今回から九校戦編です
新年一発目です。
活動報告にてこの作品の質問とリクエストがあります。
質問とリクエストは活動報告のコメント欄か作者にDMをお願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=272401&uid=318815
九校戦編story1
国立魔法大学附属魔法科高校は、現在、全国に九校、存在する。九つで十分ではなのではない。九校の運営で精一杯なのである。現状を打開するには数に限りある魔法科高校生たちを最大限、鍛え上げ、魔法師という人的資源を充実させていくしかない。そのため政府は、魔法科高校九校を競走させ、生徒の向上心を煽る政策をとっている。その舞台が『九校戦』。正式名称、全国魔法科高校親善魔法競技大会。毎年、全国からよりすぐりの魔法科高校生たちが集い、その若きプライドを懸けて栄光と挫折の物語を繰り広げる。魔法関係者のみならず、多くの観客を集める魔法科高校生たちの晴れ舞台。今年も、もうすぐ・・・その幕が上がる。
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2012年7月中旬
先日、一学期定期試験が行われた。魔法科高校の定期試験は、魔法理論の記述テストと実技テストにより行われる。そして、学内ネットで成績優秀者が発表される。
総合成績優秀者
一位1ーA 四葉深雪 二位 1ーB 四葉達也 三位 1ーB 犬塚孝一
実技試験成績優秀者
一位1ーA 四葉深雪 二位 1ーB 四葉達也 三位 1ーB 犬塚孝一
記述試験成績優秀者
一位1ーB 四葉達也 二位1ーB 犬塚孝一 三位 1ーA 四葉深雪
第一高校では、定期試験が終わり、定期試験の結果が発表された為、校内の雰囲気は九校戦、一色になっていた。そんな中、孝一と達也そしてリムルは現在、生徒会室に呼び出されている。
部屋の中には、深雪以外の生徒会メンバー、風紀委員長、部活連会頭・幹部と仰々しいメンバーがそろっていた。
「というわけで、よろしくね、達也くん♫」
「・・・何が、というわけなんですか?」
達也がため息を吐きそうになるも何とかこらえて言葉を返す。言われた事の意味が分からなかった訳ではない。ただ、その提案に納得が出来なかっただけだ。そして、孝一とリムルは何故、自分達が達也と共に呼ばれたのかは、皆目見当が多少は着いていた。因みにリムルとミリムそしてディーノは何処からかは、分からないが何故か三人が、八星魔王である事が漏れてしまい結果、孝一とリムルが政府と協議した結果、魔王である事を公表して第一高校に、そのまま在籍する事になった。
「お願い!どうしても技術スタッフが見つからないの!だから達也君には、選手兼、エンジニアとしてチームに入りして欲しいのよ!」
「・・・過去に一年生がエンジニアとして加わった例はないのでは?」
「何でも最初は初めてよ!!」
「前例は覆すために、あるんだ!!」
真由美と摩利から過激な反論を返ってくる。
「・・・せめて選手かエンジニア、どちらかで一つにしていただけませんか?いくらなんでも他選手のCADを調整しながら自分も試合に出るとなれば精神的にも体力的にも、クルものがあるんですが・・・。」
「それは、そんなんだけど・・・。達也君を選手として出さないのは勿体無いし・・・。」
達也からの予想通りの反論を受けて答えに窮する真由美。すると、真由美の横から声がかかる。
「では会長、四葉君には本戦に出てもらいましょう。」
「えっ!?」
「ほえ?」
鈴音の突然の提案に驚く達也と、何語か分からない声を発する真由美。
「四葉君には、大会一日目に予選から決勝まで行う本戦スピード・シューティングに単一エントリーしてもらう。残った時間で技術スタッフとして動いてもらう。四葉君の腕なら本戦でも問題ないでしょう。」
「ナイスよリンちゃん!!それよ!!」
達也が反論しようと思い口を開こうとしたら、それまで黙っていた、孝一とリムルが会話に入ってきた。
「あの、委員長?俺とリムルは何故、生徒会室に呼ばれたのですか?」
