機動戦士ガンダムForce   作:狼牙竜

15 / 69
お待たせしました、ついに大迷宮へと突入です!!

ガンプラ一番くじ、ストライクガンダムが気になりすぎるけどまだ残ってるかな…?


感想、評価をいつでもお待ちしています!


第13話 迷宮冒険

朝のオルクス大迷宮前。

そこは予想と反して多くの出店が連なっている雑多とした空間が広がっていた。

 

「あ、これ旨いぞ」

「ホントだ…ていうか、この世界にも唐揚げってあるんだ…」

 

クラスメイト達は訓練開始まで自由時間だったため、ハジメと大翔は近くの出店を回っている。

 

国から支給された小遣いで念のためにといくつか揚げ物やらパンを購入したハジメはそれをポーチの中にしまっている。

 

 

「お前のポーチ、満杯じゃん…何入れてんの?」

「えっと…さっき買った食糧に現地で必要になりそうな鉱石をいくつか…後は武器のクロスボウ二挺と、お守り?」

 

ハジメが取り出したのは厳重なケースに入ったインパルスとエクシア・フリューゲルのガンプラ。

 

因みに近接用にと王国から支給されたナイフと彼の『秘密兵器』は着ているジャケットの裏に収納されている。

 

「………なんか、お祭りみたいだよね」

「ああ…何ていうか…緊張感が薄れてるっつーか…」

 

装備であるナイフの刃こぼれなどがないか点検していたハジメだが、その途端背後から嫌な視線を感じて振り返る。

 

 

「………気のせい…?」

 

―――――――――

 

洞窟の中は表の喧騒とは裏腹に静かな空間となっていた。

縦横およそ5メートルの通路が続いており、壁が淡く光って明かりの役割を果たしている。

その正体は魔力を蓄積して発光する性質を持つ『緑光石』と呼ばれる鉱石であり、この迷宮は緑光石の鉱脈沿いに作られているという話だ。

 

通路を歩くのは先頭が騎士団のメルド達で、それぞれのパーティーを組みながら移動している。

一番前は光輝や龍太郎、そして最前線に配置された香織と雫を含む勇者パーティーと顧問として宗一がおり、戦闘能力の低いハジメや子供の優翔は最後尾でレイが護衛についている。

 

 

それから10分もすると大広間のような空間に出て、最初の魔物と光輝達の闘いが始まる。

 

「あの魔物は…ラットマンか」

「うう…気持ち悪い…」

 

顔を引きつらせているのはハジメだけでなく、クラスメイトのほとんどだった。

なにせ、ラットマンの外見は筋肉質で二足歩行するネズミ。普通に想像するだけでも鳥肌が立ちそうな姿である。

 

そんな彼らの様子を見ることなく、光輝達は戦闘を開始する。

 

「せああっ!」

 

光輝は王国から支給されたアーティファクト『聖剣』で次々とラットマンを両断。

この聖剣、王国でも謎の多いアーティファクトらしく、その真の力を引き出せたものは未だ存在しないと言われている。

判明している能力は光属性の性質が付与されていること、そして光を常に放っており、その光源に入った敵の能力を弱体化させ自身の身体能力を自動的に強化するという力を持つ。

さらに光輝が入手した時に彼が正式な持ち主と剣に認められ、彼の言葉一つで自動的に手元に飛んでくる機能まで判明した。

 

 

「ふっ!てやあっ!オオラアアァッ!」

 

光輝をサポートするように天職が拳士である龍太郎が強力な拳や蹴りでラットマンを吹き飛ばす。

彼のアーティファクトは衝撃波を放つ籠手と脛当で、自動修復機能でもあるのか壊れることはないらしい。

 

 

「―――っ!」

 

さらに雫も王国から渡されたシャムシールのような剣で次々と攻撃をしているが、その様子を見たハジメ達は表情を曇らせる。

 

(やっぱり…動きと剣が合ってないのかいつもの八重樫さんと比べて攻撃のキレが悪い)

(それだけじゃねえ…あいつ、やっぱり無理してる…)

 

元々『命を奪う』ことに否定的な思考を持っていた雫は、魔物とはいえ生物に刃を突き立てる行為に多少なりともダメージを受けているようだ。

 

やがて前衛3人が時間を稼いでいる間に、後衛の魔法組が詠唱を完了させる。

 

