JC聖女とおっさん勇者(?)   作:景空

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第31話 防具屋アリアネ

結局あたしはヴェルマーさんお勧めの弓と30センチほどの短剣を、瑶さんは90センチほどの長剣と30センチほどの短剣を選んだのよね。そして今あたしは鎖の束のようなものを掛けられているのよね。

「あの瑶さんこれは?」

「うん、朝未に防具を着て欲しくてね」

「前で直接戦う瑶さんの方がより必要じゃないかと思うのだけど」

「もちろん私の防具も準備するつもりだよ。でも私のは既製品を少し手直しすればいいけど、朝未の防具はそういうわけにはいかないからね」

 

う、そりゃ大人の男の人用のサイズを手直ししてもあたしには大きいのは分かるけど。

 

「嬢ちゃんまだ成長途中だろう。少し大きめに作っておくぞ。なにチェインメールなら多少のサイズ違いは問題ないからの。あと少し細めのチェインを使ってわずかだけど軽く仕上げておいてやる。多少強度は落ちるが後衛ならよかろう」

 

軽めに仕上げてくれるのは嬉しい。

 

「それと、ハーフヘルムを作るか。本当はガントレットもあると防御力はあがるんだが、嬢ちゃんは弓を使うから革製のグローブくらいの方がいいじゃろ。防御力ばかり考えるとどんどん重装備になるが、動きにくくなるから今は金属防具はこのくらいにしておくほうがいいだろう。あとは防具屋で揃えるといい。そんときに鎧下も買うのわすれんなよ」

 

 

あたしがサイズ合わせを終えると、今度は瑶さんの防具を合わせているわね。

 

 

「長剣1本、短剣2本、弓1張り、鉄の鏃つきの矢を50本、チェインメイルを嬢ちゃん用に合わせたものひとつと、そっちの兄ちゃん用に調整したのをひとつ。ハーフヘルムを2人ともに、兄ちゃん用にブレストプレートとガントレット、合わせて50万。ま、こんなもんだろう。10日後までになんとかしてやる。嬢ちゃん用のチェインメイル分10万は先払いしてほしいが、他はものと交換で良い。これでどうだ?」

「あ、忘れていた。解体用のナイフも2振り頼む」

「いいだろう。そいつはサービスしてやる。でどうする。武器だけでも持っていくか」

 

あ、瑶さんがちょっと悩んでいるわね。

 

「なら短剣2本だけ先に頼む。装備が整うまでは街の外に出るつもりは無いからそのくらいでいいだろう」

「ふん、妥当なとこだな。じゃあ短剣2本と嬢ちゃんのチェインメイルの代金で15万スクルドだ。鞘と腰ベルトはセットでつけてやる。ほれ2人とも付け方を教えてやるからこっちにこい」

 

 

 

「じゃあ10日後に」

「おう、きっちり準備しておいてやる」

 

 

ヴェルマーさんの店をおいとまして、次は防具屋さんね。

ミーガンさんに連れていってもらったのは裏道を入ったところにあるちょっと薄汚れた感じの工房なんだけど、ちょっと独特の臭いがするわね。

 

「ちょっと臭いますが、皮の加工工程でどうしても出るらしいんでそこは我慢してください」

「ああ、分かってる。鞣しのにおいだろう」

 

なめし?言葉だけは聞いたことあるけどこんなに臭うものなのね。

 

「アリアネ。いるかーい。あたしだ、ミーガンだよ」

 

ミーガンさんは、防具屋の入口で呼びかけてたのよね。ヴェルマーさんの工房ではちょっと入ってから声掛けてたから、やっぱり臭いは気になるのでしょうね。

 

「ふわぁ、こんな朝早くから誰かと思ったらおうミーガンじゃないか。久しぶりだね」

「朝早いもんかい。今まで寝てたのかい。もうそろそろ昼だよ。また飲み過ぎたんだろう」

「あはは、仕方ないじゃないか。あたいの防具のおかげで命拾いしたってハンターが良い酒を差し入れてくれたんだ。飲まなきゃ失礼ってもんだ」

 

あら、ハンターにそんな風に言われるくらい良い防具を作ってるのね。これはちょっと期待かしら。でもだからって昼前まで寝てるっていうのはずぼら過ぎないかしら。

 

「まあ、いいわ。今日はわたしの命の恩人を紹介しに連れてきたんだ。よさそうな防具を見繕ってあげてほしい」

「ふーん、ミーガンの命の恩人ね。そうは見えへんけど、あんたはそういうとこでウソ言わんしな」

「こちらの男性が瑶様、近接戦闘がうまい。さっきヴェルマーのとこでチェインメイルとブレストプレート、それにガントレットを頼んできた。獲物はとりあえず長剣だな。こっちの女の子は朝未様。弓をメインに短剣を補助武器に持ってる。そして朝未様もヴェルマーのとこでチェインメイルを頼んできてる」

「瑶です。このあたりの常識をあまり知りませんが、よろしくお願いします」

「朝未です。よろしくお願いします」

「アリアネや、防具屋っちゅうことになっとるけど、実際には革加工職人やなよろしゅうに」

 

そしてアリアネさんはあたしと瑶さんをじっと見て何か考え始めたわ。ちょっとドキドキするわね。

 

「今の話からすると、金属防具は揃え終わってる感じだね。そうするとヨウにはブーツくらい。アサミに、グローブとブーツ、ハードレザーのブレストメイルってところね。よし、サイズをはかるからこっちにきい」

 

瑶さんは両足のサイズを測られているわ。あ、アリアネさん瑶さんが脱いだ靴に興味深々ね。あれは日本でも有名なアウトドアブランドのショートカットブーツだものね。山歩きだけならきっとあれの方が良いわ。ただ戦闘となるとちょっと辛いかもしれないわね。

 

「ヨウ、このブーツ調べさせてほしい。見たことのない作りだし、材料も見たことのないものも使われている。調べさせてくれたら今回の2人の防具全部ただにしたる」

「んん、ばらして元に戻せないってなったら困るんだが」

「そこはまかせて。戻せないようなところは我慢するし、バラせたところはちゃんと元通りになおすから」

「わかった。いいだろう」

「おおきに、今日は、このショートブーツを履いていきや。じゃ、次はアサミ。こっちにきい」

 

あたしは足のサイズだけでなく上半身のサイズも色々測られてしまった。ちょっと悲しかった。いえ大丈夫まだあたしは成長期よ。

 

「一応アサミは少し大きめに作って中にサイズ合わせ用のスペーサーを入れるようにつくったるからな。まだ大きゅうなるやろ。今日はこんなとこやな」

 

ああ、アリアネさんの言葉が希望になるわ。そしてアリアネさんは少し考えていたと思うと。

 

「ま5日で仮組まで出来るようにしとく、その頃に1回来てや。そこで合わせて最終調整するによってな」

「お願いします」

「あ、ここにポンチョはありますか?」

「一応あるけど、買うん?」

「ええ、2人分」

「ふーん、良い心がけやね。おてんとさんはこっちの都合聞いてくれへんからね」

「ええ、それにポンチョは色々役に立ちますからね」

「わかっとるやないか。こんだけ全部揃えなあかんちうことは駆け出しなんやろ。それでそういうことわかっとるのは珍しいわ」

 

「さあ、あとはハンターギルドに登録ね」

「先に道具屋に行くよ」

 

瑶さんそこは空気読んで先にハンターギルドに行きましょうよ。

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