機動戦士ガンダムForce   作:狼牙竜

26 / 69
お待たせしました、今回で第1章が終了し次回から数話他のメンバーのエピソードを投稿した後に第2章に入ります。

感想、評価をいつでも待ってます!




第24話 旅立ちの朝

ハジメとユエが奈落の底…オルクス大迷宮の最深部に到達してから凡そ2ヶ月。

その間にハジメ達がこなしてきたことについていくつか分けて説明をすると…

 

 

 

――――――――――

 

①技能を使いこなすための修練、及びオスカーの遺したロストテクノロジーの解析

 

 

オスカー・オルクスの遺体をハジメ達は回収し、屋敷の外に創り出した立派な墓地に埋葬(ハジメの錬成によってオスカーの名前とオルクスの指輪の紋章を墓石に刻みつけた)し、彼が遺していた錬成師にとって宝とも言えるアーティファクトの数々を解析したハジメはそれを自分にとって使いやすくなるよう現代風に改良を加え、最初に自身の失った左目を補うための義眼型アーティファクト『魔眼石』を制作。

これまでの魔物との戦いで会得した気配感知系魔法を神水を作る力を失った神結晶の欠片に付与させ、彼の新しい『目』として完成したのだ。

 

だが、アーティファクトを作るにはその魔法を会得していることが条件だと気がついたハジメはこれまで取り込んできた技能をできる限り磨いて新しいアーティファクト開発のために使うべくユエと共に激しい特訓を幾度となく行っていた。

 

その結果、ハジメは1階層で蹴りウサギから得た『天歩』の最終派生技能である『瞬光』を会得。一時的に全感覚を研ぎ澄まし周囲の時間が遅く感じるほど速く動けるこの技能を手に入れたことでハジメは生身での戦闘力もより引き上げられることとなる。

 

 

②戦闘スタイルの確立、及び基本装備の完成

 

生身でのハジメの戦闘スタイルはやはりドンナーを主力とした戦い方が基本だったが、サブウェポンとしてドンナーと同型の拳銃『シュラーク』を開発。

さらに『纏雷』などの近接戦闘向け技能を宿したナイフ型アーティファクト『フォールディングレイザー』を創り、近接戦では主にこちらを使うようになる。

また、防御装備やいくつかの特殊ギミックを秘めた籠手『リュストゥング』を普段は両手に装備しており、これによってハジメの戦いの引き出しが増えた。

 

 

③モビルスーツ関連の技術

 

ハジメにとって驚きだったのが、オルクスの屋敷にはグシオンやサザビーといったこの屋敷で発見されたモビルスーツに関する詳細なデータが本として記録されていたのだ。

無論暗号化されていたが、言語理解の技能を持つハジメにとって解析など容易く、ハジメはその中でグシオンやサザビーの出処を突き止めることに成功する。

 

 

 

――――――――――

 

 

『●月○日 これでこの機械人形が見つかるのは何度目だろうか…?

かなり損壊が酷いが、幸いなことにいくつかの情報を読み取ってみるとこの薄茶色の機械人形には損壊を負うより以前の姿があったということを知ることができた。これなら、私の錬成を使えば十分に修復は可能だ。

 

………改修前の姿になるという意味では修理失敗とも言えるかもしれないが、今はこの力も必要だ』

 

 

「………改修…そういうことだったんだ」

 

書斎でオスカーの日記を読んだハジメは日記帳を閉じると小さく息を吐く。

 

「ハジメ…どういうこと?」

「ああ…僕が知っている限りあのガンダム…グシオンはあの姿より一段上の姿『ガンダムグシオンリベイクフルシティ』が存在して、最後の戦いではそのフルシティの状態で破壊されたんだ。なのにどうしてか、トータスではリベイクの状態で発見された」

 

 

「だけど、一度完全に壊された状態からオスカーさんが復元したんだとしたら色々納得だよ。損壊が酷すぎてフルシティに戻せなかったんだ」

 

ハジメはそう言いながらこれまでこの世界に現れたモビルスーツ達のことを思い出す。

 

(地下で見つけたグシオン、サザビー…それに、ユエさんが乗っていたというシナンジュ。これらに共通するのは………いずれも本来の歴史で破壊されたモビルスーツ?)

