JC聖女とおっさん勇者(?)   作:景空

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第34話 天使

 

 

「ヨウ様と、アサミ様ですね。これで登録を受け付けました。今登録証を作成しておりますのでしばらくお待ちくださいね。ハンターギルドについてのご説明は必要ですか?」

 

「お願いします。ただその前にちょっとこれの処理をお願いします」

 

瑶さんが受付のお姉さんの前に革袋を出してカウンターに置いたの。

 

「これ、ですか?ヒュッ」

 

あ、袋の中身を確認したお姉さんが過呼吸になったわね。

その様子に気付いた別の職員さんがお姉さんの背中をトントンしてるわ。

 

「お姉さん、ゆっくり息を吐いて。そこでちょっとで良いので息を止めて……」

 

あ、瑶さんが何か指導してるわ。

 

「ゴホッゴホッ。お見苦しいところをお見せしました」

 

お姉さん、どうやら落ち着いたようね。

 

「それで、どうでしょう。知り合いの商人さんにハンターギルドで討伐褒賞がもらえるって聞いてきたんですが」

 

あ、瑶さん切り替え早いわね。

 

「は、はい。ワイルドウルフの牙7頭分……。いえ、1頭違いませんか?」

 

何か違ったのかしらね。あたしと瑶さんは顔を見合わせて首を傾げちゃったわ。

 

「これ、1頭分だけ牙が極端に大きいです」

「ああ、それ多分リーダーみたいなやつじゃないかしら。最初にあたしが弓で仕留めた奴」

「はあ、やっぱりリーダー種ですか」

「リーダー種なんているんですか?」

「2、3頭の群れには居ないんですが5頭超えてくると稀にいるんです。通常種より一回り以上大きく群れを統括して簡単な作戦を使ってくるようになります。討伐報酬も大分違いますね。通常のワイルドウルフの討伐報酬が4万スクルドなのに対してリーダー種は10万スクルドになります。ですので今回の査定額は通常種6頭で24万スクルド、リーダー種1頭で10万スクルド。合計34万スクルドです」

 

なんか後ろでざわついているわね。とりあえず害はなさそうなので放置でいいかしら。

お姉さんが少し大きめの銀貨3枚とその半分よりは大きそうな銀貨4枚を渡してくれたので瑶さんがポケットにしまっちゃったわね。まあ日本の財布なんか見せるわけにはいかないし仕方ないんだけど。財布代わりの革袋くらい買わないと色々面倒そうね。

 

「ん、うん。ではハンターギルドについてご説明させていただきます。ハンターギルドは基本的にハンターの互助組織です。個人では依頼を受けにくかったり、違法な依頼を受けてしまったり、場合によっては詐欺に会ったりすることがあります。そういった面のサポートを行い、ハンター活動を円滑に行う事を目的としています。

そして、登録したハンターはその実績実力によりランク分けを行っています。何の実績もなく登録しただけの状態ですと級無し、最低限ハンターとして活動する気のあることを示すと10級にランクアップします。そして最高位の1級まで実績に応じてランクアップする仕組みです。受けられる依頼もその人の等級のひとつ上までとなっています。

なお、先ほどのガルフさんのように武器を抜いて暴れる等するとランクダウン、場合によっては除名もあります。ご注意くださいね」

「そうすると、私達はとりあえず級無しということであっていますか?」

「えと、それなんですが、もう少しお待ちください」

 

あら?登録したばかりのあたし達の等級が何かあるのかしらね。あ、級といえば。

 

「あ、あの。等級についての目安ってありますか?」

「はい、先ほどもご説明しましたように、登録したての方は基本級無しです。そして何らかの実績によって最低限ハンターとして活動することを認められると10級。10級9級は初心者という括りですね。そして通常10級では食うや食わずになるためハンターとしての収入だけで生活している方はあまりいません。いえ、ちゃんと遊ばずに仕事をして節約すれば生活できるのですが、そこまで計画的に生活している方は少数派でして……。そして実績を積みランクアップを重ねて8級になるころからハンターとしての活動だけでどうにか普通に暮らせるようになります。ここからが中級者ですね。そして8級から6級の中級者がハンターの中で一番数が多いですね。そして5級からが上級と言われるハンターになりますが、まず4級が一般のハンターの到達点です。3級以上はもはや英雄と言われるレベルです。国に1人いるか2人いるかといった感じですね。

あと、上位等級になりますと色々と優遇措置もあります。5級以上となればギルド提携の宿を割引で利用できますし、4級以上なら無料です。他にも素材買い取りに優遇措置があったり、アイテムの提供などもありますね……」

 

ふえ、随分と厳しいランキングね。それに上位等級になると色々と特典もあるのね。でも目立つんでしょうね。

あ、後ろから来た別の職員さんがお姉さんに何か耳打ちしているわね。

 

「お待たせいたしました。おふたりのギルドランクが決まりましたので登録証をお渡ししますね」

 

そういうと銅色のカードを渡してきたわね。

 

「本日ワイルドウルフの討伐報告をいただいた事と、先ほど6級のガルフさん、いえ、既に元6級でした。彼からの攻撃に対する対応を加味し8級に認定いたしました。その登録証は身分証明を兼ねますので大切に保管してください」

 

後ろの野次馬がうるさいわね。は?なんで天使?

 

「あの、うしろの野次馬から天使なんて呼ばれているみたいなんですが」

「ああ、先ほどのガルフさんとのやり合いで実質無傷で許したじゃないですか。あれを見た人たちが6級ハンターを子供扱いするほど強くて天使のように優しいって言ってるんですよ。実際あんなふうに剣を抜いた以上手足の1本や2本切り飛ばされても文句は言えないですからね。それを無傷で制圧したうえであれですから」

 

はあ、天使とか嫌すぎる。

あたしは頭を抱えてしまったわ

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