DONPOUR THE MOMENT   作:MSX

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今回は説明ばっかりです。

戦闘はありません。

退屈かもしれませんが、最後までお付き合い下さい。




第2話 問題児と世界情勢

数年前、世界に光が降り注いだ。

 

その光は町を、都市を、世界を無茶苦茶に滅ぼした。

 

そうならないように、と人々は事前にあらゆる手段を用いて『光』に対抗、抵抗した。

 

世界中のあらゆる権威の科学者を集め、大国同士が手を取り合い、悪魔の兵器をも使った。

 

 

その結果がこれだ。この変わり果てた世界だ。

 

 

誰がこんな結果を望んだ? 誰がこんな結末を望んだというんだ。

 

否、誰もこんなのは望んでなんかいない。

 

人類が『光』に対してやったことはただの実験だ。

 

未曾有の危機と言い訳し、普段は出来ない危険なオモチャで遊びをしただけだ。

 

何人死んだ? 何人が泣いた? 何人が絶望した?

 

数えきれない死者と愚か者を出した『光』との戦争は後にこう呼ばれる。

 

 

「流星事件」と。

 

 

 

 

 

 

 

 

「エストバニアとエーメリアスは依然として戦争状態か。フェネクス、

 

お前さんの予想では後何年戦争が続くと思う?」

 

将兵は隣にいるフェネクスに語りかける。無視されても健気に。

 

「・・・・・・1~2年だと思います」

 

フェネクスの顔は不機嫌そうだ。無理もない。

 

握手された後も手を離さず嬉々として手をムニムニされていたのだから。

 

余談だが、その後将兵は驚いていたフェネクスをほっぽりだして勝手に職場に行った。

 

フェネクスが慌ててついて来る時に下らないクイズをし始め、フェネクスを悔しがらせた。

 

勿論、将兵は理由があってやったのだが、やられたフェネクスからすればたまった物ではない。

 

もっとも、このような下らない事でも相手の性格や素性が分かるのだから御の字だ。

 

「へぇ、後1~2年ねぇ」

 

フェネクスの予想をわざと馬鹿にしたような言い方で返す。すると、

 

「・・・・むぅ・・・何か悪いですか?」

 

と反抗する様な声を漏らした。

 

·····分かりやすい性格だ。

 

からかう分には退屈しない。

 

「いや、俺の予想とは少し違ったから。ちなみに俺の予想では後3年は続くと思うぜ」

 

「何故ですか?」

 

食い付きが速いがそれは相手の言葉に対する理解がしたいという意思の表れだろう。

 

「一言で言えば利益だ」

 

「代理戦争の事ですか?」

 

そして、理解力と察しがいい。

 

「それもあるが戦争経済が大きい」

 

「···解っています。PMCの事ですね」

 

負けず嫌いな性格はいただけないが。

 

 

 

 

 

 

 

『流星事件』が起き、世界中に降り注いだ隕石の主は西の大国エストバニアに降り注いだ。

 

その被害は甚大で首都はほぼ壊滅。周りの都市にも壊滅的なダメージを与えた。

 

世界中の人々はその痛ましい光景に胸を痛め、近隣諸国は直ちに支援を開始した。

 

自分達の所に落ちなくてよかったと内心安堵しなから。

 

当時のエストバニア首相さえ腐ってなければ、

 

近隣の大国、エーメリアスと戦争せずに済んだだろう。

 

だが、悲劇は唐突にやって来る。自分達の予期せぬタイミングで。

 

復興中のエストバニアにある日、エーメリアスの支援補給部隊がやって来て

 

いざこざ起きてしまった。

 

後で分かった事だが補給品の配給でちょっとしたトラブルがあったらしい。

 

しかしそんな不満が飛び火し、周りを巻き込んで徐々に大きくなっていた。

 

理不尽な災害、まともに機能しない政治家逹、溜まりに溜まった不満。

 

ここまで条件が揃っていて、クーデターが起きない方がおかしいだろう。

 

案の定、市民逹が暴動を起こした。暴動鎮圧の為に出動したエストバニア軍も巻き込んで。

 

ここまではまだわかる。

 

だが、エーメリアス補給部隊も巻き込まれてしまったなど誰が予想出来ただろう。

 

暴動に巻き込まれ、やむを得ず発砲。

 

世界に一発の銃声が鳴り響き、かくして今に至るというわけだ。

 

 

 

 

将兵とフェネクスの話は続く。

 

「PMCと戦争経済は切っても切れねぇ関係だしな」

 

「しかし、3年は長過ぎると思います。いくら、大国同士の戦争とはいえそろそろ息切れします」

 

