魔法科高校の狂犬   作:Rain one

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入学編STORY4

2012年4月上旬夕方

 

日本皇国関東州八王子市市内某所

 

 

「くっ、・・・うう・・。」

 

 

「はんぞーくん、大丈夫ですか?」

 

 

「!!ハ、ハイ、大丈夫です!」

 

 

回復した服部は立ち上がって孝一と達也の前に来たのだ。

 

 

「犬塚、四葉、・・・さっきは失礼な事を言って申し訳なかった。うぬぼれていたのは俺の方だった。」

 

 

「いえ、俺の方も生意気な事を言ってお許しください。」

 

 

「服部先輩、こちらこそ失礼な事を言った事は撤回します。申し訳ありません。」

 

 

服部が孝一と達也に謝罪すると二人も服部に失礼ない事を言った事を謝罪したのだ。真由美が孝一達の所にやって来たのだ。

 

 

「では、ハンゾー君も達也君と孝一君の風紀委員会入りに賛成でいいですね?」

 

 

「はい。・・・あの会長?」

 

 

「何?」

 

 

「その・・・四葉とは親しい仲なのですか?」

 

 

ずっと気になっていたのだろう。服部はずっと胸の内に抱えて居た事を聞いたのだ。

 

 

「そう言えばハンゾー君には言って無かったはな。四葉達也君は私の許嫁なの♫あっ、この事は皆には内緒ね?」

 

 

「・・・」

 

 

「服部君?」

 

 

二年生でそれなりに親しい仲のあずさが声をかけるも反応が無かったのだ。

 

 

「・・・」

 

 

「完全に気を失ってますね。」

 

 

「服部君!」

 

 

「仕方無いな。口寄せの術!」

 

 

「やれやれ、なんじゃ孝一!いきなりワシを呼び出しおって!」

 

 

孝一は呟きながらも右手の親指を少し噛むと印を結んで右手を床につけると術名を叫ぶと同時に煙が上がるとそこから蝦蟇のガマ吉が現れたのだ。

 

 

「悪い、ガマ吉。ちょっとこの人を運びたいんだ。手を貸してくれ。」

 

 

「その為にワシを呼んだのか?」

 

 

「ああ。」

 

 

「分かったは。全くお前と来たら。」

 

 

「まあまあガマ吉。後でお前の好きな奴を買ってくわせてやるぁよ。」

 

 

「そうかい。」

 

 

孝一とガマ吉はそう会話をしながら気を失った服部を保健室に運んだのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「さて、色々と想定外のイベントが起こったが当初の予定通り委員会本部に行こうか。」

 

 

部屋の奥。普通なら非常階段が設置されている場所に風紀委員会本部への直通階段があったのだ。

 

 

「少し散らかっているが、まあ適当に掛けてくれ。」

 

 

少し、なのだろうか。確かに足の踏み場が無いとか、椅子が荷物でふさっがているとか、そこまで散らかってはいない。

 

 

「・・・委員長、これ、片付けていいですか?」

 

 

「義姉上。流石に俺も達也に同意見ですよ。これは。」

 

 

「なに・・・?」

 

 

「流石にこれは片付け無いと不味いですよ。これが俺の実家だったらうちの祖母さんにボコボコにされてますよ。」

 

 

「魔工師志望としてはCADがこんな風に乱暴に放置されて居る状態は、耐えがたいものがあるんですよ。サスペンド状態でほったらかしになっている端末もあるようですし。」

 

 

「そ、そうか、すまない。全く二人は相変わらずだな。所で前から気になっていたんだが孝一君はともかく達也君は魔工師志望なんだ?」

 

 

あれだけの対人戦闘スキルがあるのに?と聞きたいのだろう。達也の腕前を知っている者なら当然の疑問だろう。達也の『正体』を知って居る者なら当然の進路だと思う。

 

 

「最近、四葉でもCADを取り扱うプロジェクトを考えているんです。俺は、そのプロジェクトの一員として参加したいと思っているので。それに深雪と真由美さんに香澄と泉美のCADを俺が調整しているのは知っていますよね。」

