植物を燃やして落下した先には、松明の頼りない明かりに照らされた廊下があった。学校ぐるみでこの施設を作っているのなら、罠には校長あるいは教授方が参加している事になるだろうか。となれば三頭犬は
―――鍵が飛んでいる。
先の部屋は、眩いばかりに輝く天井の高い部屋だった。天井はアーチ状になっていて、通路の延長線上には鍵のかかった―――ついでにアロホモラは効かなかった―――扉、見上げた先には、無数に羽ばたくきらきらの鳥が居る。そして驚くべき事に、それぞれの鳥には鍵が1つずつくっついていたのだった。
扉のドアノブからは魔力の線が伸びていて、忙しなく飛び回っている鍵鳥の群れの中に潜り込んでいた。この扉と鍵鳥には魔術的な繋がりがあるようだ。オリヴィエの少し先の場所に箒が浮いているのが見えた時、扉と鍵鳥とがオリヴィエの脳内でぴたりとはまった。
―――あの鍵鳥の内正しい一つが扉の鍵なのか。
そして、箒に乗って探して来い、という事なのだろう。手がけた教科は言わずもがな
―――手間がかかる。
オリヴィエは毒づいた。三頭犬に続き、悪趣味なトラップである。これほど手が込んでいる訳だから、この先にはさぞや豪華な財宝が眠っていよう。オリヴィエは冒険の先に待っている成果に胸を膨らませながら、鍵鳥を眺めた。
魔力の流れを見るに、これもまた魔法で飛ばしているらしい。この鳥は恐らく魔法によって
「術者を担ぐ悪魔達よ、速やかにその手を離せ!」
オリヴィエの声がアーチ状の天井に当たって、反射した。拡散して響く、鈴のようなオリヴィエの声。ほんの一瞬の静寂が訪れ、そして、変化は突然に起こった。
鍵鳥がぴたりと運動を止め、そしてひとりでに落下を始めたのだ。
冷たい石の床に鍵がぶつかって跳ねる、冷涼な音が、アーチ状の天井に反射して響いた。オリヴィエは直立不動でそれを眺めながら、全部の鍵鳥が墜ちるのを静かに眺めていた。からんからん、という音が反響する。オリヴィエはその余韻の中を歩いて周り、ドアノブから伸びる魔力の線と結びついている一匹を探して回った。
―――おお、見つけた。
オリヴィエは立ち止まった。それは他のとは雰囲気の違う、明るい青の鍵鳥だ。鍵の部分に、ドアノブから伸びている魔力の線が絡みついていた。オリヴィエは屈んで鍵を広い、それを鍵穴に差し込んだ。ひねると同時、カチンという澄んだ音が鳴る。―――どうやら当たりの鍵を引いたようだった。
戸を引けば、今度はすぐに次の部屋が現れた。そこは黒に包まれた真っ暗闇で、オリヴィエは慎重に足を踏み入れた。そしてオリヴィエの足が床に接した瞬間、眩いばかりの光が部屋を包んだ。
オリヴィエは一瞬、手をかざして目を覆った。目が光に慣れてきたのを見計らって手を戻せば、オリヴィエの視界に入ってきたのは大きなチェス盤だ。オリヴィエは黒い石でできた駒の方に立っていて、反対側には白い石でできた駒がある。駒は皆顔がないのっぺらぼうで、オリヴィエよりも背が高かった。白い駒の向こうには扉があって、守るように駒が配置されている。どうやら先に進むには、チェスで戦って勝つしかないようだ。恐らく手がけたのは
確認すると、現在時刻は2時50分。チェスの試合時間は大抵1時間〜4時間くらいだが、仮にこれから三つの試練があってそれらを40分で攻略するとして、ここでかけられる時間は最大で30分だ。無茶にも程がある。
だが、それでこそ試練だ。楽々攻略できるようなぬるい洞窟だったら探検する価値も無い。オリヴィエは己を鼓舞するように一度深呼吸をし、一歩足を踏み出した。
「
仰々しく頭を下げながらオリヴィエが言うと、クイーンは素直に応じた。クイーンがチェス盤から降り、空いた場所にオリヴィエが入る。相手である白側のポーンが2マス進むのが、開始の合図になった。
