これは、結ばれる事のない恋のお話。
「ふぁぁぁぁ。ねみぃ。」
俺はあくびを時々しながら、灰色の耳と尻尾を動かして、草むらで寝転がっていた。もういっそのこと、寝てしまおうかと考える。だが、寝てしまうと、何か逃してしまう気がして、重いからだを動かし、木に隠れて人が通る道をじっと見ていた。すると、赤い何かが道を通った。
「…!」
それは、可愛い人間だった。赤色の頭巾を被った金髪の女の子。
その子はこっちを見た。俺は隠れたが、尻尾が出ていたらしく、近付いて来た。
(ど、ど、ど、どうしよ!)
何をすればいいかがわからなくって、焦った俺は、目の前の花を見て、思い付いた。
私は、道を歩いていた。そして、ずっと危ないと言われていたおおかみが出る森に入ったとき、何かが起きる気がして、お婆様に渡す物がはいっているかごを確認する。
「よし、全部ある。」
中を確認した私は森の奥へ進んだ。
「?」
森の真ん中ぐらいに着いた時、何かに見られている気がして、大きい木に目を向けた。よーくみると尻尾が出ていて、少し、怖がりながらも、近付いていった。木の前まで近づくと、手が出てきて、お花を私の前においた。
私は、ちょっと怖くなって、お花を持って、その場を後にした。
それから、あの子は時々森に来ては俺が隠れている木の前に来ては、お花を持って帰っていくということがつづいた。
ある日、あの子は来なくて、ずっと、家にいた。暇だったから家の本を漁っていると、一冊、ベットの下に挟まってる本が、あった。
{あかずきん}
本にはそうかかれていて、気になった俺はその本を読み進めていった。
あるところに、あかずきんという可愛い女の子がいました。
あかずきんはおばあさまの家にお届け物をするために、
かごを持って、森を歩いていました。
「寄り道をしてはダメよ。」
お母さまに言われたことを忘れないように頭の中で考えてると、狩人に出逢いました。
「この森には悪いおおかみが出るから気をつけてね。」
「はい!」
あかずきんは狩人と別れると、おおかみが現れ、
「お婆様のところへいくのかい?なら、お花畑がこっちにあるから、こっちからいきな。」
おおかみは笑顔でいいました。
「ありがとう」
あかずきんはそういうと、お花畑にむかいました。
お花をもって、お婆様の家に着いたあかずきんは扉を3回叩き、入っていきました。
目の前には、いつもと少し、ちがうお婆様がいました
「よく来たねぇ。こっちへおいで。」
「はい。」
あかずきんはお婆様の前にいくと、たくさん質問しました。
「どうしてお婆様の目はおおきいの?」
「それはね?お前をよーくみるためさ。」
「どうしてお婆様の耳はおおきいの?」
「それはね?お前の声をよーくきくためさ。」
「どうしてお婆様の口はおおきいの?」
「それはね、お前をたべるためさ!」
本当は、お婆様はおおかみだったのです!
そしてあかずきんをばくっと
「うわぁぁぁ!」
俺は本を落として耳をふさいだ。
俺は今更あることに気が付いた。
どれだけ会いたくても、触れたくても、話したくても。ずるくて悪い俺と、か弱くて優しいあの子は
おおかみとあかずきんだってことに。
俺がどう頑張っても、ハッピーエンドには、俺ははいってない。
「もう寝よ。」
俺はベットに入り、目をとじた。
多分今日もこの道から来るだろう。そう思い、今日は、花冠をつくってきた。何回も作りなおした力作だ。
ンフフと笑っていると、あの子が通ってきた。
(…?)
あの子は俺を無視して、あるいていった。
「え…?」
何故か分からなかった無視される理由なんてないはず。
おおかみだから?
頭の中で一言浮かぶ。
そんなわけ、そんなわけ、ない…はず。
脳内でぐるぐるリピートされるこの言葉に不安感じる。
「大丈夫…だろ。」
小さな声でつぶやいた。
私は、嫌な事があって、少し、おこっていた。なので、誰にも会いたくなく、早足で森のなかを歩いていた。やっぱりあのおおかみが木のところに隠れていた。花冠がおいてたが、つい、無視をしてしまった。
それから、俺達は気まずくなって、花のやりとりをしなくなった。俺はただ見守っているだけの存在となった。
もう話せなくてもいい。会えなくてもいい。触れられなくなってもいい。だから其処にいてほしい。そうおもうようになった。
俺は、あの子に恋をしたということにやっと気が付いた。だから、俺は、あかずきんみたいな結末にならないようにする方法を必死に考えた。だが、分からなかった。
初めてあの子が違う道を通ったとき、あの子について考えてると、本当は自分はどうしたいんだろう。と、おもった。
「俺は、本当は…」
もっと会いたい
もっと触れたい
もっと話したい
二人で幸せになりたい
「けれど出来ねぇんだよ…!」
その瞬間、何か、嫌な感じがした。
俺は、あの子が毎回行っている家に向かった。
「キャアアアア!」
家に着いたとき、大きな悲鳴がきこえた。
俺は、急いで家に入る。
「っ!」
家には血の匂いが充満しており、あの子が他のおおかみにおそわれていた。
「おおかみさん…?」
あの子は俺に気づいて目を見開いていた。
「オラッ!」
相手おおかみの懐へはいり、殴る。頬をひっかかれるが、気にしない。
相手の腹を蹴り、再起不能にする。相手のおおかみの血を浴びながらも、殴り続けた。
けども、あの子の事を思いだし、聞いた。
「大丈夫か!?」
「これが大丈夫にみえる?」
ごめん、と謝ると良いよ。と言ってくる。ハハハと二人で笑っていたら、バン!とドアが開き、中から猟銃を持った村人が3人出てきた。
「大丈夫…って、おおかみ!射て!」
「待って!彼は助けてくれたの!殺さないで!お願い!」
あの子の願いは通じず、俺は射たれた。
「う…あ…ゴホッ」
「おおかみさん!」
「君、離れなさ「はなして!!」っ!」
あの子は俺にかけよってきた。大粒の涙を流し、倒れた俺の右手を持つあの子を左手で慰めようとするが、ブルブルと手が震えた。
今なら抱きしめられるかな。そう思うが、出来なかった。
パッと視界に入った手を見る。尖った爪がキラッと光るのを見て、
(もしも、こんなものがなければ、普通の人間だったら、うまくやれてたのかな。)
意識が朦朧としていく中、俺はあの子に言った。
「その涙がやんだら、こいよ。あの木の先で待ってるからな。」
「…うん。」
笑顔で言ったあの子を見て、俺は安心して目を閉じた。
次は、沢山話そう?
次は、一緒に遊ぼう。
次は、もっと一緒に…
笑いあおう。
2019年
「いいなー。灰狼。彼女出来たんだろ?」
「ああ。めっちゃかわいいんだぜ!いっつも、赤いパーカーしか着ねぇの。」
「しつもーん!彼女と自分の関係を例えるなら?」
「え!?き、急だな…まぁ例えるなら…。」
「おおかみとあかずきんかな?」
あかずきんの絵本を初めてみた時の感想
チビヌコ様「こいつお婆さんとおおかみを見間違えるって、どういうことやねん。アホかよ。」
ちなみにこの時、自分は頭よかった…(涙)
勉強は滅びるがいい。