もしもジョージ・オーウェルがウマ娘の怪文書を書いたら 作:ryanzi
種類豊富な食材揃うカフェテリア。
そこはウマ娘だけでなく、トレーナーたちも使用していた。
その隅っこの席に二人のトレーナーと三人のウマ娘が座っていた。
一方はアルガリアと彼の担当バのライスシャワーとカレンチャンが座っていた。
そして、もう一方で向かい合うように座っているのがローランとオグリキャップだ。
「お兄様、あーん♡」
「お兄ちゃん、あーん♡」
「・・・うん、おいしいね。やっぱりライスとカレンに食べさせてもらうと美味しいよ」
「「えへへー♡」」
「僕の妹はこんなに可愛いよ、ローラン」
「へいへいっと・・・」
高級品とされる雪印コーヒーを飲んでいたローランはそれをすぐに吐き出したくなった。
ただでさえ甘いコーヒーが、さらに駄々甘くなってしまったためだ。
アルガリアは最近、おかしくなっていた。いや、元からおかしかったが。
ライスとカレンをもともと自分の妹だったと思い込んでいる節があるのだ。
アンジェリカという妄想の妹でそろぴょいしていた頃のアルガリアはいなくなっていた。
「・・・」
「オグリさんや、どうして俺の腕に抱き着くんですかねえ・・・」
「私はこう見えても負けず嫌いだからな」
どういうわけか誇るように言っていた。
「そんなところで対抗するなって・・・」
オグリが自分に好意を抱いているということを、ローランは知っていた。
同僚のアストルフォもはやく彼女の愛に応えろと警告していた。
だが、どうにもその気になれなかった。
どうしても罪深く思えるのだ。まだ若い彼女を束縛してしまうことに。
こんな三十過ぎた自分よりも、もっと若くて誠実な青年と結ばれるべきだ。
でも、一方でそんな知らない奴よりも、自分と結ばれてほしいという気持ちにもなった。
そういうわけで、食事を終えた彼は夜の校庭で夜風を浴びた。
周りには誰一人としていない。黒い仮面と手袋を付ける。
そして、彼はそろぴょいを始めた。
例の本はいらなかった。すでにアルガリアに渡した。
オグリについて書き留めたかったが、文才がないのだ。
そういうわけで、彼は意地でそろぴょいするしかなかったのだ。
すっきりした彼は、背後に気配を感じ取る。
そこに立っていたのはオグリだった。
「・・・うまぴょいできるのは、自分のトレーナーだけのはずだ」
黒仮面を付けているからわからないだろうと思ったのだ。
しかし、ローランはあることを忘れていた。
「自分のトレーナーの匂いと声くらいわかるぞ、ローラン」
「・・・」
だが、彼は諦めなかった。
どこからともなく剣を取り出すと、オグリに向かって行った。
「・・・うまぴょいすることはできないんだ、オグリ。
このまま自分勝手に君の人生を決めることはできないんだよ!!!」
だが、剣を弾き飛ばされ、そのまま押し倒された。
「・・・オグリ、落ち着いてくれ。
俺は三十過ぎたおじさんで、お前はまだ子供なんだ」
「わかってる。でも、私はローランを愛してる」
「それはそれで、これはこれなんだ。
オグリ、世の中にはどうしようもないことがあるんだ。
俺だってオグリが好きだ。でもな、世界はそれを許してくれない」
「いいや違う。それはこれで、これもそれだ。
たとえ世界がどうあろうと、私はローランと添い遂げたいんだ。
ローランと一緒に過ごしたい。何があったとしてもだ。
貧しくても、病気になっても、死ぬときになっても、ローランと一緒がいいんだ」
彼女はそう言って、ローランの服を破り捨てた。
その時、ポケットだったところから箱が転がり落ちた。
オグリはそれを拾い、中を開けた。婚約指輪だった。
「・・・あげるのが早くなっちゃったな」
「ローラン・・・!」
「ほら、指出してくれ・・・愛してる」
「私もだよ、ローラン・・・」
「言ったろローラン・・・彼女の愛に応えるべきだって。
結局、うまぴょいされたじゃないか・・・」
その人はそう言って、静かにそろぴょいした。
「アンタも同じ穴の貉やで?」
「そうだろうね・・・でも、タマモを愛してるのは確かだ。
うまぴょいだってしたい。約束するよ。卒業したら、絶対にタマモとうまぴょいする」
アストルフォはレコーダーを取り出して、タマモクロスに渡す。
それには、すでに彼の今の発言が録音されていたのだ。
これで卒業後に彼女は彼をうまぴょいすることができる。
「・・・嫌や」
だが、タマモはそれを地面に叩き落とした。
「今すぐや・・・今すぐ、アンタとうまぴょいしたいんや・・・。
怖いんや・・・最近、アンタが消える夢ばっか見てまうんや・・・。
卒業なんて待っていたら、アンタがいなくなりそうで嫌や・・・」
「タマモ・・・」
その人は静かにうまぴょいした。
そのころ、アルガリアは全てのページを使って、ライスとカレンの可愛さを書き連ねた。
しかも、本のタイトルまで勝手に修正して変えていた。
寡頭制うまぴょい主義の理論と実践 エマニュエル・ゴールドシップ
僕の妹のライスとカレンはとにもかくにもこんなにも可愛い アルガリア
そして、書き終わった彼は溜息をつき、目を閉じた。
「ふう・・・」
彼のにんじんがあるだろう股間からは何かが噴き出す音がした。
もちろん、彼はズボンもパンツも履いたままだった。
「お兄様・・・そろぴょいしたよね♡」
「してないよ、ライス・・・今、君もずっと見ていただろう?」
「でも、お兄ちゃんのにんじんジュースの匂いがすごいよ♡」
「カレン・・・噴き出すくらいじゃそろぴょいと言えないだろ?
それよりも見てくれよ・・・僕、こんなに書けたんだよ・・・」
「「やだ」」
「えっ?」
もはや彼女たちは飢えた獣だった。
「本に愛を書くんじゃなくて、ライスに愛をそそいで・・・」
「目の前に可愛いカレンチャンがいるのに、本にだけ書くなんてダメ♡」
「あはは・・・二人とも、大好きだよ・・・♡」
彼は今、ライスシャワーとカレンチャンを愛していた。