「ええ、俺達は、いきなり呼び出されたので理由を知りたいのですが。」
「それはだな。お前達にも、九校戦に出場してもらうと思ってな。」
「委員長、はい、そうですか、分かりました。と返すと思いましたか?達也はそれで良いかもですが、俺やリムルが九校戦に出場するのは他校に対して不公平だと思います。」
達也はともかく、孝一が真由美や摩利に自分達が出る事に反論して、隣で、それを聞いていたリムルも頷いていた。そして、孝一が続けたのだ。
「そもそも論ですが、ただでさえ、十師族の直系が五人も居る上に、百家とその支流を含めれば、かなりの人数になりますし、それ以外にも実力のある魔法師が居ます。それだけなら、まだしも挙げ句の果てには七武海が三人、八星魔王が三人も居るんですよ!最早、他校からすれば戦力差があり過ぎまにも程がありますよ!」
「そうですよ。俺や孝一は、明らかに他の本校の生徒から反発がある可能性があります。」
孝一やリムルがそう言うと、生徒会の面々や摩利そして、部活連の幹部達も孝一やリムルの言っている事に反論が出来なかった。すると、それまで黙っていた、十文字が口が開いたのだ。
「犬塚、四葉それにテンペスト。チームリーダーである七草が、お前達の技量を認めた上で判断した以上、お前達にはチームの一員として、その役目を果たす義務がある。」
かなり強引ではあるが、十文字に此処まで言われては達也は、おろか孝一やリムルには、もうどうしようもなかった。その後、孝一は新人戦のアイス・ピラーズ・ブレイクでリムルは新人戦のバトル・ボードに出場が決定した。
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「それで、結局のところ引き受けちゃったの?」
「引き受けたというより、押し切られたという感じだな・・・。」
「全くだぜ?達也はともかく、俺やリムルが出場する時点で、おかしいだろ!」
「それもそうだな。達也はともかくだが、孝一も出場するのはどうかと思うぞ。」
翌日の昼休み、いつものメンバーで食事を取っていると話題にあがるのは、やはり九校戦の事で孝一達がどんな競技に出るのか聞いてみた所、今の会話になったのだ。そして達也が口を開いたのだ。
「昨日の、あれから大変だった。今まで一年生がエンジニアに選ばれた事例はないし、本戦に出るなんて事も、そうそうある事じゃないからな。放課後に呼び出されて、実際にCADの調整をメンバーの前でやらされた後に今度は、スピード・シューティング本戦に出場予定だった三人の先輩たちと実際に対戦させられたよ。」
「でも、勝ったんでしょ?三戦全部?」
「ああ、流石に、部活で鍛えているだけあって、中々手強かったけどな。」
「・・・なんていうか、優秀って言うより規格外って感じだよね、達也君って。」
「エリカちゃん、達也さんに失礼よ?」
「ハイハイ、・・・ところで深雪は?」
いつもなら、ここで妹からの、お兄様自慢の言葉が降ってくる所だが今この場には深雪の姿はない。
「深雪なら九校戦の準備で、今も生徒会室だ。」
「深雪さんは、ご自分も出場なさるのに大変ですね。」
「まあ、深雪なら新人戦も楽勝って気がするけど。」
エリカの問いに達也が答えると美月が言うとエリカが言うと、それまで黙っていた雫が口を開いたのだ。
「油断はできない、今年、三高に一条の御曹司が入学したから。」
「一条って、あの一条か!?」
「そう言えば、愛梨が教えてくれたな。」
雫の発言に全員の意識が、この場にいない、一条の御曹司へと向かった。そして孝一が、さりげなく愛梨が、そんな事を教えてくれたとポロッと言っている。
「孝一か達也君のどっちかは何か知らないの?その御曹司のこと。」
「何回か十二師族関係のパーティーで会った事がある。今の十師族の後継者の中でも一条将輝は、攻撃力だけなら最強の魔法師だと言われている。」
「マジかよ、そんなにすごい奴なのかよ。」
達也の説明にレオが驚愕の表情を浮かべる。その場にいた全員、大なり小なり驚いている中で一人だけ笑いを堪えている者がいる。
