引退してお先真っ暗のライスシャワーを買った。   作:エタノールの神様

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ついにやってきた、ライスシャワー産駒のウマ娘。
皆さんの夢、私の夢は叶うのか。
では、どうぞ。


セイウンシャワー、三刀流の猛者
セイウンシャワーと選抜レース(芝)


「ふうーん。で、デジタル君」

 

「ハイ!なんでしょう!」

 

「中山大障害とフェブラリーステークスと天皇賞(春)を勝つという壮大な夢を語るその子は誰だい」

 

「幼馴染みのシャワちゃんです!」

 

「こ…こんにちは、セイウンシャワーです…」

 

アグネスタキオンは困惑していた。その子が中山大障害とフェブラリーステークスと天皇賞(春)を勝てるかに疑問があるわけではない。むしろ脚質、距離、バ場適性を考えると不可能とは言いきれない。問題はこの子が「魔のアグネス部屋」といわれるこの部屋になぜいるのか、と言う点である。

 

「セイウンシャワー君、君はなぜこの部屋にいるのかな?」

 

「タキオン様のご尊顔を一目見て明日の選抜レースの勝負運を高めようと…」

 

「そんなことをするくらいなら自分の部屋に戻って柔軟運動をして寝ることをおすすめするがね。」

 

アグネスタキオンはふと思った。デジタル君の同期には変なウマ娘しかいないのか?と。

 

 

 

 

彼女の脚は異常だ。

芝もダートも走れる。さらに障害レースの適正もある。

こんなウマ娘を育成できるトレーナーは限られる。

ゆえに彼女は芝、ダート、障害の3つの選抜レースに出走する。

自分と勝ちを狙いに行くトレーナーを見つけるために。

 

 

 

『選抜レース二日目3Rは芝2000メートル、もっとも長い距離で争われます。』

 

セイウンシャワーがまず出走する選抜レースは芝レース。そこで勝てなければまずそこそこの腕前のトレーナーはつかない。始めこそ肝心。

 

『六番、ヒノデシンカオー、緊張しているのでしょうかロボットのような動きになっています。』

 

『レースまでに緊張が解けるといいのですが。』

 

自分のパドックが来る。

 

『七番、セイウンシャワー、こちらは落ち着いて堂々の入場です。』

 

『しっぽが荒ぶっていますね。なにを考えているんでしょうか。』

 

解説の細江さん、これは治せなかったんです。あんまり注目しないでください。

 

 

 

 

アグネスタキオンは選抜レースを見に来ていた。タキオンはもう走れない。しかしそれでも求めるものは速さのその先の世界。研究者としてトレセン学園に残る『トレーナー助手』アグネスタキオンには、速さのその先を共に見る仲間を選抜レースで見つける、その使命がある。

 

3Rのメンバーを見る。昨日部屋に転がり込んでいたセイウンシャワーがいるではないか。しかし彼女は言っていた。「中山大障害を勝つ」と。タキオンが求めるのは平地レースに適正のあるウマ娘だ。よって彼女ではなく、前情報でもスピードのある健康体と評価のあるツーカッターに注目することにした。

 

 

 

『セイウンシャワー、少々ゲートインを嫌いましたが今、すんなり収まって』

 

 

『スタートしました。セカンドピーターが大きく前に逃げていきまして、差が開いた5馬身後ろから集団先頭にヒノデシンカオー、続いてレッツゴースズカ、外をまわってツーカッター、内埒一杯に包囲されているのはエアシャカール、その左斜め後ろにシホノブルゾン、横カスタード、3馬身遅れてサードインパクト、最後方にセイウンシャワー。』

 

青鷺(アオサギ)アナウンサーの実況はとても早口だ。その喋りのスピードはアイビスサマーダッシュが20人立てでレコードタイムだったとしても出走全ウマ娘の名前を2回通して位置取りを実況できるとも言われている。なお実況の距離適性は1800メートルが限界。展開次第では2000メートルまで可能。…アナウンサーの距離適性って何事?

 

『おおっと早くもセイウンシャワーがあがっていきますこれはかかってしまったか、他のウマ娘は動じることなくそのままのペース、エアシャカールはまだ包囲されて動けない、早くも、早くも3コーナー曲がりきってセイウンシャワーがセカンドピーターを捉える展開!』

 

アグネスタキオンは正直驚いていた。彼女の脚は細い。小柄さと青鹿毛の癖毛の長髪も相まってライスシャワーを彷彿とさせる。しかし彼女にはライスシャワーと決定的に違うものがある。スピードだ。

 

『セカンドピーターが後退していくこれはスタミナが切れたか、ツーカッター、レッツゴースズカが動いた、包囲が解けたエアシャカール一心不乱にあがっていく、しかし外から黒い風、全てを抜き去らんとかけていく、4コーナー曲がって飛び出したその風はカスタード、ツーカッターもレッツゴースズカもヒノデシンカオーも追い抜いてセイウンシャワーを追いかける、残り200、坂を上る、セイウンシャワーとカスタードの一騎討ちだ!』

 

ふむ、カスタード君のスピードは素晴らしいね。ぜひ私の研究si…ゲフンゲフン、チームに迎えたいところだ。トレーナー君も喜ぶだろう。

 

『カスタード先頭にたった、カスタードだカスタードだ、カスタード先頭で今ゴールイン、二着はセイウンシャワー!勝ち時計は1:59.7の選抜レースレコード!』

 

カスタード君はあのあとさらに加速できるのか、お誘いをかけてこよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「負けちゃった…ダートでは負けないように頑張らなきゃ!」




7Rはダート1200メートル。セイウンシャワーはトレーナー獲得のために走る。前日の選抜レースで芝、ダート両刀の変態トレーナーはデジちゃんにとられちゃった。なら私は芝、ダート、障害の三刀流のトレーナーをみつける!そのためにも二歩目、ダートレースは負けられない!

今後のパートについて

  • ライスシャワー(馬)パート
  • ライスシャワー(ウマ娘)パート
  • セイウンシャワー(ウマ娘)パート
  • ヒトシオー(馬)パート
  • 他の産駒書け
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