…現在、ハジメ用インパルスガンダムの制作をしていました。
完成したら活動報告等で載せたいと考えています。
感想、評価をいつでもお待ちしています!
戦いが始まり、まず接近してきたのは爪熊。
その豪腕は魔物肉で二度の強化をしたハジメでもまず受け止められないほどの馬鹿力だった。
「これで!」
S.E.E.Dを発動させたハジメはドンナーを撃つが、爪熊は空中で身を捻りながらそれを躱す。
「こいつ…デカイ割に動きが素早い!」
爪熊が自身の自慢の爪を振りぬこうとし、それに対して反射的にハジメのXラウンダーの力が発動。
『あの時』同様避けるべく動くと、距離をとったはずのハジメの腕に浅い切り傷が出来ていた。
「そうか…あいつの固有魔法は風の爪。それを自由に飛ばせるってことは…!」
ここでハジメは爪熊の固有魔法が風魔法を爪に宿してリーチを伸ばすものと推理。
ハジメは空中で足場を形成する蹴りウサギの固有魔法『空力』を発動。足場を空中に作り急激に方向転換しながらドンナーを撃つが、明らかに慣性を無視したとんでもない動きで弾丸を避けていく。
(やっぱりだ!あの風の爪を応用することで自身の動きをアシストしている!)
足元に爪の斬撃跡があったことから爪熊の能力、そして戦い方を推測していくハジメ。
想像よりも知性が高い強敵に警戒心を高めていくハジメはドンナーに素早く弾丸を再装填。
しかし、その一瞬の隙を狙った爪熊は刃をなんと飛ばしてくる。
「うわっ!?」
咄嗟にドンナーの反動で避けるものの、後ろの岩壁は鉄格子のように細かく刻まれており、一歩遅かったら同じ末路を辿っていたと如実に物語っている。
(あの魔法、飛び道具にもなるのか…ほんとに隙がないな、この熊…)
豪腕だけでなく、俊敏で知恵も働く。
さらに固有魔法は近接戦だけでなく中距離でもかなり活躍する。
流石にこの階層の主と言うだけのことはあるのだろう。
「なら…これで!」
ハジメは小さな石ころを取り出し、爪熊の足元に投げつけるとすかさずドンナーで破壊。
すると石は大爆発を起こし、爪熊が怯んだ。
「よし!」
ハジメが使ったのは薄く錬成した鉱石に粉末状の燃焼石をギリギリまで詰めた簡易爆弾。
威力はそこまで高くないものの、相手を怯ませるには十分な威力があった。
「はあああああ!!」
叫ぶハジメはドンナーを発砲。
さすがに怯んだ状態で避けることは叶わず、足に掠ってダメージを受けた爪熊。
だが、爪熊はそれでもお構いなしにハジメにタックルをしかけ、その直撃を受けたハジメは大きく転がる。
「がああっ!?」
ドンナーを落とし、受け止めようと眼前でクロスした両腕に言いようのない鈍い感触が響いて激痛が走る。
両腕を骨折したハジメは壁に激突し、倒れてしまった…
――――――――――
「し、しまった…ドンナーが…!」
武器を落とし、倒れ伏すハジメ。
神水を飲もうにも、そんな隙を爪熊が与えてくれるはずもなく爪熊の斬撃から致命傷を避けるべく走って逃げるのが精一杯だった。
(失敗した…!こんな所でミスするなんて…)
錬成で神水用の器を作るなり歯に仕込むなりするべきだったと考えるハジメだが、既に遅い。
爪熊の斬撃はやがてハジメの脚にも深い傷を与え、倒れてしまう。
(こんなにあっさり…終わるのか………いや!)