「十三束君、どうしたの?」
「いや、ゴメン。おかしくて、つい・・・。」
尚も「ククッ。」と笑っている鋼。ようやく笑いが収まると皆に理由を説明する。
「いや、だってさ、まるで他人事みたいに達也が話すもんだから。」
「どういう事?」
まだ話の意図が見えないエリカが聞き返す。
「攻撃力の面で最強って言われてるのは一条将輝だけじゃなくて、達也も同じだよ。ナンバーズの間では、どちらが強いのか、よく話題にあがるくふぁいだよ。」
今度は別の意味で驚く、身近にそんなすごい奴がいたのかと孝一や夏に紅音、リムル、ミリム、ディーノそしてリーナ、エリカ、英美、スバル、奏以外のメンバーが達也が十師族の直系なのだと改めて認識したのだ。
「そんなに大した者じゃないんだがな、俺は・・・。」
「沖縄防衛戦の『冥王』が何言ってるんだが・・・。」
「メイオウ、って?」
二人の会話の内容がよく分からなかった雫から疑問が上がる。
「達也に付けられた二つ名さ。達也が沖縄で戦ったときに、その圧倒的な破壊力を視た味方が付けたらしい。」
「味方がつけたんだ・・・。」
「冥王・・・、冥府の王、なんか達也のイメージにピッタリだな。」
「確かに!なんかラスボスって感じで!」
「そう言えば・・・君達ことも聞きたいんだけど?」
彼等がそう会話をして居ると、孝一と夏にリムルにミリムそしてディーノに話が向いたのだ。
「まあな、俺や夏は七武海だし、リムルも七武海で八星魔王だし、ミリムもディーノも、リムルと同じ八星魔王だからな。」
「確かに、お前や夏は七武海だし、俺は七武海であり、ミリムとディーノと同じで八星魔王であるからな。」
孝一がそう言うと、孝一の隣に座っていたリムルが答えると、ほのかが二人に尋ねたのだ。
「気になったんですけど、他の七武海や八星魔王の人達ってどんな人なんですか?」
「ああ、メンバーは俺と夏とリムルに加えてアインズ・ウール・ゴウンとイビル・アイとボア・ハンコックそしてジュラキュール・ミホークが七武海のメンバーだ。」
「八星魔王は俺とミリムとディーノにギィ・クリムゾン、ルミナス・バレンタイン、レオン・クロムエル、ダグリュードにラミリスだよ。」
孝一とリムルが、そう答えて七武海と八星魔王のメンバーを教えると勝手に孝一や達也にリムル達の事の話で盛り上がる友人達を見て孝一と達也はため息を吐きそうになりながらも、昼休みを過ごしたのだ。
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「オラァ、どきやがれ!」
今、B組とE組は体育の授業中。競技はレッグボール。フットサルから派生したスポーツだ。他の一科のクラスとは違い、B組の生徒は男女ともに友好的であるためE組の生徒も何の気兼ねなく純粋に授業を楽しんでいた。
「吉田!!」
レオが壁に向かってボールを蹴る。壁に跳ね返った先にいた人物はそのままダイレクトでボールを蹴り込んだ。
「よっしゃぁぁ、ナイス吉田!!」
吉田と言われた生徒が放ったシュートがゴールネットを揺らす。これでスコアは5対5のイーブン、振り出しに戻った。
「彼、中々やるね、達也。」
「ああ、読むが良いし、見かけより体が動く。」
達也の横に並んだ鋼が、素直な賞賛する。
(吉田幹比古。古式魔法の名門、吉田家の直系。かつて『神童』と称されその魔法力は次期当主である、兄をも凌ぐと言われていたはず・・・内の二科にいたとは。)
「達也!!」
思考の深みにハマろうとしていた所で達也は迫ってくるボールの気配に反応して回し蹴りの要領でボールをゴールに向かって蹴り込んだ。因みに孝一とリムルは授業をサボろうとしたディーノを探しに行き孝一はディーノを制裁する気満々でリムルと一緒に行ったのだ。
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「お疲れ、良い試合だったよ。」
「こちらこそ、楽しかった。」
試合が終わった後、一人で休憩をとっていた吉田に鋼が声をかける。
「ナイスプレー。」
「やるじゃねぇか、吉田、意外だったぜ。」