チェスというのは実に頭を使うゲームだ。常に3手先を予想するのが基本で、相手の誘いを読んで避け、罠を張り、そこへ誘導する。短絡的に考えていてはたちまち負けてしまうゲームだ。故に魔術戦とは非常に重なる部分は多く、魔術戦に慣れているオリヴィエからすれば盤上のシミュレーションの様なものだった。これなら新人教育も楽になるし、ロンドンに張ってある試験用のトラップの3分の1は減らせるだろう。
「
オリヴィエは盤上に立って、それを宣告した。オリヴィエの好プレーによって20分で決着したゲームは終わりを告げ、チェス盤にはもういくつかの駒しか残っていなかった。取られた駒はと言えば、叩き割られた後にチェス盤の外へ雑に投げられる。故にチェス盤の外には、累々と積み重なった白黒の破片が山の様に存在しているのだった。驚くことにこのチェスは、駒が自ら動き、駒を取るときは容赦なく叩き割る。オリヴィエが取られそうになった時、あの残骸の様に粉々になるのかと一瞬で想像し、震え上がったものだ。
オリヴィエがチェックメイトをかけると、キングは冠を取って頭を下げ、オリヴィエに道を譲った。オリヴィエは時計を見て、現在時刻が3時10分である事を確かめ、次の部屋へと進んだのだった。
ブァーブァーという低い唸り声と、崩れる石床。棍棒がオリヴィエの髪をかすって、一房が切断された。棍棒が頭上まで迫るオリヴィエは、飛行術式と魔術による跳躍でぎりぎり避けた。
―――
オリヴィエは跳躍しながら壁と壁とを跳ね回り、身体強化魔術を展開しながら杖を振り回した。
眼前には愚鈍そうな生物が居る。4メートルを優に超す背丈は天井に届かんばかりであり、肌は鈍色、頭はそれに反して異様に―――アホの証拠か―――小さい。格好は原始人のように汚らしく、ひょろりと長い腕で棍棒を引きずっている。がっしりした短い足は、先程背の低いオリヴィエを踏みつけようとした。なにより不快なのは体臭で、掃除を怠った公衆トイレと放置した生ごみの臭いを混ぜた様な、不快感を異常に誘発させる悪臭があった。
不潔でのろまで頭が悪い―――トロールだ。
チェスの部屋の先、そこはトロールの居る部屋だった。足を踏み入れるや否やトロールはオリヴィエに襲いかかり、咄嗟に引き抜いた杖でかけた
トロールは動きこそ遅いが、怪力で力任せに振り回す棍棒は脅威だ。トロールは魔法耐性があるものの、魔術師の使う魔法には弱い。だが、体は
高速戦闘に合わせてオリヴィエは魔法で攻撃しつつ、強化魔術で補助をしていたのだが、魔法を含めた魔術の
―――厄介だ。
オリヴィエは舌打ちをしながら
―――いや、違う。
機敏な動きで撹乱しながらトロールを観察していたオリヴィエは、ある一点に気が付いた。ただでさえ愚鈍なトロールだが、
ならば話は簡単だ。徹底的に物をぶつけてやればいい。
―――
オリヴィエは、初めて使った魔法を脳内で詠唱した。最初は調整がうまくいかずに本が吹き飛んだが、出力の調整はバッチリだ。何も立ち入る隙などない。そしてオリヴィエの魔法で浮いたのは、戦闘において大量に出た無数の瓦礫だった。
トロールが棍棒を持って、高く振り上げた。頭上すれすれまで迫ったそれを、オリヴィエは
―――
瓦礫の数々が、勢いに乗って一点に収束した。瓦礫は風を切り、トロールの呆れるほど肉のついた図体に衝突した。頭の先から爪先まで、余すところなく、全部に。
トロールが汚い声で呻いた。ゴオオウ、とエンジンのような音を立てながら、膝から崩れ落ちるように、トロールは凸凹の床にキスをした。
すぐに立ち上がってきませんように、と願っていた甲斐あってか、トロールは昏倒しているようだった。大分苦戦したが、突破したようだ。
現在時刻は3時30分。まずまずと言ったところか。次は体を使う試練ではありませんように、と願いながら、オリヴィエは壊れた物品ひとつひとつに
そしてオリヴィエは、鍵のかかっていない戸を開けたのだった。
