■剣の主従、再演   作:ゼミル

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アンケート結果、読者の正直さにワロタw
書いてる間にこれは書かなきゃいけない部分なんじゃ?と書き足していたら展開が進みませんでした上手く期待に応えられない作者でごめんなさい(土下座)

急に増えた低評価は型月警察か、解釈違いか、好みの問題か、お色気嫌いかそれ以外なのか、知りたくもあり怖くもあり…
ただし他の作者様の作品にも高評価投げずに低評価爆撃している輩は論外なのでご理解下さい。
理由はもちろんお分かりですね?(ジョルノ感


蛇足:知らない少女と知ってる少年の合体事故

 

 

 

 

 

 2人の影が1つに重なってから更にしばらく経って。

 

 アルトリアの奇行が唐突なら、我に返った少女が村正の匂いを嗅ぎ回るのを止めて顔を上げたのもまた唐突だった。

 

 

「んんんんん? あれ? ちょっと待って?」

 

 

 何かを思い出した様子のアルトリアは瞼を何度か瞬かせてから疑問を口にした。

 

 

この衣装(第二再臨)。グロスターでお披露目した時、トリスタン(パーヴァン・シー)との決闘に勝ててテンション爆上がっちゃったりあの後も色々あったしあの時はあまり気にせず流しちゃったけど」

 

「おう」

 

「……もしかして。衣装を用意してくれたの。リツカ(カルデアのマスター)じゃなくて、村正だった?」

 

「応よ。あん時は髪飾りが間に合わなかったせいで中途半端な仕事になっちまったから儂としちゃ座りが悪かったし、嬢ちゃんの喜びようが半端じゃなかったんで、まっわざわざ訂正する必要もねぇだろうと思ってな」

 

「…………………………………………………………………………………………………………」

 

 

 アルトリア、硬直。

 

 

「何だ、どうした?」

 

「…………………………………………………………………………………………………………う」

 

「う?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う゛え゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 突然の悶絶。そのままOrz。突然の奇行に村正は混乱した。

 

 

「うおっ!? 何だ何だいきなり大声で〆られた雄鶏みてぇな声出しやがって」

 

「恥ずかしい! っていうか辛い! ただでさえ村正から沢山助けて貰ったりしてこの時点でも釣り合わないレベルなのに、大事な衣装まで贈られておきながらはしゃぎ倒して今の今までそれに気付いてなかったとか私って……!」

 

「いや儂も未完成のブツを渡して済ませちまうなんて職人の風上にも置けねぇ真似しちまったんだからお互い様――」

 

「私が気にするんだよそこら辺解れよ村正ァ! そういう所だぞ村正ァ!」

 

 

 失意体前屈(四つん這い)のポーズと相まって獅子……と例えるには少々威厳が足りないので金色のワンコ辺りか、犬歯を剥き出しにして吼えたアルトリアだったが。

 

 やがて立ち上がり、村正の手から回収した帽子をしかし被り直さず、口元に持っていって顔を隠す。

 

 

「貰いっ放しで返せない方が、むしろ辛いんだぞぉ」

 

 

 漏らした本心は小さく、物悲し気な声色で。帽子で隠し切れなかった目元は、後ろめたそうに細くなっていた。

 

 

 

 

 ――それを()()()()()()()()()()()()である衛宮士郎(千子村正)は見逃さない。

 

 

 

 

 

「成程確かにそいつは道理だ。職人の仕事に満足した依頼人が支払う餅代を上乗せするのもそいつの自由ではあるが、何より仕事の内容に合わせて相応しい額の報酬を求める、そいつもまた職人の権利であり義務ってもんだ」

 

 

 そう言って、笑みを少年から酸いも甘いも善い事も悪い事も経験済みな大人の男らしいものに切り替えると、おもむろにアルトリアへ1歩近付いた。

 

 

「それじゃあ嬢ちゃんのお望み通りに報酬を強請るとして、だ」

 

 

 更にもう1歩詰まる。

 

 

「う、うん?」

 

 

 一方アルトリアは反射的に1歩後退する。

 

 

「今のお前さん、サーヴァントとして召喚されたばかりだから無一文だろ」

 