 

 

「そうだったな、君は技術者としては超一流だったな。」

 

 

「謙遜するな、身内とはいえ、十師族の令嬢を四人も受け持っているんだから十分、大した者だよ君は。」

 

 

「ありがとうございます。」

 

 

雑談をしながら手を休めない達也と二人の会話をBGMしながら黙々と片付けをする孝一に摩利が話しかける。

 

 

「そう言えば孝一君は軍学校に入るのだろ?」

 

 

「ええ、犬塚公爵家では嫡男は代々、軍学校に入学する事がある意味不文律が存在してますからね。俺の父は陸軍士官学校に祖父は空軍士官学校に入学してから卒業後に父は陸軍大学校に祖父は空軍大学校に入学後に卒業して軍の将官にまで昇進してますからね。」

 

 

「そうか。」

 

 

孝一は摩利に聞かれた事を答えると摩利も納得した感じで話をある事に言ったのだ。

 

 

「そう言えば、孝一君、達也君。」

 

 

「何でしょう。」

 

 

「何ですか?義姉上。」

 

 

「昨日、君達に因縁を吹っかけた森崎だが・・・教職員推薦枠でうちに入ることになっている。」

 

 

「えっ?」

 

 

「ぶっ!」

 

 

達也は状態をチェックして居たCADが手から離れて机の上に落としそうになるので何とか持ち直し孝一はいきなりの事で驚き固まったのだ。

 

 

「昨日、騒ぎを起こしたんで推薦を取り下げることも出来るし実際、取り下げるつもりだったんだは昨日の一件は君達も無関係ではないからね。」

 

 

「当事者ですよ。」

 

 

「達也と同じくですよ。それにあいつ。次、顔見たらどうするか考えなきゃな。」

 

 

「そう、自称当事者の君達をスカウトしているのに、彼を断るのは難しだろ?」

 

 

「三人を入れないと言うことには出来ないのですか?」

 

 

「俺も達也の意見に同意ですよ。あれの顔を見た瞬間に俺が何をするか想像出来るでしょ?」

 

 

「嫌なのか?」

 

 

いきなりストレートな質問を向けられて孝一と達也は再び手を止めたのだ。孝一は持っていた段ボールを達也は手に持つCADをケースにしまい、二人は顔を上げる。そして達也が口を開いたのだ。

 

 

「・・・正直なところ、面倒だと思っていますよ。」

 

 

「フン・・・それで?」

 

 

「面倒ですが・・・今更、引き下がれないとも思っていますよ。」

 

 

「まあ俺はあのバカ崎が、しでかさなければ、それで良いんで。もし何かしでかしたらしたで、制裁を下すつもりで居るので。それで良いでしたら、やりますよ。」

 

 

「ウム、よろしく頼むよ。孝一君は少し冷静に考えてから行動を移してくれよ?彼も悪気あってやった訳では無いんだからな?」

 

 

「だとしても七武海の一角である俺に喧嘩を売る奴は容赦しませんよ。」

 

 

「ははは。本当にそれだけは勘弁してくれよ、孝一君?」

 

 

孝一達、三人がそう会話をして居ると威勢のいい掛け声が部屋に響くと同時に二人の男子生徒が入って来たのだ。

 

 

「ハヨースッ。」

 

 

「オハヨーございまス!」

 

 

「おっ、姐さん、いらしてたんですかい。」

 

ねじり鉢巻が似合いそうな短髪の男が、「姐さん」と呼んだのだ、その相手はと言うと二人は察しがついたのだ。

 

 

(摩利さんの事か。)

 

 

(義姉上の事だろうな。)

 

 

「委員長、本日の巡回、終了しました!逮捕者ありません!」

 

 

もう一人の方は、比較的普通の外見と、比較的普通の言葉使いだがとにかくやたら、威勢がいい。

 

 

「ところで姐さん、そいつらは?新入りですかい?」

 

 

スパァン!

