「なんだこの小説・・・」と、呆れながら読んでください。
何処からか、波の音が聞こえる。
回りには、崩落したビルや基礎が、露出した家がある。
それも、一つや二つではない。辺り一面、めちゃくちゃになっていた。
狂った画家が描いた狂気の絵の様でありながら、不思議な静寂に包まれていた。
ーーそんな静寂が不意に途切れる。
ビルの一つから、凄まじい爆発音が鳴り、ゆっくりと倒壊していく。
そのビルの中から『何か』が飛び出した。
黒と白を基調としたカラーリングをした『それ』は、人の形をしていながら見た目は、
完全に機械そのものだった。
禍々しいフォルムをした『それ』は、右手に巨大なライフルを持っていた。
片手で持てるような物ではないそのライフルをビルから、落下しながら構え前方に一発発砲。
反動が肩を叩き、落下姿勢を崩しかけながらも何とか体制を維持する。
ヘッドユニットに搭載している視覚情報システムが、やかましくなり続ける。
『 警告! 機体落下スピードプラス250 地面激突まで残りー』
そんなことはわかっている。だが、アイツはまだ生きている。
不意に悪寒が身体を貫き、脚部バーニアを左側に吹かせると一瞬遅れて崩れ落ちていくビルに
大穴が開く。
落下しながらライフルを撃つという荒業をやってのける自分も人間業ではないが、
凄まじいスピードで落下していく自分に対し、精密射撃をやってのける相手も人間業ではない。
恐怖心を必死に抑えながら、背部バックパックのバーニアを吹かせ、落下スピードを緩めながら地面に着地。
同時にスラスター起動させ、先ほど相手が撃ってきた方向に向かって素早くダッシュ。
身体に負荷がかかるが、歯を食い縛りながらも相手に接近。
いた。距離1880メートル、朽ちたビルの屋上に伏せ撃ちの体勢でこちらを捕捉している。
アラートが鳴ると同時に、今度は右側に避けーー
「ッ!!」
当たった。だが、弾丸が当たる直前、身体を僅かに反らしてダメージを最小限にした。
致命傷ではない。まだ戦える。
必殺の弾丸を食らいながら依然として接近してくる自分に対し、
相手は冷静にマガジンを新しい物と交換、把手を操作して次弾を装填。
動作の一つ一つに一切の無駄がなく、継ぎ目がない。
再びアラートが鳴る。
先程、相手が撃った方向とは別の方向からの攻撃、ミサイルだ。
恐らく、事前にビルの中に仕込んでいたのだろう。発射タイミングも完璧だった。
勝利を確信したか相手は膝射ちの体勢に変えていた。
戦いはまだ終わっていないというのに。
「舐めてんじゃねぇぇぇぇ!!」
スラスターの機動力を保ったまま、ダッシュ中の右足を軸にし、そのまま一回転。
ミサイルをバレリーナの様に回転。際どく回避し、近くにあったビルにジャンプする。
着地の衝撃に耐えて前方を確認。
今の回避にはさすがに相手も驚きを隠せないのか、動きに隙が生まれる。
その隙を狙ってライフルを発砲。
先程は勘任せの一発だったが、こちらのライフルも距離を潰したお陰でやっと射程圏内に入った。
トリガーを引き続けマガジンの中にある弾丸を使いきる。
運がいいというかタイミングがいいというか相手が膝射ちの体勢だったので避けられ、
そのまま自分と同様にビルにジャンプしながら、腰に提げていたスモークグレネードを投げる。
煙幕が周りに広がり、視界が悪くなる。
(クソッ、ヤベェぞこいつは!!)
基本的に狙撃というのは相手を一撃で仕留める、いわゆる「ワンショットワンキル」が、基本だが、
それは、味方も敵もたくさんいる状態で、なおかつ混戦時にこそしやすい。
狙撃位置を特定され難いからだ。
だが、一対一の戦いでは戦法も変わる。
「相手に捕捉されたら撹乱させ、別の狙撃地点に行き、相手を狙う」という戦法に。
ましてや相手は、神業じみた狙撃をした奴だ。それにまた、罠が無いとも限らない。
ここで逃がせば、圧倒的にこちらに不利になる。最悪、殺られるかもしれない。
それだけは、何としても阻止しなければならない。
マガジンを交換、更には、ヘッドユニットの機能の一つの赤外線暗視装置を起動。だが、
(いねぇだと···?)
既に移動したのだろう、見た目よりも動きが速い。近くのビルにも敵影はないということは···
(もしかして、下に降りたのか?)
それは、考える限り最悪の状況だったが、そうとしか考えられないのもまた、事実だった。
ビル群の下は朽ちた店や折れた信号機が数多く、何よりも視界が悪くなる。
朽ちていたとはいえビルに大穴を作るような狙撃銃を持っていた。
ビルを撃ち抜き、自分に致命傷を追わせるなど簡単だろう。
曲がり角で奇襲を受けるかもしれない。
···まぁ、それでも、こんなところで立っているよりはまだましだろう。
そう思い、意を決して降下。コンクリートの道路に静かに着地した。
万が一、近接戦闘になった時の為に持っていた簡易型ブレードを展開して左手に持つ。
相手が、近くにいないという保証は全く無い。と、
ーーガラスを踏んだかの様な音が近くから聞こえた。
落ち着け。アイツかどうかは、分からない。わざと音を立てて誘きだそうとしているのかもしれない。
音のしたほうに向かってゆっくりと移動。
音を出さない様に細心の注意をしながら、ライフルを構えておく。
次の曲がり角を左に行けば、そこには、ガラス片がたくさん落ちていた。
恐らく音がしたのはここだろう。狙撃手が居ないか慎重に周りを見渡す。
············いない。気のせいだったのか?
ーー危険を承知でガラス片の近くに行こう歩いた時と足跡が見つかったのはほぼ同時だった。
いかがでしたか、プロローグ!
えっ、突っ込みどころ満載すぎるって?
主人公の名前や何と戦っているのかは後々説明します!(丸投げです。)
プロローグなのに次回に続きます。
·····我ながら、この先が心配です。
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