「そうだねその通りだけどどうしてそこで村正は私に近付いてくるのかな!?」

 

 

 退いては近寄り退いては近寄り。

 

 距離を詰めてくる村正の異様な雰囲気に圧されたアルトリアは後退を繰り返す。心なしか口調も早口である。

 

 やがて背中が蔵の壁にぶつかった事で彼女の退路は失われた。そこを逃さずずずいと踏み込む村正。

 

 

「だったら、だ」

 

 

 そのままの勢いで左手はアルトリアの顔の横を通過して蔵の壁(壁ドン)に、右手で少女の顎に右手を添える(顎クイ)とニヤリとあくどい笑みを更に深くして告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――カラダで支払ってもらうってのはどうだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぇ!? かっかかかかかカラダで支払うってどういう意味!!?」

 

「そういう意味って、()()()()()()だが?」

 

「――――――――――――――――――――――!!?!?!!?!?!?!!!!?」

 

 

 瞬間、アルトリアの頭が過去最高潮に沸騰した。ツインテールの金髪がビックリした犬の耳よろしく持ち上がったのはどういう原理か。

 

 

 

 

 ……実の所、()()アルトリア・キャスターという少女は。

 

 恋や伴侶という概念、はしたないいやらしいという感覚自体は理解していても、そこから派生・付随するアレやコレや(センシティブ)な行為の知識については無縁で。

 

 楽園(アヴァロン)生まれで、彼女が育った妖精國(異聞帯)という環境では、人も妖精も誕生するプロセス(自然発生・工場生産)そのものが正しい人間世界(汎人類史)からかけ離れていたが故に。

 

 

 

 

 

 

 だから村正が提案した時、少女は体払いの具体的な内容を想像したから赤面したわけではなかった。

 

 なかったのだが……

 

 

(近い近い村正の顔が凄い近い何だろよく分かんないけどこれ凄い胸がドキドキして後何かお腹の下辺りがキュッて来てるキュンって!!!)

 

 

 学んでいないから知識はない。

 

 だが女として生まれた身体が最初から持ち合わせていた機能――いや本能が、この日村正の行動によって、アルトリアの中で例えようのない熱情となって目覚めの産声を上げたのである。

 

 付け加えるなら聖杯のバックアップを受けて召喚されたサーヴァントは召喚された時代・土地の基礎知識がインストールされるが、データファイルのダウンロードボタンをクリックするというプロセスを経て初めて読み込みが始まるように、ある物事に興味を抱くという行為がトリガーとなって聖杯から知識を得るパターンもある。

 

 つまり何が起きるのかといえば。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 瞬間、彼女の脳内に溢れ出した存在しない記憶(知識)――――

 

 

 

 

 

 

(あれ聖杯から情報が……『正しい男女の子供の作り方』? え? 人間って本当はこういう風にして作られるの!?

 男の人のアレがこうなっておしべがめしべで――え゛。

 さするの? 咥えるの? 挟むの? 入れて出してうわー!? わーっ!?

 うひゃーっ!!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 平たく言うと(無自覚に)性に目覚めた途端、聖杯からその手(R18)の知識が複数本同時視聴させられる勢いで強制インストールされちゃったアルトリア(17)なのであった。

 

 

(この知識の通りならつつつつつまり村正が言ってるのはそそそそそういう事をしろって意味!? 私が!? 村正に!?

 いやいや村正の事だからきききききっといつもの意地悪な冗談かもしれないし!)

 

 

 窯で茹でられてるのを通り越して直火にかけられてるのかと思うぐらい熱を持った頭、それでも何とか村正の発言、その真意を見抜こうと妖精眼の発動を意識しながら、目と鼻の先にいる赤毛の少年(老人)に焦点を合わせた。

 

 そうして読み取った村正の本心はというと。

 

 

(改めて見るとアルトリアって別嬪さんだよなぁ。顔は綺麗だし髪も金糸みてぇだし体つきも悪くねぇし、元服(成人)まで成長してたらもっと魅力的になってたんじゃねぇか?