 

 

「ってぇ!」

 

 

「姐さんって言うな!何度言ったら分かるんだ!鋼太郎、お前の頭は飾りか!」

 

 

「そんなポンポン叩けねでくださいよ、あ・・・いえ、委員長。」

 

 

「こいつらはお前の言うとおり新入りだ。一人は生徒会枠で一人は部活連枠でうちに入ることになった。」

 

 

「へぇ・・・一年坊主か。」

 

 

「お前達、そんな単純な了見だと足元をすくわれるぞ?ここだけの話だが、さっき服部がこの二人に足元をすくわれたばかりだ。」

 

 

「・・・そいつらが、あの服部に勝ったってことですかい。」

 

 

「ああ正式な試合でな。」

 

 

「何と!?入学以来負け知らずの服部が、新入生に敗れたと!?」

 

 

「大きな声を出すな、沢木。ここだけの話だと言っただろう。」

 

 

まじまじと見られて居心地悪いことこの上なかったが先輩に手を上げるわけにもいかないのでここは我慢する以外に選択肢はなかった。

 

 

「そいつは心強ぇ。」

 

 

「逸材ですね、委員長。」

 

 

拍子抜けするほど簡単に、二人は見る目を変えた。

 

 

「はじめまして、この度、生徒会推薦枠で風紀委員会に入る事になりました四葉達也です。」

 

 

「はじめまして、俺は部活連枠で風紀委員会に入る事になりました犬塚孝一です。」

 

 

達也は身分を明かしたが二人の反応は薄く孝一の方に関しては完全に孝一が犬塚公爵家の人間である事に気づいてないようだ。

 

 

「こいつらは、名前なんて関係無くきちんと実力が評価できるヤツらばかりふぁ。ここは君達にとっても居心地の悪くない場所だと思うよ。」

 

 

「3ーCの辰巳鋼太郎だ。よろしくな、四葉、犬塚。腕の立つヤツは大歓迎だ。」

 

 

「2ーDの沢木碧だ。君達を歓迎するよ、四葉君、犬塚君。」

 

 

挨拶を返し、沢木の手を握り返す。沢木の手が、何故か、達也の手から離れない。

 

 

「自分のことは、沢木と苗字で呼んでくれ。」

 

 

ギリギリと軋みを上げそうな握力に、場違いな関心をを覚えた。この学校は魔法だけではなく、他の面でも優秀な生徒が集まっているようだ。

 

 

「くれぐれも、名前で呼ばないでくれ給えよ。」

 

 

そうやらこれは、警告のつもりらしい。別にこんな回りくどいことをしなくても、上級生を名前で呼ぶような習慣はないのだが。

 

 

「心得ました。」

 

 

「承知しました。」

 

 

そう言いながら達也の右手を細かく捻って、握られた手を解く。沢木本人よりも、鋼太郎の方が驚いた顔をして居たのだ。

 

 

「ほう、大したもんじゃねえか。沢木の握力は百キロ近くってによ。」

 

 

「魔法師の体力じゃありませんね。」

 

 

「君が言うか?」

 

 

「お前にだけには、言われたくないと思うぞ。」

 

 

自分の事を棚にあげて、達也が軽口を叩き、孝一と摩利が突っ込み孝一はそれを放置しながら作業を続ける。どうやら孝一と達也は少なくとも三人とは、上手くやっていけそうな気がした。そんな中で風紀委員会室のドアが開いて二人の男女の生徒が入って来たのだ。

 

 

「渡辺先輩、辰巳先輩に沢木君こんにちは。」

 

 

「御三方が揃うのは珍しいですね。」

 

 

「五十里に犬塚さんか。」

 

 

「そうそう、私のことは咲と呼んで下さい。」

 

 

風紀委員会に入って来たのが孝一の姉の犬塚咲と咲の許嫁のである五十里啓である。孝一は気づいていながらも作業を続けて居ると咲がそれに気付いて孝一に話しかけたのだ。

 

 

「あら、孝一。珍しいじゃないあなたが此処に居るなんて。」

 

 

「そんなに珍しいか姉貴?俺は風紀委員会に入る事になったからな。」

 

 

「そうだよ孝一、君は考えなしに動くからね。あまり暴走しない様にね?」

 