次の部屋に入室した瞬間、背後と前方に炎が燃え盛った。前方には黒い炎が、後方には紫色の炎がある。
部屋の中心にはぽつんとテーブルがあり、7つのフラスコと大きな巻紙が乗っていた。
紙には複雑怪奇な文章が書いてあって、炎を抜けて進む為に必要な魔法薬、戻る為の魔法薬、毒薬、イラクサ酒があり、どれが正解かを当てる物だと記述している。オリヴィエは思わず飛び上がってしまうかと思うくらい歓喜した。このようなパズル系の問題はオリヴィエの得意分野なのだ。
テーブルの上に整然と並ぶフラスコはそれぞれ大きさや形が異なっており、中にはそれぞれ液体が入っている。今回の担当教科は絶対に
上機嫌なオリヴィエは巻紙を手に取り、声に出して音読した。
「ふむ。
『前には危険 後ろは安全
君が見つけさえすれば 二つが君を救うだろう
七つのうちの一つだけ 君を前進させるだろう
別の一つで退却の 道が開ける その人に
二つの瓶は イラクサ酒
残る三つは殺人者 列に紛れて隠れてる
長々居たくないならば 何れかを選んでみるがいい
君が選ぶのに役に立つ 四つのヒントを差し上げよう
まず第一のヒントだが どんなに狡く隠れても
毒入り瓶の居る場所は いつもイラクサ酒の左
第二のヒントは両端の 二つの瓶は種類が違う
君が前進したいなら 二つの何方も友ではない
第三のヒントは見た通り 七つの瓶は大きさが違う
小人と巨人のどちらにも 死の毒薬は入っていない
第四のヒントは双子の薬 ちょっと見た目は違っても
左端から二番目と 右の端から二番目の 瓶の中身は同じ味』
―――と。成る程ね」
オリヴィエは確認するように、文章を何度も読み上げた。皮肉っぽい書き方は何ともスネイプ教授らしい。オリヴィエは爪でテーブルをかつんかつんと叩きながら、七つの瓶をじっくりと眺めていた。
―――まず考えるのは、第四のヒントにある『双子の薬』。左端から二番目と右端から二番目にあるこれがイラクサ酒だとすれば、第一のヒントに従って、3つのうち2つの毒薬の位置は確定する。残るは毒薬1つと、前進の薬と、後退の薬だ。第二のヒントで供述されている通り『
オリヴィエはぱっと顔を上げ、巻紙をテーブルに置いた。左から3つ目か4つ目は毒薬か前進の薬である。第三のヒントによれば小瓶と大瓶には毒は入っておらず、そして、中身が未だ不明なのは小瓶と普通の瓶しかない。つまり前進の薬は、一番小さな瓶に入っていると導き出されるのだ。
オリヴィエは手を伸ばして、一番小さな瓶を手に取った。中に入っている液体を一気に飲み干すと、全身に氷を流し込んだような、冷ややかな感覚が広がった。だが決して、死の猛毒やアルコールを摂取したような感覚ではない。今この瞬間確信する事ができる。オリヴィエは確実に、正解を引いたのだった。
オリヴィエはその感覚を持ったまま、黒い炎の中に突っ込んでいった。炎が舐めるように肌に当たり、くすぐったい。見るだけで火傷をしそうな凶悪な見た目の炎だが、熱は全く感じず、へんてこな感覚だった。
炎の海を渡り、前に進んだ。それが終わると、次の部屋に出た。次の試練は如何なる内容か、オリヴィエは想像を膨らませた。未だ出ていない
何もなかった、というのは語弊があるかもしれない。だが、三頭犬や魔法チェス、トロールがあった今までの部屋に比べれば、そこは物が全くと言っていいほどなかった。古代ギリシャの神殿を思わせる荘厳な内装だが、目立って何かが置いてあるわけではない。オリヴィエは罠の可能性も踏まえつつ、慎重に前進を始めた。
部屋の中心に到着すると、シンプルなデザインの机の上に何かが置いてあった。手の平サイズの真っ赤な石で、何処から差し込んでいるのかも分からない光を反射してキラキラと輝いている。オリヴィエはそっと手を伸ばし、それを手に取った。罠を警戒していた、というのもあったが、その石は、なんだか触れるだけで壊れてしまいそうな、繊細な空気を纏っていたのだった。