 

だが、その仮説が浮かぶとハジメは嫌な予感がどうしても拭えなかった。

 

(壊されたモビルスーツなんてそれこそ山ほどある…もしそれがこの世界に流れ着いていたとしたら…そもそも、モビルスーツを呼び寄せているのがエヒトだとしたら…)

 

モヤモヤした考えを振り払おうとハジメはオスカーの研究書物の一つ…『擬似神経接続』の魔法に関する本を何度も読み返していた。

 

 

――――――――――

 

「は~…」

 

夜になり、ハジメとユエは釣った魚で料理を食べ終えたあと自由時間になりユエは地下へ、ハジメは風呂で汗を流していた。

 

(…ここに来てからもうすぐ2ヶ月。生成魔法の使い方もだいぶわかったし、それにもう魔物を食べてもステータスが上がらなくなった)

 

ここに到着してすぐハジメはヒュドラを食らったが、最初に二尾狼を食べたとき以来の激痛がハジメの体を襲い、ハジメのステータスは平均10000をオーバーするほどに成長。

その上ヒュドラから会得できたのは光輝の切り札でもあった『限界突破』の技能であり、ハジメの得た力はこの世界から見て異質という言葉で収まらないレベルになってしまった。

 

 

「武装も移動手段もほぼ完成したし、あとは『あれ』が完成するか制作が進まなくなったらそろそろ地上に上がるべき…だね」

 

そう言いながらハジメは風呂から出ようとするが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ん。ハジメ、一緒に入ろ?」

「ユエさん………基本的に一人ずつって約束だよね?」

 

タオル一枚のユエがハジメの隣に腰を降ろす。

初日こそ思春期男子らしくパニックになったハジメだが、何度も繰り返されると流石になれたのか、やんわりと距離を取ってそそくさと退散するようになっていた。

 

 

「…離してくれません?」

「…いや」

「あの…色々当たってるんですが」

「当ててんのよ」

「ねえそれどこで知ったの?僕少なくともユエさんの前でそんなセリフ言った覚えないよね!?」

 

地球出身でなければわからないようなネタに思わず叫ぶハジメだが、ユエはそれでもなおハジメから離れようとしない。

 

 

「…ハジメ。私じゃ、ダメ…?」

 

いつになく落ち込んだ表情のユエ。

それを見て、ハジメは少し考える。

 

 

(………流石にこればっかりはもう誤魔化すわけにはいかない)

 

この2ヶ月で何度か逃走する形で答えを出さなかったハジメだが、これ以上ユエを悩ませるわけにはいかないと思い、彼女の横に座る。

 

 

 

「………ユエさんの思いにはずっと前から気づいてたよ。正直言うと嬉しい…だって、僕はこんなだからユエさんみたいな可愛い子に好かれて嫌な気分になんてならない。それでも…僕は好きな相手がいる」

 

ハジメは左目につけた眼帯に触れ、言葉を続ける。

 

 

「白崎香織さん。僕が2年前に出会って、幾度となく僕を支えてくれた。奈落に落ちて飢えと痛みでおかしくなりそうになった時、彼女の手紙と言葉…それに友達との思い出があったから僕は僕でいられた」

 

「…………………」

 

「もう人間かすらも怪しいけど、僕はきちんと彼女に伝えたいと思ってる。あの日伝えられなかった『君が好きだ』ってキチンと伝えたくて…僕はこれまで足掻いていられた。だから………ユエさんの想いに応えることはできない」

 

 

ずっと抱いていた気持ちを伝えたくて、ハジメは戦い続けている。

だからこそ、ユエの好意に応えられないとハジメは伝えた。

 

 

「……………わかった」

 

ユエは風呂から上がるとそのまま脱衣所へと歩き…

 

 

 

「………でも、私は諦めない。カオリって女がハジメの『特別』だとしても………ハジメの心をいつか掴む」

 

妖艶に微笑んだユエはすぐに着替え、複雑な感情を香織に抱く。

 

 

(………悔しいけど、ハジメの心をカオリが守っているのはホントのこと。でも…この程度で私は諦めたりしない)

 

 

小さくまだ見ぬライバルへの闘志を燃やすのだった…

 

 

 

「ハァ………ヘッキシィ!!」

 

 

――――――――――

 

 

風呂場での出来事から5日。

 

ハジメは地上で活動するための服が完成したとユエから聞いて、新しい服に早速袖を通していた。

 

