次の授業が始まり、教壇の前には先程とは違い織斑先生が立っている。
「それでは、この時間は実践で使用する各種装備の特性について説明する」
なるほど、結構大事な話なんだろう。
「ああ、その前に再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めないといけないな」
「クラス対抗戦……?」
「はい。文字通りクラス同士での対抗戦ですね。そのための代表です。それ以外の役割もありますが、ほとんどクラス委員長の様なものですね」
小さく呟いた一言を拾い、山田先生が耳打ちしてくれる。
「なるほど。ありがとうございます」
「いえいえ、私は先生ですから」
良い人だ。
「自薦他薦は問わん。だが選ばれた以上は責務を果たせ。以上だ。候補者はいるか?」
山田先生に説明を貰ってるうちに織斑先生の説明も終わってたらしい。
自薦他薦は問わないってなると、なんか分かりやすく票が集まりそうな気もするけど……
「はい! 私は織斑くんを推薦します!」
「私も賛成です!」
やっぱりそっちに集まるか。目立ってたもんね。
「はーい。私はあっきーを推薦しまーす」
「本音さん!?」
「私も賛成です。現時点で専用機持ちですし、真面目そうでちゃんとこなしてくれそうなので!」
そんな事ないよ……。
「他にはいないか」
「ほ?」
これは反対意見は聞いていただけない感じです? それに俺ら二人が候補だと……
「なら、この二名のうちどちらかに「納得いきませんわ!」」
ほら出た。
「クラス代表が男だなんて良い恥さらしですわ! このセシリア・オルコットにそのような屈辱を1年間も味わえと言うの!?」
じゃあ自分から立候補すれば良かったじゃん……自薦もありなんだから……
「大体、文化も後進的な極東の島国で過ごすこと自体がわたくしには耐えがたい苦痛であって…」
「イギリスだって大した「じゃあアンタがやれば?」」
あ、ごめん一夏遮っちゃった。
「殊勝な心がけですわね。そちらの方はよく立場をお分かりのようで。特別に休み時間の無礼を許して差し上げてもよろしくてよ」
「そっか。ありがとう。でもクラス代表だからって奴隷貿易とアヘンの密入が許されるわけじゃないよ? いいの?」
「んなっ!? あなた昼からずっと! 私や私の祖国をなんだと思っていますの!?」
「どうって言われても……飯が不味くて性格の悪いヤツ、あー、君みたいなのが多い国」
「侮辱するのも大概にしてくださいます!? 美味しいものはいっぱいありますし、良い人だってたくさんいますわ! それに私の性格は悪くありませんわ!」
「飯とか他の人に関しちゃ知らないけど、君の性格は十分悪いよ。大勢の日本人の前で日本のヘイトスピーチしてんだから。そんな奴の性格が良いわけないだろ」
少し口調が荒くなってしまった。何故だろう。この子の話し方と性格は非常に癇に障る。あと声。
「っーー!! 決闘ですわ!」
「えぇ……いや、まあ、いいか。やりますよ……。一夏は?」
「俺もやるよ。話には参加し損ねたけど、俺もムカついてる」
「結構! なんなら二人同時に相手してあげてもよろしくてよ!」
「いいよ。一人の方が戦いやすい」
「ああ、一体一でいい」
多分一夏はISの操縦には慣れてないし、俺も実践は初めてだからチーム戦なんて勝手が分からん。
「話はまとまったな。では対決は次の月曜、第三アリーナで総当り形式で行う。織斑、名瀬、オルコットの三人はそれぞれ準備をしておくように!」
なんだか、大事にしてしまった……。
「あっきー大丈夫?」
本音さんが心配そうに見上げてくる。
「うーん……多分?」
断言はしかねる……。大丈夫だと思うけど。あと、半分くらいは君のせいでもあるのよ?