機動戦士ガンダムForce   作:狼牙竜

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お待たせしました、ついにハジカオ成分濃い目?のエピソードとなります!

ハジメ用インパルスの制作、平日は全く進まない…

感想、評価が作者のパワーとなります!


第12話 月下の誓い

『オルクス大迷宮』

全百階層からなると言われている大迷宮であり、この世界の秘境『七大迷宮』の一つで、数少ない正確に場所が判明している迷宮でもある。

 

その特徴は階層が深くなるにつれて現れる魔物の種類が増えたり、強力になっていく点だ。

 

この性質故か、階層によって挑戦者の実力を把握できることから冒険者や傭兵、新兵の訓練や魔物から採れる武器、防具の素材回収に最適と言われている。

その上地上で暴れている魔物より体内器官の『魔石(魔物と野生動物の明確な違いと言える器官で、魔物の持つ魔力の結晶体)』が良質になっており、それ目当てで迷宮に挑むものも後を絶たない。

 

この魔石は主に砕いて魔法陣を描くときなどに使うと魔法の威力が引き上げられるなどの効果が見込まれ、当然ながら良質な魔石ほど効果が強くなるがその分魔物の強さも上がっている。

魔物を侮ってはいけない一番の理由は、奴らが持つ『固有魔法』だ。

魔法陣を書く事も詠唱もできない魔物だが、奴らは1種類につき1つだけ詠唱無しで扱える魔法として固有魔法を持っており、それぞれが魔物の脅威として伝えられている。

 

 

 

 

 

翌日からハジメ達は迷宮に潜っての訓練を行うらしく、今回は一流かどうかを見極めるボーダーライン扱いの20層までの挑戦となる。それくらいなら先頭能力の低いハジメや幼い優翔でも騎士達のサポートがあれば問題なく終えられると言う。

 

なお今回不参加なのは農業関連のチートに覚醒した愛子先生のみで、彼女は農地開拓に駆り出され王都にすらいない。

 

 

――――――――――

 

現在、ハジメと大翔は同室にいた。

 

今彼らがいるのはホルアドにある王国直営の宿屋であり、全員が二人一部屋に宿泊している。

王宮の豪華すぎる宿に正直違和感を覚えていたハジメ達からしたら普通の宿のベッドは落ち着いたらしく、ハジメは装備の最終確認を終えると日課でもあったインパルスガンダムの手入れと各種シルエットの点検をしていた。

 

「なあハジメ。お前の武器ってどこまでできたんだ?」

「うーん…とりあえずライフルの解析は移動中の馬車で終わったけど、今のハイリヒ王国の錬成技術じゃこれの量産は不可能ってわかったかな?魔法文化のせいか、王宮の錬成師達の技能、練度がかなりバラバラみたいなんだよ」

 

アサルトライフルの解析は移動中に終えたものの、問題はそのあまりの精密さだ。

ハジメのような『精密錬成』を持つ錬成師は王都でも極少数で、あれほどの精密な部品を錬成できる者は限られている。

 

ハジメも何とかしようともっと簡単な構造をしたリボルバー拳銃や軽量化したクロスボウを開発したものの、弾丸に必要な強度の鉱石や火薬が足りず、弾丸もわずか7発が限界となっていた。

そのため、ハジメは錬成の過程でできた矢を数十本持っていき、明日の迷宮訓練ではこちらを使うつもりとのこと。

 

 

「そうだ…大翔もスポンジヤスリ使う?」

「マジで?いや~、助かるわ」

 

 

インパルスの手入れを終えたらしいハジメは余っていたスポンジヤスリを一つ、大翔に渡す。

 

ヤスリを渡したハジメは続けてデスティニーリザレクションを箱から取り出し、さらにカバンの中から別のパーツを取り出していた。

 

「ハジメ。デスティニーに武装増やすの?」

「うん…ビーム砲もサテライトキャノンも手に持たず撃てるように改良こそしたけど、使ってるサテライトがガンダムXのだからね。実際のところ手で持ったほうが安定するんだよ。だからもう少しだけ武装を増やそうと思って…」

 

