我が神の転生はアフターサービス付きっ!   作:0%0%0%

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転生なんて実際こんなもんです

 突然ですけど、皆さん。『転生』って知ってます?

 いや、知らなかったらこんな小説にズカズカと足を踏み入れませんよね。

 

 それでも、自分の知らない新ジャンルと言う新しい世界を求めて来た人が居るかもしれないので、そんなチャレンジャーな方々の為に念のためここで説明します。

 

 転生とは、簡単にまとめると、

 

 1、主人公となる人物がとある事故で死ぬ。

 

 2、それが神様のミスでそのお詫び(賄賂とも読みます)で何かチートやら特殊能力を授けます。

 

 3、そしたらとっとと異世界へレッツラゴー。落とし穴やら目の前が真っ暗になって異世界へ行きます。

 

 とりあえずこの三点だけは覚えておくと良いと思います。なぁに、掛け算の7の段を覚えるよりは簡単ですよ。と言うかなんで覚えにくいんでしょうねアレ。

 

 ……さて、そんな説明は終わったので取り合えず本題に入りますか。

 

 現在ここ、辺りが真っ白で目に大変よろしくないこの空間に私は居ます。

 今まで転生物を良く読んで下さってる方はもう察していると思われますが、ここがあの転生先を決める場所なのです。いつも此処であれこれジャッジメントされてるのです。

 

 『あ……貴方は一体……?』

 『ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ、わしはそう! 神様じゃ!』

 

 ほら、現にこうして神様が高圧的に語ってます。仮の設定上でも自分が原因の事故なのにこんな態度なんでしょうかね本当。

 

 因みに、転生する事になる人の理由は大きく分けて三つあります。

 

 一つは、対象の人間のこれから先の人生がとてもえげつなく、残酷で今のうちにこう、サクッとしておいた方が良いと考えられた場合。

 大抵はこれです。これは神様の慈悲なのですが……安楽死って正義か罪か、悩み所です。

 

 次に普通の事故。

 ガチで神様がミスってナチュラルに死んでしもうた場合です。神様が謙譲語を多用してやけにペコペコしてきたり、与えられる能力がごっついチートだったらこれだと考えて下さい。

 因みに、この場合は何回でも全力で殴っても良いらしいです。良い声で鳴くサンドバッグなのです。

 

 最後に別世界のバランスを保つためと言う業務的な物があります。

 行く先が固定だったらまずコレです。コレに関しては他の神も問題解決に関わってますので、異例として『玄関開けたら異世界』だなんてご飯のCMの様な展開もあります。

 この場合の能力は後で覚醒するタイプ。努力が実を結ぶ私好みの一番自然なタイプです。

 

 『お、俺はどうしたんですか……?』

 『うむ、それに関してなんじゃが……わしの責任なんじゃ。申し訳ないがお主には別の異世界で暮らしてもらおうと思う』

 

 ……おっと、仕事中の様子ですが、そろそろこちらの方もやってもらわないと大変な事になってしまうので心を鬼にして行きますか。

 

 『お……俺はっ……し、死んだ……?』

 『……うむ、すまぬがそうなんじゃ。既におぬしは現実では死亡。後日には葬式で親戚に見守られて火葬じゃ』

 『あっ……ぁ……あ』

 

 「……お忙しい中失礼します」

 

 「むっ!?」

 「っ……ぐっ……」

 

 中には巨大な白い髭生やしたハゲおじさんとその前で崩れ落ちて泣いている男。中々シュールですけど今は楽しんでる場合じゃありません。

 

 仕事はスピーディーに、的確に、です。

 

 「神様、母親から電話が来てます。なんでもぬか漬けが云々なのだとか」

 「ま、ママから? なんて言ってる?」

 「今言った通りです。ただ、早くでないと無駄に生えた髭を火種にする、とか言うかもしれませんね」

 「___ハィイ! もしもしママ!? うんごめん仕事中だから少し手が空いてなかった___あ、うん! もちろんすぐに答えようと___」

 

 神様の方は家庭の事情によって忙しいので、私がその続きの仕事をします。

 

 そう。それが私、転生神の補佐の仕事です。

 

 「うっぐ……うぇ、ぐぇ……」

 「人生で滅多に無いマジ泣きをしてる時にすみませんが、一つ良いでしょうか?」

 「ひっ……ぐ……うぇ……?」

 