 

「言い返せない事を言うなよ啓兄?ま、分かったよ。」

 

 

孝一は咲に話しかけられて作業を一旦、止めて咲と会話をして居ると啓が孝一を諌めるような発言をすると孝一は啓の諫言を聞いてあまり暴走しないと約束する。三人の会話を見て居ると沢木が会話に入って来たのだ。

 

 

「三人は知り合いなのかい?」

 

 

「ああ、知り合いと言うよりも私と孝一は姉弟なのよ。それと犬塚はこの学校の一年に後、二人居るから名前で呼んでくれるかしら?」

 

 

「後、二人?その二人は。」

 

 

「俺の三つ子の弟ですよ。」

 

 

「三つ子!?」

 

 

「ええ、俺は世にも珍しい三つ子でしかも更に珍しい三卵生ですよ。」

 

 

沢木が気になった事を質問すると咲が答えると咲の言葉に引っかかったのか辰巳が尋ねると孝一が辰巳の質問に答えたのだ。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

翌日、九校戦と呼ばれるこの対抗戦に優秀な成績を収めたクラブにはクラブの予算からそこに所属する生徒個人の評価に至るまで様々な便宜が与えられている。有力な新入部員の獲得競争は、各部の勢力図に直接影響をもたら重要課題であり学校もそれを公認、いや、むしろ後押しして居る感もある。かくして、この時期、各クラブの新入部員獲得合戦は、熾烈を極めるのだ。

 

 

「・・・という訳で、この時期は各部間のトラブルが多発するんだよ。」

 

 

場所は生徒会室。孝一は又旅を愛でながら、達也は深雪が作った弁当をじっくり味わいながら、孝一と達也は摩利の説明に耳を傾けていたのだ。

 

 

「勧誘が激しくて授業に支障を来たすこともあるの。それで新入生勧誘活動には一定の期間、具体的には今日から一週間という制限を設けてるの。」

 

 

「この期間は各部が一斉にテントを出すからな。ちょっとしたどころのお祭り騒ぎだな。密かに出回ってる入試成績リストの上位者、競技実績のある新入生は各部で取り合いになる。無論、表向きはルールはあるし、違反したクラブには部員連帯責任の罰則もあるが、陰では殴り合いや魔法の撃ち合いになる事も残念ながら珍しくない。」

 

 

「CADの携行は禁止されているのでは?」

 

 

「新入生向けのデモンストレーション用に許可が出るんだよ。一応審査はあるんだが、事実上フリーパスでね。その所為で余計にこの時期は、学校は無法地帯化してしまう。」

 

 

「学校側としても、九校戦の成績を上げてもらいたいから。新入生の入部率を高める為か、多少のルール破りは黙認状態なの。」

 

 

「そういう事情でね、風紀委員会は今日から一週間、フル回転だ。いや、欠員の補充が間に合って良かった。即戦力として期待しているぞ。」

 

 

孝一と達也はこうも真正面から切り捨てられるとは思っていなかったので流石じ二人は文句も言いようが無かったのだ。

 

 

「・・・ハァ、分かりました。放課後は巡回ですね。」

 

 

「了解しました。義姉上。後、俺は少し遅れますのでよろしいですか?」

 

 

「授業が終わり次第、本部に来てくれ。分かったぞ、孝一。」

 

 

「「了解です。」」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

午後の授業が終わり孝一が校舎から少し離れた森林の場所に夏のリムルとミリムとディーノの四人とやって来て居たのだ。すると頭に角が一本だけ生えた青い髪の青年と幼い小学5、6年生位の男子が現れたのだ。

 

 

「リムル様、ソウエイここに。」

 

 

「我が君、モスこちらに。」

 

 

「嫌、お前達が話があると聞いてな。で、話ってのはなんだ?」

 

 

「はい。近頃、全国の魔法大学及び付属高校の近辺にて大学及び付属高校の生徒が襲われると言う案件が起きております。どうかお気をつけくださいリムル様。」

 

 

「そうか分かった。それに関しては何か知っているか孝一?」

 