ハジメが取り出したのは赤、青、緑の3種類のビット。

 

「これって…ドラグーン?」

「そ。まだ構想の途中だから没になるかもだけど…時間はまだあるからね。じっくり決めるよ」

 

 

 

そんなやり取りをしていると、部屋の扉がノックされる。

 

「えっと…どちら様?」

 

因みに今は深夜であり、普通に考えてこの時間に来る人間など限られている。

 

 

「ハジメ君、起きてる?」

「か、香織さん!?」

 

扉の向こうから聞こえてきた声に驚いたハジメは上着を着ると、大翔が訓練用のロングソードを持った。

 

「どうやらお客さんみたいだな?ほら、早く開けてやれ」

 

ハジメが扉を開けると…

 

 

 

純白のネグリジェにカーディガンを羽織った、そこそこ刺激的な格好の香織が待っていた。

 

「………」

「へぇ…♪随分と大胆な御訪問だね」

 

そう言うと大翔は剣を持ったまま部屋から出ていく。

 

 

「お二人さん、明日の訓練に支障が出ない程度にしとけよな?」

 

 

少し楽しそうな笑みを浮かべ、大翔は出て行ってしまった………

 

 

――――――――――

 

 

二人っきりになり、お互い沈黙が支配する空間だったがハジメが話を切り出す。

 

「えっと…ちょっと待ってて。お茶淹れるから…」

 

そう言うとハジメはカバンの中にあった幾つかのティーパックを取り出し、紅茶を淹れる。

 

「ごめんね、こんな夜中に」

「いや、僕も眠れなくて…さっきまでほら」

 

紅茶を一口飲み、ハジメは作業机に視線を向ける。

香織が見ると、そこには完璧に手入れがされたインパルスとデスティニーが箱の中に入っていた。

 

「そっか…そうだよね。もうすぐ大会…だったもんね」

 

ようやく掴んだ全国大会進出のことを思い出した香織が少し俯くが、香織はハジメに視線を送って告げる。

 

 

 

「いきなりで驚くかもしれないけど………ハジメ君、明日はここで待っててほしい」

 

いきなり告げられた言葉にハジメは一瞬思考が回らなかった。

 

 

「メルドさんやレイさん達、それにクラスのみんなには私が必ず説得するから…だからお願い!」

「ちょ、ちょっとどうしたの香織さん!?いきなりそんなこと言って…何があったのさ?」

 

 

顔色が悪くなりながらハジメに懇願してくる香織。

その様子にただならぬものを感じたハジメは香織の言葉を遮る。

 

 

「…ごめん。私、ちょっとおかしくなってるのかな…?」

「………まあ、僕が弱くて皆の足手まといってのは否定しないけど」

 

香織は小さく首を振り、ポツリと語る。

 

 

「この町に来てから、ずっと嫌な予感がするの…さっきまで寝てたんだけど、夢を見ちゃって…」

 

自分の手を強く握る香織は涙声になりながら語る。

 

 

 

「夢の中でハジメ君が、どこかに走って行って…声をかけても振り向かなくて……いくら追いかけても、最後は………っ!」

 

体を震わせる香織が見ていられず、ハジメは彼女の肩に手を伸ばす。

 

「もうそれ以上無理に言わなくていいよ。香織さん、さっきから震えてるよ?」

 

香織の嫌な予感はたいてい当たる。それは学校にいた時からそうだった。

だが、所詮は夢。それが理由で自分だけ待機など許されるはずもない。

 

ましてや今回は強制的とはいえ優翔も参加するのだ。それなのに自分だけが残るなど、どうして言えるだろうか。

 

 

「大丈夫だよ。今回はメルドさん達もいるし、うちのクラスはみんな強いんだ。それに僕だって、いつまでもこのままでいるつもりはない」

 

ハジメの錬成師としての実力が今もまだ成長を続けているのを知っているのは香織だ。彼女の装備のいくつかもハジメが創り、手直しを続けていたことでこの数日の間で装備の性能も引き上げられている。

 

 

「…もし、それでも不安が拭えないなら…今回だけでいい。僕のことを助けてくれると嬉しい」

「…え?」

 

