幻想の失楽   作:ボロニアル

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☓☓☓☓周目 真実の瞳

ああまた、まどかを助けられなかった。

 

今回もまた同じだ何度もやり直して何度も失敗して何度もマミさんを助けられず美樹さやかを魔女にして佐倉杏子を犠牲にして。繰り返す繰り返す同じ時間を何度も巡り絶望の運命から救い出す道を、まどか私のたった一人の友達を助ける為に。

 

貴方の貴方の為なら私は永遠の迷路に閉じ込められても構わない。貴方の為なら私は全てを犠牲にしてでも何度も繰り返す。

 

《私はそう考えて行動してきたあの時までは》

 

まただめだ佐倉杏子が来て美樹さやかが死ぬ1連の流れは様式美めいていて毎回いやになる。それでも私はまどかが契約しない様に劇を監視している。

 

佐倉杏子が言う

「あんたさ何やってるのさ、見てわかんないのあれ魔女じゃなくて使い魔だよ、グリーフシード持ってるわけないじゃん」

 

美樹さやかが答えるハッキリした口調で

 

「だってあれ放っといたら誰かが殺されるのよ」

 

佐倉杏子が魔法少女として吠える

 

「だからさあ四、五人ばかり食って魔女になるまで待ってての。そうしたらちゃんとグリーフシードも払うんだからさあ。あんた卵産む前のニワトリ絞めてどうするのさ。何か大元から勘違いしてんじゃない。食物連鎖って知ってる?学校で習ったんじゃない。弱い人間を魔女が食う、その魔女を私達が食うこれが当たり前のルールでしょそういう強さの順番なんだから」

 

予想通りのセリフ、予定調和、全く持って辟易する。

その時佐倉杏子の後から知らない声が聞こえてきた。

 

「じゃあ仕方ないな、テメーは弱いから此処で死んで行け」

 

佐倉杏子の頭が斧で勝ち割られ拳銃の弾丸で破裂していった、突然の出来事で何も出来なかった。そうして現れたのは烏羽色のロングヘアで片目が蒼く光っていて獰猛な笑顔を貼り付けた私達と同世代の少女が悠然と構えていた。

 

えっ彼女は誰?

 

名前も知らない彼女は佐倉杏子のソウルジェムを丁寧に丁寧に足で砕き破壊して行く。其処にキュゥべえが呟く

 

「久しぶりだね、サヤ君は相変わらず容赦がないね。佐倉杏子が何をしたんだい」

 

「強いて言うなら魔法少女になったからかね、ああんこの女も魔法少女か、全く持って救えねえ話だなとりあえずインキュベータてめえは此処で1度は死ねよ」

 

私は正確な構えで拳銃を撃ち殺戮して行く彼女を呆然と唯眺めていた、だけれどもそれは一瞬の間だった心優しいまどかがキュゥべえを見捨てるはずがなかった。

 

キュゥべえの盾になる様に彼女は前に身体を踊り出して。それを見て私は魔法を使って時間を止めた。そして弾丸を弾丸で弾き飛ばす。

 

「ああんまた別の魔法少女かよはぁ〜あ、メンドウ」

 

「あなた何者?」

 

「名前を聞くならまずは自分の名前を言えよこの馬鹿野郎。寄りにも寄って化け物の口車に乗ったこの愚か者が」

 

「あんた達何やってるの!!キュゥべえ死んじゃたじゃない」

 

私、彼女、美樹さやか三人が同時に話だして混乱した様子でいると新しいキュゥべえがやって来て会話に加わってきた。

 

「君ほどの魔法少女としての才がある少女がこんな事をするなんて僕は間違っていると思うよサヤ、君は今すぐにこんな事を止めて魔法少女になるべきだ」

 

「あっそうまあ宇宙人はほっといて話し進めようぜ、とりあえずお前ら此処で死ぬくか?それとも首括って死ぬかどちらかを選べよ」

 

「あんた何!!突然出てきて、赤い髪の女の子を殺してそれで私達に自殺を強要するなんて頭おかしいんじゃない!!」

 

それはその通りだ魔法少女だから自殺しろなんて極論届くはずがない。けれど彼女は知っている様子だったインキュベータ(奴ら)の手口を、もし彼女が全てを知ってるならまどかを助けて欲しいそんな言葉を口にしかけてやっぱり止めた。

どうせ彼女も私の言葉を理解してくれない、まどかを救えるのは私だけなんだ。

 

 

私達三人に烏羽色の少女は言葉を投げかける。

 

「あのなあ何でも願いを叶えるなんて胡散臭い話本気にしてるのか。だとしたらお前相当頭お花畑だよ、良いか良く聞けインキュベータはな世界の為なんて言い訳しながら唯エネルギーを手に入れる為に動いてる宇宙人なんだよ。私達人類にはそいつらの理論、倫理、常識が理解不能なんだよ。魔法少女になったら人間止めてソウルジェムが本体になることや、魔女が魔法少女の成れの果てって事も重要なこと全部黙っている詐欺師なんだよ」

 

その事を指摘してきた彼女に対して私は驚愕の為目を見開いた。

《多分ここが物語の最初にして最大の分岐点》

 

「なるほど黒髪お前気づいてたな、だがおかしいな気づいたなら余計魔法少女なんて物になるわけないな。イヤ、まてさっきの瞬間移動、魔法が奇跡の副産物ならもしかして時間遡行者か?はっそれなら納得できる。初めは単純に騙されて次の周から真実に気づいたのか。はっんなるほどなそれならまだ打つ手はある」

