佑くんは15さい!   作:浪人生の米

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どうもお久しぶりです。更新が遅くてすいません。理由は後ほどあとがきで.......まずは本編をお読みいただければ幸いです。


佑くんと古今東西

もうすぐ秋、時系列がぐちゃぐちゃなのは好きなエピソードを徒然なるままに書き連ねているだけなのでご愛嬌だ。

 

さて、そんな少し肌寒くなってきた放課後の教室ではバーサーカー女子会が執り行われていた。

 

バーサーカー女子会とはバーサーカーな女の子が集まって情報を共有する女子会のことだ。

 

そのまんまじゃないかというツッコミが来そうなので少し補足をしておく。

 

バーサーカー女子会の概要はおもに効率的な敵の倒し方や、日常生活で最も強い武器選手権はたまたどこの誰を狩ったかなどの話が主だ。

 

不定期で開催され、本編でも一度登場している。

 

ちなみに、一応冬彦もいたのだが、終始話を振られてもひぇっ......と言うだけだったので本作では割愛している。

 

そんなバーサーカー女子会。結構話も盛り上がり、30分くらいたった辺りで意を決したように奏がこう切り出す。

 

「ところでよ、やっぱ愛の力で喧嘩って強くなるもんだと思うか?」

 

愛らしい見た目とは裏腹に一番凶暴。主に冬彦のひぇっは彼女由来だ。

 

そんな彼女らしからぬ問いに一同は少し面食らう。

 

だが、真っ先に反応したのは自称右腕茉莉。

 

「あたしは番長とゆたかへの愛で最強無敵ですよ!」

 

元気よくそう宣言した茉莉は隣にいたゆたかに抱きつく。

 

すると、茉莉に抱きつかれたゆたかの顔がみるみるうちに紅潮する。

 

「ちょっと茉莉さん!急にひっつかないでください」

 

ゆたかは慌てて引き離そうとするが、茉莉は二人の時はあんなに甘えるくせにーとのたまって離れようとしない。

 

しばらく引き離そうと悪戦苦闘していたが、結局引き離すことを諦めてされるがままに立ち尽くしてしまった。

 

それを見てにやにやしてるのは黒羊。

 

「いやーおふたりともお熱いなー。これは負けてられないな奏ちゃん、君も冬彦に抱きつけよ!あぁ、勿論冬彦が抱きついたっていいんだぜ?」

 

端からその様子を眺めていた彼女がそういって口を挟むと、奏と冬彦が目を合わせたまま一瞬フリーズしてしまう。

 

「く、来んのか!いやまて、こっちから行くか.......動くんじゃねぇぞ卯ノ木ぃ......」

 

「と、と、寅丸っさん」

 

卯ノ木の声が裏返り、ジリジリと距離を詰めてくる彼女に対して思わず防御姿勢を取ってしまう。

 

だが、捕食者の寅の前では被捕食者であるうさぎはあまりに無力。

 

鯖折りかハグか分からない力で卯ノ木は抱きしめられた。

 

愛佳は嬉しさと痛みの入り交じった卯ノ木の表情を爆笑しながら写真に収めた。

 

「はは、君らはほんとに見てて飽きないなー」

 

目尻の涙を拭き、茉莉を呼びに卯ノ木のほうを指さすと、抱き合ってる(?)ことに気づいた茉莉さんがおい卯ノ木!と言って猛突進してきた。

 

例のごとく、奏に蹴っ飛ばされたのだが、まぁこれも様式美だろう。

 

「青春って感じだなー」

 

「愛佳さんも俺としますか?青春」

 

「君とだけはごめんだなって.....おい」

 

愛佳が横を見ると相変わらず不動の表情筋男。銅像かなにかかと疑ってしまうようだが、これでも一応きちんと人間だ。

 

「普通に高校に入ってきてるし......もう突っ込む気も起きないよ」

 

「いい諦めですね。その調子で俺と付き合ってみましょう」

 

「やだ」

 

断られはしたが、それでもちゃっかり愛佳の腰に手を回しているあたりさすが恋愛アドバイザー佑と言ったところだろうか。

 

この積極性、というか特攻精神。姉にも見習って欲しいものだ。

 

こうして教室内には3カップル(一つカップル成立していない組も混ざっているが…)ができあがりそれぞれがそれぞれの世界へと入り込んでしまっていた。

 

だが、そんな均衡が破られたのは佑のこの一言だった。

 

「俺はこの中の誰よりも大きな愛を愛佳さんに捧げられますよ」

 

言われた当の本人は、ハイハイまたそう言う歯の浮くような台詞を.....と呆れ顔だったが、逃さなかったのはバーサーカー女子2人。

 