 

正直、想いを寄せる少女に『自分を助けてほしい』と頼むのが男のプライド的に厳しい自覚はある。

それでも、その言葉で香織の笑顔が取り戻せるのなら安いものだ。

 

 

「僕がまた無茶して怪我をしたら治してほしい。それだけで、僕は安心できるから」

 

香織の手を握りながらハジメは答える。

 

 

――――――――――

 

 

その後、香織はようやく落ち着いたようですっかり温くなった紅茶に口をつける。

 

「…やっぱり、ハジメ君は変わらないね。あの日から」

 

香織はそう言うと持ってきたケースからエクシア・フリューゲルを取り出す。

 

「エクシア…」

「実はね…不安な時、いつもこのエクシアをケースに入れて運んでたんだ。これさえあれば、ハジメ君の勇気を少しだけ分けてもらえる気がして」

 

香織は少し迷うが、エクシア・フリューゲルをハジメに渡す。

 

「え?」

「お守り。明日の訓練、もし私が間に合わなくても、ハジメ君が無事に帰ってこれるように…」

 

香織はこのエクシアにある願いを込めていた。

 

「この子がいれば、きっと頑張れる。だから…ハジメ君にもらった勇気の分、今度は私の祈りをこの子に込めてハジメ君に預けることにしたんだ」

 

香織から受け取ったエクシアを手に、ハジメは小さく笑う。

 

「…ありがとう。香織さん」

 

 

すると、香織はハジメに顔を近づけて…

 

 

「そろそろ寝るけど…最後に私からのおまじない…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の瞬間、ハジメの頬に一瞬だが暖かい感触が伝わり…

香織の唇が自分の頬に触れたということをようやく理解。

 

 

「じゃ、また明日ね!」

 

そう言い残して香織は部屋から出る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………………はああああああ!?」

 

ようやく理解が追いついたハジメの絶叫が部屋いっぱいに響き渡った…

 

 

――――――――――

 

その後。

 

 

「うわぁ………帰り際にほっぺにチューって…香織、あなたその格好してるせいかだんだん行動が過激になってない?」

 

「ああああああ!!言わないで雫ちゃあぁぁぁん!!」

 

夜風に当たったことで正気に戻った香織が部屋で枕に顔を埋めながら悶えているのを雫は呆れ顔で見ていた。

 

「だって耐えられないよぉ…肩掴まれて手を握られて…ハジメ君があんなに頼ってくれること自体少なかったんだし…」

「なんでそこまでして南雲君と付き合ってないのか、疑問しか浮かばないわ…」

 

その雫の言葉に香織は小さな声で反撃する。

 

 

「…龍峰君と一緒に私のこと応援して逆にくっつきそうなのに、未だ進展のない雫ちゃんにだけは言われたくない」

「なぁっ!?」

 

カウンターを受け、雫までもが真っ赤になったのだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハジメも香織も、この時は気がつかなかった。

 

香織がハジメの部屋から出ていったとき、その様子を遠目から見ていた人物のことを。

 

そして…その人物の心の中にドス黒い感情が渦巻いていたことを。

 

 

かくして、運命の日は幕を開けるのだった…

 

 




次回予告
ついにオルクス大迷宮に挑むハジメ達。
魔物達との戦いが起きる中、最悪の出来事が目覚めようとしていた。

次回、機動戦士ガンダムForce
第13話 迷宮冒険

暗黒の世界を…走り抜けろ、AGE‐2!

ステータス紹介

清水幸利 17歳 レベル:1
天職:闇術氏
筋力:25
体力:20
耐性:100
敏捷:20
魔力:118
魔耐:118
技能:闇属性適性・闇属性耐性・風属性適性・火属性耐性・自爆耐性・言語理解

「おい、何だこの自爆耐性って。あとやたら耐久力高いんだが」by清水

ハジメの恋愛模様はハーレム?それとも香織一筋?

  • 異世界美少女(ユエ達)のハーレム
  • 香織一筋を貫け!
  • クラスメイトの誰かをハーレムに…
  • 異世界組とか関係なくハーレム
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