珍奇!強制シーメール化事件   作:モッチー7

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第5話(後):逆転の鍵は、ゴ〇〇

3匹の巨大怪獣が、兵器推進善業がかき集めた通常兵器の総攻撃の餌食になる権利を奪い合っていた

兵器推進善業が攻撃する度に、他の巨大怪獣を押しのけながら着弾予想地点に急行し、兵器推進善業の攻撃をもろに食らう。その繰り返しであった。

それを観ていた強田が、呆れながら兵器推進善業の魔法少女管理委員会施設制圧部隊に質問した。

「おい。話が全然違うじゃねぇかよ?」

「黙れ」

「お前らが使ってる武器なら、俺達魔法少女の奇妙な力が無くても、あのデカブツを殺せるんじゃなかったのかよ?」

「黙れって言ってるだろ!既に死刑判決が決まった詐欺師の分際で!」

もっと何か言ってやりたかった強田であったが、彼らが既に聞く耳を持つ程の余裕すら無いと判断したのでやめた。

 

聞く耳を持つ余裕すら失ったのは、オペレーター達とライラを人質に取った叩達もであった。

「何故だ……既にあれだけの猛攻の餌食になった筈なのに……なぜ死なない!?」

それは、ダメージヘアー星人の方が一枚上手だったに他ならない。

ダメージヘアー星人が侵略する側。つまり、攻撃されても文句が言えない側なのだ。だからこそ、攻撃された時の為の対抗策をそれなりに練る必要が有ったのだ。

だからこそ、巨大怪獣は通常兵器を浴びる度に急成長・急強化する様に品種改良されているのだ。

兵器と軍隊の存在価値や必要性が底辺を大幅に下回った状態が永く続き、多くの者達がそれに慣れてしまった事に焦った叩達と兵器推進善業は、そんなちょっと考えれば解る事すらまったく思い浮かばない程墜ちていたのだ。

そんな中、想定外の連続に困惑する叩達に紛れ込んでいる妙な違和感を発見したライラは、今回の軍事クーデターの本当の黒幕が誰なのかに気付いてしまい、自分自身に心底呆れてしまった。

(なるほど。そう言う事か?……我ながら、勘が呆れる程鈍いな?)

 

最初に兵器推進善業と戦った巨大怪獣が痺れを切らし、両肘と両膝に生えたパトランプを発光させた。

「今度は何だ?」

すると、戦車や軍艦が次々と浮かび上がり、巨大怪獣の周りを回り始めたのだ。

そして、ジェットブースターを起動させて都市部へと逃げ込んだ。

叩は意味が解らなかったが、ライラはその意味を正しく理解した。

「1人占めよ。通常兵器をたっぷり浴びて強大な力を得るために」

叩がライラにピストルを向けた。

「まだそんな嘘を吐く気かぁー!」

だが、叩の言い分に反して、このままでは兵器推進善業がかき集めた通常兵器の総攻撃の餌食になる権利を1人占めされると察したカエルとカマキリを同時に兼ね備える巨大怪獣が後を追った。

「何をやってるんだ!?巨大怪獣を上陸前に斃さないと、あいつ等の嘘を暴けないじゃないか……」

同胞の情けなさに項垂れる叩に対し、ライラが怒り気味に言う。

「その前に民間人だ!」

 

兵器推進善業がかき集めた通常兵器の総攻撃の餌食になる権利を奪い合う2匹の巨大怪獣の姿を観て喜ぶダメージヘアー星人達であったが、

「大変です!」

「なに?あの妙な術を使う連中が、我々の今回の計画の全貌を知ったのか?」

「いいえ……裏切り者です……」

ついさっきまで歓喜と勝利の美酒に完全に支配されていたダメージヘアー星人達が、その言葉を聴いて一気にお通夜の様な状態になった。

「あの馬鹿まで来てしまったと言うのか?」

 