 

「恐らくはブランシュだろうな。」

 

 

「ブランシュ?なんだそれは。」

 

 

「まあ一言で言うなら反魔法主義団体だ。まあ我が国ではブランシュは憲法の条項に違反するって理由で非合法組織として扱われて居るんだ。」

 

 

孝一がそう説明するとミリムが体を乗り出してこう言ったのだ。

 

 

「じゃあ、私が潰しても問題ないのだな!」

 

 

「ミリム殿、そうは簡単にいかないですよ。どうもブランシュの背後には大中華民主主義人民共和国がついて居ますからね。政府としても大元であるそことはなるべく対立を避けたいだよ。」

 

 

「む〜。」

 

 

「じゃあ、俺はそろそろ風紀委員会本部に向かうは。この後の見回りが終わったら久しぶりに知り合いの何でも屋を学校近くに呼び出してアイツらに依頼を入れるか。」

 

 

ミリムの発言に孝一がそう説明してミリムは少し不満そうな顔をするが孝一は風紀委員会本部に向かったのだ。それを見たリムルは口を開いたのだ。

 

 

「ソウエイ、モス、万が一の事がある学校周辺の見回りと調査を頼む。それとモス、ディアブロとテスタロッサとカレラとウルティマと一緒に協力をして調査するんだ。」

 

 

「は!リムル様。」

 

 

「分かりました。我が君。」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

孝一はリムル達と別れてすぐに達也と合流すると同時に聞き覚えのある声がして自分達を呼び止めたのだ。

 

 

「あれ、孝一に達也君、クラブはどうするの?」

 

 

「エリカ、、、珍しいな、一人か。」

 

 

「エリカ、お前な。まあ良い、話があるなら手短に頼み。」

 

 

「珍しいかな?自分で思うにあんまり、待ち合わせとかして動くタイプじゃないんだけどね。・・・ねえ、孝一に達也くん、クラブ決めてないんだったら、一緒に回らない?」

 

 

 

本人に言うムキになって否定されるだろうが断ってしまうには少し、寂しそうな表情をしている。

 

 

「エリカ、俺は風紀委員会の仕事があるが大丈夫だお前と一緒に回るとするか。」

 

 

「俺も、風紀委員会でこき使われことになってな。あちこちブラブラするのは結果的に同じだろうけど見回りで巡回をしなきゃならない。それでもよければ、一緒に回るが?」

 

 

「うーん・・・ま、いっか。」

 

 

孝一は隣で悩むエリカの顔を見て居るとエリカは達也の誘いに勿体ぶった仕草で考え込み不本意だけど、とジェスチャーつきで答えたのだ。ただ、その笑みが、自らの演技を裏切っている事にエリカ本人は勿論のことだが孝一と達也はそれを見抜いていたのだ。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「何故お前達がここに居るんだ!」

 

 

それが再会して早々で開口一番での言葉だったので孝一が攻撃を仕掛けようとすると達也が孝一の前に割って入って口を開いたのだ。

 

 

「お前、それはいくらなんでも非常識だろう。お前は、それ程こいつに殺せたいのか?」

 

 

「なにぃ!」

 

 

「うるさいぞ、新入り。」

 

 

すると摩利が一喝されたので森崎駿は慌てて口をつぐみ、さらに、直立姿勢で固まったのだ。

 

 

「この集まりは風紀委員会の業務会議だ。ならばこの場に、風紀委員以外の者はいないのが道理。その程度のことは弁えたまえ。」

 

 

「申し訳ありません。」

 

 

「ッフン。」

 

 

かわいそうに、森崎の顔は緊張と恐怖感にひきつっていた。そして孝一は鼻で森崎を笑ったのだ。

 

 

「まあいい、座れ。全員、揃ったな?そのまま聞いてくれ。」

 

 

それから、摩利は孝一と達也と森崎の紹介を交えながら話を進めたのだ。

 

 

「では早速行動に移ってくれ。レコーダーを忘れるなよ。犬塚、四葉、森崎の三名については私から説明する。他の者は解散!」

 

 

