機動戦士ガンダムForce   作:狼牙竜

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お待たせしました、第20話です!

昨日、偶然にもリサイクルショップでインフィニットジャスティスのHGCEが1100円で売られていたので即買いました。

…これでSEED DESTINYの3機揃えられる!

感想、評価が作者のエネルギーになります!!


第20話 刻が動く

蠍の魔物が放つ無数の針をジャンプして回避するハジメ。

ドンナーの引き金を引くが、固い装甲は直撃を受けても怯むことがない。

 

 

「装甲の強度はこれまでの魔物より上か…だったら!」

 

続けて取り出したのは以前爪熊戦で使った爆弾の改良型『グレネード』。

精密さを増した錬成によって破壊力が桁違いになったそれを敵の足元に投擲し、大爆発を起こすと蠍は転倒。

 

動きを封じた上で口や腹などの装甲が柔らかい、もしくは無い部分を狙おうとするが…

 

 

 

 

「っ!」

 

蠍は先程より多くの針を飛ばし、ハジメは2本ほど刺さったもののどうにか回避。

 

「耐衝撃…だったら次は焼夷グレネードを使った熱攻撃を試すしか…」

 

戦い方を模索していくハジメだが、そこにユエが質問してくる。

 

 

「どうして…」

「え?」

 

 

「どうして…逃げないの?あの魔物…私を…」

 

 

 

背負われているユエからの質問にハジメは振り返ることなく答える。

 

 

「決まってるよ…僕がこの部屋に入ったのは、君が助けを求めてたからだ」

 

 

焼夷グレネードを取り出したハジメは『空力』を発動させて回避を続けながら語る。

 

 

 

「君が助けを求めて、僕がそれに答えた。それ以外に…理由なんていらない。それに………ここで君を見捨てたら、僕は二度と仲間の顔を見ることなんてできないからね!!」

 

 

そう言うとハジメは焼夷グレネードを投擲し、摂氏3000度の炎が蠍を包んでいく。

 

 

――――――――――

 

 

 

 

炎が収まると、そこにはまだ活動出来るだけの力を持った蠍が立っている。

 

 

「いよいよこれも通じないとなると……またインパルスを使うしかないか?」

 

 

 

すると、ハジメにユエが抱きついてくる。

 

「ゆ、ユエさん?」

「………信じて」

 

そう言うとユエはハジメの首筋にそっと噛み付き、ハジメは自身の血を吸われる感覚に陥る。

 

 

(…そういえば、吸血鬼族の固有能力って…)

「…わかった。時間は僕が稼ぐ」

 

過去の文献を思い出したハジメはユエを強く掴みながら再び空力を使う。

 

 

「効くかはわからないけど…くらえ!」

 

ハジメは『宝石』を使ってインパルスのビームライフルを創りだすと、蠍目掛けて発砲。

 

高速移動の弊害か当たることはほぼ無かったが、その攻撃を防ぐためか蠍はもうひとつの能力である『溶解液』を撒き散らし、ハジメの接近を妨害していく。

 

(5秒…10秒…15秒……もう少し…!)

 

 

ビームライフルを消したハジメは錬成を使って蠍と自分の間に壁を作り出して攻撃を防ぎながらユエの吸血が終わるのを待ち…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ん。ごちそうさま」

 

ハジメの首筋から口を離したユエは、先程までのどこかやつれた雰囲気が失せており、幼いながらも妖艶な雰囲気を持つようになる。

 

その雰囲気にハジメは少しだけ目をそらすが、ユエはハジメから離れると蠍に対してそっと指をさす。

 

すると、たちまち彼女の周囲に膨大な魔力が集まっていく。

 

 

「この魔力…これが、ユエさんの力…」

 

彼女の周囲にはユエの魔力光であろう金色の光が集まり…

 

 

 

 

「…〝蒼天〟」

 

たった一言で蠍の頭上に直径6、7メートルほどの青白い炎の球体が現れ、一瞬のうちに蠍を飲み込んでいった。

 

 

