DONPOUR THE MOMENT   作:MSX

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第一話! 第一話!

あっ、どうもMSXです。やっと出来た第一話。新キャラだらけです。



·······正直、覚えるのが大変です。




第一章  威久間将兵とフェネクス
第1話 問題児と監視者


「ま、待ってください、ショーヘイ」

 

幼く凜とした声が頭に響く。少女の声が。

 

うんざりしながら後ろを見ると一人の少女が肩で息をしていた。

 

「・・・遅せぇよ」

 

「し、仕方がないじゃないですか! 鍛えてないのですから!」

 

それ、胸を張って言えることかよ···。

 

そういいかけて口を閉じる。代わりに下らない事を思い付き、からかってみる。

 

「なぁ、フェネクス」

 

「はい」

 

「パンはパンでも空を飛ぶパンってなーんだ?」

 

「は、はい?」

 

予想どうり戸惑っている。語気を強めて「いいから」と言うと、真剣に考え始めた。

 

しばらくすると顔を上げ、正解を言う。

 

「分かりました。答えはフライパン(fry pan)ですね」

 

得意げな顔をしているがやはり詰めが甘い。

 

「うん、50点」

 

「100点では無いのですか!?」

 

「答えはフライパンとルパン三世だ」

 

分からなくて当然だろうが負けず嫌いな性格なら食い付く筈だ。

 

「···る、ルパン三世は飛んだりしません!」

 

よしっ、食い付いた。

 

「不二子ちゃんダイブ」

 

「と、飛べる訳がないじゃないですか!」

 

憤慨するフェネクスに一言。

 

「男の情欲を舐めちゃいけねぇ、実は月にも行った事があるんだぜ」

 

勿論、嘘だ。

 

「・・・不二子ちゃんダイブで月に・・・?」

 

信じられない物を見たかような顔をしている。もう一押しだ。

 

「ああ、空を飛ぶどころか成層圏突破だ。大した男だよ本当」

 

口を開けて「す、すごい人です·······」と言いながら呆けている。

 

自分で騙しといてあれだが···騙されやすい奴だ。まぁ、流石にもういいだろう。

 

「まぁ、嘘なんだがな」

 

「嘘!? 騙したのですか、ショーヘイ!」

 

「彼は飛行機で飛んでいた」

 

一瞬、真顔になるが常識的にあり得ないとやっと気付いたのだろう。

 

「・・・からかって楽しいですか?」

 

そう言いながらもフェネクスの顔は真っ赤だ。

 

顔を不機嫌に歪ませて鋭く睨んでいるが、虚勢だというのは分かりきっている。

 

思わず意地悪な事を言ってしまった。

 

「楽しいね。人が騙される事に気づいた時の顔は滑稽だ」

 

············あれ、言い返してこない?

 

「···最低です·····」

 

よくみると目の端にうっすらと涙が浮かんでいる。

 

ヤバイやり過ぎた。

 

慌てて頭の上に手を置き、撫でると

 

「こ、子供扱いしないでください!」

 

と手を弾かれる。

 

「こんな最低人格者だとは思いませんでした・・・・・」

 

からかっただけでこれだ。最低人格者で悪かったな。

 

「全くです」

 

「俺の心の声をさりげなく聞くなよ」

 

 

 

 

 

 

数時間前

 

 

 

 

 

 

「ショーヘイ」

 

「・・・」

 

「ショーヘイ!」

 

「・・・」

 

「・・・ショーヘイ?」

 

「Zzzzzzzz······」

 

「立ったまま寝てんじゃねぇよ!」

 

「へぽしっ!?」

 

回し蹴りを食らい、全身でトリプルアクセルを決めながら

 

近くにある壁に頭から突っ込む。

 

「全く、ふざけるなよショーヘ・・・」

 

「··········」

 

「おい、ショーヘイ?」

 

・・・よくみると返事がない。首の向きがおかしい。目に生気がない。

 

これはまさか・・・

 

「・・・殺っちまったか・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ボスに慰謝料1000ペソを要求します」

 

「予期せぬ事故だ、落ち着けショーヘイ」

 

「ボスの起こした『予期せぬ事故』で危うくジオングみたいになるところでしたよ」

 

「皮一枚で繋がっているからセーフだ。大体、」

 

「牢屋で立ったまま寝るお前が悪い」

 

「·················」

 

「今度はどんな理由で留置場行きだ?」

 

「別に・・・目の前にいたボスみたいなXLサイズの服をきたデブが気に食わなかっただけですよ」

 

「呆れて物が言えないから代わりに一つ言っておく」

 

「?」

 

「俺はLサイズだ」

 

「・・・サーセン」

 

ショーヘイこと威久間将兵は相手の腹回りを見ながらそう謝った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、ショーヘイ、お前に良くない知らせがある。聞きたいか?」

 

「すいません、耳を塞いでるんで何も聞こえません」

 

「無視するが、心当たりはあるか?」

 

「日々、真面目に生きていながら人をバカにする余裕を忘れない男、

 

威久間将兵にはなんのことかさっばりです」

 

「そんなお前の人を嘗めた態度が悪いとなぜ気付かないんだ?」

 