強田は……兵器推進善業がかき集めた通常兵器の総攻撃の餌食になる権利争奪戦に最後に参戦した巨大怪獣の姿に驚き恐怖した。

「……こんなの……ありか……?……」

その巨大怪獣は、他の巨大怪獣より大きく、他の巨大怪獣より太く、他の巨大怪獣より焼け爛れていた。

強田と共に兵器推進善業の魔法少女管理委員会施設制圧部隊にマシンガンを突き付けられた魔法少女達が静かに語り始める。

「Risquemaximum」

「りす……なんだって?」

「フランス語で危険度最大値って言う意味で、今ではあいつの名称さ」

「そして、私達地球側が育て過ぎちゃった巨大怪獣なのよ」

強田が更に蒼褪めた。

「お前……それって……」

 

久しぶりにRisquemaximumの姿を観たライラが皮肉を込めて言う。

「お前達が机の裏に隠したテスト用紙のお出ましだな?」

叩達はライラを撃ち殺したくなったが、流石にそれは出来ない。魔法少女管理委員会の大幹部を公正な裁判の場に引き摺り出して正当な裁きを下すのも、今回の軍事クーデターの目的の1つなのだから。

だが、ライラが突こうとした図星は、兵器推進善業の殺意を煽るのに十分だからだ。

Risquemaximumは元々、ダメージヘアー星人が地球に送り込んだオオカンガルーとグリーンイグアナを同時に兼ね備えた巨大怪獣に過ぎなかった。

だが、当時の地球は巨大怪獣が魔法少女の超能力に致命的に弱い事に気付ていない時期だったので、当然の如く通常兵器の総攻撃の餌食になり、そして、ダメ押しとばかりに核を搭載した巡航ミサイルまで撃ち込まれた。

その結果、Risquemaximumは飛躍的かつ劇的に強くなり過ぎた。強くなり過ぎてダメージヘアー星人の洗脳を自力で解いてしまった。

その代償として、Risquemaximumの体内は常に無尽蔵の放射能に汚染され続け、その皮膚は常に焼け爛れ続けた。

「これを……私達地球側の罪と呼ばすして……何を罪と呼べば良いんだ?」

叩が懸命に叫ぶ。

「違う!」

だが、その後が続かない。

「何が違う?どこが違う?言ってみろ」

叩は喋れなかった。全否定したいにも拘らず。

 

カバと水牛を同時に兼ね備える巨大怪獣が真っ先に逃げた。Risquemaximumと戦っても勝てないと悟ったからだ。

Risquemaximumはそれを追おうともせず、いまだ兵器推進善業がかき集めた通常兵器の総攻撃の餌食になる権利を奪い合う2匹の巨大怪獣を追う様にゆっくりと都市部へと歩み始めた。

これにより、現場指揮官の焦りはピークに達した。

ただでさえ巨大怪獣の上陸を2匹も許してしまった上に、更にRisquemaximumの上陸まで許せば、通常兵器の名誉と必要性の回復は永遠に来なくなってしまうからだ。

「討てぇ!止めろぉ!奴まで上陸すれば、全てが最悪な形で終わってしまうぅー!」

だが、既にボロボロの兵器推進善業にRisquemaximumを止める手段は無い。いや、現実を否定し通常兵器に頼った彼らに、最初から止める方法など無かったのかのしれない。

Risquemaximumは、背びれを光らせながらカエルとカマキリを同時に兼ね備える巨大怪獣を見据え、口内を青白く光らせた。

「何をする気だ?」

Risquemaximumの口から放たれた青白くて細長い炎が、たった1撃でカエルとカマキリを同時に兼ね備える巨大怪獣を消してしまった。

たった1発で巨大怪獣を消し去るRisquemaximumの姿に、強田が素直に言う。

「もう……『ゴの字』で良いじゃん」

それを聞いた魔法少女達が宥める。

「ある映画制作会社から『それだけはやめてくれ!』って言われてるんだよ」

「……著作権がどうとか言ってる場合か?」

 

巨大怪獣に操られて巨大怪獣の周囲を浮かんでいる戦車や戦闘機や軍艦が、Risquemaximumに追われる巨大怪獣に向けて砲撃を続けていた。

傍目から見れば、巨大怪獣から逃れる為に攻撃している様に見えるが、

「何をしている!?弾幕が薄いぞ!早く撃破せんか!」

だが、操られた戦車に乗っている車長の意見は違った。

「違う!戦車が勝手に巨大怪獣を攻撃してるんだ!」

「言ってる意味が解らん!操られている者が操ってる者を攻撃しているとでも言うのか!?」

前線指揮官が檄を飛ばすが、巨大怪獣とRisquemaximumの鬼ごっこによる甚大な被害を観て、前線部隊の中に「巨大怪獣を斃して通常兵器の名誉と必要性の回復を謀る」に疑問を持ち始める者が出始めた。

