急に寒くなり執筆にもプラモ作りにも徐々に影響が出てきた…
感想、評価をお待ちしています!
ハジメが爪熊との戦いに勝利してから三週間が経過。
あの後、ハジメがいくら探しても上層への階段は見つからず、見つかったのは下層につながる階段だけだった。
他に進む場所もないため、ハジメは下層へと足を向けたのだが…
「やっぱり…ここは地上に伝わるオルクス大迷宮じゃないのかもしれない」
当初、爪熊達と戦った場所はオルクス大迷宮の下層…90階層クラスだとばかり思い込んでいた。
ベヒモス達と戦ったのは恐らく65層。そこからハジメは落ちていた事を考えるとかなりゴールに近い場所と推理していた。
だが、それもハジメが最初に目を覚ました階層から数えて36層目に到達したことでハジメの仮説は否定されることとなる。
「オルクスは全100層と言ってたけど…目覚めた場所から35層を超えてなおゴールが見えない。ってことは…」
考えられる可能性は二つ。
1つは、オルクス大迷宮が100層という言葉がそもそも嘘だったということ。
そしてもう一つは、自分の目覚めた場所がオルクス大迷宮と異なる未知の迷宮だという可能性。
「…でもまあ、進むしかないんだよね」
ハジメは爪熊の毛皮を羽織ると、移動用に創った巨大リュック(外見はもはや背負う棚だが)を背負って、突き進んでいく。
――――――――――
ハジメが目覚めた場所から50層目。
その後も幾度となく魔物と戦い、その都度肉を食らうことでハジメの肉体は成長を続け、さらに引き上げられた魔力を使い錬成で銃弾の作成に勤しんだことでハジメの技能の数も格闘技術も地上にいたときとは比べ物にならないほど成長していた。
そんな彼が見つけたものは…
「………こんな模様見たことないぞ…?」
眼前には巨大な扉があり、その中心には二つの丸い窪みが入った魔法陣が刻まれている。
因みにハジメは地上にいた頃、王宮の図書館にある魔法に関する書物を寝る間も惜しんで見ていたのだがそんな彼でもこの陣は初見だった。
「相当昔の魔法陣かも………今のところ仕掛けらしいものは…」
ハジメは扉の左右に並ぶ1つ目の怪物の石像に目をやり、大体の仕掛けが予想できた。
「…なら、時間がもったいない」
癖でもある両手を合わせる動作を行い、ハジメは扉に錬成をかける。
しかし、その途端『バチィッ!!』という音が扉から鳴り、ハジメの手に痛みが走る。
「…魔力を感知して起動するってことか!」
両端から聞こえる咆哮にハジメは素早くドンナーを抜いて戦闘準備に入る。
やがて、1つ目の魔物…『サイクロプス』の片方は完全に石化が解けるとどこからか取り出した大剣を持ってハジメに襲いかかる。
「っ!見た目通りのパワー自慢…」
なお、ハジメがここまで空気を読んでサイクロプスの復活を待ったのは『万が一完全復活前に倒してしまえば扉の開放条件が満たされないのでは?』とわずかながら懸念を持ったからだということを追記する。
「ふっ!!」
ドパンッ!ドパンッ!とドンナーから弾丸が2発撃たれるが、サイクロプスは風を起こしてドンナーの弾道を逸らす。
「うっそぉ…熊といい巨人といい、風魔法好きすぎるでしょ!」
ハジメは直撃させることが難しいと判断し、サイクロプスの攻撃を空力で回避しながら発明武器の1つ『炸裂ナイフ』を取り出し、サイクロプスに投げつける。
だが、またしても風魔法『風幕』によってナイフは見当違いの方向に突き刺さると内部の燃焼石が衝撃を起こして爆発。
(やっぱやるなら近接戦か…だったら!)