真実を提示された美樹さやかは混乱しながら喚き散らす

 

「何言ってんのアンタ達本当に頭おかしいじゃん!!」

 

「なるほどなアンタ"達"ね。はっ友達に頭おかしいなんて言われるなんて黒髪お前本当に哀れだぜ。まあ説得できる材料が少ないなら仕方ないね、イイぜじゃあ名乗ろう初めましてだね私の名前は神旗サヤただの通りすがりの猟師、獲物はインキュベータだけどな。お前の名前はなんだ?」

 

呆然としながら魔法少女になる前の弱くてバカな私に戻ったみたいに細く呟く

 

「暁美ほむらです」

 

「じゃあ今回はほむらちゃんと呼ぶぜまあその様子だと今回が初めて会えたみたいだけどな」

 

「あんた達私達を無視するな!!」

 

「うるせーなこの愚か者、テメーの相手は今はしてないんだよ空気読め。まあ仕方ない此処で殺しておくか」

 

大型の斧を投げ美樹さやかが剣で弾いた僅かな瞬間に懐から大型の狩猟銃を取り出し正確に弾丸がソウルジェムを貫いていった。

 

後になって残ったのは美樹さやかの呆然とした死体、頭が吹き飛んでいる佐倉杏子の死体、それから話についていけなかったまどかだけが残った。私は永遠の迷路の中でこれ程大胆に動けなかった。それほど手際が良く、被害者である魔法少女を殺してこれなかった。

まどかはさやかちゃん、さやかちゃんと呼び続ける。それは次第に泣きながら、慟哭に変化して、最後は現実逃避の為ジョーダンでしょと半笑いで呼び続ける

 

そしてケータイで何処かに連絡していたサヤがこちらに意識を向けた時にまどかはサヤを睨めつけて大きな声で

「この人殺し、さやかちゃんを返してよ!!」と叫ぶ。

理不尽ではあるけどそうだ、人を二人も殺していて良くもふてぶてしい態度で居られるのかと思って気分が悪くなる。

 

私が何か口にする前に彼女は言う

「いや、だからなそれらは人じゃなく物なんだよ。二人殺したんじゃなくて既に死んでたんだよ。そうだよなインキュベータ」

 

また新しいキュゥべえが出てきて答える。

 

「そうだね、サヤが言うことは概ね正しいけれどそんなことは小事じゃないかな、なんたってもうすぐワルプルギスの夜がやってくる。まどか、サヤ君達二人が魔法少女になったら最強の魔女なんて一撃だよ、だから早く僕と契約してくれないかな?」

 

アイツはまた意味不明(気持ち悪い)ことをほざく、奥歯を噛み締めながらまどかに声をかけようと瞬間にその目が雄弁に語る『貴方は信じられない』と。まどかに嫌われた事で傷ついた私と今回は契約しないだろうと安堵した私どちらもいて自分に吐き気をもようす。

 

カツカツと固い足音を出しながらキュゥべえを踏みつけて銃弾を入れ替えながら、死ねよと軽く言ってサヤは銃弾を打ち尽くす。

 

「ピンク髪お前はワルプルギスの夜が来ても契約するな、今回は私が魔法少女になるそれで終わりだよ」

 

其処に鍛えられている様子の男数人がやってきて二人の少女の死体を軽々と抱えてワゴン車に乗せていく。

 

「待ってさやかちゃんをどうするの?何やってんの?二人を何処に連れて行くの?」

 

 

「何処って言われてもな、此処じゃない何処かだよ、死体が残っていた方が問題が大きくなるから。行方不明って事で警察の方には処理されるかな、まあ真実を語る者は真実故に誰も騙れないしね」

大人が子供に言い聞かせる様に苦笑を見せながら彼女は語る。

 

「おっととほむらちゃん渡すのを忘れる所だった次の周ではその番号に電話しな私が出るから、電話が鳴った瞬間に鳴った理由を理解してアンタの味方になるはずだからその時にアンタの本当の望みを言いな上手く行けば叶えてやるから、まあインキュベータに騙されてたんだもう一度ぐらい私に騙されてみな」

 

そう朗らかな笑顔で彼女はインキュベータ被害者の会代表と書かれてる名刺を渡してきた。そして彼女はワゴン車に乗って去って行った。残されたのは私と泣き崩れるまどかだけが無残に残っていた。そうして一刻半後にまどかが立ち上がり小さな声で話始める

 

「私帰るね、もう疲れたよほむらちゃんの話もアノ人の話ももうわかんないよ、けど分かったことが1つだけあるの私には魔法少女になる資格なんてないんだね。さやかちゃんを失ったことだけが泣きたくなるよ」

 

次の日から私はまどかから避けられ初め、改めてまどかの"日常"が始まった。サヤとはアレ以来会っていない唯キュゥべえの死体がところどころ見つかるぐらいだ。

そして運命の日がやってきたそうワルプルギスの夜が見滝原市に襲来してきたのだ。

 

結界ないに居るのは私とサヤ、キュゥべえの二人と一匹だけがいた。

 

これからどうするのかサヤに聞くが契約して魔法少女になるぐらいかね。と話をずらされる。

最後の会話は良く覚えている、「ああ今回は私が死ぬよけど次の周で終わりだ」と悲しそうではなく寧ろ誇りを持って彼女と別れた。

 

 

キュゥべえからは魔女になった彼女と戦わないのかい?と言われ返す言葉は1つだけ「私の戦場はここじゃないから」と言って私は魔法を発動する。

 

 

 

こうして私は自分の罪と向き合う事になった、サヤと出会い運命は流転する。

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