人理最後のマスターとその友人が往く人理修復の旅 作:reednaoki
あのアサシン絶対許さない…
プロローグ 前 旅の始まり
「どーいうことよ立香!私までマスターとやらになっちゃってるじゃない!」
「そ、そんなこと言われたってぇ……」
「ふ、2人とも落ち着いてください!」
時は2015年、私の1番の友人である藤丸立香が…えーっと……カルデア?に受けに行くというので当分会えないだろうと思って見送りに行ったのだが変なおっさんに中に案内されてあれよあれよと事が進んだと思っていたら室内爆発。
大量の出来事が起こりすぎて頭がパニックになってたら今目の前で私達を宥めている──マシュ・キリエライトが瓦礫の下敷きになってて。2人で一緒に助けようとしたら特異点とやらに飛ばされていたのだ。もう意味がわからない。しかも変な黒い奴らにも襲われてるし…!
取り敢えずマシュの盾が特別製だろうって事は
「で、でもさ……”乃々華”もさっきの通信聞いたでしょ?私達以外のマスター候補生の皆爆発で…」
「……えぇ、聞いたわよ。だからこうして霊脈とやらを辿ってる訳でしょ?」
立香の顔が曇る様子を見て私は苦い表情を浮べる。
───カルデア内で起きた爆発のせいで、私達以外の候補生は既にこの世にはいない。立香はどうせ、止めたって最後までやりきろうとする。人一倍正義感が強くて、ずっと────1人だった私の隣にいて守り続けていてくれた友人が世界の危機と聞いて止まっている訳が無い。
だから───
「ほらいくわよマスター・立香とマシュ・キリエライト。私達は進むしかないんだから」
私を守り続けてくれた友達に全てを背負わせない為に───私は、もう1人のマスターになる
プロローグ 特異点F 炎上汚染都市 冬木 / 旅の始まり
『ご苦労さま3人共!で乃々華ちゃんは所長を探しに?』
「はい…『所長が近くにいる気がする!』と言って…」
「みっけたわよ〜」
カルデアと通信を行っていたマシュの声を遮るように所長を──お姫様抱っこして来た乃々華がこちらへ向かっていた
「ちょ…ちょっと!?まさか通信中じゃ…!?」
『……そのまさかですけど、なんでお姫様抱っこされて…?』
「だって所長ったら見つけた瞬間騒ぎだすんだもん。めんどくさいから無理やり連れてきちゃった」
にこにこと笑いながらそう話す乃々華を見て立香は苦笑いを零す。
「乃々華は力持ちだよね〜…よく私もおんぶして貰ったし…」
「気をつけなさいねマシュ。立香本当に超がつくほどのドジだから石に躓いて転けるなんてこと日常茶飯事だから」
「は、はぁ……」
ひょいと所長―─オルガマリー・アニムスフィアを地面におろしてマシュの方を見て苦笑いを零す乃々華。そんな彼女を見てマシュも苦笑いを浮べていた
「……そんな話はどうでもいいけど…”遠坂乃々華”…よね?藤丸立香の友達…だったかしら?」
「まぁね。それが?」
オルガマリーは少し腕を組み乃々華をじーっと見つめている。そんな彼女を見ていたカルデアにいる──ロマニ・アーキマンは口を開いた
『マスターとしての適正検査、藤丸立香ちゃんと遠坂乃々華ちゃん二人共に受けてもらったとおもうんだけど……立香ちゃんは言い方は悪いけど全体的に素人レベルなのに対して乃々華ちゃんは
ロマニに言われて目をぱちくりとさせる乃々華。そして少し考えるような仕草を見せて───困った様に笑った
「───だから受けるの嫌だったのよねぇ。絶対立香と対比されるだろうと思ってたしなにより
『…こちらも君の事が気になって調べさせてもらったよ。遠坂乃々華───いや、本名は辻崎乃々華は一般家系に生まれながら類稀なる魔術師としての才能を買われ5歳にして遠坂家に養子として迎え入れられた。しかし遠坂家に養子として入るという事は
「まあ、間違いないわ」
乃々華は遠い空を見つめ、溜息を吐いた
「本当に、最悪よ。前の家族は私を高値で魔術師家系に売り払うしそれで魔術師の勉強しながら学校通ってたらイジメられて居場所なんかないし───嫌になるでしょ。」
その話を聞いていたオルガマリーは少しだけ苦い表情を浮べて乃々華に近づいた