「もっと……もっと早くに魔法少女を呼ぶべきだったのではないでしょうか?」

「何ぃ!」

「だってそうじゃないですか?これだけ周到に待ち伏せしてこれだけの被害なんですよ……もう負けを認めるべきです!」

前線指揮官が弱音を吐いた隊員の胸倉を掴んだ。

「じゃあ何か?兵器や軍隊が廃れても良いのか!?」

でも、既に敗北を認めた隊員の考えは変わらなかった。

「それで侵略者に打ち勝って護りたいモノを護れれば!……それで良いじゃないですか?」

「私も……不要なプライドを捨ててでも侵略者に勝つ事が重要だと……思われます」

 

スクリーン越しに前線部隊の精神的乱れを観た叩が怒り狂う。

「何を言ってるんだあいつは!?たとえ、それで侵略者に勝ったとしても、人類の発展と進化に必要不可欠な戦争を失えば、衰退と滅亡しか残らんではないか!」

だが、叩の望みに反して、1人の魔法少女が飛び出してRisquemaximumに斬りかかった。

「貴様あぁー!魔法少女を出撃させたなぁー!?そんなに自分達が吐いた嘘を守りたいかぁー!」

本当は違うのだが、あえてその事は言わなかった。

確かにあの魔法少女はRisquemaximumを倒す為だけに管理委員会を退職したのだが、思い込みに完全に取り憑かれて飲み込まれた叩に言ったところで信じてもらえないからだ。

叩達の人質になったオペレーターの1人が立ち上がり、上司であるライラに命令した。

「ライラァーーー!何時までぼさっとしてるぅーーー!早く出撃命令を出せやぁーーー!」

「黙れ嘘吐きがぁー!」

だが、このオペレーターの勇気は、叩が放った銃声が掻き消してしまった。

でも、ライラの決意を後押しするには十分過ぎる勇気であった。

「何をぼさっとしている!既に巨大怪獣は出現しているのだぞ!?早く出撃しろ!」

それに対し、叩がピストルをライラに向けながら叫ぶ。

「やめろー!貴様等に騙された愚民達を真実から遠ざける気かぁー!」

しかし、既に射殺される気満々なライラは、完全に思い込みの中にいる叩に説教を垂れた。

「貴様こそ現実を視ろ」

 

ライラから改めて出動命令を受けた魔法少女達であったが、叩達の人質であるオペレーター達の事を思ってか、なかなか踏み出す事が出来ない。

そう、強田以外は。

「その言葉……待ってたぜぇ!」

ライラのお陰で箍が外れた強田は、自分達に銃口を向ける兵器推進善業の魔法少女管理委員会施設制圧部隊に殴る蹴るの暴行を加えた。

「行きな」

だが、他の魔法少女達は慌てるばかりでこの場から離れようとしない。

「何やってるんだお前!?そんな事をしたら―――」

そんな魔法少女達に強田が一喝する。

「あいつらが選んだ道を否定する気か!?」

「え?」

「あいつらは、自分の命より町で暴れているデカブツをぶっ倒す事を選択した。それを否定するのかって訊いてんだよ!」

強田のこの言葉で吹っ切れた魔法少女達は、巨大怪獣とRisquemaximumを撃破するべく出動する。

「待て詐欺師共!停まれ!」

それを見た兵器推進善業が慌てて魔法少女達に銃口を向けるが、直ぐに強田の暴力の餌食となった。

「俺も……こいつらを片づけたら直ぐに往く!先に往け!」

「……解った!」

一見カッコイイ場面に見えるが、強田は正直恥ずかしかった。

(何で俺はこっちを選んじまったんだ?まさか……あのゴの字にビビってるのか?)