達也とレオもそれに続く形で彼に声をかける。
「そっちもね。・・・それと僕の事は幹比古と呼んでくれ。名字で呼ばれるのはあまり好きじゃないんだ・・・。」
「分かった、僕の事も鋼で良いよ。」
「了解だ、幹比古。俺の事はレオって呼んでくれ。」
「俺も幹比古と呼ばせてもらって良いか?もちろん俺の事は達也で良い。」
「OK、みんなよろしく。実を言うと三人ともう一人には話をしてみたいと思ってたんだ。」
一年前の事故のせいで、自分はあの頃の『神童』と呼ばれていた力を失ってしまった。だからこそ、今まで以上に体の鍛錬や勉学に力を入れてきた。しかし、体にポッカリ空いてしまったような感覚は一向に消えてくれない。そんな時に彼等の存在を知った。
一人は、十師族の直系であるにも関わらず、人を見下すような事はせず本質を見抜き、正しく人を評価する。そして決して差別を許さない者。
もう一人は百家最強と言われる家系に生まれるも、体質のせいで思うように魔法が使えず、他者からも身内からも『異端』と蔑まれて育ちながら、そんな境遇に負けず、自分を高めようと努力し近接戦闘でなら、他家に一目置かれる存在になった者。
そして最後の一人は魔王でありながら自分の知り合いと同じ七武海の一員でもある人物で相手の実力を把握してから、その人物を評価する者。
一方、自分と同じ二科生でありながら先日、第一高校内で起こった騒動に参加し、十分な戦果を挙げたクラスメイト。
後者、三人もそうだが、孝一と達也は新歓期間で、ほとんど魔法を使わず並み居る実力者たちをねじ伏せたという。どうすれば、彼らのような強さが手に入るのか、幹比古は知りたかった。
「奇遇だな、俺もだ。」
その返しに、幹比古は意外感をもった顔を浮かべる。
「ペーパーテストで、学年4位の秀才を気にかける事が、そんなに意外か?」
「あ、いやっ・・・一科の人はペーパーテストの点数なんて気にしてないと思ってたから・・・。」
「今回のテストで合計400点以上を出せたのは、たったの5人。その中に二科であることに甘んじず、自分を高めようとする者がいるとなれば他の二科生の心の支えになるはずだ。少なくとも、差別を良しとしていない。会長や委員長は、嬉しく思っているよ。もちろん俺も。」
達也の裏のない賛辞を受けて胸が高まる幹比古。力を失って以来、ここまで純粋に褒められた事はなかった。しかも、それが日本の魔法師社会の頂点に君臨する者からの言葉だ嬉しくないはずがない。
「そう言ってもらえると頑張って甲斐があったよ、ありがとう。」
力を失った事を知られたくなくて、他者との関わりを避けていたが今、幹比古は、人に認めてもらう事への喜びを噛みしめていた。すると彼等の近くでドッサと大きな音がすると四人は音が鳴った方に顔を向けるとメッシュが入った銀髪の青年、ディーノとディーノが倒れて居るその近くで凄まじい殺気とディーノを射殺せんばかりの視線を出している孝一と孝一を止めようとしているリムルが居たのだ。
「何をして居るんだ、お前たち?」
それを見た達也が孝一とリムルに尋ねたのだ。達也の問いに孝一が答えたのだ。
「ああ、ちょっとコイツに、お仕置きをしてたんだよ。」
「痛ってーーーーー!!助けろよ、リムル!!」
「ディーノの此れに関しては、お前が悪いからな俺はどうする事も出来ないな。」
孝一がディーノにアイアンクローを仕掛けるとディーノがリムルに助けを求めるがリムルが完全に拒否をする。その後、エリカとミリムの襲来により、少し気まずい空気になりかけたが孝一たちのフォローで、ひとまず平和に終わった。因みに孝一は幹比古とは千葉流剣術道場関係で知り合いである。
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孝一が自宅で過ごして居ると政府からの秘匿通信があったのだ。それは香港系の犯罪シンジケート『無頭龍』の下部構成員に不穏な動きがあるため九校戦中は気をつけろとの事であり最悪の場合は『無頭龍』を潰すように、と言う物だった。
「やれやれ、政府の連中も、面倒事を俺に押し付けやがって。」
