転生特典が最恐で最高のロリババアの弟子でした   作:gpアナガキ

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カステル編最後の話です。


この中で損失が一番大きいのは誰でしょう?

建物の影に隠れている俺の視界には師匠を含む3人の女が睨み合っていた。1人は12賢人の1人で何故かコルド大陸に足を運んでまで俺と師匠を狙ってきたメグリカ・ノーダス。20センチ程の長さの杖を振るい風魔法で風の斬撃を飛ばしたり距離を測って正面に吹き飛ばしたりする遠距離タイプだ。

 

それに比べて動く度に胸が揺れる巨乳の姉ちゃんは風の斬撃を華麗な足捌きで華麗なステップを刻みながら師匠やメグリカにジャブを何発か当てようとしているがメグリカからは吹き飛ばしを喰らって遠くに追いやられ、師匠からは前回ボコボコにされた事で何か躊躇しているように見える。

 

師匠はさっきからメグリカと巨乳の姉ちゃんの攻撃を避けてばかりで距離を取るだけだ。基本的に師匠は奇襲や揺動、カウンター以外では自ら動く事はない暗殺者(アサシン)らしい戦闘方法だが、それは防御面に関してはこの中で一番劣っているという意味でもある。あの巨乳の姉ちゃんから一撃喰ったら致命傷では済まないだろう。それを見越して戦略を練りながら攻撃を避けて距離を詰めているように見える。

 

そして俺は巨乳の姉ちゃんかメグリカのどちらかが不利な状況になった際トドメを刺す係としている。あんまりかっこよく思われないイメージが大きいだろうが暗殺者(アサシン)なんてそんなものだ。理想と現実は違って当たり前、戦闘のセンスはあっても問題はないが暗殺者(アサシン)に必要なのはあくまで殺しのセンスなのだ。俺は息を殺して観察に戻る。

 

「ったく、どっちも動かねえんじゃ勝負がつかねえじゃねえか!おいそこのチビ!前にいたあの藍色の目をしたヒョロ男はどうした!2対1でもこっちは余裕で相手できるぜ!」

 

「私にボコられた奴が2対1だと?笑わせる。お前なんぞ私だけで充分だ。まあ、そこの魔法使いにも攻撃が届かないようじゃ私は殺せないだろうがな」

 

「私の本業は魔法使いではなく聖職者なのですが、まあ良いでしょう。しかし、解せませんね。"ネル・ボンド"!貴方は何故それを持っているんですか!それは国宝級の魔道具の筈です!一体何処でそれを!?」

 

「国宝級?嗚呼、この魔道具の事か。知りたければ俺に勝ったからにしな!」

 

あの巨乳の姉ちゃんネル・ボンドっていうのか……ボンド?なんかどっかで聞いた事あったような……あ!?

 

「ボンドといえば王都に伝わった大昔活躍した勇者一向の女武道家ではないか、まさかその孫に会えるとは驚きだな」

 

「私からしたらお前とのリベンジマッチが重要事項なんだよチビっ子!」

 

ネル・ボンドは正面から師匠へ向かって突っ込んでいくが、師匠は興味なさそうにネルの一撃を避けて脳天に踵落としを喰らわせた。それによってネルは「ぐは!?」と声を出してダウンした。以外と勝負は呆気なかったな。

 

「まずは1人目……ん?」

 

師匠の足にネルが両手で離さないように抱きついていた。さっきので意識を刈り取れていなかったとはどんだけ頑丈なんだよ。すると、師匠が俺に目を向けてきた。

 

(トドメを刺せってか…了解)

 

俺は建物の上へ登り、光を吸収する魔道具から作った発光玉を取り出して辺りを光に包む。それから俺は急降下で飛び降りてネルの背中に着地した。当然ネルは着地の衝撃で師匠の足を離した。俺はその間にポリ袋を取り出してネルの顔に被せ意識が消えるまで首元を両腕で絞めて抵抗が収まったら魔道具のグローブを回収してまた遠くの建物の影へ移動した。

 

師匠はその間に光を直視して動けない状況に陥ったメグリカをワイヤーで両手を縛り、背中に馬乗りの状態で体の自由を無くして首元にナイフを突きつけていた。

 

「……成る程、"先輩"は最初から1人で戦っていた訳ではなかったんですね。注意していましたが目をつぶしにいくとは思いもしませんでしたよ」

 