「おい待て、佑。あたしの愛がお前のクソ女に対する愛に負けてるって言いてぇのか」

 

「番長の弟さんでも、それは聞き捨てならねぇな」

 

「いや、僕の愛佳さんに対する愛は世界一だから」

 

3人が顔合わせて睨み合う。

 

いやもっとも茉莉さんは全然番長のこと睨めてないので実質2対1みたいなものだが。

 

そんな具合に3人がワーワーギャーギャーと誰の愛が1番大きいかで揉め始めた。

 

愛を注がれてる本人達は顔を見合わせてやや恥ずかしいような嬉しいような微妙な表情でそのやり取りを見ていた。

 

話が平行線の水掛け論となって来ていたところで、佑がここで1つの提案をする。

 

「こうなったら古今東西ゲームで決めよう」

 

「古今東西ゲーム?なんだそりゃ」

 

奏が首を傾げる。

 

「あぁ、姉さん一緒にやる友達いなかったもんね」

 

「うるせぇ、早くルール説明しろ」

 

ふふんという顔をする弟に奏が舌打ちをして睨みつける。

 

「あ、番長!あたし合コンでやったことあるから分かりますよ!教えてあげますね!」

 

「え、茉莉さん。合コンとか行ってたんですか.....」

 

「あっ」

 

思わぬ所で地雷を踏んだ茉莉。

 

ショックを受けるゆたかに一回だけ一回だけだから!と茉莉は必死に言い訳をするが、ゆたかは気にしてませんからと言うばかりで頑なに目を合わせようとしない。

 

「ゆたがぁあぁあ!ごめんってばー!合コンって言ってもみんなで楽しく話すだけって言うかなんて言うか。つまんなくてすぐ帰っちゃったしー」

 

「嘘つき!楽しくゲームまでしたんでしょ!もう茉莉さんなんて知りません!」

 

やや激しめの痴話喧嘩を横目に卯ノ木が奏の横にスススッとやってきて耳打ちする。

 

「すいません寅丸さん。古今東西ゲームっていうのはですねリズムに合わせてお題にあったものを順々に言っていくゲームですよ」

 

「なるほど、よく知ってんな」

 

「いや、僕も人とはやったことはないですけど.....」

 

「「........」」

 

なんとも言えない空気が流れる。

 

「ま、まぁルールはわかったんだありがとう卯ノ木!おっしゃやるぞ佑!茉莉!」

 

「見ててねゆたか!茉莉さんの愛の大きさ証明してみせるからね!ね?」

 

必死の形相の茉莉。ここで無様に負けてしまうと、ゆたかの機嫌が一週間は直らないかもしれない。

 

それは非常にまずい。

 

「それでお題はなんにすんの弟くん」

 

「お題はズバリ『好きな人の好きなとこ』です」

 

一同に沈黙が訪れる。

 

「そ、そ、それってお前みんなの前であたしが卯ノ木の好きなところをいうってことか!?」

 

「うん」

 

「そりゃあさすがにその...なんというかよ。ダメじゃねぇか!?」

 

「じゃあ姉さんは俺に愛の大きさで負けてていいの!?」

 

「それはダメだっ......」

 

「じゃあ頑張ろうね。茉莉先輩もいいですか?」

 

「あたしのゆたかへの愛みせてやるからね!ゆたか!」

 

茉莉がそういってゆたかの方をちらちらと見るが、お題になってる側はそれどころではなかった。

 

(と、寅丸さんが僕の好きなところを!?し、心臓が凄いことに)

 

(茉莉さん変なこと言わないでくださいよ!おねがいですから!)

 

(僕で一周持つのか?)

 

......各々懸念事項は違うが、とりあえず不安になっていることは間違いない。

 

そんな三人のことなど意に介さず、言う側の三人がじゃんけんを始める。

 

結果、一番 茉莉 二番 奏 三番 佑、この順で進んでいくことが決まった。

 

「それじゃあ2回手拍子してから次々に言っていってね。それじゃあスタート」

 

佑の掛け声をかけて、ゲームがスタートする。

 

パンパン

 

「おっぱい!」

 

茉莉さんがこれ以上ない満面の笑みでセクハラをかます。

 

教室中にゆたかの拳が茉莉の頭に振り下ろされた鈍い音が響く。

 

「いったーい!何すんのゆたかー」

 

「こっちのセリフですよ!なに変なこと言ってるんですか」

 

「えーだってゆたかの昔からのいいとこじゃん?」

 

「そんなエロい目で見てたんですか!?」

 

もう一発ゲンコツが飛んでくる。

 

