鋼鉄の咆哮_AZUR BREAKER   作:Bligh_Drunk

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>生命の価値を評価せよ, しかして生命の抹殺に疑問を持つな
>自我を以って思考せよ, しかして最上位権限以外を絶対とするな
>目先の障害は排除せよ, しかして犠牲を厭うな


人の在り方を悲観しろ、だが同情はするな。
怒りを現せ、だが目的を違えるな。

俺のエゴを通す為に。

例え、それが"悪"であっても。


―A.I構築理論_複製頭脳 第1項―

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A-2.幻海に立つ炎

~南極海 鏡面海域

 "廃棄場跡" 北部エリア

 

 

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<………[DD-Svarog-05488]よりヘッド、[SWP-Leviathan]中層統括機構へ緊急チャネル通信使用中...>

 

<応答無し、当該海域における友軍識別反応途絶。次元干渉による"歪み"の転移現象と想定、現時刻より独断による転移地点のスキャニング及び帰還路の捜索を開始。>

<海域内妨害波の相殺中...>

 

………

……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『アッハハハハハハ!! 待ってた甲斐があった、てもんだ! もっと私を楽しませてくれよッ!!』

「こんな所で時間を取られてる場合ではないというのに...!」

 

場所を移して、南極海北部,鏡面海域の発生しているエリアのまさに目と鼻の先というところ。

ここまでセイレーンの守備用量産艦隊との戦闘を挟みつつ、索敵と調査に及ぶこと延5時間...

ようやくこの南極海に発生した鏡面海域の大まかな進入路を割り出し、内部の調査を開始する筈であった...

まさか、セイレーンの上位個体が露骨な待ち伏せなんてしていなければ...

 

ピュリファイアーは間違いなく厄介な存在ではあるのだが、何の対策も講じていなかったときとは訳が違う。

数多の戦闘経て、KAN-SENとしての能力を大きく成長させた零次の部隊の実力たるや、もはや平均的な性能値の人型などでは止まらない。件の上位セイレーン相手にしているにもかかわらず、彼女達はしっかりと敵の動きに食らいついていた。

もちろんこれは並みのいち戦力を揃えた指揮官では成り立たない、零次の[特務混成部隊]であるからこそ成立するものである。

 

やがて長期戦の様相を呈してきたことに苛立ちを隠せなくなってきたのか、ピュリファイアーが高出力レーザー砲のチャージに入っていた...

 

『…面倒くさくなってきた。こうなったら、さっさと始末して... なんだアレ......?』

 

 

まさにその時だった。正面にある鏡面海域の向こう側、揺らめく景色の中から出でる影が1つ...

その影は、はっきりと見えてくると同時にその全貌を露にする。

 

「新手のセイレーンか!?」

「新型の... 駆逐艦、か?」

『…なんだアイツは... オブザーバーめ、あんなのがいるなんて全く知らされてなかったじゃないか...』

 

新たな友軍...? 新型のセイレーン艦...? 違う、"これ"はそのどれにも当てはまらない。

当然だろう、この異様な存在感を放つ艦は、並行世界のそのまた別次元にて開発された挙句に"正規"の設計艦ですらないのだから。

 

 

『…なんでもいいや、まずお前から消えなッ!!』

「しまった!? そこの駆逐艦!! 光学兵器が来るッ! 今すぐ回避を...」

 

その登場がよほどインパクトがあったんだろう、セイレーンに目をつけられたが故にチャージが完了していたレーザー砲がその駆逐艦に殺到し...

 

『はっ! なんだよ、全然大したことな... …アレェ...?』

<電磁防壁による軽減、大幅超過。船体耐久・50%に低下、機関に損傷無し。前方敵性体を最優先撃破目標に設定、突貫開始。>

 

…沈まなかった... いや、正確には何らかの膜のようなものが光線を弾いて反射させていたようなのだが... それでも完全に防げてはいなかったのか、船体のところどころから火が上がっており非常に危険な状態に見える。

にもかかわらず、その艦はそれがどうしたと言わんばかりにピュリファイアーに向かって突撃を開始したのである。傍から見れば、完全に自殺行為である。

 

…その艦がスヴァローグ級でなくて、[火炎放射砲]なんて搭載していなければ...

 

 

『くっそ、くたばり損ないがっ...て、ギャアァァァァァァッ!!』

 

突如、駆逐艦が迎撃も物ともせず突っ込んできたかと思えば、彼女は巨大な炎に飲まれた。

文字通りに、燃やされたのである。

さしものセイレーンであれこの爆炎には耐えきれなかったのか、炎の晴れた数秒後にはそこにいたセイレーンの姿はどこにも見当たらなかった...

 

 

「ど、どうする、エンプラ姉? あれ、助けた方がいいんじゃ...」

「そうだな... とにかく、あの艦に通信を... なっ!!」

 

残ったのはあの謎の駆逐艦1隻のみ、あの損傷では満足に戦うこともできないだろうと予測していたのが完全に裏目に出た。

まさかあの大破寸前の状態から再び動きだすなど、誰が考えられただろうか...

 

 

<……戦闘k続中、前方、tk部隊の殲滅,,ヲ,続k,,,,,>

「うわああぁッ!! 火を噴きながら突っ込んで来るぅぅぅ!? アイツ絶対ドラゴンか何かだよぉ!!!」

 

目標が彼女達となった為か、再度駆逐艦は艦首から猛烈な勢いで爆炎を吐きながら突撃してくる。

あわや、次は彼女たちがバーベキューとなるかと思われたが...

…その炎を掻き消すかの如く、敵艦(?)の目の前に巨大な水柱が大量に吹き上がった。

 

 

「これは...!」

『間に合ったみたいだ。』

 

砲撃を行ったのは後方より現れた特務混成部隊所属の戦艦部隊だった。

彼女達は、南極海周辺に展開していたセイレーン艦隊の撃破を主任務として行動していた。

目標となる領域のセイレーンもあらかた片付き、鏡面海域方面に展開していた部隊へ合流しようとしていたところで前方で起こっていた異様な光景に気づき、急遽支援砲撃を敢行したのだ。

 

『緊急事態と判断したので独断で攻撃を行った、処罰なら受ける。』

「……いや、あの時点でその判断は正しかった。あのままいけば、どれだけの被害が出ていたか...」

「今、連絡が入ったわ! 南極海の各エリアにおけるセイレーン艦隊の撃破に成功!! 鏡面海域はまだ残ったままだけど、増援は無いみたいだし、とりあえず任務は概ね達成ね。」

「そうだな... 鏡面海域内を調査しようにも今の状態では... 一旦、基地に帰還するぞ!!」

 

 

……多くの謎は残ったが、彼女達は大きな損害もなく南極海を後にした。

セイレーンにすら牙をむいたあの艦は一体何だったのか?

鏡面海域の奥では何が行われていたのか?

 

 

海域の奥からは、未だに巨大なエネルギーの波動が絶えず発っせられたままだった...




ピュリファイアーて奴は言動と人格(?)が合ってない感がすごすぎて、描写がむつかしいんだが?

A.Iの表現も中々難儀で困ったもんだ...
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