「ユエさんが裁縫得意って聞いたときはびっくりしたけど…まさかここまでのクオリティだなんて」

 

オスカーの屋敷で見つけた靴などを組み合わせたハジメの服装は赤いズボンに白いブーツを履いており、上はワイシャツにネクタイ、黒いベストを着ている。

だが、その中で一番目立つのは何といってもクリムゾンレッドのロングコートである。

丁度いい長さの黒いロングコートだったがハジメがアーティファクトへと改造したついでに色を赤に変更し、一部デザインはユエが担当したことで『ザフトレッド』の制服によく似たデザインのロングコートへと変わったのだ。

 

「ん…よく似合ってる」

 

ユエは白いブラウスを着用しており、ニーソックスとハジメのものより小さいブーツを履いている。

因みに上着はザフト制服に似たデザインだが真っ白なコートになっており、彼女の小柄な容姿に大人らしさをプラスしていた。

 

「あとは………」

 

ハジメ達は着替えを済ませ、地下へのエレベーターに乗る。

 

 

―――――――――

 

 

 

地下へと降りていくエレベーター。

だが、地下には2ヶ月前に存在しなかった巨大な物が鎮座していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これが………」

「そう。強襲揚陸艦『ミネルバ』。何とか僕の記憶から掘り起こして作ったけど………いやぁ、多分これの制作が一番大変だったね」

 

全長350メートルの巨大な船。それは『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』にて主人公達が乗っていた戦艦『ミネルバ』をハジメが錬成や生成魔法で再現したものだった。

 

装甲はいくつもの鉱石を重ねがけして作り出しており、全体に希少鉱石だったアザンチウムをコーティングすることで防御性能は文句なし。

内部システムにアーティファクトの技術を使うことで通信などのシステムも問題なく使えるようになっている。

武装面においては感知系技能を付与させたミサイルと機銃、さらには魔力操作の技能を応用した高出力の魔力砲を開発し、搭載している。

 

エンジンだけはハジメが創れなかったものの、オスカーの日記に記されていた『魔導炉』がそれを解決。

 

魔導炉はオスカー達が過去に創ったエンジンであり、大気中の魔力や人の魔力を集め、増幅させるというアーティファクトで今のハジメでも制作ができないほどのもの。

どうやら解析したところ、グシオンのエンジンである『エイハブ・リアクター』のうち片方がこの魔導炉に交換されており、さらにエイハブ・リアクターに近い出力が出るようチューニングされていた。

 

さらにサザビーにもこのエンジンが使われていたと知り、ハジメはこの魔導炉ならば戦艦を動かすのに必要なエネルギーを確保できるのでは?と考え、地下で厳重に管理されていた3つ目の魔導炉を使いミネルバのエンジンとして組み込んだのだ。

 

「これを使えばモビルスーツやインパルスの発進…それに、僕達の拠点としても使える。地上でも動けるようにガンダムXのフリーデンのシステムを再現したから場所を問わず動けるように…!」

 

熱く語るハジメだが、ユエが袖を引っ張る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハジメ………私達、二人。どうやって動かす?」

「……………あ」

 

 

完成させたことで有頂天だったハジメだが、冷静に考えればこれほどの戦艦を自分とユエの二人で運用できるはずがない。

 

「…それに、ここまで大きいと…長時間飛ばすのも難しい」

「あぁ…そうだった…!」

 

………結局、今はまだ運用できないと結論が出てミネルバは地下に置いていくことになってしまった。

 

 

――――――――――

 

その後。

未だ肩を落とすハジメの頭をユエが撫でる。

 

「…気にしなくていい。『宝物庫』があればまたここにすぐ来れる」

 

ハジメが手に入れたオスカーの指輪。

その正体は『宝物庫』と呼ばれるアーティファクトであり、同時にこの屋敷へと通じる『鍵』の役割も担っていた。

 

宝物庫とは巨大な亜空間へのゲートを作るアーティファクトであり、指輪内部の亜空間に物などを収納できる。

さらに半径10メートル以内に収納した物を出現させることも可能であり、ハジメはこの宝物庫によって戦術を組み立てるが…それはまた別の話。

 

『鍵』は空間転移型アーティファクトの一種で、どこにいようと指輪に魔力を流すことでこの屋敷にテレポートが可能だという。

ただし、屋敷に転移した場合その直前に転移した場所にしか飛ぶことができないという制約もある。

 