「その転校した先で出会ったのが藤丸立香。間違いないわね?」
「──間違いないわ。私の唯一信用できる、友達よ」
転校先の学校でも心を閉ざし塞ぎ込んでいた自分にずっと声をかけてくれた感謝してもしきれない位の恩人。
彼女と出会わなければ自分はずっと、誰とも話さず塞ぎ込んだままだったかもしれない。
『望まぬ形で養子にされ、挙句養子に行った先の優等生に比べられ……全く、君も大変な目にあったね』
ロマニの溜息混じりに言葉にオルガマリーは同情の目を乃々華に向ける。一方の立香はその話を聞いて目を潤ませて乃々華に抱きついた
「───だから、帰らず着いてきてくれたの?当分の間お別れになっちゃうから…」
「というより”勘”よね。私が離れたら立香迷子になりそうっていう」
『……結局君が着いてても迷子になってたじゃないか…』
「それはそれこれはこれ。カルデアが広すぎんのが悪いのよ」
悪びれもなくそう言う乃々華にマシュは呆れたように笑いオルガマリーは怪訝そうな表情になる。
『というより嫌な予感がしてたんじゃないのか?あの数値を誇る魔術の才能があるんだ、
「───これだから
『おや、私の事知ってくれてるのかい』
「カルデアに召喚された第3号のサーヴァントでクラスはキャスター。……一応聞いたことある場所だったから私も調べさせてもらってた」
それでも本当にいるとは思って無かったけどね、と肩を竦める乃々華にダ・ヴィンチはくすくすと笑みを浮かべる
『それなら話が早い。君たちがいる場所は始まりの特異点、冬木だ。見てもらって分かる通り聖杯戦争が行われた場所───と言っても
「……私が関わった聖杯戦争じゃないから詳しい事はわかんないけど、確かにそうね」
目を細めて辺りを見渡し乃々華は立香達の方へと向く
「──遠坂家が、この聖杯戦争に関わっていたのは紛れも無い事実。しかし……まさかここにまた戻って来るとは思わなかったわ…しかもカルデアのマスターとして」
「……聖杯戦争、ですか」
「詳しい事は省いていいわよね?特異点になったって事は誰かの介入があったからだし…見る感じ
そう言って乃々華は今度はオルガマリーの方へ向く。そしてにこりと笑った
「一応この地に縁があるサーヴァントの名前は記憶はしてるわ。ただ一体───いや記憶が間違いでなければ
『……そんな強いサーヴァントが…君が知る限りで2体もいるのかい…!?』
「まあでも……そこで聞き耳を立ててるランサーさんが居たら何とかなるかもしれないわね?」
そう笑ったまま木陰に隠れているだろうサーヴァントに語りかけるとその人物は肩を竦めながらゆっくりと現れた
「残念だが今の俺はランサーじゃなくて
「……はぁ?アンタキャスター適正なんてあったの?」
「無かったらキャスターになんてなってねぇだろ。一応あるにはあるけどランサーの方がやりやすいのは間違いねぇよ」
キャスターと呼ばれた男は溜息を吐きながら乃々華に近づいた。そのキャスターを見て顔を怪訝そうにする乃々華
「ま、俺のマスターは消去法でお前だわな。そんくらい魔力溜め込んでるなら俺が
「……あんたねぇ。こう言っても私、マスターとしてはど素人なんだけど」
「大丈夫だ。てめぇ位の能力あんなら戦いの内に慣れてくるだろうさ」
あっけんからんと言うキャスターに溜息を吐く
「……それで、大丈夫かしら?」
『まあ、そう言ってるならそうしたらいい。確かにキャスターのマスターには乃々華ちゃんが最適だよ』
「全く……所長として言わせてもらいますが本当に宝具3発撃つなんて止めてよ?幾ら彼女が普通より魔力があるからってそれは流石に無茶よ」
オルガマリーはキャスターにそう言うが今度はキャスターが困った様な表情をし、乃々華も少し表情を歪めた
「そうしてやりたいのは山々なんだけどよ…コイツが言ってた
『だから一体何者なんだいそのバーサーカーっていうのは!?君が宝具3発叩き込まないとという程なんだから相当ヤバいやつなんだろ!?』
「───クラスはバーサーカー、真名
苦い表情から吐き出された名にカルデアに居るロマニは椅子から転げ落ちすぐさま立ち上がると声を荒らげた
