鋼鉄の咆哮_AZUR BREAKER   作:Bligh_Drunk

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誰かに指図されるなんざ真っ平ごめんだ。


俺を動かすのは俺だけだ、決められた道は辿らない。
俺の存在は唯一無二だ、代わりは無い。

オリジナル体でこそ持つ意味がある。

それを超えるコピーレフトが、存在すると思うか?


―No.98 記録ファイル_[Copy-Right].Locked―

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A-3.実証試験

~極南基地 外周部

 エリア:0085 スキズブラズニルⅤ_研究機関部

 

 

先の会戦から数日のこと、俺はサルベージ出来たUnknown艦の一部を持ち込み、研究機関に入り浸りだ。

 

あの戦闘以来、南極海には例のUnknown艦共と同属であろう戦闘艦群が度々現れた。

駆逐艦級より多少サイズが上の、いわゆる巡洋艦級のもの。

敵側の航空機らしきものを飛ばして来たことから、航空母艦と思わしきもの。

重砲撃をかましてきた、戦艦級のもの。

 

果ては、潜水艦や特攻を仕掛けてきた小型艇サイズのものまで出てきやがった。

 

 

…まあ、戦闘に関しては何ら問題ではない。俺のテリトリーであり、戦力配備に抜かりも無い。

それより重要なのは、こいつらという"存在"そのものだ。

 

こいつらの技術力... 控えめに言ったとしても、かなり興味深い。

 

艦体構造自体は、人類圏における技術をベースとして設計されているようだが...

使われている装甲技術,既存の兵装には存在しない技術,なにより、今まで確認できているだけでも全てが"無人"であり、遠隔操作により稼働していたという事実...

 

明らかにただの人類に成せる領域を超えている、それだけで敵側が一筋縄ではいかないであろう連中だと容易に予測できた。

残念ことに、こいつらが操作側に送っていたであろうログ情報には[現在地点の情報を送信中...]の文面しかなく、有益な情報に関しては空振りに終わったが...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『さあ、実験開始といきましょうか。』

 

 

 

~南極大陸付近

 レアメタル採掘エリア 北部

 

 

そこにいたのは人か...? いや、違う。そう判断するにはあまりにも異様な光景だ。

 

何の脈略もなく、忽然と海上に姿を現した人の形を持った奴らは、見るからに怪しげな機装を纏って水面上に立っているように見える。

その中でも、一際巨大な機装を背にする個体の存在は、誰から見てもそいつらの統率者であることは明白だっただろう。

 

『[戦闘実験:対テュランヌス部隊]の実行を開始する。』

 

 

 

 

 

丁度、俺が解析作業に一区切りつけたところだったか...

そのログ情報が更新されてきたのは、衛星視界から確認されたそいつらを見た時はいったい何の冗談だ、と一瞬考えたものだ。

こちらの保有する巨大兵器群に連なる物が出てきたならまだしも、現れたのはその真逆である人のなりをした"何か"である。

そうこうしている内に、そいつらは俺の部隊に対し攻勢に出てきた。

 

 

<ちぃっ!! 動きの鈍い奴はまだいいが、チビ野郎がちょろちょろしやがって... まるでゴキブリだ!!>

<おい播磨、敵に向けたものとはいえ俺の前でその呼び方は止めてもらおうか。その土手っ腹を焼かれたいか。>

 

<なんだあの防御壁は、61㎝砲の直撃でビクともしてねぇのか!!>

<雷撃は通るようだが、相当接近せねばならんか...>

 

<司令塔のユニットはまだ沈黙しないのか?>

<やってるが、倒した傍から増えてきやがるッ! 新種のアメーバか、ったく!!>

 

 

続々と上がってくる戦闘ログの数々、いずれもあの見た目相応の例外的な戦況を反映しているが...

 

…なるほど、やはり連中は先のUnknown共の同属戦力のようだ。

先のUnknownが搭載していた兵装の特性と、奴らの使用している砲弾,魚雷,航空機の特性はほぼ一致している。

どうやら、あの見た目で戦闘艦相当の戦闘能力を有しているらしい。

 

 

<鉄弾、通らぬなれば槍以てこれを葬すのみ。>

<分かったぜ、兄者。おらぁっ!! 尖鋭突貫部隊、突っ込むぞ!!!>

 

<…ふっ、フハハハハハ!! 実に面白いな! 雑兵にしては中々やる。 座興だ、我の兵が相手をしてやろう!!>

<戯れはともかく、こちらの制空権が揺るぐことなどありえん。このまま押し切ってくれる...!>

 

<実弾は防壁に効果が薄い、なら光学兵器はどうか?>

<では、試してみるとしようか。被験対象はまだまだいる。>

 

さて、戦況は敵の例外性を加味したとしてもこちらが優位... このまま戦闘が続けばいずれ勝利に終わるだろうが...

 

 

 

[F/A-49…最終調整進捗. . .100%完了. . .]

 

 

……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『対応率:52%... あまり期待する程の戦力ではなかったかしら?』

『……それはどうかなッ!!』

 

 

空を切り裂くように、閃光のような速度でやってきたそれはなんだ?

 

まばゆく光り飛翔する白銀の刃、最新鋭機"ホワイトソード"がアレスと共にエントリーだ!

 

『首領自らが出てくるとはね、最奥地で見ているだけじゃなかったのかしら?』

「たまには前に出ることもあるさ、戦闘兵としての意味が無くなっちまうから、なっ!!!」

 

ホワイトソードの下部に張り付いたアレスは、敵を捕捉するなり機体の兵装の総射に連動するように両手に構えた[エネミーチェイサー]と[スーパーグレネード]を乱射する。

あまりにも正確で鬼のような密度の射撃は、あっという間に敵人型Unknownへダメージを蓄積していく。

加えて、増援の突貫部隊,精鋭制空部隊,新鋭艦部隊との連携もあり、敵の数はみるみるうちに減っていく。

 

「[SWP-Sovietsky_Soyuz]、敵の位置情報を逐一流せ。周囲の露払いは任せる。」

<了解、援護爆撃を実行開始。>

 

 

始めは複製体をバラ撒いていたテスターも、ソヴィエツキー・ソユーズを含めた強大戦力に押されついには本体を残すのみとなり、

 

 

『……なるほど、これが...』

「こいつで最後だッ!!!」

 

最終的に、上空より飛来したアレスの高周波刀によって胴を機装ごと両断、そのまま海中にて爆沈し、戦闘は終了となった。

 

 

 

……終わってみれば、なんだ... このなんとも言えない歯切れの悪さは...

 

「あいつ... まるで、仕留めた手応えが無い... "本体"じゃなかった、てことか?」

 

奴らに対する情報が圧倒的に不足している...

さて、どうしたもんか...?

 

 

 

<…ヘッド、付近の海上に敵側のもの思しき艦艇を確認。攻勢の動きはありません。>

 

そして向こうを見やれば、いつの間にか1隻の艦があった。

敵の保有する、輸送艦と思われるもの。

 

 

…当然のことながら無人であり、内部には"光を放つ箱"があるのみだった...




設定値を弄ってたらめっちゃ時間を喰ってしまった。

本筋を疎かにしてはいけない(過去の戒め)
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