「それは、仕方ないだろ兄貴。」
「確かにそうだな夏、最悪の事態が起きてからじゃ堪ったもんじゃないからな。」
「でも何で、大陸系の犯罪シンジケートが九校戦の会場周辺で怪しい動きをしてんだ。」
「まあ、俺の予想だが、大方、賭事関係だろうな。」
「そうなのか、兄貴?」
「あくまで俺の予想だがな。ま、俺たちが警戒していればどうて事は無いとおもうぞ。」
孝一と夏がそう会話してその場で自分達が警戒をしていれば問題ないと判断したのだ。
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日本皇国 首都東京特別市市内某所
2012年7月下旬日曜日午前9:54
孝一は日本皇国の首都の東京特別市の玄関口である、東京駅の入り口に居たのだ。理由は簡単だ。金沢から恋人の一人である一色愛梨が来る事になっていたのだ。すると近くから聞き覚えのある声が聞こえたのだ。
「いい加減して頂戴!私は貴方たちに用は無いのよ!」
「良いじゃねえか、ちょっとぐらい。俺たちとそこのカフェでお茶しようよ?ね?」
「そうだぜ?俺たちと一緒に飲もうぜ?」
「そうそう。」
孝一は声のしたの方に顔を向けるとそこには見覚えのある、長髪で金髪の少女、一色愛梨が三人のチンピラに絡まれていたのだ。それを見た孝一は愛梨を助ける為に近づいたのだ。
「おい、お前ら、人の女に何、手を出してるんだ?」
「孝一!」
「何だテメェー!俺達に喧嘩を売ってんのか!?」
「ヤッタロウじゃねーか!」
「かかって来いよ!」
「下がってろ愛梨。」
「え、ええ。」
孝一が愛梨とチンピラとの間に入ると、孝一にナンパを邪魔されたチンピラたちが頭に血がのぼってしまい、孝一に喧嘩を売ると孝一は仕方なくチンピラと戦う事にする。
「死ね!」
「遅ぇーよ、バカ。」
「この野郎!」
「コイツ!」
「動きが丸分かりだぞ、バカやろう。」
「この、覚えてやがれ!」
「一昨日、来やがれ!」
孝一がチンピラたちの攻撃を躱してチンピラたちに反撃するとチンピラは捨て台詞を言い放って何処かに逃げて行ったのだ。
「孝一、ありがとう。」
「別に構わねーよ。俺も大事な恋人に手を出す奴は容赦しないからな。それに愛梨は可愛いからな。誰にも渡したくないんだよ。分かるな?」
「ちょ、孝一!恥ずかしい事を言わないでよ!」
「ははは、冗談だよ。」
二人がそう会話をしていると駅の構内から二人に近づいて来て話しかけて来たのだ。
「愛梨、大丈夫かしら?」
「うむ、騒ぎが聞こえたからな。だが大丈夫そうじゃな。」
「ええ、大丈夫よ栞、沓子。」
ショートヘアの少女の栞と小柄で黒髪の長髪で古風な話し方の少女の沓子だ。二人は孝一に気付いたのだ。
「愛梨、彼は誰かしら?」
「うむ、そうじゃな。」
「あ、そうね。孝一、自己紹介できるかしら?」
「そうだな。俺は犬塚孝一だよろしくな。」
「私は十七夜栞よ、よろしく。」
「わしは四十九院沓子じゃ、よろしくなのじゃ。」
四人は近くのカフェに入り会話する事になり四人はそこ一時間ほど、会話をして四人がお互いが九校戦の出場する選手である事を知りFLTから飛行魔法が発表されたのだ。
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その後、発足式という名のお披露目は孝一とリムルはともかく達也の選手権、エンジニアという発表により、多少どよめいたが、つつがなく終わった。
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放課後は九校戦の準備で慌ただしくなる。孝一とリムルは自分達は出場する試合の練習をして達也はエンジニアとしてCADの調整や各選手の作戦立案を担当し、練習を手伝っていた。因みリーナは新人戦クラウドボール、英美は新人戦スピードシューティングと新人戦アイスピラーズブレイク、スバルは新人戦クラウドボールと新人戦ミラージバッドに参加する事になったのだ。
(それにしても、幹比古にあんな一面があったとは・・・。孝一は知っていたのか?)