『へ、ヘラクレスだってぇ!?ヘラクレスと言ったらギリシャ神話の大英雄じゃないか!?そんな英霊がその冬木で起きた聖杯戦争に召喚されてたのかい!?』
「ああ──だから今厄介極まりねぇ状況なんだよ。その他はまだ太刀打ち出来るかもしれねぇけどあのクラスになると流石に俺でも宝具を出し惜しみして勝てる相手じゃねぇし出来るなら無茶は承知で宝具を撃ち込みたい」
キャスターがそう言うと乃々華はやれやれと首を振って令呪が刻み込まれた手の甲を見る。こうなった以上出し惜しみなんてしている余裕はないだろう
「あと聖杯戦争について説明を省くって言ってたが───全部を省いちゃまずいだろ。要点だけは言っておかねぇと」
「乃々華さん、とりあえず知っている事だけでもいいので説明をお願いできますか?」
マシュにそう言われた乃々華は深い息を吐いて3人の方を見る。そして立香の目を確認して、諦めたような表情を浮かべた
「──端的に言ったらサーヴァントが最後の一騎になったら勝ちなのが聖杯戦争よ。この街にはマスターと呼べる存在は居ないから数が減って無ければ七騎の中で一騎になるまで特異点は続く筈だけど」
「……本当に要点しか喋らねぇじゃねえかよ。それだけでもまぁなんとかはなるか」
キャスターは頭を掻きながらも3人の方を向く
「数は減ってる。セイバーが他を倒しちまったからな…ただどういう訳かはしらねぇがセイバーは黒い泥に飲み込まれほかのサーヴァントを従えて何かを探してる。恐らくは俺と何かだとは思うがな」
「……はっ。最悪なのがもっと最悪な事になってるじゃない…特異点って何でもありなの?」
乃々華は吐き捨てるようにそう言って乾いた笑いを零した。そうしてふと立香が何かに気づいたのかキャスターに問いかけた
「じゃあバーサーカーもセイバーの支配下なの?」
「ああ、だがおやっさんは近づかなきゃ動かん。嬢ちゃんは理由分かるか?」
「───ああ、失念してたわ。バーサーカーはイリヤスフィール・フォン・アインツベルンがマスターだったから動けていたんだっけ。あのバーサーカーを使うにはマスターの魔力を膨大に使うから”自然の嬰児”である彼女だからこそ運用できてたのもあるし…だったらバーサーカーの方は心配しなくてもいいかもしれないわ。」
「ほう?」
「バーサーカーはイリヤスフィール・フォン・アインツベルンに忠実に動くサーヴァントとして呼ばれた筈だからこの街が特異点になった時点で
と、そんな時だった。サーヴァントの急襲に気づき乃々華が立香とオルガマリーを背後に隠す
「ッチ…!ランサーとアサシン2体がかりかよ…!ぐだぐだ話してる場合じゃねぇってか!」
「マシュ…いける!?」
「は、はい!」
「ほう、嬢ちゃんもサーヴァントって訳か。だったら肩慣らしにはちょうどいいかもしれねぇな…っと!」
そう言ってキャスターはアサシンに向かって攻撃を開始する。乃々華はそれを見てから軽く舌打ちをし、立香の方を見る
「私とキャスターでアサシンは相手する!だから立香とマシュはランサーの方をお願い!それとロマニ!あとでマシュの事を詳しく聞かせてもらうから覚悟しときなさいよ!」
『こっちも君の事を深く聞いたからそれ位はしよう!今はその2体のサーヴァントを迎撃してくれ!!』
「マシュ…!」
「大丈夫です…先輩と所長は、私が守ります!」
こうして───人理を守る為の初戦の火蓋が切って下ろされた
「キャスター!!」
「あん!?」
「今回の戦闘…貴方の宝具は使わないわ」
「はぁ!?正気かお前!?」
「
「……はっ、嬢ちゃん案外あのマスターを信用してんのな。いいぜやってやるさ…だが危なくなったらぶっぱなすからな!」
キャスターのその言葉に乃々華は笑って応える───
「言われなくてもそのつもりよ!!」
「───凄い……乃々華とキャスターさん…相手のアサシンを圧倒してる…」
立香とマシュも敵ランサーとの戦闘を開始していたがふと隣を見ると乃々華の的確な指示に応えアサシンを圧倒していくキャスターの姿。