「まだだ…まだ終わって、たまるか!!」
繋いだ命を消したくない。もう一度、『彼女』達と再会するまで死ねない。
そんな彼の思いに共鳴するかのように、『鉱石』は輝きを増していき…
(BGM 崖っぷちのヒーロー)
「うおおおおおお!!!!!」
ハジメは無我夢中で痛みが走る右腕を動かして抵抗しようとして…
その腕が『白い機械的な腕』に変化し、爪熊を殴りつける。
「グウウオオオォォォ!?」
殴り飛ばされる爪熊だが、ハジメは自身の両腕の変化に驚きを隠せない。
「この腕……インパルスの!?」
その白い腕は、自身の使うインパルスガンダムと同じ形をしていたのだから…
だが、考える前に爪熊が再び怒りを顕にした顔で襲いかかってくる。
「くっ!これはどういう…」
攻撃を避けながら必死に考えるハジメは、自分の首に掛けていたペンダント…正確には神結晶と一緒に見つけた謎の鉱石を思い出す。
首元にかけていたペンダントの石は、どんどん輝いていく。
「輝いてる…もしかして、これが?」
わからないが、今考えられる可能性はこれしかない。
ハジメはインパルスの力…使い慣れた『武器』を咄嗟にイメージすると右手に武器が実体化する。
(魔力が持っていかれる感覚が固有魔法の比じゃない…ここで決めないと、多分負ける…)
ハジメは実体化させた武器『ヴァジュラ・ビームサーベル』を握るとビームの刀身が作られ…
「グウウオオオオオ!!」
「はあああああああ!!」
爪熊の放つ風の爪をギリギリで躱そうとして頬を掠め、ハジメはヴァジュラ・ビームサーベルを突き出して…
ビームサーベルの先端は、見事に爪熊の心臓を貫いていた。
「はあ………はあ………」
息を切らし、爪熊の死と共に座り込むハジメ。
気が抜けたのかインパルスの腕は元に戻り、ビームサーベルは消滅。
その直後、体を酷いダルさが襲う。
「これ…こんな魔力削るんだ…」
倦怠感に顔をしかめながらもハジメは体を引きずって近くに置いていたポーチを拾い、中にあった神水を飲む。
魔力と体力を急速に回復させたハジメは爪熊の毛皮を剥いで肉の一部を食用として持っていこうと作業する中、先ほどの現象について思考を巡らせる。
(どうして…僕のガンプラの装甲が腕に…それに、イメージしたビームサーベルまで…)
「ビーム兵器なんてこの世界じゃ到底作れないはず…なのに、この石を身につけたことでそれを現実のものにした…」
ハジメはペンダントにそっと手を伸ばし、今の現象について思考を巡らせる。
「………この石、もしかしてとんでもない代物…?」
青く美しい輝きを見せていたその石は、先ほどと異なり金属質の輝きを持つようになった…
――――――――――
一方、宿場町ホルアド。
光輝や香織達といったオルクス大迷宮に再びチャレンジするために集まった神の使徒達は以前と同じ宿に宿泊し、明日からの迷宮での訓練に備え眠りについていた。
だが…
「………わざわざこんな夜中に呼び出さなくてもいいだろ」
不満げな表情を見せ、裏路地に顔を出してきた檜山。
その前には黒いローブを被った『クラスメイト』がいる。
「いや~、だって僕と檜山君が一緒にいたら変な疑いかけられちゃうでしょ?君、光輝君や君のお仲間の信用は得てるけど他のみんなからの信頼度は地に落ちてるわけだし」
そう言われ苛立ちの表情を見せるが、檜山は相手に対して強く出ることができない。
何せこの黒ローブのクラスからの信頼は高い。もしコイツがあらぬ疑いを自分にかけてきたら、間違いなく今度はただで済まない。
なにせ、今度は光輝を納得させられる『
「そんな怖い顔しないでほしいんだけどね…まあ暫くはあいつらと一緒に行動すれば大丈夫だよ。今回は余計なことしないようにって釘刺しに来ただけ」
そう言って黒ローブは帰っていく。
「………クソがっ!!」
檜山はイライラが募って近くの箱を蹴り飛ばす。
元々檜山にとってあの黒ローブの存在は誤算だった。
なにせ、ハジメを狙ったところを黒ローブはハッキリと見ていたのだから。
光輝のおかげで事故という扱いにできたものの、黒ローブがもし『故意だったことを聞いたけど脅迫されて言えなかった』など吹き込めば、今度は自分が光輝にとっての『悪』にされる。
そのリスクを考え、檜山は黒ローブに従い続けていた。
(…でも、ようやくここまで来た)
だが、檜山にとって黒ローブに知られたことはデメリットばかりではない。
なにせ、黒ローブは自分の計画の報酬に『香織を自分のものにさせてくれる』と言ったのだから。
ハジメの生存をまだ信じて行動する香織がもしハジメの死の証拠を掴んで傷心したとき、黒ローブの協力で香織の自分への好感度を高めさせて香織の心も体も自分のものにする。
そんな下劣な欲望を抱き、檜山は黒ローブと手を組んでいた。
(南雲…頼むから死んでてくれよ…俺が白崎を助けるために…)
月光に照らされた檜山の顔。それはあまりにも醜く歪んでいたのだった…
次回予告
出口の見えない奈落を進むハジメ。
その中で、彼が出会ったのは禁断の匣。
封印されているのはこの世の希望か、はたまた絶望か…
次回、機動戦士ガンダムForce
第19話 月虹の吸血姫
救いの光を…照らし出せ、ガンダム!
???(鉱石)
ハジメが神結晶と共に手にした、不思議な輝きを持つ鉱石。
鑑定技能を使ったハジメでもその正体を知ることは叶わず、謎が多い。
ハジメの強い感情によって彼にインパルスガンダムの装甲を纏わせる、ビームサーベルを具現化させるなどの現代の魔法を遥かに越えた力を持っている。
最初はただの青いビー玉状の石だったが、ハジメがインパルスの力を具現化してからメタリックブルーに変化している。
現在これを保有しているのはハジメと大翔の二人だけとなっている…
ハジメの恋愛模様はハーレム?それとも香織一筋?
-
異世界美少女(ユエ達)のハーレム
-
香織一筋を貫け!
-
クラスメイトの誰かをハーレムに…
-
異世界組とか関係なくハーレム