 

 

「……………」

 

圧倒的。まさにそれに尽きるとハジメは言葉も出ず思えた。

その破壊力はこれまで見てきた魔物どころか、人間族最強の『勇者』すらも凌駕するであろうとんでもない攻撃魔法。

それを彼女はたった一言で行使したのだから無理もない。

 

 

「ハジメ。あとは…お願い」

 

ユエは魔力を使い切ったのか、その場に座り込んでしまう。

 

「…わかった。あとは任せて!」

 

直撃を受けたことで装甲が赤熱化し、それでもなお動こうとする蠍。

だが、ハジメは装甲の隙間に密着するとゼロ距離でドンナーを撃ち込み蠍に致命傷を与える。

 

「これで…終わりだ!」

 

今度はフォースインパルスのビームサーベルを実体化させ、内部に突き刺すとついに蠍はその生命活動を停止させるのだった…

 

 

 

――――――――――

 

 

それから数十分。

ハジメはユエと共に部屋から出ると拠点を作り、サイクロプスと蠍の肉や素材となるであろう部分をいくつか採取。

そこでユエから彼女が何故あの場所に封じられていたのかを聞いていた。

 

「…え?じゃあユエさんって………300歳以上?」

「それを聞くのは…マナー違反」

 

ジト目で見られ、流石に失礼すぎたかとハジメは素直にユエに謝る。

 

 

「地上で色々とこの世界について調べてたけど…吸血鬼族は300年前に滅んだって文献にはあった。ユエさん達の種族はそこまで長生きするの?」

 

ハジメの質問にユエは首を横に振る。

 

「…違う。私が特別。〝再生〟の技能のせいで成長も老化もない」

 

ユエの話によると、彼女は12歳の時後天的に〝再生〟の固有魔法が覚醒したらしく、さらにハジメ同様魔力操作まで使えるようになったという。

 

二つの技能が目覚めたことでユエはわずか数年で種族最強格にまで成長し、17歳で王位に就いた。

 

 

「………でも、23歳になったとき。突然叔父様が王位に就くことになって…私の地位も、功績も…〝シナンジュ〟も全て奪われて、私は化け物として封印された」

 

「そっか……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………え?」

 

ユエの言葉を聞いていたハジメは、彼女の発した単語に反応する。

 

 

「ユエさん………今、シナンジュって…?」

「ん。吸血鬼族に伝わっていた『機人』。膨大な魔力を蓄積して、私の意思で自由に動かせるゴーレム…」

 

ハジメはもしかしてと思い、錬成で作り出した石版を手に取るとその表面に錬成をかけ、ある『絵』を完成させる。

 

「もしかして、こういう形?それと…色は真っ赤だったり…?」

 

ハジメから受け取ったそれを見たユエは驚愕に目を見開く。

 

 

「…どうして、ハジメがシナンジュのことを?」

 

そこに描かれていたのは、多少デフォルメされてはいたがハジメが知る『シナンジュ』の絵。

 

 

「………これは、僕達の世界で物語の存在なんだ。

 

 

 

モビルスーツ、シナンジュ………」

 

この世界にはかつて『モビルスーツ』が存在していた。

その事実を知ったハジメは『宝石』がガンプラを実体化させられるこの能力に何かしらの意味を感じずにはいられなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ユエさん。シナンジュはどうして吸血鬼族が?」

「………私も、よくわからない。私が生まれるずっと前からあれは吸血鬼族が管理していた。でも………」

 

ユエの説明によるとシナンジュを操作できたのは彼女だけであり、次に彼女の従姉がかろうじて使えた程度だという。

 

(…モビルスーツがこの世界に存在した。だとしたら、どうして現在はあの文明レベルなんだ?)