(やれやれ、あいつ、俺の知らない所で何があったんだ。)
孝一と達也は先ほど起こった、チョットしたトラブルを思い出して考えていたのだ。
(焦る気持ちも分かるが、あそこまで見栄がなくなるとわな・・・。)
(あいつの事だからな、聞いても無駄だろうからな。ゼッテーこんな事を考えたら姉貴に怒られるな。)
魔法の練習を美月に覗かれた事で取り乱し、危うく怪我させてしまう所だった。
(まあ、これはばかりは本人問題だからな。)
(今度、時間が出来たらエリカに聞いてみるか。)
孝一は時間に都合がついたらエリカに聞く事にして、達也が自分の中でそう解決し、深雪達が練習している場所へ向かった。
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今日は、九校戦へ出発する日である。会場へは学校で用意したバスで向かうのだが今、現在達也と真由美が遅れて居る。理由は七草家の用事で達也が真由美を迎えに行って居たのだ。
「達也君は真由美の迎えを優先して七草邸に向かったからな。」
「仕方ないですよ。会長も家の用事が、出来てしまったからですね。それに達也が、迎えに行くの当然ですよ。」
孝一は摩利と一緒にバスの外で会話をしながら待機していた。すると孝一は暇になったのかオーブニカを吹き始めたのだ。孝一は帽子を被って茶色の革ジャンに黒のTシャツにジーパンで着用していた。
※ウルトラマンオーブの主人公、クレナイ・ガイがテレビ本編の服装をイメージして下さい。
「〜〜♫〜〜♫〜〜♫」
「良い音色だな、そのハーモニカは。」
「ええ、正しい心や清らなか心を持った者には、良い効果を発揮しますが、逆に悪き心と負の心を持った者には悪き効果を発揮しますよ。」
「そうか。」
二人がそう会話して居ると達也と真由美がギリギリの時間で到着したのだ。すると達也が口を開いたのだ。
「遅れて、すみません。」
「ごめんな〜さ〜い。」
「仕方ないだろ?それに旦那様のお陰で間に合ったんだろ?」
「もう、摩利ったら、そんな、旦那だなんて・・・。」
ようやく全員が揃ったので四人もバスに乗っていよいよ会場に向けてバスが動き始めた。
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「達也、調子はどうだい?」
「問題ない、それより例の魔法はどうだった?」
達也の横に座っている、鋼からの定番のように質問に答える。
「うん、最初は中々上手くコントロール出来なかったけど、今なら完璧に使いこなせるよ。」
「それは良かった、お前の特性を活かした、オリジナルだからな。」
「起動式を考えたのは達也じゃないか、でも、これで僕も十分に戦える。」
「ああ、頑張れ。」
鋼は今回の新人戦、クラウドボールにエントリーしている。達也は基本、新人戦女子のエンジニアの担当なっているが本人と孝一とリムルらの要望もあり、男子に関しては孝一とリムル、鋼の三人は達也が担当して居る。
因みに真由美のクラウド・ボールも達也が担当だ。一方、孝一とリムルはバスの一番の後ろの席で会話をして居た。
「やれやれだな、リムル。」
「何がだ、孝一?」
「俺達は、七武海でもあるし、お前は七武海でもあり、八星魔王でもある。それだけでも、やべえのに九校戦に、なし崩しとは言え出るだからよ。」
「それは、仕方ないと思うぞ。そもそも、俺達は他の奴らより力があって、強いんだからな。」