でも、強田は解っていた。

今の自分ではRisquemaximumには勝てないと。

だから、無意識のうちにRisquemaximumより数段弱い兵器推進善業の魔法少女管理委員会施設制圧部隊の殲滅を選んだのだ。

とは言え、常識外れな巨大怪獣との戦いになれてしまった強田にとって、兵器推進善業は数の暴力と卑怯な武器に頼るだけの雑魚。

いとも簡単に叩きのめし、ライラ達がいる情報管理室へと向かった。

 

叩達が魔法少女達の出撃を妨害していた部隊からの連絡を聴いて慌てた。

「停められなかっただと!?」

「で、ここに向かっている魔法少女は何人だ!?」

叩は、次の報告を聞いて蒼褪めた。

「2人だけだと!?他は全部巨大怪獣の許に……」

ライラが呆れ気味に言い放った。

「何か不都合でもあったのか?」

叩がピストルをライラに向けながら叫ぶ。

「地球最大の不都合である貴様等が言うな!」

しかし、突然戦闘服装の温度が急上昇して視界が歪み始めた。

「何だ……この暑さは……」

「私が熱波を操ってるからさ♪その服はもうサウナ室だよ?」

叩がピストルを赤いショートヘアの少年的な雰囲気を纏った魔法少女に向けるが、当の魔法少女は余裕であった。

「良いの?そんな暑い中で素手で金属を触って?」

そこへ、強田が兵器推進善業の雑兵達に暴行を加えながらやって来た。

「そろそろ……この迷惑な戦争ごっこはお開きにしようや」

強田の台詞は、既に怒りが頂点に達していた叩の怒りを買うのに十分だった。

「迷惑だと?散々戦争の恩恵に甘え続けたクセに、今更迷惑だと!」

「は?俺が何に甘えてるって?」

「お前だけじゃない!俺達全人類は、兵器によって力を得、軍隊に護られ、戦闘によって発達し、戦争によって発展してきたんだ!そんな戦争を迷惑の一言で片付けるのは、人類の進化に対する冒涜に他ならない!」

その言葉を聴いて、呆れながら言い放つ強田。

「……俺よ……腕力と筋肉とワガママだけが取り柄だからよ、歴史の授業はからっきしなんだ。でも、そんな俺でもわかる事が有る……戦争を嘗めるなよ?……戦争は気に入らねぇ奴を根絶やしにする為に在るんだよ!」

思い込みの中にいる叩の耳にはやはり届かない。

でも、強田にとってはどうでも良い事であり、最初から解っていた事であった。

それに、もっと大事な事が在るからだ。

強田がポケットから隕石の破片を取り出すと、ライラが自虐的に鼻で笑った。

「お前も気付いていたのか?」

「……ああ」

すると突然、叩の仲間の1人が突然苦しみだし、口からオレンジ色の炭酸血液を吐いた

「……オレンジ色の吐血だと……馬鹿な……そんな馬鹿な!?ダメージヘアー星人の天敵である筈の我々の中にだなんて……そんな馬鹿な事が在り得ようか!?」

大慌ての叩に対し、強田とライラは冷静そのものであった。

「解るだろ普通。俺達が敗けて最も得をするのは誰か?それさえ判れば……」

強田が隕石の破片を近づける度に叩の仲間に化けていたダメージヘアー星人がもがき苦しみ、肌色を緑に変えた

「やめてくれぇ……本当にやめてくえぇ……」

「おのずと黒幕が誰か解る」

「あぐぐぐっ……ぐっ!……」

そして、ダメージヘアー星人は死んでしまった。

強田がライラからある台本を奪うと、

「それと……さっきの卑怯者の死、ネットで生放送しといたから。あいつらの遅刻理由は解ってもらえるだろうし……お前も言い逃れ出来ないぜ?」

叩は何も言えず、ただ悔しそうに歯ぎしりするだけだった。

 