「来い、インパルス!」
ハジメは爪熊との戦いを思い出し、『宝石』に魔力を流すと…
その姿は『セイバーインパルスガンダム』に変化する。
――――――――――
爪熊との戦いで『宝石』が自らの体にガンプラの装甲を纏わせたことを思い出したハジメは、以降時間を見つけては『宝石』がどのようなことまでできるのか徹底的に検証を行っていた。
そのうちでわかったのは
1.実体化を行えるのはインパルスガンダム、及びその武装のみ(香織から預かっていたエクシア・フリューゲルや装備しているGNソードなどの実体化ができなかったため)。
2.部分的な展開も可能。ただし完全展開したほうがスペックが向上するものの、それに比例して消費する魔力も増える。
3.インパルスガンダムの特性でもある分離、合体機構は再現できない。恐らく扱い的にモビルスーツに『乗る』のではなく『鎧を纏う』感覚に近いためと思われる。
4.装甲がダメージを受けると多少緩和されるがガンプラそのものにも汚れ等の形でダメージが現れる。
といったことがわかった。
だが、流石に10メートル少ししかない高さでインパルスを完全なモビルスーツとして実体化できるかは試せなかったため『ガンプラをモビルスーツとして実体化できるのか?』ということはまだ実験していない。
――――――――――
ハジメはセイバーインパルスの装甲を纏い、サイクロプスの攻撃を回避しながら武装の一つである『シロガネ』を抜いて攻撃し、サイクロプスの皮膚にダメージを与える。
『グウウウオオオオオ!!』
サイクロプスの豪腕を躱したインパルスは装備の一つである『フォールディングレイザー対装甲ナイフ』を使い、サイクロプスの脚の健を切って転倒させる。
「これで…!」
インパルスはビームライフルを取り出すと正確にサイクロプスの目を狙撃。
サイクロプスは物言わぬ死体となり、もう一体のサイクロプス(以下、サイクロプス2)が襲いかかる。
「これ以上時間かけたくない…一気に決める!」
インパルスの背中からセイバーシルエットが消え、代わりにフォースシルエットが出現。
フォースインパルスとなり、ビームライフルでサイクロプス2の腕を集中的に攻撃すると、左手にビームサーベルを装備。
素早くビームサーベルでサイクロプス2の首を切断し、ビームで血が吹き出る前に焼いて塞がったサイクロプス2の死体はそのまま倒れる。
「………この魔物、やっぱり変だな」
インパルスの装甲を解いて神水を飲んだハジメはこれまでと毛色の違う魔物に疑問を抱きながら2体の肉を剥ぐと、ある答えにたどり着く。
「2体の魔物…それに、まるで門番のように………ん?」
もしやと思ったハジメは扉の前に立つと、そこには『丸い窪みが二つ』。
「二つの窪み…2体の門番………そうか!」
仕掛けの真の意味に気づいたハジメはサイクロプス達から魔石を採取すると、その魔石は綺麗な丸い形となっている。
試しに窪みに二つの魔石をはめ込むと…
大きな音を立てて扉が開いた。
――――――――――
「この空間…まるで聖教教会の…」
転移させられた時のことを思い出すハジメだが、この迷宮の中にしては明らかに綺麗すぎる外見に違和感を覚えて進む。
「………だれ?」
突如、部屋の奥から小さな声が聞こえてきた。
(…人?)
部屋の中には巨大な立方体の石が設置されており、その表面には一人の『少女』が半分埋まっていた。
上半身から下と両手を立方体に埋められたまま、『少女』は顔だけを出している。
垂れ下がっている長い金髪の隙間からは低高度の月を思わせる美しい紅色の瞳が見え、疲労からかやつれてこそいるが、恐らく外見的には12から13歳ほどとハジメは推測する。
「ちょ、大丈夫!?」
ハジメは罠の可能性を警戒しドンナーを片手に握りながらも少女の方に走っていく。
「お願い………たす、け…て」
どれほど長いあいだ幽閉されていたのか、少女は目の前の希望を離すまいと懇願し話がなかなか通じそうにない。
(………どうしてこんな場所に女の子が…?)
少しだけ冷静になったハジメは少女の存在に関して考える。
この階層は間違いなく表向き誰も到達したことのない階層だ。
にも関わらず、こんな危険が蔓延る空間で彼女はまるで封印でもされていたかのように閉じ込められている。
一瞬、『彼女の存在が何らかの罠ではないか』と推測するが…
(………あーもう!一々考えるもの面倒くさい!)
元来の性格なのか、少女を見捨てるという考えをすぐさま捨て去ったハジメ。
もし罠だとしたら、その時にどうにか対処すればいいだけのことだと頭を切り替え、少女から話を聞く。
「君は…どうしてここに封印されているの?せめて理由だけでも教えて欲しいんだ」
そんな彼の顔に少女はゆっくりと説明をする。
「私、先祖返りの吸血鬼…すごい力持ってた……だから、国のみんなのために戦って……でも、家臣のみんなが、いきなり…もう、私は必要ないって…おじ様が………自分が王になるって…私、それでもよかった………でも、私、すごい力があるせいで危ないって…殺せないから封印するって…ずっと、ここに閉じ込められて…」
そこから、ハジメは少女に様々な話を聞いた。
どうやら彼女は300年前に滅んだ亜人『吸血鬼族』の女王だったらしく、後天的に吸血鬼の中でも伝説的と言われる『自動再生』の技能を手に入れたらしい。
いわく、魔力さえ残っていれば首を落とされようが心臓を破壊されようが自動的に治るというとんでもない代物。
「…他には、何かある?」
「ん…魔力、直接操れる。陣もいらない。あと…全部の属性に適性がある」
ハジメは魔物肉を喰らい彼女と同様の魔力操作技能を手に入れたが、ハジメ自身適性が無いためか運用できる魔法は錬成と魔物の固有魔法だけであり、クラスメイト達のように属性魔法が運用できるわけではない。
だが少女は全部の属性に適性があるという。