 

拳銃すらオーバーテクノロジーになったこの世界で、どうしてあの兵器が存在し得たのか。

その答えはハジメの頭で導き出すことはできなかった…

 

 

 

 

 

――――――――――

それからどれだけの時間が過ぎただろうか。

 

ハジメが1枚の写真を取り出したのを見て、ユエが聞いてくる。

 

「…ハジメ。それ、何?」

「ん?えっとね…僕の仲間達…かな?」

 

以前模型部員で撮影した写真。これが今の自分の支えなのだとハジメは語る。

 

「奈落の底に叩き落とされて、目を潰されて…それでも、大切な思い出が僕を支えてくれた。だから………絶対に帰るんだ。みんなと一緒に」

 

そんなハジメの言葉を聞いて、ユエは顔を俯かせる。

 

 

「……私には、もう…帰る場所、ない」

 

その言葉にはどれだけの気持ちが込められていたのか。

泣きそうになるユエだが、ハジメは小さな声で提案する。

 

 

「…だったら、僕たちと一緒に来る?」

 

ハジメの提案にユエは顔を上げる。

 

「僕達の世界…戸籍関連とか色々窮屈だし、魔法の存在もない…きっと、ユエさんには住みにくいかもしれないけど………ユエさんならきっと、香織さんや八重樫さん達ともすぐに友達になれる気がするから」

 

 

放っておけるはずなどない。

帰る場所もなく、未来を奪われてしまった少女をそのままにしていいのかとハジメは考える。

 

「もし一緒に来るなら…僕達が精一杯力になる。………なんて、たかが高校生の僕に何ができるのかって話だけどね?」

 

ハジメはそっと手を伸ばす。

 

「ユエさんがここから脱出するまではもちろん一緒にいるし、地上に出てからどう生きるかは僕じゃなくユエさんが決めることだ。それでも僕達と一緒に行くのなら…」

 

「………そんなの、決まってる」

 

ユエは嬉しそうに微笑むと、ハジメの手をそっと握った。

 

「…私は、ハジメに救われた。だから…ハジメと一緒にいる」

 

奈落の底で孤独な戦いを続けていたハジメ。

この日、新しい光が彼の行く末を照らしだした…

 

 

 

――――――――――

一方、地上では…

 

 

 

 

「ハァ……ハァ……くっそ!なんで『あれ』がこっちにいるんだよ!」

 

真っ暗な草原を走り回る黒いローブを被った少年、清水幸利。

王都を出ていき冒険者として生計を立てていた彼は立ち寄った村である話を聞いた。

 

それは、王宮が神敵を討つために寄越すという『紅い機人』の噂。

 

『巨大な鋼のゴーレムが神敵と定めた村や町を滅ぼす』という、普通なら戯言と言われそうな噂。

だが、清水はその『機人』を見てしまった。

 

 

《オラオラァ!神様に逆らう悪い敵にはお仕置きってなぁ!》

 

清水はその『機人』に見覚えがあった。

そして、機人から聞こえた『声』にも。

 

 

《なんだよ…拳銃すらねえ、魔法とやらで反撃すらできねえ…こんなの、俺がやりてえ戦争じゃないってのによぉ。ま、これもお偉方からのお仕事だからな。恨むんじゃねえぞ!》

 

 

機人………『アルケーガンダム』はその巨体でひとつの村を焼き払った。

 

 

 

 

 

「なんで………なんでアイツがこの世界にいるんだよ!?」

 

アルケーガンダムが飛び去ったあと、清水は震えながらその場に蹲る。

 

 

 

「なんでいるんだよ………アリー・アル・サーシェス!?」

 

 

 

 

 

 




次回予告
新たな出会いによって、ハジメは迷宮の最下層に到着。

だが、そこにいたのはまさに『魔獣』と呼ぶに相応しい、最強の敵。
龍と錬成師がしのぎを削る、大決戦が幕を開ける!

次回、機動戦士ガンダムForce
第21話 奈落の底のヒュドラ

最悪の敵を…乗り越えろ、インパルス!

ハジメの恋愛模様はハーレム?それとも香織一筋?

  • 異世界美少女(ユエ達)のハーレム
  • 香織一筋を貫け!
  • クラスメイトの誰かをハーレムに…
  • 異世界組とか関係なくハーレム
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