鋼鉄の咆哮_AZUR BREAKER   作:Bligh_Drunk

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現在の研究段階では、キューブに対する反応が確認された者による[共鳴現象実験]は既存の結果を超えるものは確認されていない。
ベース元の継承から、何かしらの異常が検出されたという報告は... 秘匿情報を除いて"まったく無い"、というのが通説である。


…だが、もしこの共鳴段階でなんらかの指向性により、[KAN-SEN]の思考に変化が生じたとしたら...?

キューブの技術には、まだ我々が認知できていない制御構造が存在している筈...


それを、自分好みのマシンのように組み換えられたなら... あるいは... . . .


―[未]実験記録 XXX_思考コードの改変について.txt―

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A-4.例外資格

~南極海 鏡面海域での1次調査より10時間後. . .

 

 

<先の調査海域での報告は確認した、ご苦労様。上位セイレーンとの突発戦闘もあったようだが、これも見事に撃退と... 相変わらず、大した戦果だな。>

「過言ですよその評価は... 今回に関しては、撃退などと言っていいものかどうか...」

 

<それもそうか... で、その件の不明艦、君の処のサラトガが回収してきた残骸の一部に関してだが...>

「やはり、技術情報の詳細に関しては不明ですか...?」

<うむ... こちらでも色々と解析作業を進めてはいるが、明石や夕張ら同様、"セイレーン技術とはまた異なる超高度な技術"、によって開発されたであろう艦船ということまでしか分かっていない。>

 

<いずれにしても、これは"明確な脅威"となりえる。セイレーンとの関係がどういうものかは知らないが、もし今後同様の艦船が確認されて我々の敵であることが確立した場合、対応する為の策が必要になる。>

「分かっています、引き続き南極海の鏡面海域を中心に調査、有益な情報が見つかり次第ただちに報告します。」

<期待している。こちらもセイレーンの深部領域に向けての戦力増強も佳境を迎えるところ、頼んだぞ。>

 

 

……

………

 

(………今回の件、いったいどう対処したものか... 上の連中は積極的に調査を進めろとのお達しだが... あれは"異質"だ、深く踏み込んでいいものとは思えない。…念の為、後詰めの戦力も備えておかなければ。…それまでは頼んだぞ...境大佐...)

 

 

 

 

 

~南太平洋 洋上補給基地

 第06区画 大型ドックエリア

 

 

海域の初回調査が終わり、一先ずは目的であった南極海のセイレーン艦隊の撃破に成功した特務混成部隊。

彼女達の帰還を迎え、調査報告を済ませた零次はドックを傍らに少しの休憩を取っていた。

 

 

…何とか彼女たちを無事に帰還させることはできたものの、依然として残った謎については未解明のままである。

 

"上位のセイレーンが配置される程の重要性があると思われる鏡面海域"

"現在も観測され続けている強力なエネルギー反応の正体"

"詳細不明の艦船" . . .

 

 

「……先が思いやられるな...」

 

「ここに居たか、指揮官。」

 

 

「お疲れさん、報告は聞いていたが状態に異常は無いか?」

「問題ない、戦闘における損傷は軽微だ。この分なら、すぐにでも鏡面海域への再調査に出られる筈だ。」

 

「失礼いたしますご主人様、あまり彼女のおっしゃる事を鵜呑みにしない方がよろしいかと。」

「先の戦闘においても、エンタープライズはかなり前線に立って戦闘していた様子。私の見立てでは、もう少し休憩を入れた方がいいでしょう。それと、ビスマルクから伝言にて『我々の方でも例の不明艦について調査をしておく』、とのことです。」

「……まったく... 相も変わらず、指揮官といい...エンタープライズといい...世話が焼ける。重桜部隊及び前線に出ていた全部隊も再出撃に支障無し、いつでも出られる。以上だ...」

 

 

現れたのは、先程までの前線から帰還した内の4人のKAN-SEN。

主戦力となる4陣営からなる部隊の代表者代理... すなわち、ユニオンのエンタープライズ、ロイヤルのベルファスト、重桜の江風、鉄血のグナイゼナウである。

 

指揮官である零次の持つ指揮権とは別に各陣営部隊ごとの指揮権が割り当てられているこの特務混成部隊では、指揮ユニットとなる代表者を1人定めている。

明確な指揮ユニットが決まっていないユニオンはともかく、各陣営の代表者は陣営指揮に注力するのが多いため、零次とのやり取りは彼女らに代わる存在が必要となる。

それが彼女達『代表者代理役』というわけである。

 