 鼻水やら涙がダラダラでコストパフォーマンスに影響が出そうな程の水分を垂れ流している男に私はティッシュ箱を差し出します。

 一瞬私の顔を見て戸惑う様な様子を見せてからティッシュを一枚。遠慮している様ですが明らかに足りません。

 謙虚さは日本人の美徳ですが、手間がかかるので一気にまとめて取ってガンガン使ってください___あ、ティッシュ箱ごと持ってっちゃうんですね。そうですか。

 

 「……落ち着きましたか?」

 「……あ”、あなだはいっだい……?」

 

 さっきまで泣いてたせいで鼻声ですが、今は指摘しない様にしましょう。そこまで細かい性格じゃないです私。

 

 「私は、ただの神様の補佐です。貴方は?」

 「あ……お、俺は……霧咲 (きりざき) 策真 (さくま)、です」

 

 どうやら、向こうは礼儀正しい方でした。今まででひどい例だと初対面なのに抱きついて胸に顔を沈めようとする人がいましたから割と警戒していたのですが杞憂でした。

 

 まあ、そちらの方にはもれなく抱きつきに対するクロスカウンターからのコークスクリューの(私にとって)ハッピーなセットが付いてきましたけどね。前回のセクハラ野郎のあの時のぶっ飛び方は素晴らしかったのです。

 

 「……やっばり、おれっで死んだんでずね……ぐっ……」

 「……」

 

 取り合えず、メンタル面も弱かった事が判明しました。これではまともにやっていると復活まで一ヶ月はかかりそうです。いえ、かかります(体験談)。勿論、その間も転生者はバシバシと来るので一人にそんなに時間を割いていられません。

 

 では、一体全体どうするか? 答えは簡単。荒治療もとい、自分も泣いていられない、と立ち上がるまで真実をまるまんまぶつけます。

 

 「……本当の事を言いますね。こちとら日本の死人がここ一箇所に来るので、一人に分けられた時間はそんなにないのです。少なくとも予定では12時間後にトラックに跳ねられた転生者が来ます。それにいつ臨時の転生者が来るかわかりませんのでつっかえないうちに速やかに立ち直ってください」

 「………………え?」

 

 取り出した資料を取り出して今後のスケジュールを見ながら私がそう言うと男はキョトンとした表情をします。

 

 ですが、此処からが荒治療の本番。もっと立ち直ってもらいますよ。はい。

 

 「貴方はこれから送る人生がハードでデンジャラスで尚且つ13日のあの曜日の如くグロッキーなので、神様業界からの判決結果、転生になりました」

 「……え、ええええー?」

 「その人生の酷さから待遇を決めると、能力を二つ、転生サポートが入ります。まあ、貴方の人生がどれだけ悲惨かと言うと……フラン●ースの犬レベルです。そこから感動を引っこ抜いた感じの。因みに犬は付属しておりませんってか、犬アレルギーでしたね貴方。でしたら、一応転生先は犬の居ない家に___いえ、そもそも無くしちゃいましょうか、犬アレルギー」

 「ええぇぇえええー!?」

 

 私はふと、未だに電話越しの恐怖の大王(親)とぬか漬けの話題で戦っている神様を横目で盗み見して、その呆気を取られている男に続けて言います。

 

 「あ、変な空気を中和する為の余談ですけど、あの電話越しなのにお辞儀をする仕草から察したと思われますが、あの神様はああ見えても元は日本人のサラリーマンなんですよ。係長です」

 「ええぇぇぇえええ!?」

 「昔は中二病の模範解答と言わんばかりの性格で、中学の将来の夢が『GOD』でしたからねぇ……黒歴史がこう実現するだなんて誰が想像したのでしょうか」

 「ええええぇぇぇえええええ!?」

 

 「ちょ……ちょーっちょっちょ! それ以上はストップ!ストォォォオオップ!」

 

 電話が終わったらしい神様が慌てて此方に走って来ました。体がどでかいせいで床がドスンドスン鳴るので走らないで頂きたいのですが。

 

 「と、とにかくっ! 策真くんには二つ能力をあげるから! ね? 決めてくれないかい?」

 