石には魔力が流れていた。膨大な量の魔力だ。魔力の流れ方や構造は非の打ち所がなく、まさに完璧と言っていい。未だ効果は見当もつかないが、この石ならば、如何なる効果を付与しても上手く行くだろう。オリヴィエは舌を巻いた。扱える魔術が桁違いな為に魔術に関しては辛辣なオリヴィエだが、そんなオリヴィエでも手放しで賞賛できるような、優れた魔法の一品だったのだ。並大抵の魔法使いでは、こんなクオリティの高い魔法道具を作れる筈がない。最早これは、魔術師が作ったと言っても納得のいく品だった。ダンブルドアの所有物だろうか。
部屋の向こうに扉は無く、先に罠は続いていない。正真正銘、この摩訶不思議な石こそがトラップダンジョンの景品だった。
―――興味深い。
オリヴィエは石を眺めながらにやりと笑った。この石について非常に気になる。正体や効果、製作者、気になる事が山積みだ。徹底的に解析したい。これだけクオリティが高いのだから、魔法界においても魔術界においても価値のあるものに違いないのだ。これは凄いものに違いないという期待感は、オリヴィエに流れる魔術師の血を騒がせた。―――尤も、我楽多であればこの警備の意味はない訳だから、ただの石ころであるはずがないのだが。
オリヴィエは一瞬、ローブの裏に仕舞ってトンズラしようとした。だが、これだけ厳重な警備をされているのだ。石がなくなったら何が起きるのかわからない。ということで、オリヴィエは杖を取り出した。
―――
血のように真っ赤なその石をコツコツと叩くと、引き伸ばされたように2つに分かれた。なんという事のない双子の呪文だ。触れると更に分裂するという特性があるのが難点だが、それはオリヴィエの知ったことではない。オリヴィエは分裂させた偽物の石を机上に放置し、本物の石をローブの裏と繋がっている自室に仕舞った。現在時刻は3時45分。起床時間の前に寮まで帰るのには余りある時間だった。
さて。
オリヴィエは自室にある石の感触を確かめながら、踵を―――といっても、浮いているので足裏は使っていない―――返した。炎の部屋に入り、再び燃え盛る炎を後退の薬で退け、倒れたまま失神しているトロールの部屋を抜ける。そしてふとチェスの部屋で足を止め、粉々になったまま放置されているチェスの駒の残骸を目に留めた。このまま放置して帰るのは、魔法をかけた張本人であるマクゴナガル教授に申し訳ない。立つ鳥跡を濁さずという極東の諺にならって、全て修復して帰ろう、とオリヴィエは思った。そこでオリヴィエは杖を取り出し、振った。
―――
ひとつひとつを対象に魔法をかけていくと、しばらくすれば全ての駒が完璧に修復された。一度粉々にされてしまったことなど見る影もない。
―――しかし、困ったな。
オリヴィエは首をひねった。なにせこの上には
無論、上には巨大な
聞こえてきたのは安らかな寝息と、なぜかハープの音色、そして―――優しげな老人の声だった。
「おや、オリヴィエ。もう帰ってきたのかね?」
背筋が凍った。
オリヴィエ全身で最大限の警戒をしながら、スーッと上昇した。その警戒を表すように、指の先が無意識で震えていた。段々とオリヴィエの視界に入ってきたのは、ホグワーツにおいて知らない者は居ない大魔法使い―――アルバス・ダンブルドアその人だった。
「アルバス・ダンブルドア―――!」
オリヴィエが小さく言うと、ダンブルドアはにこりと笑った。―――だが、そこには裏があるように思えてならない。十分に上昇すると、オリヴィエは床の上で飛行術式を解除する。
「おお、そうじゃとも。驚くのも無理はあるまいな。だがそうじゃのう……君がこの中に侵入した事に気づいた時のわしの方が、少しばかり強く驚いたかね」
ダンブルドアはキラキラと輝く半月形の眼鏡の向こうから、オリヴィエをじっと見つめた。だが、ここで気圧されてはいけない。オリヴィエは平静を装って、軽く笑う。驚異を吐き出すように、息をゆっくりと吐いた。大丈夫だ。決して恐れる事など無い。