「藤丸立香と違って初戦闘だというのに…あそこまでやるの…!?」
『流石はトップクラスの魔術師の力に最高峰のマスター適正だね…!実戦経験が無いとは到底思えない手腕だ…!』
「嬢ちゃん本当に実戦初かぁ?敵さんもうへばってるぜ?」
「グッ──」
「あったりまえでしょうが。やったのはカルデアで無理矢理受けさせられた模擬戦みたいなものだけよ」
「ま、俺とお前さんの相性がいいってのもあんのかもな。それに嬢ちゃん意外に守りより攻めの指示が多いが敵に隙を与えるような指示もださねぇし……こりゃここまで来ると天性の才能だな」
そう言ってからキャスターはアサシンに止めを刺す構えを取る
「グッ…!大聖杯ヲ、目ノマエニシテ───」
「──いいから大人しく寝てな」
キャスターが放った火の弾丸はシャドウアサシンの霊核を砕いた
「さて、後はランサーだけだが…ありゃ苦戦してんなぁ」
仕事が終わったキャスターはランサーと交戦してるマシュを見ていた。その様子は乃々華も見ており少し考える素振りを見せていたが、口を開いた
「───立香、落ち着きなさい。そんなに慌ててたら見えるものも見えなくなるわよ」
「えっ…?」
「マスターである貴女がそれでサーヴァントであるマシュにちゃんとした指示出せると思ってるの?マスターとサーヴァントは一心同体、同じ戦場にいるんだからマシュには分からないものを見つけるのが貴女の仕事よ」
その言葉を聞いていたキャスターは少し目を細め、対して立香は自身を落ち着かせるように少し息を吐いてから再び敵ランサーの動きを見た
敵ランサーの一撃は確かに重い。だが───
「マシュ、今!!」
「は、はい!」
その動きには、多少の乱れがある。恐らくは素早い攻撃には長けていないという事なんだろう
「──へぇ。やるじゃねぇか」
キャスターが感心したように仮契約を結んでいるマスターの方を見れば少し嬉しげに微笑む姿が見られた。
全く、こんな戦いが蔓延る戦場の真っ只中でもこの少女は友人である彼女の背中を押すことに徹底し余裕すら感じさせる立ち回りには流石のキャスターも感服する
「これで…トドメですっ!!」
形勢逆転し、立香の声に応えたマシュが敵ランサーの霊核を両断し戦闘が終了した
「──ね、言った通りでしょ?」
「──嬢ちゃんの”感覚”には敵わねぇな…」
乃々華は立香に軽くウィンクし立香も少し嬉しげに手を振っている。
───そんなやり取りを、ただ1人唇を噛んで見ていたのを乃々華は見逃さなかった
「……」
初戦闘もあり近場で休むことになったのだが所長であるオルガマリーは少し浮かない表情のまま少し離れた場所に位置取り腰掛けていた。先程ロマニからマシュ・キリエライトについての話があったせいもあるが───一番心を占めているのは先程の藤丸立香と遠坂乃々華のやり取り、そして戦闘を見てしまったからだろう
「こんな所にいた。全く…所長は相変わらずよね」
誰にも告げずに来たはずなのに──遠坂乃々華はいとも簡単に自分を見つけてくる。あの時だってそうだ
たった1人だったのに簡単に自分を見つける。こんな事してくれたのは───レフだけだったのに
「どうしたの──って聞くまでもないか。私と立香の関係みて嫉妬しちゃった?」
「……馬鹿ね。そんなんじゃないわよ」
普段なら声を荒らげて返しそうなふざけたからかいにそうやって返す事が出来ないのは何故だろうか
「所長も大変だよね。若いながら大きな看板と運命背負わされたのに──その責任を誰かに背負わせなきゃいけないなんてさ」
「──貴女…っ!?」
「持ってる知識や魔術は超一流でも、その適性が無ければ誰かに責任を押し付けざるを得ない。だから貴女はそのせいで強がり苦しみ───泣きたい気持ちを抑えてる。所長という重圧に、押し潰されないためにも」
そう言い終わった乃々華の表情は少し儚げで、同情するような目をしていた。対するオルガマリーはというと何故それを知っているんだと言わんばかりに目を見開く
「貴女の苦しみは私には分からない…だって私は貴女が欲しかったもの全てを持ってしまっている。だから私を見るのが嫌なんでしょ?
