引退してお先真っ暗のライスシャワーを買った。 作:エタノールの神様
ライスシャワーを推している間にはいろんなことがあった。
ライスシャワーが天皇賞(春)を勝った年は全国各地で米が不作になり、社食がタイ米になって食うに食えなくなり(私からすると不味かった)、給料は減ったが地方の支社勤務にしてもらって自宅のうまい米にありついた。思えばこのせいで支社長以下管理職に目をつけられ、高額な給料の代わりに馬車馬のように働くことになったのだ。(お陰で今の月給が150万っていう支社副社長と同額になっちゃったよ。地元自治体の首長より給料高いよ。)ライスシャワーと嫁がうちに来るまでは癒しもなにもなくて地獄だったっけ…。
支社転勤になってありついた父が必死こいて育てた米がうまかったなぁ。父は「伝家の宝刀温水栽培だ!」なんて言ってたけど祖父は「まだまだじゃな」って言ってて笑ったっけ。
翌年ライスシャワーがSUPERスランプだった年は水がなくなって大変っていうマンション住みの部下の話を聞いて「水道水がなければ湧水を飲めばいいのに」って言った翌日に彼から「三課に移りたい」って紙が出てきたな。懐かしいな。もう二年も前になるのか。
こんなに昔話をしながらライスシャワーが引く馬車(お世辞にも軽いとは言えないが、リヤカー改造の馬糞拾い車なので許してくれライスシャワー)に乗ってやって来たのは湖である。機能していないが管理されている溜め池ともいう。ちょっと前まで母方の祖父がキャンプ場を運営していた場所でもある。毎年冬になると小柄な女子高生が自転車でやって来ていたそうだが、二年たつとその子以外客が来なくなり、廃業を余儀なくされたそうだ。
一応水遊びくらいはできる、ということでライスシャワーと一緒に来てみたのだ。
着いてから準備して、水に入る。ライスシャワーだって元競走馬だから泳げはするだろう。川でプール調教擬きはしてたし。てかなんであんなことしたんだろう。私の騎乗訓練だったはずだ。決してライスシャワーの調教なんかではなかったはずだ。
だがライスシャワーはあまり深いところへ行こうとしない。どうしてだろうか。
ちょっと強引に引っ張ってみて気がついた。
ライスシャワーは浮かないのだ
今までの畑での鍬引きがかなりの負荷になって鍛えられてしまったのだろうか。かなり筋肉質になってきているとは思っていたが、まさかここまでとは。これでは楽しめるはずの水遊びが楽しめないではないか。
ライスシャワーにはひどいことをした。私は後悔の念に苛まれた。私はこの翌日、初めて自分から大量の酒を飲んだ。
酔いつぶれた私を迎えに祖父がライスシャワーに乗って居酒屋にやって来た。帰宅した瞬間、私と祖父は玄関で振り落とされた。祖父はとばっちりである。
ライスシャワーは自分で長屋に帰り、自分の部屋の閂を自分で閉めて寝てしまった。
今回は番外編でした。主人公とライスシャワーの夏の思い出です。
今後のパートについて
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ライスシャワー(馬)パート
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ライスシャワー(ウマ娘)パート
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セイウンシャワー(ウマ娘)パート
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ヒトシオー(馬)パート
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