「―――え、ええ。そうですか。ところで校長はなぜここに? 真逆、この三頭犬と添い寝するためにいらっしゃった訳ではありませんでしょうに」
「確かに、フラッフィーと添い寝しに来た訳ではないのう。―――その様子ならば君は気付いておらんじゃろうが、わしとローラが知り合いなのじゃよ。君が潜入している事も知っておる。……おお、それでは語弊があるのう。実はな、君を入学させようとしたのはわしなのじゃ」
ダンブルドアは悪戯っぽく笑った。そんな馬鹿な、と思いつつもオリヴィエは、入学通知を持って行った時のローラの言葉を思い出していた。
『ダンブルドアの狸、このようなことまでし始めるとは』。
―――つまり、ローラとダンブルドアは知り合いだったのだ。そして恐らく、オリヴィエが侵入した事を問題にしていない。でなければ、こんな悠長に雑談などしないからだ。
「そうだったんですか。そういえば、他でもないローラ様がおっしゃっていましたか。……でしたら校長は存じ上げていらっしゃるでしょうが、私はイギリス清教第零聖堂区
「おお、まさしくその通りじゃとも。ローラから『
―――ニコラス。かの有名な錬金術師、ニコラス=フラメルか。まさかダンブルドアと知り合いだったなんて。
ダンブルドアは
「その石は賢者の石という。君は知っておるじゃろうが、卑金属を黄金に変え、永遠の命を授ける石じゃ。そして、その石は君の手の中にある。君は、それをどう使うかね?」
ダンブルドアはオリヴィエの心の中まで見透かすように、オリヴィエを見た。優しそうなその目が、オリヴィエに何かを求めている。
―――なんだ、その質問は。
オリヴィエはきょとんとした。そんなの簡単だ。オリヴィエは、純金にも永遠の命にも興味は無い。ただ目指すのは魔術の極み―――魔神ただ一点だ。そしてオリヴィエは、心の中で思った素直な言葉を、包み隠さず言った。
「そうですね―――ローラ様のご意向に従って……というより私の好奇心で、構造を解析して、錬金術師に見せて……そうしたらすぐに壊してしまいます。結局の所、錬金術という学問で重要なのは過程なのですよ。魔法界の方にはピンと来ないかもしれませんが、魔術師―――特に錬金術師は、出来上がった産物ではなくそこの過程を重要視します。最終目標は錬金でも賢者の石でもなく、人間の魂を天使に昇華する
オリヴィエは人差し指を立ててくるくる回しながら解説した。ふんふんと相槌を打ちながら聞いていたダンブルドアは、あの穏やかな顔を更にニコニコさせながら言った。
「おお、それはよい事じゃ。賢者の石を躊躇いなく壊せる人間は珍しい。君が最初に賢者の石の守りを突破してよかった。賢者の石を手にした者は殆ど、純金や永遠を求めて狂ってしまうのじゃ。……なんとも愚かなものじゃよ、オリヴィエ。欲しいだけの純金や永遠の命など、誰一人として幸せにしない。人間はどうも、自分にとって最悪な物を欲しがる
「そうですか。お褒めに預かり光栄です」
「さあ、寮に帰りたまえ」と扉の方を指したダンブルドアの横を、オリヴィエは歩いて通り過ぎた。古めかしい木の戸を押し、埃っぽくて蜘蛛の巣の張った
オリヴィエちゃんが賢者の石ゲットです! プラス、スーパートントン拍子に謝罪を。
これでクィレルが来ようとスニベリーが来ようとハリーが来ようと安心ですね。ダンブルドアも安心してロンドンに行けるというものです。
次回はハロウィンです。オリヴィエちゃんはハロウィンの騒動の中でどう動くのか。多分多くのハリポタオリ主と動きは変わらないと思いますが、「なんだこいつ書くの下手だなあ」と思いながら読んでいただけましたらと思います。
では、この辺りで目を離して頂いて、
次話に進んで頂ける事を祈りつつ、
今話はこの辺りで筆を置かせて頂きます。(鎌池和馬先生風)