「ハジメ、準備は?」

「いつでもいいよ」

 

腰のホルスターにドンナーとシュラークをセットし、コートの内側にフォールディングレイザーをしまいこんだハジメは『宝物庫』を右手につけるとブレスレットの形に加工したアリスタを左手に装着。

インパルスのケースをコートの内側に入れ、最後に眼帯がしっかり着いているかを確認。

 

「じゃあこれからの確認だね。優先は大迷宮の攻略で他の神代魔法を会得し、この世界からの脱出方法を探る」

「ん。そして…最終目標はエヒトの討伐とハジメの世界に戻ること」

 

「ああ。それと、これだけは覚えてほしい。僕達の武器や力は地上では異端。聖教教会や各国の人々が黙っているとは思えない」

「…ん。モビルスーツの存在も多分求める人はいる」

「創ったアーティファクトを要求されたり、モビルスーツを使って戦争参加を強要される可能性も高い」

 

「教会や国、そしてこの世界を支配するエヒトともいずれ戦う。最悪の場合はオスカーさん達のように反逆者として全てを敵に回す可能性がある命がいくつあっても足りない旅」

「…今更」

 

「………でも、僕達は戦わなきゃいけない。僕は故郷に帰るため」

「私は、『あの日』の真実を知るため」

 

 

ハジメが手を差し出し、ユエが手を重ねる。

 

彼らにとって自身を奮い立たせる誓いの言葉。

それをハジメとユエは叫ぶ。

 

「南雲ハジメ!インパルスガンダム!」

「ユエ、『サザビー』!」

 

「チーム・ビルドデスティニー!」

 

「「運命を切り開く!!」」

 

新しい世界に進むべく、ハジメとユエは転移の魔法陣に飛び込むのだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍太郎が修行していたライセン大峡谷からほど近い町。

 

無数の異形のモビルスーツ『ガガ』が全身を赤く光らせて町に迫ろうとしていたが、それらは『たった1機のモビルスーツ』によって人々が視認する前に全て破壊されていった。

 

量産機が1体のモビルスーツに無双されるというのはおかしい話ではない。

 

だが、それは1体が『ガンダム』などのワンオフ機であればの話である。

 

『おいおいおいおいおい!話がちげえぞ!』

 

遠目から見ていたアルケーガンダムの中でサーシェスが毒づく。

それもその筈、ガガを一掃していたのはガンダムタイプではなくA.G世界の量産モビルスーツ『アデル』1機だけなのだから。

 

『君達に問う。もしこれ以上この町に襲撃をするのなら………

 

 

 

 

 

 

私がこの場で君達を撃墜する』

 

声の主は若い男だったが、内に秘められた凄みはサーシェスすらも圧倒するほど

『戦いの経験』に満ちたものだった。

 

 

(………こりゃ迂闊に手を出すのは面倒だな。大将もなんでこんなのまで連れてきたんだか)

『お前ら!ここは撤退するぞ』

 

アルケーの指示に従い、ガガ部隊は去っていった。

 

 

 

「…はぁ」

 

アデルが町外れに着陸すると、パイロットの青年が降りてくる。

 

「また、戦いが………でも」

 

青年はパイロットスーツから仕事着に着替え、町に走る。

 

(もう誰も奪わせない…こうして拾った命、今度こそ…!)

 

誓いを新たに、青年…『フリット・アスノ』は大切な人達が待っている場所に急ぐのだった…

 

 




次回予告

ベヒモスとの戦いから帰還した香織達は、ヘルシャー帝国の使いと謁見することとなる。

思い通りにならない現実に少しずつ苛立ちを募らせる光輝。そんな彼に魔の手が迫りつつあった…

次回、機動戦士ガンダムForce特別編
第1話 帝国の傭兵

想いの豪腕…叩き込め、シャイニング!

ハジメチームの量産MS、何がいい?(上位3体まで)

  • アデル
  • ジム
  • ザクウォーリア
  • ザク
  • 陸戦型ガンダム
  • クランシェ
  • マン・ロディ
  • ジェガン
  • M1アストレイ
  • ムラサメ
  • グフイグナイテッド
  • ティエレン
  • フラッグ
  • イナクト
  • その他(活動報告にて)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。