DONPOUR THE MOMENT   作:MSX

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今回こそスナイパーはタイトル通り活躍出来るのか!?
こうご期待!!



プロローグ スナイパー戦 3

「·····全く、なん、て、様だ······」

 

地面に伏し、這いつくばっている男、カーマインが喉から弱々しい声を出した。

 

無理もない。彼は背中に怪我を負っているのだから。

 

彼に大怪我を負わせた本人は、彼が落としたブレードを拾っていた。

 

その様子は余りにも自然すぎた。

 

「お・・・い、」

 

気付けば話かけていた。

 

「···なんだ?」

 

「···あ····ん··たは、一体、何····者な···ん····だ···?」

 

「あんたと変わらねぇ、ただの人殺しだ」

 

そう即答するとその場から去ろうとしていた。

 

 

 

«カーマイン!! 応答してくれッ! カーマイン!!»

 

«·····デルタ、か·····»

 

«ッ!!、大丈夫か、カーマイン!»

 

«····大丈夫、··そ···うに見え···るとした···ら···、お前の··目は·····飾り物···だ»

 

全くもってその通りだが、いちいち反応している暇はない。

 

«···動けるか?»

 

«そ···う··見える···か···?»

 

«分かった、そこから動くな»

 

«···デルタ?»

 

«·····済まないカーマイン。俺がヘマしたばかりに»

 

«気にする··な、お前が····役に··立た、なかった···だ··けだ»

 

全くその通りだと苦笑。

 

«減らず口を言えるんだ少し待っていてくれ»

 

«···何を··するつもりだ········?»

 

«簡単さ»

 

 

 

 

«化け物退治だ»

 

 

 

 

 

 

移動しながら思う。これで敵はスナイパー、一人になった。

 

カーマインと呼ばれると呼ばれる暗殺者をからくも撃退する事に成功したが、状況は最悪だった。

 

まず、武器がない。というよりはなくなった。

 

右手に持っていたライフルは先程、撃ちまくったせいで弾残ゼロだ。

 

···あの時は仕方がなかったとはいえ、さすがに弾ぎれは痛い·······。

 

他には左手に持っているグレネードランチャー。

 

だが、射程距離はそこまで長くはない。

 

ましてやスナイパーに直撃させるなど夢のまた夢だろう。

 

「・・・参ったな」

 

どうしようかと考えながら近くにあるビルの中に入る。

 

同時に発砲音。

 

「!?」

 

横にあった窓ガラスが派手な音を立てて割れた。

 

ーーこっちの居場所がバレた!?

 

慌てて壁に体を隠し、何処から撃ったか探るが二発目がこない。

 

周りを見て、階段を見つける全力でかけ上る。

 

行ける、そう思っていたからこそ、壁を吹き飛ばし、目の前を通り過ぎていった弾丸が

 

何かの冗談の様だった。

 

まずい、完全にこちらの位置がバレている。

 

(·····だが、どうやって?)

 

またもや、発砲音。咄嗟にしゃがみ、三発目をかろうじて回避。今度は斜め左から弾丸が通り過ぎた。

 

あり得ない。敵は一人のはずだ。まさか、隠れていたのか。

 

(いや、それにしては余りにも効率が悪い。相手だって馬鹿じゃない、最初からそうしているはずだ)

 

大体、壁があるのに何故こちらの位置が分かったのか。

 

とその時、あることを思い出し、脳裏に一つの仮説が生まれた。

 

(···まさかな、だが、もしかすると····)

 

頭の中で作戦を思い付くがかなり危険だ、失敗する可能性のほうが高い。

 

····だが、このままではじり貧だ。

 

「仕方ない···危ないがやってみるしかねぇ··か」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相手の位置を正確に掴む。

 

それだけでも対人戦では大きなアドバンテージとなる。

 

逆にスナイパーというものは自分のいる場所を悟られてはいけない。

 

いくら距離があるとはいえ、スナイプ中は隙だらけだからだ。

 

故にスナイパーは先手必勝であり一撃で仕留めなければならない。

 

だが、デルタの戦法は違っていた····というよりも彼の戦い方は少し変わっていた。

 

事前に準備をしておき、相手をそこへ誘い込み、反撃の隙も与えずに倒す。

 

どちらかというと工作兵のような戦い方だ。

 

(····アイツ、全く動いてない、どういう事だ)

 

デルタの視線の先にはビルがある。そこに敵が逃げ込んだ。

 

弾丸が当たった感触はない。相変わらず、反則染みた回避だ。

 

(何で動きを止めてんだ?)

 

一体何を企んでいるのか、デルタが考えているときだった。

 

相手が動いた。

 

狙撃銃を構える。

 

トリガーを引く。

 

······命中した!!

