「とりあえず、一夏は篠ノ之さんとの実戦がメインだね。俺やセシリアとやるのは特訓とか以前の話になっちゃうから。それでいい? 篠ノ之さん?」

「ああ構わん。それと名前呼びで構わない、苗字で呼ばれるのはあまり好きではない」

「了解。じゃあまずは箒さんと一夏の模擬戦で、俺とセシリアはそれを見てのコーチングかな。セシリアはわざわざIS展開してもらって悪いけど、それでいいか?」

「構いませんわ。私と暁さんの特訓は二人の休憩時間にでもしましょう」

 珍しく穏和な会話だが、何も無ければこの二人は普通に話せる。休み時間も基本的には一緒に行動しているため、クラスではもうデキてると噂になっているが、当人達はそんな事は知る由もない。

 

「おっけー。じゃあ二人とも軽く距離取って構えて」

 

 暁がそう言うと、二人は十メートル程距離を取った後に、一夏は雪片弐型を、箒は近接型のブレードを構える。

 

「はじめ!」

 

 暁の言葉と同時に二人が距離を詰める。

 

 ――――――――――――――――――――――

 

「どんな感じ? セシリアから見て」

「どちらがですの?」

 模擬戦をしている二人を眺めながら、暁が尋ねる。

「一夏の方だよ」

「そうですわね。基本的に近接武装の扱いそのものには慣れてるように見えますわ」

「あー、剣道やってたって言ってたからそれがあるかもな」

「なるほど、とはいえISを使った戦闘自体にはまだ不慣れ、というより自身の武器の特性を理解しきれていないように見えますわ。そこに関しては何故か箒さんの方が上手なようですわ。センスが良いのかもしれませんわ」

「なまじ専用機が使える分雑になってるのかもな。アレだとセシリアとの模擬戦でもキツかったように見えるな」

「当たり前ですわ!」

「突っかかってくるなって褒めてるんだから」

「素直に褒められるのもなんだか不思議な気分になりますわね……誰ですの貴方は?」

 普段から嫌味と皮肉しか言われていないため普通に褒められなれていないセシリアからすれば、普通に自分を褒める暁は非常に気持ちの悪いもののようだ。

「お前は俺をなんだと思ってるんだ……。というか逆もまた然りだろ」

 そんな事はない。お互い同程度に皮肉も嫌味も言うが、セシリアの方が比較的温和であり、火種を作るのは基本的に暁の方である。

 

「まあいいですわ、とにかく現状の一夏さんの改善点は、機体特性の理解でしょうか」

「まずはそこだな。アレじゃあ専用機を使ってる意味が無い感じもするし」

 二人の間で一夏への指導点が見つかったあたりで模擬戦が終了する。一夏の負けで決着が着いた。

 

 ――――――――――――――――――

 

「とりあえず……アレだな。お互い素人の段階で専用機使って量産機に負けるのは……ねぇ?」

「ねぇ?」

 二人揃って一夏を見る。

「……そんな目で見ないでくれ」

「とりあえず今言えることは、最後に使った一夏のアレ。アレで一気にシールドエネルギーが消費されてた。多分そういう武装なんだろうけど、把握しててやったん?」

「ああ、なんか、雪片弐型についてる機能らしいけど、そんなにちゃんと把握は……」

「してないのですね?」

「……はい」

 二人から詰められ、叱られた子供のように肩を落とす一夏。

 

「自分の機体について理解が低いままじゃ宝の持ち腐れだ。今回はお互い初心者で相手が量産機だったから互角に戦えてただけで、セシリアみたいな機体特性を理解した専用機持ち相手じゃロクに戦えない」

「確かに……そこまでハッキリ言われると正直ヘコむ……」

「とはいえ、光るものはありますから、そこまでヘコむ必要はありませんわ。刀を扱った戦闘自体はよく出来ていましたから、あとはISとの噛み合わせをよくしてあげれば、すぐに戦えるようになりますわよ」

 セシリアがフォローに回る。実力が素直に認められていることが嬉しいのか、どこか誇らしげだ。

 

「わ、私はどうだ二人とも!」

 一夏の評価をする二人に箒が口を挟む。

「箒さんに関しては、俺は量産機での動きとかはよく分からないからハッキリとは言えないけど、少なくとも一夏の相手として『いてくれるとありがたい』って思うくらいにはよく動けてたと思うよ」

「そうですわね。少なくとも剣術に問題は見られませんでしたし、ISの動かし方自体にも問題があるようには見えませんでしたが、やはり慣れていない事もあってか低空で動いている事が多いように見えましたわ」

「そ、そうか。それなら良かった」

 二人の率直な評価を受け、嬉しそうに顔が綻ぶ箒。特訓相手として不足が無いか不安だったのだろう。

 

「とりあえず実戦形式の特訓もそうだけど、一夏のアレのシールドエネルギーの使用量についても把握したいから、何回か試し斬りが必要だな。トレーニング用のダミーがあったから取ってくるか。とりあえずその間にもう一回模擬戦しといて。セシリアその間任せていい?」

「構いませんわ」

 そう言ってトレーニング用ダミーの使用許可を取りに行く暁。そんなこんなで、その日の特訓は日が暮れるまで続き、疲れ果てた箒と一夏をセシリアと暁が担いで部屋まで送り続けることになった。

 

 




 こういう場面の戦闘描写までしっかり書けるだけの文才は無いと気づいた
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