「……っ」
それは正しく図星で───オルガマリー・アニムスフィアの目から流さまいと我慢し続けていた1粒の涙が零れ落ちた
「私なんかの慰めはもしかしたらただの嫌味になるかもしれないけど、これだけは言わせて。──私と比べちゃダメよ」
「なに、よ…!何よ何よッ!!貴女も私をバカにしたい訳!?!?私が持ってない力を持ってるからってなんで、そんな事言われなきゃ…っ!」
溢れ出した感情は目の前にいる少女にぶつけられる。欲しかった力を持ちその力を発揮する為に必要なマスターとしての適正。
その力を、自分がどれだけ欲したかを彼女は分かっていない癖になぜそんなこと言われなきゃいけないのか。
──何故またバカにされなきゃいけないのか
しかし乃々華は首を横に振り表情だけは変えず、ただ悲しげな目をしたまま語りかける
「そうじゃないわ──
そう言って優しく、儚げに微笑みオルガマリーを優しく抱きしめた
「今の状況にもし貴女の立場で立っていたら私はきっと壊れてる。……貴女もきっと壊れる寸前なんだろうけど、それでもギリギリで踏みとどまれる強さがある。だから…卑下しないで。その強さは誇るべき───貴女だけの強さなんだから」
優しく、優しくさする彼女の手にオルガマリーは彼女の胸に顔を埋めて声を押し殺すように泣き出した
───きっと、彼女を救えるのは自分だけだから
「……ねぇ所長───いや、オルガマリー・アニムスフィア」
「……何よ」
「今から私が話す事は全て心に留めて全てが終わるまでは立香達には内緒にして。そしてその上で──」
遠坂乃々華は抱きしめていた彼女を解放し、
「───
───彼女の手が、ぽぅっと光った
「───ちょう!!所長!!」
「んぇ、あ……何、かしら?」
「……何かしら、じゃないわよ。作戦会議するのよ作戦会議」
乃々華と共に立香達の所へ戻って来たオルガマリーは何処か上の空で立香にゆっさゆっさと揺すぶられてようやく自分の世界から戻ってきたようである
「──早くしなさい
「…分かってるわよ…っ!!」
にやりと笑って手をヒラヒラさせる乃々華を睨むオルガマリー。そんな二人を見てマシュと立香はポカーンとしていた
「……乃々華さんと所長、随分と仲良くなりましたよね」
「うん……乃々華が所長の事名前で呼んでも怒ってないし…」
そんなやりとりをみてキャスターだけは溜息を吐き苦笑いを浮かべながら乃々華に近づいた
「嬢ちゃん」
「なにかしら?」
「あの所長とやらにセクハラでもした──」
キャスターの言葉は最後まで紡がれる事無く遠坂乃々華によるゲンコツが炸裂し、地面に突っ伏していた
ギャグ漫画世界のゲンコツをうけた人は地面に突っ伏しがち。どうも私です
次回は冬木編後編です