因みに、達也と鋼は孝一とリムルと一緒にバスの一番、後ろの席で座っている。
「何を話しているの、孝一?」
「なになに、何の話〜。」
「コウイチ達は何を話してるの?」
「他の学校にはどんな、選手がいるのかなって話。」
話しかけてきたのは同じB組にして孝一の恋人であるリーナとエイミィだ。リーナは新人戦女子クラウド・ボールに英美は、新人戦スピード・シューティングとアイス・プラーズ・ブレイクの二種目に出場する。
エイミィが話しかけたのをキッカケに、今まで我慢して居たのか深雪やほのかにスバル、他の女子たちも四人の会話に加わって居たのだ。そんな中、後ろの方で固まっている一年生男子達。その中に、心穏やかではない者がいたのだ。
(どうしてアイツらばかり・・・。)
やり場のない怒りを燃え上がらせる森崎。彼は、今回の新人戦のメンバーとして選ばれたとき舞い上がる気持ちを抑えられないでいた。ただ単に嬉しかったわけではない。自分の成績なら選ばれるのは確実だと思って居た。
現に彼は、新人戦スピードシューティングとモノリスコードの二種目に選ばれている。彼は嬉しかったのは、新人戦の顔合わせの際に孝一とリムルは居たがあの、忌々しいペテン師の姿が無かったからな。
特にモノリス・コードは、九校戦の花形競技であり、各校のエースが集う。そこに自分が選ばれて、達也の姿が無い。他の競技にさえも。しかし、現実は非常だった、いや、自分の認識が甘かった。九校戦のメンバーが全員集った発足式。奴は二年・三年生の候補選手を差し置いて本戦に出場。さらに、一年生で初のエンジニア入りを決めた。
いいしれない敗北感に打ちのめされた。そして、新人戦のメンバーに選ばれた程度で満足して居た自分が許せなかった。
(新人戦・・・必ず結果を残してやる。アイツらの存在が霞むくらい・・・。)
少々ズレたことを考えながら孝一とリムルと達也を睨みつける森崎だが三人は気づいて居たがあえて気づかないフリをしたのだ。
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森崎以外にも今の状況が面白くないと思っている者が居た。それは孝一の姉にして、この学校のもう一組いる、許嫁カップル。その片割れである犬塚公爵家の長女、犬塚咲である。彼女も本戦アイス・ピラーズ・ブレイクを千代田花音と一緒に参加する事になっている。
彼女は幼馴染で許嫁の百家の五十里啓と一緒のバスに乗れなかった事に不満を漏らしていたので摩利と花音が咲をなだめていたのだ。真由美も、達也が横に座ってくれなかった事に、拗ねていた。達也が真由美や深雪の隣に座らなかったのは一人の選手と感情的に強く結びついて他の選手にエンジニアとしてベストを尽くせなくなるのを防ぐためだ。孝一は花音を除く恋人達と仲良くバスの席に座って居た。
・・・無駄な足掻きかもしれないが。真由美は隣の鈴音に散々ボヤいた後、スヤスヤと眠ってしまった。そんな時、事故が起こった。最初に気付いたのは外の景色を見ていた花音だった。
「危ない!」
花音の声に全員が外に向けた。対向車線を逆さまの状態で、火花を散らしながら大型車が突っ込んでくる。バスは急ブレーキをかけ止める。しかし、大型車は勢いを失わずドンドン迫ってくる。悲鳴が上がる中、この事態に対処しようと動くものが数人。
「吹っ飛べ!」
「消えろ!」
「止まって!」
「っ!」
(まずい!)
(おいおい、マジかよ!ここで魔法を止めさせねーとヤバい事になるぞ!)