 

致命傷ではないにしろ当たった事に内心ガッツポーズをとる。

 

あっさりと当たった事に違和感は感じたが気にする暇はない。

 

まだ終わってない。次で最後だ。

 

これでお前の負けーー

 

 

 

 

 

「あんたの負けだ。スナイパーさんよ」

 

 

 

 

 

いつの間にか後ろから声がした。銃の構える音も。

 

「·····ああ、そうだな」

 

不思議だった。言いたいことは山程あるのに、第一声はこれだ。

 

「なぁ、あんた、質問していいか?」

 

「何をだ」

 

「一体、いつ気付いたんだ」

 

「・・・エ?なにが?」

 

「・・・へ?まじで?」

 

二人の時間が止まった。

 

 

 

 

一つめの種明かしをすると『ガンカメラ』というものだった。

 

これは、通常の狙撃銃にセンサー類と専用のユニットを

 

取り付けるだけで作れる簡易装置だ。

 

一言で言えば、自動遠隔狙撃装置というものだった。

 

これに指示をして様々な方向から攻撃をしていたのがデルタというわけだ。

 

もう一つ、何故、デルタは常にこちらの位置を把握できていたのか、

 

その理由は最初に当てた弾丸に秘密があった。

 

『ペイント弾』カーマインと戦う前、デルタに狙撃された際に食らった弾丸の名前だ。

 

この弾丸は名前の通り命中した対象の位置を知らせるため特殊な信号を発するというものだ。

 

この二つを組み合わせる事により、

 

デルタは非常に高い戦闘能力を発揮していたというわけだ。

 

仮に障害物があったとしてもペイント弾が発する信号により正確な位置を掴める。

 

ちなみに説明をしている時、相手は「あ、ああ、やっぱりそうだったのか」と言っていたが、

 

途中から「へ、へぇ・・・」と言っていたり、

 

最後には「そ、そうだよな・・・ははは···」と震えながら言っていた。

 

「・・・・・」

 

「い、いや、俺はなんとなく分かってたから、人を疑うその目をやめてくれねぇか?」

 

「・・・聞きたいけど、あんたは何で脱いだんだ?」

 

「・・・パワードスーツのことか」

 

「ああ、ペイント弾の特性に気づいていたから、脱いだんだろ?」

 

「・・・・・」

 

「·····何で無言なんだ?」

 

··········言えない。

 

脱いだのは、違う意図があったからだ。なんて。

 

 

 

 

本当のことを言うとそんなこと考えてすらなかった。

 

というか、デルタに接近する事しか考えていなかった。

 

パワードスーツにはあらかじめ自動操縦装置が組み込まれており、スーツを脱いだ後に起動させた。

 

『スーツに発信器が付けられた・・・はず』と思ったからだ。

 

そして、それは予想通りだったのだが、パワードスーツを脱いだ理由は

 

あくまでもスーツを『おとり』にし、デルタに少しでも接近するためだった。

 

だがら、食らった弾丸がペイント弾なんてわからなかったし、ガンカメラなんて分かるはずもない。

 

ならどうするか、思いついた作戦は至ってシンプルだ。

 

『相手が気づく前に接近し、倒せばいい』

 

「完璧じゃないか?これ」

 

つまり、何も考えていなかったのである。

 

 

 

 

 

「ノープランの鳥頭野郎に背後を取られたのかよ・・・・・・・・・・・」

 

デルタは悲しみよりも先に自分に対する憐れみを感じていた。

 

「う、うるせぇ!」

 

「・・・はぁ、なんかアホらしくて戦う気も失せたよ・・・しゃーない、投降するよ」

 

「·····ある意味結果オーライだな」

 

「・・・一つ頼みがある」

 

「?」

 

「相棒を・・・カーマインの遺体をもってきてもらっていいか」

 

 

「『お疲れさん』、ただその一言をいってやりたい」

 

 

「・・・・・え?死んだ?なんのこと?」

 

「・・・」

 

「生きてるぞ、あいつ」

 

「・・・・・マジで」

 

「スーツの防御装置が作動してて、背中にダメージはあるけどそれ以上に爆発の衝撃波が強かったんだろう、

 

脳震盪でグロッキー状態になっていたぜ、あいつ」

 

デルタの表情については、わざわざ書くまでもないだろう。

 

 

 

 

«ああ、スナイパーは投降した。その仲間もだ»

 

いつの間にか廃墟の都市に夕日が登り始めていた。

 

«迎えのヘリを頼む»

 

 

 

 

 

 

いつからだっただろうか。

 

 

 

 

世界がこうなってしまったのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




残念!、デルタは鳥頭に負けてしまった···。
まぁ、次があるさデルタ!! 多分。


プロローグがやっと終わりました。
次の話から本編です。

感想、ご指摘、お待ちしています。
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