 ……クソッ。やべぇぞ。久々の戦場(いくさば)に出たもんだから滾っちまって本気で嬢ちゃん押し倒しちまいそうだ)

 

「ふにゃぁー!?」

 

 

 ツインテール直立再び。雰囲気は犬っぽいが飛び出た鳴き声は猫っぽかった。

 

 焦点を合わせる対象を村正の(妖精眼)ではなく(肉眼)に戻してみると、ちょっと表情に焦りが滲んでいたり。

 

 彼の眼光が戦意とも敵意とも別の、熱っぽいナニカで妙にギラつきだしてるのにも気付いてしまったアルトリアである。

 

 

 

 

 

 

 

 実は村正としても己のこの変化は想定外だったりする。デリカシーに欠けた内容ではあったが、発言自体はアルトリアが1度は考えた通り冗談のつもりだったのだ。

 

 ……魂と人生経験は老齢でも肉体は青少年というアンバランスさが生み出す影響が、本人の予想以上だったのが彼の誤算。

 

 村正自身、漁色ではないがさりとて木石でもない。鍛冶馬鹿の刀馬鹿だが色欲も人並みにある。子供や孫を持った一家の主でもあった。

 

 前世では一派を構えるにあたり、当時跡継ぎや血縁者を別の一派へ嫁がせる事で権力基盤を磐石にするのが重要視された時代でもあったので、相応の女性関係も結んでいる――故にその快楽も知っている訳で。

 

 そんな記憶と経験に思春期バリバリの肉体が反応してしまったらどうなるか。

 

 こうなるのだ。

 

 

(おいおいどうした升掻きを覚えたばかりのガキじゃあるまいし……いや、考えてみればまさに丁度そうなってもおかしくない年頃なのかこの身体。

 冗談のつもりが(テメェ)を抑え切れなくて本当に押し倒そうとしちまうとかそれこそ悪い冗談じゃねぇか!?)

 

 

 マズい。何がマズいって今のこの状況も村正としては凄くマズい。

 

 調子に乗って逃げ場奪った上にアルトリアの顎に手を添えてしまったのが失敗だった。添えた手を引っ込めるタイミングを失ってしまい、村正としても逃げられなくなってしまった形に陥っている。

 

 金の髪もそうだったが、アルトリアの肌もまた滑らかで、赤子のように柔らかくずっと触っていたい手触りをしていて。

 

 頬でこれなら他はどうなのだろう。

 

 ほっそりとした、シミ1つない首筋は? 細くくびれた腰付きは? 

 

 信じられない程の重圧を背負ってきたとは思えない小さくも無垢な背中は? 胸元から(ほぞ)辺りまで歳相応の少女らしい曲線を描く膨らみは? 野を駆け回って鍛えられた、細くも中身でしっかりと張り詰めた太腿は?

 

 赤く熔ける寸前まで熱せられた刀身(肉体)を鍛える槌の手応え(感触)で最高潮に至る寸前を見抜くだけでは足りない。どんな(嬌声)を奏でるかも気になってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……そこまで早回しに思考を巡らせてから、口に出さずともアルトリアには妖精眼でここまでの茹だった考えが筒抜けになってしまう事を思い出した村正は。

 

 

(まぁいいか。手前がどれだけ魅力的なのか無駄に自己評価が低い嬢ちゃんでもこれだけされりゃ少しは自覚すんだろ)

 

 

 即断即決であった。村正渾身のノーガード戦法である。防御系スキル無所持の攻撃特化型の本領発揮であった。

 

 

「よくなぁい! どうしてそこで開き直っちゃうかなぁ!?」

 

 

 とうとう我慢出来なくなったアルトリア、絶叫。予言の子としての立場や偉業ではなく、少女としての彼女が持つ魅力的な部分を狙い撃ちした褒め殺しには耐性がないアルトリアである。

 

 

「こちとら生憎(やま)しい――いや疚しいっちゃ疚しいというか、むしろやらしいのは否定できねぇが……

 儂からお前さんがどれだけ魅力的に見えてるのか、その一点に関しちゃこれっぽっちも嘘は吐いてないし、吐くつもりもねぇよ」

 

「み、みりょくてき」

 

 