「「「暗き炎渦巻いて、敵の尽く焼き払わん、灰となりて大地へ帰れ――――〝螺炎〟」」」

 

香織、鈴、そして鈴の友達の『中村恵理』が同時に唱えた炎魔法が残ったラットマン達を消し炭に変える。

 

 

「あー…あれじゃ魔石まで消し飛ばしたね」

 

流石にやりすぎだったらしく、メルド団長から指摘されて肩を落とす香織達。

 

こうして階層を進みながら次々とメンバーを入れ替え、やがてハジメ、優翔、大翔の3人の出番になる。

 

「さて、気合い入れろよ、ハジメ?」

 

大翔は獲物である細身のロングソードを2本抜き、優翔も身の丈に合ったナイフを取り出す。

そしてハジメはメイン武器として持ってきたクロスボウをポーチから取り出し、ベルト部分のケースから矢を取り出して装填。

 

迫ってくる魔物に対し、大翔が『エールストライクガンダム』のように素早い動きで敵を両断し…

 

「うぅ…はあああ!!」

 

高いステータスに振り回されながらも優翔は2本のナイフだけでなく、強力な蹴りで魔物を昏倒。

 

 

「ふっ!」

 

ハジメは腰に差していた矢を装填しては的確に魔物の脳天を貫き、それでも接近されてしまえば…

 

 

「〝錬成〟っ!」

 

地面に手を触れ、錬成を使って相手の足場を崩しつつ固定。

動きを封じると持っていたナイフで相手の頭を刺し、確実に仕留めていた。

 

 

「ほお…」

「あいつ…あの射撃能力は大したものだ」

 

高いステータスで大暴れする大翔と優翔に皆の目はいっているが、ハジメはどの矢も的確にターゲットのヘッドショットを決めており、動く標的への射撃能力にメルドとレイは感心していた。

 

 

――――――――――

 

それから進み続けること、あっという間に20階層の入口に到着。

休憩を挟み、ハジメは弾薬の数を確認する。

 

「…矢はあと30本。途中で回収できたものも含めたらあと40発は使えるか…薬はあと2個、食糧は未だ手付かず。お守りは…うん。大丈夫だ」

 

ポーチの中身を確認し終えて蓋をすると、香織が話しかけてくる。

 

「お疲れ様、ハジメ君」

「香織さんも…最前線で疲れてない?」

 

首を振る香織に少し安心するハジメ。

もうまもなく訓練も終わりに近づき、帰ったら今日はそのまま自由時間となっている。

そのことを思い出したハジメは香織に提案する。

 

「香織さん…今日訓練終わったら、時間空いてる…かな?」

「え?う、うん…」

 

ハジメは意を決したように香織に告げた。

 

「終わったら、少し話があるんだ。もちろん、香織さんが良ければだけど………」

 

 

 

少しだけ無言になるが、香織は…

 

 

「わかった!じゃあ、訓練終わりにね!」

 

満面の笑顔で最前線にいる雫と、彼女のケアに向かっていた大翔の所へ走っていく。

 

「………はあ」

 

昨日告白しておけばよかったと一晩中後悔していたハジメは、これ以上後回しにしないようにと訓練が終わり次第香織に想いを伝えることにしていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おう…南雲、お前なーに最前線でくっそ甘いラブコメかましてくれちゃってんの?」

「全くだな…俺らの友情を捨てるつもりなのかな?かな?」

 

ハジメの両肩を掴んだのは遠藤と清水の二人。

 

「うわっ!?遠藤君、清水君…」

 

心底驚いた顔をしたハジメに笑う二人組。

 

「なんてな!そっか…お前もついにヘタレ卒業か…」

「正直ムカつくし一発くらいげんこつかましたいが…お前には恩もある。送り出してやるよ」

 

仲間達とのやりとりをする中…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――っ!?」

 

今朝感じた視線にハジメは辺りを見回す。

 

「…どした?」

 

遠藤の言葉に「何でもない」と返すハジメ。

 

 

(勘違いなんかじゃない…でも何だ?あの嫌な雰囲気………)

 

 

――――――――――

 

 

20階層で待ち構えていたのは擬態能力を持って壁や岩に潜むゴリラ型の魔物『ロックマウント』。

 

擬態という厄介な能力の他、この20階層の特徴とも言える鍾乳洞のような複雑な地形で横列が組めず、後方からの援護も難しい中で勇者パーティーが戦い続けていた。

 

 