全員が一斉に立ち上がり、踵を揃えて、握りこんだ右手で左胸を叩いたのだ。

 

 

「まずはこれを渡しておこう。」

 

 

摩利は孝一と達也と森崎に薄型のレコーダーを手渡したのだ。

 

 

「胸ポケットに入れておけ。ちょうど、レンズ部分が外に出る大きさになっている。スイッチは右側側のボタンだ。」

 

 

三人はそう言われて胸ポケットにしまったのだ。

 

 

「風紀委員はCADの学校携行を認められている。使用についても、一々誰かの指示を仰ぐ必要は無い。だが、不正使用が判明した場合は、委員会除名の上に一般生徒より厳重な罰をが課せられる。一昨年もそれで退学になったヤツがいるからな。甘く考えないことだ。」

 

 

「質問があります。」

 

 

摩利がそう説明すると達也が手を挙げて尋ねたのだ。摩利が答えたのだ。

 

 

「許可する。」

 

 

「CADは委員会の備品を使用してもよろしいでしょうか?」

 

 

「・・・構わないが、理由は?」

 

 

「旧式のモデルではありますが、プロ仕様の高級品ですよ、あれは。」

 

 

「・・・そうなのか?」

 

 

「ええ・・・知らなかったんですか?」

 

 

達也はジトっとした視線を摩利に向けるが孝一は自分の魔法の性質上CADが必要無いのでCADの知識は必要最小限しか無かったので達也の発言はすごいのかどうかも分からなかったのだ。

 

 

「うっ・・・コホン。そういうことなら好きに使ってくれ。どうせ今まで埃をかぶっていた代物だ。」

 

 

「では・・・この二機をお借りします。」

 

 

「二機・・・?本当に面白いな君は。」

 

 

昨日密かに、自分用に調整データを複写しておいた二機のCADを左右の腕に装着した達也を見て、摩利はニヤリと笑いを浮かべる。

 

 

しかし、森崎は達也の行動に皮肉げに唇を歪めていたが孝一がそれを見逃さなかったのだ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「おい。お前ら。」

 

 

「何だよ。」

 

 

孝一はそのまま立ち去ろうと思い歩き出そうとしたら森崎が敵意を剥き出しにした呼びかけに達也が横柄に答えると孝一も仕方なく立ち止まったのだ。

 

 

「はったりが得意なようだな。会長や委員長に取り入ったのもはったりを利かせたのか?」

 

 

「羨ましいのか?」

 

 

「なっ・・・!」

 

 

この程度の切り返しで逆上するなら最初から嫌味なぞ口にするなと孝一、達也の二人は思う。

 

 

「・・・だが、今回はやり過ぎだったな。複数のCADを同時に使うなんてできるわけがない。両手にCADを装着すればサイオン波の干渉で、両方のCADが使えなくなるのがオチだ。この程度のことも知らずに格好を付けようとしたんだろう?どうせ大した魔法は使えないんだ。恥をかかなくてすまないように、こそこそ立ち回るんだな。」

 

 

「腕があっても頭は無いようだな。」

 

 

「なんだと。」

 

 

「漏れ出るサイオン波をコントロール出来れば複数デバイスをの同時操作は可能になる。・・・知らなかったのか?」

 

 

「そ、それぐらい事は分かっている。それを実戦でいきなり使おうとしている事に問題はあるんだ!!」

 

 

「アドバイスのつもりか?余裕だな、森崎。」

 

 

「ハッ!一昨日は不意を突かれたが、次はもう油断しない。お前ら(B組)と僕たち(A組)の格の違いを見せてやる。」

 

 

森崎の発言を聞いて孝一と達也が口を開いたのだ。

 

 

「バカか貴様?」

 

 

「めでたい奴だなお前。」

 

 

「なに・・・・!?」

 

 

孝一が先に口を開いて森崎をバカにして達也に至っては完全に呆れていたのだが森崎はそれを聞いて一瞬だが顔をゆがむのを二人は気づかなかった。達也がある事を言ってそれに孝一が続いたのだ。

 

 