「私の馬鹿弟子は器用に何かを作る事に関しては得意らしくてな。事前に持っている物を把握していなかったら私も目をやられていたよ」

 

師匠はそう言ってメグリカの首からナイフをポーチにしまい、両腕で首を絞めながら質問をした。

 

「うぐ!?」

 

「ところで"後輩"、これは誰の指示だ?」

 

「し、喋る訳」

 

「言え」

 

「…う!?」

 

「私は苦しんでいる顔を眺めているのも別に構わないんだよ。本当は"後輩"にこんな事をしたくないんだけどね」

 

「…嘘、つけ」

 

メグリカは涙目で師匠の首締め攻撃に耐えながらそんな事を言った。

 

「悲しいな、私はお前からしたら大先輩なんだけど」

 

「お前の…ような、犯罪…者は……いない」

 

「ん?なんだって、聞こえないな〜。もう少し大きい声で言ってくれよ」

 

「ぐ、…誰が、お前なんかに………」

 

「ごめんね、そろそろタイムアップが近そうだから離してあげるよ」

 

師匠はそう言ってメグリカの腕を離した瞬間顔を地面に押さえ付けた。

 

「はあっ!?…ボフ!」

 

その瞬間、グチャっと音がした。それは人間の体が鳴らしてはいけない音で後からメキメキとなり続いていた。

 

「ほら、言えよ。誰からの指示だ?」

 

「……殺せ」

 

「分かった、それじゃあ国宝級の魔道具をやるからヒントだけでも教えてよ、君が死ぬ事は教会側も望んでないだろうしね」

 

はあ!?何言ってんだこの人!

 

「…………条件がある」

 

「この状況で何か言える立場があるとでも?」

 

「私が奥歯に仕込んでいる癌薬を飲み込めば同じ事を言えるのか?」

 

「なら何故その癌薬を飲み込まない。やろうとすればいつでも出来ただろうに」

 

「歯を折る必要があるからな、この体制じゃすぐには飲み込むことが出来ないんだよ」

 

「……成る程、嘘を言っているようには見えない。だけどその条件とやらを呑む必要は別に私にはない事を忘れない方がいいと思うけど?」

 

「条件を呑まない限りお前は私から情報を聞き出せないよ」

 

「別にお前じゃなくても次がある。情報を仕入れる方法はいくらでもある事を忘れるなよクソガキ」

 

「お前も忘れない方が良い、私達デウス教会は仲間を売るような真似はしない、例えお前が裏切りの13人目だったとしてもな」

 

その瞬間俺の頭は真っ白になった。は?…言ってる意味が理解出来ないんだけど……裏切りの13人目?ってどういう事?

 

「………」

 

「急に喋らなくなったな。では条件を言うぞ、そこの公爵家の跡取りであるアラーク・デラホーヤ様を解放しろ、これが条件だ」

 

なんで俺の実名がバレてんの!?ってか解放しろ?もしかして昔俺を攫った犯人が師匠だと勘違いしてんのか?

 

「何を言っている。そこにいるのは街の中で捨てられていた貧民街出身のガキだ。貴族の跡取り、それも公爵家の子供なんて新聞では死んだ扱いにされているだろうが」

 

「聞こえなかったのか?私が言っているのは"そこにいる"アラーク・デラホーヤ様を縛り付けるなと言っているんだ。これは冗談などではない、お前に情報を提供する為の条件だ」

 

成る程、大体把握した。俺の存在を知ってて裏から12賢人を動かす奴なんて限られるからな。

 

「師匠、大体予測出来ました。もうそんな女なんてほっておいて行きましょう」

 

「だが…」

 

「師匠?これ以上の詮索、俺にとってもあんまり聞きたくありません。"今日"はここまでにしましょう」

 

「……嗚呼、分かった」

 

師匠はメグリカから離れて腕の拘束を解除した。

 

「あんたは何も見ていない。ネル・ボンドと道で立ち合わせて多少手傷は負ったものの国宝級の魔道具を手に入れただけ、此処で俺達と会ってはいない。何故コルド大陸に俺達がいるのを知ってたのかは分からないけど今日はここまでにしとく、ここに魔道具を置いておくからさっさと王都へ帰ってくれよ」

 

俺はそう言い残して師匠と一緒にカステルから姿を消した。

 

 

 




今回は色々な暴露をさせていきました。だんだんアノンが近くなって来ましたよ。
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