 絶叫にも怯まず村正は真顔で追撃。打てば響くとはまさにこの事か、そう言わんばかりの即答だった。

 

 調子を取り戻したかに見えたアルトリアは即座の迎撃に再度思考が沸騰した。ツインテールが今度は兎の耳並みに直立した。

 

 それでも少女の些細な抵抗は、理性の天秤が欲望に傾いて一線を越えかける寸前だった少年の意識をギリギリ引き戻すきっかけには充分で。

 

 

「しかしまぁ、お前さんにはちぃっとばかりこの手の話題は早過ぎたかねぇ」

 

 

 バツが悪そうに顔をアルトリアから背け、顎に添えた手を離し距離を取る。

 

 金の前髪で表情を隠すように俯いてしまった目の前の少女に、明らかに失敗したと言わんばかりに顔を歪めた村正は己の赤い髪をぐしゃぐしゃと乱暴に掻き回した。

 

 彼の耳もまた夜空の下でも分かるぐらい赤くなっている。イイ歳したジジイが何やってんだか、と呆れて失笑が漏れた。

 

 

「すまねぇアルトリア。嫌な思いさせちまって。儂もお前さんに会えて頭に血が上ってたみたいだ。

 体払いっつっても飯を作ってくれるなり、家事の手伝いなりでもしてくれりゃそれでロハにしてやっから……さっきのは冗談って事にしてくれや」

 

 

 そのまま武家屋敷の方向へ歩き去ろうとして――――

 

 アルトリアが村正の手を掴んだ事で、すぐにその歩みは中断させられた。

 

 

「違う! 嫌なんかじゃない! むしろ村正が私の事そう思ってくれて、胸がドキドキし過ぎて自分でもよく分かんないんだけど、私、これってすっごく嬉しいって感じてるんだと思う!」

 

 

 でも。

 

 だけど。

 

 

「アルトリア、お前さん……」

 

 

 少女の顔を改めて見つめた村正は、彼女の名前に続けて他に何を言うべきか分からなくなってしまった。

 

 

 

 

 

 

 嬉しいのならば、何故彼女は今にも泣きそうな悲壮な顔をしているのか。

 

 そこに浮かぶ感情は――()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 アルトリアの体が光を放った。

 

 少女の輪郭が人としてのシルエットは維持したまま一変していく。

 

 服装は村正手ずから仕立てたそれから板金仕立ての鎧を模したドレスに。

 

 長髪を纏めたツインテールが解け、ストレートに変わった金髪に2房の鮮やかな赤髪が混じる。頭の頂上にはこれまで存在しなかった小さな王冠。

 

 額に理想郷の紋章が刻まれた()()の眼差しは、活発さの中に淀んだ感情が見え隠れしていた少女(アルトリア)からは程遠い、()()()()()()()()()()()()()

 

 ……それでも、暗く染まったままの表情はたった今まで目の前に居た少女そのままだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私の名はアルトリア・()()()()()

 予言の子としての役目を終えた後、楽園にて眠りへ着く事無く、ブリテンの守護者として戦い続ける事を選びその果てに『聖剣の騎士』の概念そのものへと至ったサーヴァント――――

 村正。私は貴方やカルデアのマスターと一緒に精霊國を旅したアルトリア・キャスターとは、最早違った存在になってしまったのです」

 

 

 

 

 

 

 

 2人を照らしていた月光が暗雲に呑まれて行く――――

 

 

 

 




・村正

公式で戦闘後に滾ったり惚れんなよ?(空耳)とか言っちゃう村正は間違いなく強気攻め(確信)
異論は認め(ry
憑依先自体エロゲ主人公ボディなんだからスイッチ入ったら自己抑制もきっと一苦労な筈…!

・アルトリア・キャスター(?)

村での彼女の境遇や精霊國の住民の成り立ち・繁殖方法から妄想した結果、夜の運動会()関係は無知に近いのでは…?
となったのでこうなりました(なお聖杯知識インストール)
異論は(ry

多分知識はインストールされても行動にすぐには反映されないから村正の前で無防備になっては彼を色んな意味で悩ませる予定(確定路線)
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