ロックマウントはその豪腕で光輝達を蹴散らそうとするが、龍太郎が壁のように立ち塞がることで突破できないと判断したのか後ろに大きく仰け反ると息を吸う。

 

 

「っ!固有魔法だ!」

 

「グゥガガガアアァァァァァ!!」

 

 

 

ハジメが叫ぶが、ロックマウントは間髪入れず固有魔法である咆哮『威圧の咆哮』で前衛達を一瞬硬直させる。

 

さらにロックマウントはサイドステップをして傍らにあった岩を持ち上げ、香織達後衛の魔法チームに投げつけてきた。

 

 

迎撃のために杖を構えて魔法を唱えようとする香織達だが…

 

 

 

 

 

 

「ええっ!?」

 

投げられた岩も擬態したロックマウントで、なんと空中で見事としか言いようのない一回転を決めるとルパ○ダイブのような状態で香織達に飛びかかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「白崎さん、伏せてっ!」

「一辺叩き潰す!」

 

ドパンッ!という音が響くとロックマウントの頭を何かが貫き、身体強化によって腕力を引き上げた大翔の振るう剣がロックマウントの両手を切り落とした。

 

 

 

「こいつら…!」

 

光輝は驚いたことがあるものの、それより先に香織達を怯えさせた(実際は気持ち悪い笑顔のロックマウントに引いただけ)ロックマウントに対して怒りを爆発させ…

 

 

「万翔羽ばたき、天へと至れ―――〝天翔閃〟!!」

「あ、こら馬鹿者!」

 

メルドの静止が聞こえず、光輝は特異な光魔法の斬撃を飛ばしロックマウントを『壁ごと』吹き飛ばした。

 

 

 

―――――――――

 

 

パラパラと部屋の壁が崩れ、光輝はふうっ。と息を吐いてイケメンスマイルで香織達に振り向く。

『もう大丈夫だ!』と声を掛けようとする光輝だが、メルドにゲンコツをくらう。

 

「へぶっ!?」

「こんの馬鹿者がぁ!気持ちはわかるがこんな狭いところで使う技じゃないだろうが!崩落でもしたら俺達全員生き埋めだぞ!」

 

流石に自分が悪いと反省したのか謝る光輝だが、そんな彼らのやりとりに注目している者はいない。

 

 

 

 

何故なら、先ほどロックマウントの頭を貫いたもの―――――ハジメが手に持っていた拳銃にみんなの視線が行き着いていたからだ。

 

 

「な、南雲…お前、それ…」

「ああ…クロスボウの開発はついでで、元はこっちがメインだったんだ…結局、威力は想定より弱いし弾丸もそんなに作れなかったけど、取り回しならこっちのほうが良かったから本当に非常用の武器なんだけどね」

そう言うとハジメは地面に落ちた空薬莢を拾う。

 

 

 

クロスボウで魔物を仕留めたことに驚いていたクラスメイト達だが、その上でさらに地球の兵器を(一つだけとはいえ)完成させていたハジメにクラスメイト達は嫉妬や苛立ちなどの複雑な感情が溢れていた…

 

 

 

 

 

だが、そんな中で香織があるものを見かける。

 

「あれ、何かな…キラキラしてる…」

「え………あれって、『グランツ鉱石』?」

 

ハジメはこの世界について調べていたことからその鉱石の正体を見抜く。

 

「間違いないな。他の鉱石のような特殊な能力こそ存在しないが、その輝きからプロポーズなどに送られる指輪とかの材料になる。売ればそこそこの値段になるはずだ」

 

レイが香織達に説明する中、香織はそれを見つめ、チラチラとハジメを横目で見ていた。

 

 

(あれ、お前に指輪作って欲しいってことじゃね?)

(ええ…?でも、あの石おかしくない?)

 

大翔が囁くが、ハジメは少し微妙な顔になる。

 

(おかしいって何だよ?)

