ありふれない名も無き英雄は世界最強(本編一応完結) 作:紅しげる
これはある日の出来事、いつも通り仕事を終えて家に帰った。
「ただいまぁ…」
疲れてもう倒れそうという体を無理矢理起こして寝室でもう寝ようと歩く。すると俺が通り過ぎようとしたリビングの扉が開き奈美が出てきた。
「あ、しげるいったい何処行ってたのよ!」
「何処って…トータスのあと処理をしてたよ」
「ふ〜ん…あのさ、今度みんなで海行かない?」
「えぇ…あ、どうせアレだろ。ハジメのところのミュウと幸利のミャミャが海行きたいって言い始めたから俺を移動手段にする気だな?」
そういうと奥からハジメと幸利がやってきた。
「大正解だ」
「俺達はまだ車の免許持ってないんでな。娘達がご所望だ。なんとかしろ」
「なんで俺なんだよ…他にも紫とかいるだろ」
「紫は異変解決に行ったわよ?今の博麗の巫女と一緒に」
「また勝手にアイツは…!冷蔵庫にあるアイツの饅頭の中身辛子にしてやる…」
「やめなさい」
ハジメから海に行く日にちを言われ、帰ろうとした。だがその時だった。
「伏せろっ!」
「「「っ?!」」」
咄嗟に結界を構築し、窓から入ってきたその何かからの攻撃を防ぐ。
「良い度胸してんじゃねぇかお前っ!
「……っ!!」
不意打ちを防がれた事に巫女は驚き、一度距離を取ろうと下る。
「強襲とはおもしれぇ!」
「あぁ、やるならやってやるぞ!」
とハジメもドンナーを取り出して巫女に標準を合わせようとする。
「
「「っ?!」」
「っ?!!」
奈美のそのたった一言で俺達は髪の毛一本も動かせなくなる。初めて味わうその感覚に巫女は冷や汗を書いていた。エヒトのとはまた違う感覚でハジメと幸利も少し戸惑っていた。
「だが奈美、コイツは突然襲ってきたぞ」
「そうね。でもどうやらこの娘の勘違いみたいよ」
「は?」
奈美の視線を追うと紫が顔を真青にして卵を吐き出せそうなぐらいに口を開けていた。
「…………」
「「本当に申し訳ございませんでした…」」
二人の土下座を見ながらお茶を飲む。
「なぁ異変ってなんだ?」
「幻想郷では色んな奴らが問題を起こすんだよ。例えば……あ、ほら前に太陽が出なくてずっと夜だったって話。あれとかだな」
「そんな話してたな」
襖が開かれて奈美が戻ってくる。一緒に依姫やフミアもいた。
「依姫とフミアは何処に行ってたんだ?」
「外の世界で夏祭りよ」
「ゴモラ達と行ってました」
そう言われ俺達三人はちゃぶ台に頭を打ち付けた。
「誘われてない…」
「ミュウの浴衣見たかった…!」
「写真、写真は?!」
「ありますよ」
「「「マジですか依姫様!!」」」
様付けで呼ばれることに抵抗があるのか、少し顔を赤くしてカメラを譲ってくれた。
「お小遣い上げたのに…」
「射的で欲しい物取ったのに…」
「仕事休んだのに…」
そんな俺達を横目にフミア達は紫の話を来ていた。
「それで、どうして家を襲ったわけ?」
「今回の異変、内容が内容だったので師匠に近しい人物なんじゃないかってわたしが言ったから…」
「そもそもあれよね、今回の異変って今年の夏の気温が例年よりも高いってだけよね?それとしげるがどういう…」
ん?気温が高い?
「そうそう、氷なんてすぐに溶けちゃって、お水も殆ど温くなっちゃってこの前寺子屋に行ったらみんなチルノの近くに居たわ」
あぁ〜…確かに今年暑くなったよな。俺の部屋もずっとエアコン着けてるよ。
「それでここだけ涼しいじゃない?だからここの主が幻想郷中から冬を奪ったのよ!」
巫女がそういうとハジメと幸利が光とんでもない形相で俺を睨んだ。
「お前四季盗むのは駄目だろ!」
「冬はミャミャ達がサンタを待ってるんだぞ!それでも親か!」
「知らねーよ!まず冬の前に秋があるわバカ共!」
「「確かに…!!?」」
だがここまで暑いと異常だと思うのは確かだ。俺が疑われる理由は知らないが。
「でもだとしたらいったい誰が盗んだって言うのよ」
「いや、これただただ暑いだけだろ。外の世界もこんなもんだぞ」
「俺はお前らと違ってこの暑さを有効活用するぜ」
突然そんな事を言い始めた幸利にみんなが首を傾ける。
「この暑い日差しを使って俺はBBQをするぜ!!燃料いらずに肉が焼ける!!」
「天才か?!」
そんな事を話しているとズカズカと足音を鳴らしながら誰かが扉を開けた。それは幽々子だった。
「幻想郷が暑い理由を見つけたわ!!」
「「「え、マジ?!!」」」
幽々子は霊に持たせている食べ物の中からチョコバナナを取って食べる。
コイツも夏祭り行ってたのかよ。お店大丈夫か?
「てか暑いならみんなで海行かね?」
「異変解決してからな」