同様の力を持つのはハジメが知る限り『勇者』である天之河光輝だけであり、さらには少女の場合魔力操作があることから詠唱の手間を省いてイメージだけで様々な属性の魔法を容易く操れることになる。
彼女が言うには身体能力はそこまで高くないとのことだが、『身体強化』系技能を使えば十二分にそれを補える。
「………たすけて…」
少女はそこまで話すと、絞り出すような声で懇願する。
「………わかった。そのかわり、他にも色々聞きたいことがあるから…あとで教えて欲しい」
そう言うとハジメは両手を合わせ、『錬成』を発動させる。
(正直…この子の言葉が真実だなんて確証は欠片もない。それでも………)
奈落の底で封印され、絶望の中で狂うこともできずにいた少女。
希望を見つけたと言わんばかりのあの必死な顔を見て切り捨てるほど、ハジメは薄情者ではなかった。
「ぐっ!?うああああああ!?」
錬成の魔力が立方体に流れ込むが、これまでの鉱物と違いまるで抵抗するかのように形状を維持。
さらにいつも以上に魔力が持って行かれ、ハジメは膝をつきそうになる。
「抵抗が強い…それに、普段より魔力が…」
負けじとハジメは魔力を立方体に流し込んでいく。以前ならば決してできなかった膨大な魔力を持っていくほどの抵抗に苦しみながらもハジメは歯を食いしばり、立方体と戦っていく。
「持っていけばいい…だけど、その前に僕が勝つ!!」
ハジメの魔力光によって部屋全体が真紅の輝きに包まれ…
ハジメの魔力が尽きると同時に、立方体は液体のように溶けて崩壊。
少女はハジメの腕の中で倒れる。
――――――――――
「ハア………ハァ……ほんっと、ギリギリ…」
神水のボトルを取り出して一気に飲むハジメは倦怠感が抜けていく感覚を味わいながら少女を気遣う。
「………ありがとう…」
表情こそ変わらないものの、その目には彼女の素直な気持ちが映っていた。
「ううん………とりあえず、助けられて良かった」
何とかハジメが立ち上がると、少女は質問をしてくる。
「…名前、まだ聞いてない」
「あ、そっか………僕は南雲ハジメ。まあ訳ありでここに迷い込んだんだけど………ところで、君は?」
小さくハジメの名前を復唱する少女に尋ねるが、少女は小さく首を振る。
「…名前、付けて」
「え………もしかして、封印の影響が?」
少女の言葉に封印の思わぬ影響を心配したハジメだが、少女は首を振った。
「前の名前は…王族の名前はいらない。新しい名前、ハジメが付けて」
「あぁ…えっと、名前、名前か………」
中々に難しい頼みが来た。
彼女にとっては辛い過去との決別を意味するために必要なことだが、他者の名前を決めるというのはハジメにとってかなりハードルが高い行為である。
(特徴…綺麗な金色の髪…吸血鬼……ううん、しっくりこない………あとは…)
「…『紅い目』…金色………」
そんな中、ふと最初に出会った時の光景と彼が聞いたことのあるフレーズが偶然にも重なった。
『月は出ているか』
「…月。そうだ、『ユエ』…なんてどうかな?」
それは、ハジメがいた世界で月を表す言葉の1つ。
「ユ…エ…?」
「うん。僕達の世界では吸血鬼の世界は夜…その中で夜の世界を照らしているのはいくつもの星と…一際大きな月の光なんだ」
ハジメは何も纏っていない少女…ユエに以前爪熊から創った毛皮のコートを羽織らせる。
「最初に出会った時…その髪と瞳が月の光を思い出させてくれたから思いついたんだけど…どう?」
「………ん。今日から私はユエ。ありがとう…!」
少しだけユエは笑って、ハジメの手を握る。
「とりあえず…一旦ここから出よう。近くに隠れ家を作ってからゆっくり…!?」
その瞬間、ハジメは頭上から強烈な殺気を感じてユエの手を引いてジャンプ。
先程まで自分達がいた場所にはいくつものトゲが突き刺さっていた。
「気配感知に引っかからなかったのに…まさか、ユエさんを助けると自動的に目覚めるのか!?」
ハジメ達の前に立ちはだかったのは体長5メートルは超える巨体の、蠍に似た魔物。
4本の長い腕と巨大なハサミ、そして8本の脚と鋭い針を備えた2本の尻尾を持つ怪物は、ハジメを排除しようと襲って来る。
「ユエさん、しっかり掴まってて!」
ハジメは慣れた手つきでドンナーを取り出し、銃口を蠍の魔物に向ける。
「悪いけど…通させてもらうよ!!」
次回予告
古の吸血姫。その力は現代の常識を凌駕するものだった。
新たな出会い、動き出す運命。
そして…地上で『悪魔達』が動き出す。
次回、機動戦士ガンダムForce
第20話 刻が動く
戦乱を望むもの。それは…紅の虐殺者
ステータス紹介(現在のハジメ)
南雲ハジメ 男 17歳 レベル:48
天職:錬成師
筋力:900
体力:980
耐性:800
敏捷:1000
魔力:800
魔耐:800
技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+複製錬成][+高速錬成]・S.E.E.D・Xラウンダー・魔力操作・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]・風爪・夜目・遠見・気配感知・魔力感知・気配遮断・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・言語理解
ハジメの恋愛模様はハーレム?それとも香織一筋?
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異世界美少女(ユエ達)のハーレム
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クラスメイトの誰かをハーレムに…
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異世界組とか関係なくハーレム