「何故でしょうね。まぁ、俺ばかりに面倒ごとを押し付ける上の人達のせいでやさぐれてるんですよ」

 

「今度、旅行に行くといい。やさぐれた気持ちも癒やされる」

 

「すいません、男同士、二人きりで旅行はちょっと・・・・・」

 

「木星への片道切符をプレゼントしてやろうか」

 

「ははは、御冗談を」

 

「ははははははは・・・」

 

乾いた笑い声が虚しく広がる。

 

その後もしばらく雑談をしていたが、ボスの一言で本題に入った。

 

「さて、お前は自分が起こした問題行動の数々を覚えているか?」

 

「俺はパンを食った枚数すら忘れるような男ですよ。勿論、覚えていません」

 

「だろうと思ったよ。そんなお前にプレゼントだ」

 

そう言いながら机の上に物を置いた。

 

「これは?」

 

「保護観察者用のGPS付きリストバンド」

 

「······待って下さい、確かに俺は問題行動を起こしまくっていますが、ここまでする必要は」

 

「さっさと仕事をしに行け。監視者もそこでお前を待っている」

 

「大体、俺を保護観察扱いにするならあいつだって」

 

「言っとくが、監視者は飛びきりの美少女だ」

 

「仕事をしてきます」

 

その動き、光が如く。将兵はそう言い、いつの間にか消えていた。

 

「・・・はぁ、根は真面目なんだがなぁ」

 

独り言を言うのも無理はない。

 

問題は山積みなのだから。

 

部屋に残るのはボスのため息ばかりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第一印象が大切だ。

 

『人を見た目より中身が大切だ』と言うが、見た目が良くなくては中身を知る気にはなれないだろう。

 

笑顔、美形。これが大切だ。

 

もっとも、俺の場合、変顔、微形なのだが。 あれ、これだめじゃね?

 

などと考えていた時だった。

 

前から来た子供に正面からぶつかってしまう。

 

「っと」

 

ぶつかった衝撃で尻餅を付きかけたのを反射的に手を掴み、同時に相手の背中に手を置き、こちらに手繰り寄せる。

 

「悪ぃ、前を見てなかった。大丈夫か?」

 

相手の体格は自分よりも小さく、小柄だ。それでいて柔らかい。

 

フードを被っていたが顔を覆う事もなく頭頂部を隠すだけに留まっている。

 

「ごめんなさい、こちらも前をよく見ていませんでしーー」

 

顔をこちらに向ける。

 

深い藍色とエメラルドの様に美しい緑色が見事なグラデーションで混じった目。

 

精巧かつ華奢で小さな身体と人形の様に整った顔。

 

だが、特筆すべきは少女の髪だ。

 

白金とも銀髪とも言えるような色をしている。

 

人によっては、灰色の髪とも言うだろう。  

 

とにかく、不思議な色合いをした長髪が若干フードから出ている。

 

控えめに言ってもかなりの美人だ。

 

だが、将兵の彼女に対する第一印象は

 

(こいつ、どこかで会ったことがあるような見たことがあるような···············ないような)

 

「あ、あの・・・いい加減、離して貰っても·······」

 

「あ、悪い」

 

相手の身体から手を離す。

 

「いえ、助かりました。ありがとうございます」

 

言ったと同時に顔を見合わせ、彼女の顔が一瞬で強張った。

 

将兵は彼女の腕に巻かれた物を見て、顔が一瞬で強張った。

 

ーー『監視者』用のリストバンドを見て。

 

と言うことは·····

 

「あんたが『監視者』!?」

 

「あなたがショーヘイさんですか?」

 

こちらの名前を知っていると言うことは間違いないだろう。

 

「ごめんなさい、遅いからショーヘイさんの迎えにいこうと思って」

 

「あ、呼び捨てでいいぜ」

 

堅苦しい敬語は好きになれない。

 

「分かりました、ショーヘイ。私の事はフェネクスと呼んでください」

 

······偽名か?変な名前だ。

 

「おう、よろしく、フェネクス」

 

相手の動きや性格を調べるため、握手をするように手をむける。

 

「こちらこそ」

 

フェネクスという名の少女は素直にこちらの手を握った。

 

小さく柔らかい手。将兵の感想はそれだった。

 

ムニムニと触ってみると弾力も凄かった。

 

「あまりそうかれるとその、困るのですが・・・」

 

「いい感触だ」

 

「え?」

 

「あんた、事務職をしていただろう」

 

「どうしてそれを?知っていたのですか?」

 

「いや、手首にちょびっと証拠が付いている」

 

フェネクスは言葉の意味がわからずに困惑。

 

対する将兵はムニムニを満喫。

 

とはいえやり過ぎるのは良くない。適当なタイミングで将兵は手を離した。

 

ちなみにムニムニしている間フェネクスの顔は何かを我慢する様な顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

この二人の出会いは、のちの将兵の運命を決定づける惨禍の幕開けにすぎなかった。

 

 

 

 




いかがでしたか第一話。

個人的にはフェネクス中心の話にしたいぜ。

キャラ紹介はいつかしたいと思います。(今は無理!忙しくて絶対無理です!)

次回に続きます。
   
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