「森崎家は確かボディガード派遣の警備会社を営んでいたな。お前も手伝っているんじゃないか?」

 

 

「ん?確か、ウチの祖母さんが実家の財閥の警備関係で森崎家の警備会社と警備員派遣を契約したって話を聞いたな。」

 

 

「なぜその事を知っている!?」

 

 

「四葉家の情報収集能力を舐めるなよ?お前が一人息子で家業を継ぐ事を誇りに思っているが内心では門下に入った魔法師の方が実力が上である事に焦っていることも知っているぞ。」

 

 

「!!、それは・・・。」

 

 

「森崎家は速さ重視で血統を見ても、規模や干渉力は平凡だからな。」

 

 

「黙れ!」

 

 

達也と孝一は構わずに続ける。

 

 

「お前、俺たち七武海を舐めていないか?七武海に名前に連ねた者は全員がお前より数百倍の強さを誇って居るんだ。無論、俺もその七武海の一人だからなお前なんぞ、その気になればここで叩きのめす事が出来るぞ?」

 

 

「それなりの実戦経験があるにも関わらずお前が今だ成長しないのは・・・実際に命のやり取りを行う戦闘をした事が無いからな。」

 

 

森崎は孝一と達也の言葉に反論する事が出来ないでいる。

 

 

「俺も達也も、昔からそう言う殺し合いをして来た身だ。特に、戦場では自分が殺すか殺されるかだらな、お前はそれを少し学べ。それに俺は命懸けの修行をして来た。死ぬ気でやらなきゃ強くなれなかったからな。七武海を舐めんじゃねーよ、森崎?」

 

 

「孝一もそうだがおれは幼い頃から命懸けの戦闘を繰り返して来た。それが俺たちとお前、十師族及び七武海と百家支流の違いだ。経験も無いまま、ぬるま湯に浸かって育ったお前に何を言われようが何も感じない。・・・森崎、十師族を舐めるなよ!!」

 

 

「!!」

 

 

孝一と達也が放つこれまでに感じた事のない森崎はその場にへたり込んでしまう。

 

 

(殺される!!)

 

 

森崎はそう思ったのだ。しかし、孝一と達也は殺気を収めて森崎の事は興味は無いと言わんばかりに森崎をその場に放置してパトロールに向かったのだ。

 

 

森崎は、腰を抜けて今だ立ち上がる事が出来ないでいた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

孝一と達也はある場所までに歩いて居るとそこにはリーナとスバルと真由美の三人がそこに居たのだ。

 

 

「ちょっと、孝一!あんた何、校内で殺意剥き出しにしてんのよ!」

 

 

「孝一、後でお祖母さんに怒られるの分かっててやっての?」

 

 

「ああ、すまねえ。リーナ、スバル。けど、俺よりもあいつが悪いんだからよ。仕方ないだろ?」

 

 

孝一はリーナとスバルの二人にキスをすると二人もどこかに立ち去ったのだ。達也の方も真由美と会話して居たのだ。

 

 

「もう荒っぽいわね。殺気がこっちまで伝わって来たわよ!!」

 

 

「真由美さん見ていたんですか?まあ、これでもうちょっかいは出してこないでしょ。」

 

 

「まったく、心配かけないでね達也君?」

 

 

「すいません。」

 

 

「分かればよろしい♪じゃ、お仕事頑張ってね。チュ。」

 

 

達也の頬に軽くキスをして真由美は去って行った。

 

 

「まったく・・・ここは学校ですよ。」

 

 

「お前が言うか?」

 

 

「お前にだけには言われたくない。」

 

 

「じゃ、俺は行かせて貰うぜ?」

 

 

「一緒に来てもらうぞ孝一。」

 

 

「何でだ達也!」

 

 

「お前は何をしでかすか分からんからな。」

 

 

達也がそう呟くと孝一がツッコミを入れてると達也が言い返すと孝一がその場を離れる様にどこかに立ち去ろうとしたら達也に捕まってそのまま何処かに孝一は連れて行かれたのだ。




本日はここまでです。


次回も楽しみにして下さい。
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