むしろなんでこれで怒られないかと思ったのか、教えて欲しい。

 

不幸にもゆたかの懸念が当たった形になってしまった。

 

好感度を上げたかった茉莉さん、完全に逆効果だ。

 

「まぁ、でもお題にはそってるしセーフだね」

 

佑はまゆひとつ動かさず講評をする。

 

なおこの時、愛佳さんは深く頷き、卯ノ木は顔を真っ赤にし、奏は自分のあまりになだらかな丘を見つめていた。

 

「姉さん」

 

「何だ佑」

 

「明日から朝ごはんには牛乳つけようね」

 

慈愛に満ちた目で余計なことを言った佑は強烈なヘッドロックをくらっている。

 

ギブしても締め上げるのが寅丸家の掟だ。

 

「ゲホッゲホッ、じゃあ続きしましょうか」

 

茉莉さんと佑が多大なダメージを負ってはいるが、気を取り直してゲームを再開する。

 

パンパン

 

「や、優しい」

 

奏的にはかなり頑張って振り絞ったこの答えだが、これに納得しない男が一人。

 

「姉さん、古今東西を舐めてるの?」

 

「急にキレるなよ」

 

ラブコメに沿わない流れだと表れるガチギレ佑。

 

今回は姉さんらしからぬ玉虫色の答えがお気に召さなかったようだ。

 

「なんかもっとあるでしょ!目を合わせて照れるようなラブコメの波動を感じるあれが!」

 

「そんなこと言われてもよ。卯ノ木が優しいのは事実だしよ」

 

「何言ってんの!愛佳さんだって優しいよ!」

 

「君それどういう感情で言ってるんだ?」

 

たまらず口を挟んだのは、卯ノ木の首筋にスポドリを垂らして遊んでいた愛佳。

 

ベタベタするし、気持ち悪いわで卯ノ木はなんとも言えない顔になっている。

 

「卯ノ木に何しやがるクソ女!ほらみろこいつのどこが優しいんだ!」

 

「いやいや、実は卯ノ木さんが風邪ひいた時とか愛佳さんがうさぎの世話してるんだよ?この前なんか裏声で.....」

 

途中まで言ったところで悲鳴をあげて佑の口を愛佳が塞ぎに来る。

 

「待て待て。なんで君がそれを知ってるんだ!」

 

「愛佳さんいるところに俺ありですから」

 

「気持ち悪いな君」

 

「ありがとうございます」

 

「会話成立してるか?」

 

佑がまぁまぁと言いながら、キレ気味の愛佳さんを抱き寄せる。

 

「俺まだまだ愛佳さんの情報持ってますからまた小出しにしていきますね」

 

「やめろ。墓場まで持ってけ」

 

「キスしてくれたら考えますよ」

 

「絶対に嫌だ」

 

「おい!イチャつくんじゃねぇ。続きやるぞ」

 

もう。あとちょっとだったのにと佑が不満げに頬を膨らませると、何がだよと愛佳さんに足をゴスゴス蹴られる。

 

その様子を見た奏の舌打ちからゲームが再開する。

 

パンパン

 

「スパッツ」

 

思いっきり、椅子が飛んでくる。

 

「何言ってんだ君は」

 

「俺だって中学生ですからね?」

 

「理由になってないぞ」

 

愛佳は納得いかない様子だったが、周りは割と寛容な雰囲気。

 

「番長も履いてますしねー」

 

「おい、やめろ茉莉」

 

「えーでも番長のスパッツならみんな好きですよー?」

 

「そんなのお前だけだろ。なぁ卯ノ木」

 

奏がぐるりと振り返ると一向に目を合わせようとしない卯ノ木。

 

奏が近づくと反発する磁石のように逃げる。

 

「おい、どうした卯ノ木」

 

「い、いやその.......」

 

奏がハッとした顔を見せる。

 

「も、もしかして.....あたしが卯ノ木のいいところ優しいしか思いつかなかったから嫌いになったのか」

 

ワナワナと震える奏、それを見た卯ノ木はブンブンと首を振る。

 

「そ、そういうことじゃあないです!ほんとに」

 

「じゃあなんだ。彼女のあたしにも言えねぇ事か?」

 

「いや.....その茉莉先輩に言われて意識してしまうと、寅丸さんのどこ見ていいかわかんなくなっちゃって......」

 

顔をササッとカバンで隠す卯ノ木。

 

やっぱり発情してやがったかと席を立とうとする茉莉。それをとめるゆたか。

 

佑と愛佳はいつの間にか和解し、一緒になってその光景を拝んでいた。

 