「エーメリアスが戦力強化の為、新しくPMCを雇ったらしいぜ」

 

「ブロットウェイクス社の事ですか?」

 

ブロットウェイクス。数えきれないPMCの中でも一目置かれた巨大会社だ。

 

--ちなみに将兵の職業と言うのもPMC社員(コントラクター)だったりする。

 

最も、規模はとても小さいが。

 

「そこの社長が事故で亡くなって、新しい社長が抜擢された。名前は確か」

 

「マイク・ウィーヘショですよね」

 

「ああ、確かそんな名前だ。そいつが、本格的にパワードスーツを実戦投入したらしい」

 

「パワードスーツをですか!?」

 

「全く、金があって羨ましい事この上ないよ・・・」

 

「切実ですね···」

 

原因は将兵にあるのだが。

 

先程説明した通り、将兵の職業はPMCコントラクターだ。

 

ではPMCは何をするのかというと主に直接戦闘、要人警護、重要施設等の警備、軍事教育等の

 

軍事的サービスを行う会社だ。

 

昔から存在(用心棒等がこれにあたる)し、警備や支援として重宝されたが『流星事件』以降は

 

世界情勢が不安定になり、爆発的に増えた。

 

人がいくら力を否定しようと人を守るのは結局のところ、力なのである。

 

それは金であり、暴力てあり、銃であり、軍事力だ。

 

人々がそれに気付くのは、エストバニアとエーメリアスの戦争が本格的になってからだったが。

 

しかし、将兵のいる国ラクトバニアは他の国同様、戦争をしておらず、一応の平和を保っている。

 

だからといって将兵の様に腕は立つが問題行動ばかり起こすPMCコントラクターは

 

とんでもない事件の火種になってしまうかもしれない。

 

そこで監視者こと査察官の出番というわけだ。

 

彼らの仕事はPMCを監視することにあり、様々な情報や不正、違反行為をしてないか調査する。

 

例えば、捕虜に対する扱いが国際条約に違反していないか?というものから、

 

クラスター爆弾等の使用禁止兵器があるか?というもの、

 

政治家との不正取り引きがないか?等々、様々な事を調査する。

 

PMCは管理される軍事力だとアピールする事で世論の反発を防ぐ、その為の査察官だ。

 

最も、食事中も査察されるのでついたあだ名は監視者だが。

 

フェネクスは将兵を監視しにわざわざ本社から出向いた、というわけだ。

 

ご苦労なこった。

 

話しているうちに目的地に着いた。

 

「ここが?」

 

「はい」

 

 

 

「人工島、ゾーンエプタです」

 

 

 

「・・・変な名前の島だな・・・」

 

人工島、文字通り人工的に作られた島だ。

 

元々は人口増加による都市の過密化を防ぐために作られたが今では、

 

ラクトバニア軍の基地が3分の1を占めており、島自体もとても大きい。

 

将兵逹はこの島の民間エリアからラクトバニア軍、ゾーンエプタ基地エリアまで

 

話しながら来たのだ。

 

近くにはビルもあり一般人も普通に歩いている。

 

将兵がこの基地に来た理由は警備だ。勿論、基地の軍人も警備にあたっているが

 

なにせ基地が大きく軍も不足の事態には対応出来る様にしたい。何かあっては遅い。

 

というわけでボスの知人でもある基地司令官に直々に頼まれたというわけだ。

 

腕の立つ将兵が警備にいくといわれた時に思い切り嫌そうな顔をされたが

 

ここで貴重な仕事を失う訳にはいかない。ボスの説得で事なきを得た。

 

(しかし、監視者もセットで行かせるという条件付きだとは知らせてくれなかった)

 

「それにしてもでっけぇ基地だな。こりゃ、あの司令官さんに恩を過剰に売っとかねぇとな」

 

「無駄話をせずに行きますよ、ショーへイ」

 

「へいへい、フェネクスさんはつれないねぇ」

 

基地の正門を警備している兵士にフェネクスが声をかけた瞬間だった。

 

いきなり、視界が暗くなった。

 

兵士の顔が一瞬で凍り付いた。

 

「ん、なんの影でしょうか、こr--」

 

いち早く、振り向いた将兵が叫ぶ。

 

「ッ!! 逃げろォォォォ!!!」

 

『それ』の正体にフェネクスが気付くも、もう遅い。

 

将兵とフェネクスの意識はここで一旦途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は説明ばっかりになったので次回はバリバリ戦わせようと思います。

それではまた、次回に続きます。

次はどんな少ネタを挟もうかな。

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