追っていた巨大怪獣の消滅を確認したRisquemaximumは、これ以上の戦闘は無意味だと判断して海底に戻ってしまった。

それを追おうとする魔法少女がいたが、他の魔法少女達がそれを制止した。

「今のアンタじゃ無理だって。アンタは私達が来るまで、あの2匹の足止めをしてたんでしょ?これ以上戦ったら死んじゃうよ?」

Risquemaximumを追撃しようとしていた魔法少女は、悔しそうに地面を叩いた。

「おぉ……おーーーーー!」

と、ここで、Risquemaximumがいなくなった隙をついてカバと水牛を同時に兼ね備える巨大怪獣が再び出現した

が、それを待っていたのは兵器推進善業の通常兵器ではなく、散々待ったをかけられてまだまだ暴れ足りない魔法少女達であった。

「お前……何しに来たぁー?」

そして……巨大怪獣の最期の悲鳴が響き渡った。

 

こうして、叩達は逮捕され、兵器推進善業と魔法少女管理委員会との力関係を逆転させようとしたダメージヘアー星人の目論見は破綻した。

だが、これでもなお叩は負けを認めない。

「これで終わりだと思うなよ……必ずやお前達の嘘を暴き、人類の発達と発展に必要な戦争を奪還する!」

強田が呆れながら言い放つ。

「いい加減……勝利者目線で戦争を観るのは辞めて、馬鹿げた夢から醒めろ」

強田は「あれを視ろ」と言いたげに目を動かした。

「あいつ等の様にな」

そこにいたのは……今回のRisquemaximum上陸の被害者達であった。

被害者達は、叩達を見つけた途端に次々とゴミを投げつけ始め、機動隊がそれを宥めながら制止させる。

「この裏切り者ぉー!」

「何で魔法少女を出し惜しみしたんだよ!?」

「俺の店を返せぇー!魔法少女があんだけ遅刻したんだ、それだけの事はして当然だよなぁー!」

「落ち着いて下さい皆さん!このままでは、貴方方を暴行罪で逮捕しなければなりません!ですから、皆さん落ち着いて下さい!」

叩は許せなかった。

兵器推進善業が果たそうとした善意を……通常兵器だけで巨大怪獣を討伐し、兵器や軍隊の必要性を意図的に葬り去った魔法少女管理委員会の嘘を暴き、人類の発達と発展に必要不可欠な戦争を全人類に返還する。

それを無視して、魔法少女の出動を遅らせた「裏切り」への誹謗中傷に没頭する被害者達の悪意が、どうしても許せなかった。

だから、叩は両脇を抱える警官達を振りほどきながら反論する。

「違う!悪質な詐欺師共が言ってる事は全部嘘だ!兵器だけで巨大怪獣を討伐出来るんだ!出来るんだぁー!」

だが、誰も叩の反論に耳を傾けず、魔法少女の出動を遅らせた「裏切り」への誹謗中傷に没頭する。

「嘘吐け!だったら何で息子は死んだんだ!?」

「あんな役立たずを並べる暇が有ったら、さっさと魔法少女を出撃させろ!」

「お前は手下か?ダメージヘアー星人の手下か!?裏切り者ぉー!」

それでも、叩の必死の説得は続いた。

「違う!あの詐欺師共が超能力でしか巨大怪獣を討伐出来ないと嘘を吐くから、兵器や軍隊がどんどん衰退し、戦争を失い、我々全人類は滅亡の道をひた走る羽目になったんだ!」

でも、やっぱり叩の反論に耳を傾けず、魔法少女の出動を遅らせた「裏切り」への誹謗中傷に没頭する。

「返せぇー!裏切り者ぉー!」

「嘘吐きはお前だ!これのどこが魔法少女を管理しているだ!?」

「引っ込め!裏切り者!」

叩は必死に涙を流しながら訴える。

「違う!違う!違ぁーう!」

 

2日後。

「ライラさん達を人質に取った人達の判決が出たそうだ……無期懲役な上に50年間の懲罰房だと」

「早くね?裁判ってそんなに短かったけ?」

「……弁護士のなりてがいなかったそうだ……誰も、必ず惨敗する戦いは避けたいって事だろう?」

「でも、何で無期懲役なんだ?何で殺さない?」

「死すら生温いって事だろ?」

強田は溜息を吐いた。

「馬鹿だよ……あいつらは加害者と敗北者の末路を……知らな過ぎる」




兵器推進善業が登場する回全ては、『マシンガンやミサイルが新型コロナや異常気象に何をしたって言うんだ!』という気持ちで書いています。
本当の苦痛の中にいる人に武器は必要ないですからね。
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