そういう目で見られることに慣れていない奏は完全にショート。

 

「と、寅丸さん。大丈夫ですか!?」

 

フリーズした奏に卯ノ木が声をかけるも無反応。

 

「卯ノ木さんにも反応しないって重症ですね。これはもう脱落だけど、良いラブコメでしたね愛佳さん」

 

「君の姉ちゃんは最高にあほで可愛いな」

 

「そんなん可愛い姉さんが僕と結婚すれば愛佳さんの姉になりますよ」

 

「どさくさに紛れてプロポーズするんじゃない」

 

「今なら卯ノ木さんも兄に付いてきますよ」

 

「深夜のショッピングチャンネルみたいに冬彦をおまけにするな」

 

佑のプレゼンテーションは留まるところを知らず、付箋のびっしり着いたゼクシィを取りだし、愛佳はさらに呆れ顔だ。

 

「ちょっと弟くん!あたしのこと忘れてない?」

 

「あぁ、茉莉さん。ってえらいボロボロですね」

 

ゆたかの怒りに油を注いだ茉莉さん。割と強めの攻撃をくらった様子だ。

 

「じゃあやりますか、一騎打ちで」

 

「やったろうじゃないの!来な!」

 

二人の間に無駄な緊張感が走る。

 

パンパン

 

「子供好き」

 

パンパン

 

「料理下手」

 

パンパン

 

「色白」

 

...........こうして決戦は30分にも及んだ。

 

「やりますね…」

 

「弟くんこそ、そこのゴミ虫のいい所をよくそんなにあげられるね」

 

茉莉の方は流石幼なじみ、過ごした時間の長い分ゆたかの内面をしっかりと理解している。

 

対する佑はストーキングの成果か、愛佳の隠された趣味、癖など細部にわたって把握。つらつらとそれを並べていく。

 

「勝負はこれからよね!」

 

「望むところです」

 

そう言って再開しようとした瞬間。

 

2人の制服がグイッと引っ張られる。

 

茉莉の方はゆたか。

 

「も、もう勘弁してください茉莉さん」

 

そういったゆたかの顔は端から端まで真っ赤だった。

 

好きな人にべた褒めされたもんだから彼女の羞恥メーターは完全にふりきっていた。

 

佑の方はもちろん愛佳。

 

こちらも自分の個人情報を暴露されたもんだから、赤くなっている。

 

ただこちらは怒り半分恥ずかしさ半分だ。

 

「まじでいい加減にしろよ君」

 

胸ぐらを掴む手がプルプルと震えている。

 

「なんで全部言っちゃうんだ!だいたい僕みたいなのが少女趣味っておかしいだろ!」

 

「そんなことないです。愛佳さんは誰よりも可愛いですから」

 

「そんな適当なこと言って誤魔化そうたって無駄だからな!」

 

怒る愛佳の耳元でそっと囁く。

 

「本心ですよ」

 

「ッ......」

 

この大胆な行動に思わず愛佳が言葉につまる。

 

「まぁ安心してください。まだ取っておきのネタはまだありますから」

 

「それ絶対言うなよ!フリじゃないからな!」

 

どうしよっかなーみたいな顔をして佑が腹立つ顔をする。

 

ほんと君は僕より性格悪いんじゃないか!?といって蹴飛ばすと、それは無いですと真顔で佑。

 

まぁそれもそうかとまとまってしまうのがこのふたりらしさかもしれない。

 

こうしてワチャワチャイチャイチャしているうちいつの間にかにゲームは終わってしまったが、結果は言われる側のキャパオーバーということで引き分けといったところか。

 

だが、茉莉はゆたかと仲直り出来たし、佑も愛佳とイチャイチャ(?)できたのでめでたしめでたし。

 

ちなみにすぐ脱落したもう一組はまだ、フリーズ中だ。

 

あぁ、純粋すぎるカップル、巨乳カップル、そしてやべぇカップル。

 

この三組のどたばたはまだ終わりそうにない。

 

 

(続く)

 




お読み下さりありがとうございました。

今回は三組、一緒に書いてみたんですけど難しいですね…特に茉莉さんの口調が定まらなくて......どなたかアドバイスください(´TωT`)

そして、更新がすっげー遅かった理由ですが、実は僕ちょっと手術を受けてまして、なかなか筆を握る気にならなかったのが一つ、それに退院しても受験生ですし、忙しかったのもありますね

どちらにせよ、これからもややペースは遅いと思いますがゆっくりあげていくので気長ーに待って貰えると嬉しいです。

プロットだけ書いて満足したやつも結構あるので肉付けしないとです.....

それではまた次回お会いしましょ〜!
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