 焦った様子でそう言う神様に驚いたのか引いたのか、先程の治療が効いたのか彼は悲しむ事なく能力について考え始めました。

 と言うか、神様の初期の口調から大きく変わってますもの、誰だお前状態ですよ。ウザジジイからノーマルジジイに進化です。

 

 「じ、じゃあ……不死?」

 「考えるのを止める事になりますよ」

 「ゑっ、じゃあ……ありとあらゆる武器を創造出来る能力?」

 「転生先は鍛冶屋ですか。収入は安定してるんですかね、あそこ。冷やかしされる場所ナンバーワンなのは知ってますが」

 「ぐっ、そ、空を、飛ぶ。とか?」

 「カトンボの様に落とされても知りませんよ」

 

 「ねえそこは自由にさせてあげてよ!? 彼の能力でしょ!?」

 「えー、だってこの私の挙げた例って実際にあった例ですよ? 不死を授かって川の中か宇宙で考えるのを止めた人間は数知れず、です」

 「止めて! ピッカピカの転生者にそんな事おしえないで!」

 

 そんなこんなで知恵を振り絞ってもらった結果、ステータスの成長力が5倍になる事。そして特定条件で特別なスキル習得、でした。中々無難な選択をしましたよこの人。

 

 「そ、それじゃあ……そろそろ異世界な行く?」

 「え、あ、はい。そろそろ失礼します……?」

 「あ、じゃあ。足元の床が開くから気をつけてね……?」

 「あ、はい。わかりまし……た?」

 

 はい、こうした補佐の役割のお陰でお互い適度に打ち明けれた状態になれました。今後関わる必要が出てくるかもしれませんので、こう言った関係も大切なんです。

 

 などと、読者さん方に解説している間に策真さんの床の一部が開いて落とされています。きっとネタが細かすぎて落とされた人達と同じ気分を味わっている事でしょう。

 落ちる時に「ふざけんなあぁぁあああ!」とか、叫ばない辺り険悪な関係にはならなかった様です。まあ、私がちゃんと治療したので当たり前ですが。

 

 「神様、お疲れさまでした」

 「お疲れさまでした。じゃなくて! 流石にプライバシーを垂れ流すのは止めてくれないかい!?」

 「嫌ですねぇ、知ってます? 新しい人権の対象に『神』は含まれていませんし、含まれる予定も無いんですよ。つまり、堂々と情報を壊れた蛇口の様に垂れ流して下さい」

 

 ガクリ、と肩を落とす神様をスルーしてスケジュールを見ましたが、これから12時までしばらく暇になる様です。これならお茶でも飲んで待っていられそうです。

 

 「とりあえず、お茶にでもしようか。あの子の件は君が全て責任を負うように」

 「あのですね、神様。一つ面白い情報ですがあの子の転生理由、友人の話によると実は人生が残酷だからとかじゃないんですよ」

 

 ギクリ、とする神様を見て私は続けて資料を読み上げます。私をこんな事にした恨みも込めて、です。

 

 「……どうやら、死因は後頭部に物がぶつかったからですって。……ところで神様? この間、Way (ウェイ)スポーツを楽しんでいましたが、野球の時にリモコンを現代に放り投げてしまった、とか?」

 

 そこまで言うと神様はマナーモードの様に震えながら汗を垂れ流してうめいた後、部屋の出口のドアを開けながら、

 

 「……責任は私が全て負うから、サポートが必要になったらお願い」

 

 ……と言って出ていってしまいました。しばらくすれば立ち直って何時もの神様に戻っている事でしょう。次の転生者の前であの被害者テンションは控えてもらいたいのです。

 

 

 

 

 ……色々とありましたが、皆さん。これが有名なあの『転生』です。

 

 これからはそんな残念な転生事情の補佐を勤めさせて頂いている元男の女の子である私のいつも通りな筈の日常的で誰得なお話です___

 

 




 俺も転生物を書きたいぜーっ!!

 ……そんな訳で出来た作品の1話目です。初の転生物と言う訳で肩の力がはいっちゃってますが推敲で隠せてるかな? いや、隠れてない(反語)


 この作品はパロディネタやしょうもないネタが多く含まれる予定です。もしかしたら書き込まれる活動報告にそれらのネタに関する事が書かれるかもしれませんので、どうかそちらも良ければどうぞ。


 イマイチ後書きがまとまっていませんでしたが、どうか宜しくお願いします!

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