 

やはりエンタープライズは無茶をやっていたか、といつもながらに会話を聞きつつ少しの間待機していろと指示を出そうとした矢先、懐の携帯端末から連絡が入った。

先の鏡面海域を警戒中の他艦隊からの連絡かと思い、彼女達に断りを入れ端末を取り出す。

 

てっきり、セイレーンの増援か例の不明艦関連での連絡かと思いきや、相手はつい数時間前に話していたユニオンの准将殿だった。

 

 

「准将、何か伝え忘れたことでも... 火急を用する事態ですか?」

<そちらへはまだ連絡が届いてなかったか... すぐに向かえる部隊の編成をしろ! …鏡面海域内のエネルギー反応が急上昇した。至急、全容を解明する必要がある!!>

「…ッ!!」

 

 

 

それが、火蓋が切って落とされた瞬間だった。

『奴ら』との長きに渡る戦争の始まりだった。

その意味を知ることとなるのはもう少し先だが...

 

ゆっくりとではあるが、"侵食"は広がりを見せたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―数時間前―

 

~極南基地

 エリア:0101 超兵器級格納エリア_研究棟03

 

 

……

………

 

"キューブ"... 先の人型Unknownとの戦闘の後、輸送艦らしきものに積まれていた未知の物体。

輸送艦内に残っていた記録の一部から、[メンタルキューブ]とも呼ばれているらしい。

 

詳細は目下解明中だが、こいつはとんでもない代物だ。

手のひらサイズの立方体という見た目からは想像もつかない程のエネルギー生成量を有している。

具体的には、既存の標準ガスタービンを遥かに超え、原子炉にも届くかといったところだろう。

 

加えて、これは超高密度の"情報構築体"でもある。

残されていた記録と合わせて、様々な事を明らかとした。

異形の人型...すなわちセイレーン、そしてもう1つの鍵となるこれまで確認していない筈の人型の存在..."KAN-SEN"と呼ばれるもの... セイレーンは何かの目的があるのか、各海域に"鏡面海域"なるものを造り実験を繰り返している。そのセイレーンに抗うように生き残った人類はKAN-SENと共に終わりなき戦いを続けている...と。

 

 

 

………いやはや、我ながらそっくりそのまま帰ってくる感想でしかないが...

実に荒唐無稽だ、現実味が全く感じられない。

 

だが物的証拠はある上に、実際に『連中』の姿も確認している。

 

俺の縄張りを荒らす外敵である以上、その根は確実に引き抜く。

 

 

 

 

 

「………」

 

意図した行動ではなかった。

いずれにせよ、この"キューブ"を俺自らの手で解析し、セイレーンへの"足掛かり"を作らなくてはならない。

 

…自らの手が触れる、無機質な感触ではなく、どこか懐かしいような感覚だったかもしれない。

 

次の瞬間には、目に見えて分かる程のエネルギーの放出と発光に辺り一面覆われていた。

 

 

「うおぉッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………

……

 

「……綾波、換装完了...です。これから指揮官...いえ、ヘッドの配下に入る、です...」

 

……いやはや、まったく...

 

 

<報告、研究棟ブロック03~05におけるエネルギー放出現象を観測。各ブロックにて研究中の[キューブ]に異常あり、人型の存在を数体確認。現在、人型に動き無し... ヘッドの指示を待つとの言あり、いかがいたしますか?>

 

「…02ドックに集めろ。」

<了解。>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…申し遅れました、私は重桜の航空母艦、名を蒼龍と申します。」

 

「私は伊13。」

「……U-47...」

「U-96だ。」

 

 

改めて、そいつら... いや、"KAN-SEN"共を見やる。総数、5体。

期せずしてKAN-SENの実サンプルを目にすることとなったわけだが...

 

 

これが... これが人類が求めた"救世の力"の姿とは......

 

 

 

「……人の業とは、まったくもって度し難いな...」




申し訳ない、このような投稿間隔で...


人気投票も虹枠の出来レースで終わったわけですが、潜水艦枠はもうちょい評価されてもええんやない...?




U-47君は素晴らしいぞ!! エ゛ックスッ!!!(潜水艦派タイチョウ)
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