(だってさ………あのグランツ鉱石、なんで表面に傷一つ無いの?特殊な力は無い鉱石なのに、あの天之河君の魔法の余波を受けたなら表面に多少のキズやひび割れがあってもおかしくないのに)

 

そう…錬成師としてそこそこの経験をしてきたハジメはその鉱石の違和感に一人だけ気づいていた。

 

既にステータスが人類トップクラスのメルドに匹敵しているはずの光輝が放った本気の魔法により、この階層の壁は多少だが崩落している。

にも関わらず、埋まっていたグランツ鉱石は傷一つなく、インディコライトが内包されたような美しい水晶のような輝きを保っているのだ。

 

 

「レイさん、もしかしてあの鉱石…」

「わかった。メルド、フェアスコープを」

 

レイはメルドから迷宮内部の魔法トラップを感知するアーティファクト『フェアスコープ』を借りようとするが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だったら俺らで回収しようぜ!」

 

香織にいい所を見せようと檜山が動き出し、壁を登りだす。

 

「おい、勝手なことをするな!安全確認もまだなんだぞ!」

 

メルドが呼びかるが、檜山は聞こえないふりをして登り続け…

 

 

 

 

 

 

 

「メルド!やはりあれはトラップだ!」

 

フェアスコープを使ったレイが叫び、メルドが止めようと叫ぶ。

 

 

「南雲!威嚇射撃でいい!」

「え?」

 

「いいから撃て!あいつを止めるんだ!」

 

レイが叫ぶがハジメが拳銃を抜くより先に檜山が鉱石に触れ―――――

 

 

 

 

 

 

鉱石を中心に20階層全体に魔法陣が広がる。

 

 

「これって、あの時の!」

 

あの日。教室からこの世界に転移されたことを思い出すハジメ達。

 

「お前ら、早く逃げろ!」

 

宗一が叫び、クラスメイト達は急いで撤退しようとするが、彼らの姿は20階層から消えた…

 

 

 

――――――――――

 

 

 

空気が変わり、ハジメ達は地面に叩きつけられる。

 

「イテテ………そうだ、みんなは!?」

 

大翔とハジメは周囲を確認するが、クラスメイト全員は揃っている。

 

すでに光輝達や宗一、メルド、レイといった騎士達は立ち上がり臨戦体制になっていた。

 

どうやら先ほどの魔法は現代で失われた転移系魔法だったらしい。現代では不可能な長距離を一瞬で移動するといったことをやってのけるあたり、神代の魔法の規格外さが伺える。

 

 

ハジメ達がいたのは巨大な石造りの橋の上で、広さはおよそ100メートル以上。天井も20メートルほどあり、ハジメは一瞬(宇宙世紀後半のモビルスーツなら戦えそう)だなとどうでもいいことがよぎるが、すぐに頭から離れていく。

橋には縁石などもなく、橋の下は川が流れているような音も聞こえず真っ暗な闇が広がっていた。

 

 

「お前達、すぐに立ち上がってあの階段まで急げ!」

 

メルドが上の階に繋がる階段を差し、指示を出すが階段の前に魔法陣が出現し、そこから骨でできた騎士のような魔物が無数に現れる。

 

 

「あれって…トラウムソルジャー!?」

 

ハジメが王宮で読んでいた魔物に関する図鑑にいた、危険な魔物のカテゴリに属していた存在。

 

38階層に出現する魔物で、クラスメイト達の力を持ってすれば余裕なほどの力しかないもののその異常な数に圧倒される。

 

 

「まずいな…南雲!クロスボウはあるか?」

「は、はい!もう一挺あります!」

 

ハジメは予備のクロスボウを宗一に渡すと、続けて矢を半分渡す。

 

だが、悪いことは続き…

 

 

通路側に巨大な魔法陣が出現すると、そこから恐竜のような外見の魔物が現れメルドは息を呑む。

 

 

 

「まさか―――ベヒモス…!?」

 

その怪物を見たときのメルドの瞳に篭っていた感情は―――絶望だった。

 

 

 




次回予告
最悪のトラップに掛かった少年少女。
漆黒の魔獣と、肉身を失った骸の騎士は容赦なく彼らの心と力を削り取る。
それでも、希望を捨てず少年は抗い、戦うが………

次回、機動戦士ガンダムForce
第14話 死闘と裏切り

大切な人を…救い出せ、インパルス!


ステータス紹介
園部優翔 7歳 レベル:1
天職:戦士
筋力:90
体力:90
耐性:90
敏捷:90
魔力:90
魔耐:90
技能:風属性適性・風属性耐性・火属性耐性・空間認識・縮地・先読・言語理解

ハジメの恋愛模様はハーレム?それとも香織一筋?

  • 異世界美少女(ユエ達)のハーレム
  • 香織一筋を貫け!
  • クラスメイトの誰かをハーレムに…
  • 異世界組とか関係なくハーレム
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。