無秩序に事象改変が、同一の対象物に働きかけた結果、キャスト・ジャミングと類似した空間が生まれ、魔法の発動を妨げた。
「バカ、やめろ!」
孝一と達也と摩利はすぐに気が付き、魔法のキャンセルを促す。
「十文字!」
摩利はこの状況に対処できる可能性を持つ魔法師の名を呼ぶ。しかし、彼の顔は滅多に見せない焦りの表情を浮かべている。摩利が絶望に捉われそうになったその時。
「落ち着きなさい!!!」
いつの間にか目を覚ましたのか、真由美が声を張り上げる。
「十文字君は防壁の準備、深雪ちゃんは火を!!」
それぞれに指示を出す真由美。しかし、火の消化はサイオンの嵐により、未だ難しい状態だ。
「孝一君、リムル君、達也君!!!」
真由美は深雪の準備が完了したのを見て、最後に孝一と達也に指示を出す。孝一は右手の親指の皮膚を少し噛み切ると印を結び達也がCADを構える。達也のサイオンが一瞬、活性化したように見えた次の瞬間、車の周りを渦巻いていたサイオンの嵐が、かき消されて、孝一がバスの窓に右手を突き出すと術式が展開すると孝一が叫んだのだ。そしてリムルは自身の影の中に居る配下に行く様に命じたのだ。
「口寄せの術!」
「ランガ!!」
孝一が口寄せの術を発動すると孝一が契約して居る妙木山の蝦蟇一家の一体、ガマ吉が出現するとガマ吉がジャンプして車の後ろに回り、リムルの影の中にいたランガ出現する。それを待っていた深雪とガマ吉が車の火を消化そして、十文字の防壁の魔法とランガが十文字の防壁の魔法を支えによって車は止まった。
***********************************
「みんな、大丈夫?」
真由美のさっきとは違う落ち着いた声に全員が我に返る。
「もう大丈夫よ。十文字君、いつもながら見事な手際ね。深雪さんも素晴らしい魔法だったは。」
克人は無言で頷き、深雪は真由美に褒められ少し照れている。真由美は達也の婚約者だが、達也が数少ない、心を許した女性でもある深雪の中で、真由美は憧れのお姉さんなのだ。ちなみに、真由美が深雪を呼ぶ時は気を許している者以外のまえでは“深雪ちゃん”から“深雪さん”になるのだ。
「ありがとうございます、会長。でも、魔法を発動する時間を稼げたのは市原が、バスに減速魔法を掛けてくれたおかげです。」
深雪が一礼し、鈴音が軽く手を上げて答える。
「真由美、さっきの達也君の魔法はなんだ?いや、そもそもあれは魔法だったのか・・・。それとテンペストが叫んだ途端に犬のような動物は出て来たが。」
場を引っ掻きました花音に軽く説教をした後、摩利が疑問を口にする。どうやら、他のメンバーも気になっていたらしい。皆が真由美に注目する。当の孝一と達也とリムルはバスを降りて、ドライバーの生存確認をしていた。貴族と十師族の次期当主で七武海と魔王がそんな事を率先してやる事に、周りは驚いようだが。
「ええ、あれは歴とした無系統魔法であり、対抗魔法でもある固有名『術式解体(グラム・デモリッション)』。」
「グラム・デモリッション。」
「圧縮したサイオンの固まりをイデアを経由せずに対象物へ直接ぶつけてそこに付け加えられた起動式と魔法式の情報体を吹き飛ばしてしまう。情報強化も領域干渉もキャスト・ジャミングにも影響されない物理的な作用がないから、どんな障害物でも防ぐことはできないは、射程距離が短い以外に特に弱点らしい弱点がない。実現されているモノの中では、最強の対抗魔法と言われているわ。孝一君とリムル君に関しては多分、本人に聞けば良いと思うわよ?」
真由美が説明し終えた所で孝一達がバスに戻って来て達也が真由美にある事を言ったのだ。因みに孝一とリムルはガマ吉とランガを連れてバスに入って来たがガマ吉とランガは体を小さくした状態でだ。
「会長、いつでも出発できます。」
「了解。では再び会場に向けて出発!」
真由美の声を聴いて運転手がバスを発進させる。席に戻った三人は、同級生だけではなく先輩たちからも質問責めにあったのは言うまでもないことである。
今回はここまでです。
では、次回お楽しみに。