本編入るまであと何話かかるんだろう…
あと、今回から『ガンダムビルドダイバーズ』シリーズのキャラを出してみようと思います。
感想、評価をいつでも待ってます!
☆9評価をくださった『名無し提督』さん、『見た目は子供、素顔は厨二』さん、ありがとうございます!!
香織と出会い、一緒にガンプラを買ってから二日後。
GBN内部でハジメ…ダイバーネーム『サウス』は知り合いのダイバーと共にミッションに挑んでいた。
「うああああ!!」
今回挑んでいたミッションは機動戦士ガンダムSEEDのフリーダムガンダム初戦闘エピソードを模した特別イベント『舞い降りる戦士』。
アラスカを舞台に地球連合軍、ザフト軍の両陣営を制圧して制限時間以内に味方の戦艦『アークエンジェル』を戦闘区域内から脱出させることでミッション成功となる。
因みに高評価でのクリアをすることでフリーダムガンダムなどザフト製モビルスーツ向けのカスタマイズパーツが報酬に貰えるらしいが、参加条件は『ガンダムSEEDの機体をベースにする、あるいはパーツの3割がSEED系機体のガンプラに限る』というものであった。
「このっ!!」
インパルスは本来の姿とも言える『フォースインパルスガンダム』の姿でミッションに望み、その状態からビームライフルでザフトのモビルスーツ達を撃墜。
「サウス!あんまり前に出るな!」
そう叫ぶのは、金色の大型の盾にビームガン内蔵のランスを持った騎士のような外見のガンプラ。
『ガンダムイージスナイト』
『ガンダムSEED DESTINY』の主役機体の一つであるインフィニットジャスティスガンダムのHGモデルのフレームを使い、イージスガンダムの変形ギミックなどをベースアイデアとして超防御型の機体である。
「今日はどうしたんだよ!少し熱くなりすぎだぞ!」
イージスナイトのパイロットであるダイバー『カザミ』が通信してくる。
「…ごめん。少し暴走した」
サウスは息を吐くと、次の手に出る。
「カザミ!そろそろ敵が俺達に集中砲火するはずだ!そこを防いでくれ!」
「おうよ!ならオフェンスは任せるぞ!」
やがてインパルスとイージスナイトを狙い、今ミッションのボスとも言える敵『デュエルガンダム・アサルトシュラウド』がビームライフルを放ち、さらに背後にいた敵が一斉に射撃武器やバズーカなどを放ってくる。
「させるかよ!」
イージスナイトはその名前の通り堅牢な盾で攻撃を受け止めて…
「もらった!!」
インパルスのビームサーベルがデュエルのボディを貫き、ミッションを突破した。
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「はあ…」
お店を後にするハジメは、小さなため息をつきながら帰路を歩く。
(カザミに悪いことしたな…折角フォースを休んで手伝ってもらったのに…)
思えば、今日の自分は盛大にやらかした。
他のミッションに付き合ってくれたカザミを無視して片っ端から敵を狩り、その都度彼の足を引っ張ってばかり。
何故ハジメがここまで荒れているのか…それは昨日の帰りの出来事が理由である。
――――――――――
香織と一緒にガンプラバトルVRを体験した翌日。
インパルスの改造を続けるべく家まで歩いていたハジメは、なんと家の近くで待っていた香織と鉢合わせした。
「白崎さん?どうしt……!?」
声をかけたハジメは思わず驚いてしまう。
香織はなんと泣いていたのか目を腫らしていたからだ。
「な…南雲君……!」
ハジメの顔を見たとたん、さらに泣き出してしまう香織。
「ええ!?ちょ、何があったの!?」
さらに香織はハジメに飛び込み、彼の腕の中で泣き続けていた。
そしてハジメは気が付く。
香織が持っていたのはアンテナなどがひどく破損したエクシアのガンプラだということに…
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ハジメの家。
不幸中の幸いというか、両親はそれぞれ用事があって家におらず、ハジメは自室で香織が落ち着くようにとコーヒーを淹れた。
「…で、何があったの?」
幾分か落ち着いた香織はゆっくりと語りだす。
「あのね…南雲君には言ってなかったけど………エクシアを壊したのは、私の…幼馴染なんだ」
エクシアを組んだ日の夕方。
香織は家の近くで偶然にも幼馴染の『天之河光輝』と顔を合わせた。
「香織!珍しいな、君がこの時間まで外で遊んでるなんて」
爽やかな笑顔のイケメン。
勉強もスポーツも完璧な彼だが、ある理由から香織は少しばかり警戒してしまった。
「…そ、そう…かな?ちょっと私、用事があって遅くなったんだけど…」
香織はそそくさと家に戻り、まだ組んでいなかったダブルオーの制作をしようとしたが…
「ん?香織、それは…」
光輝は気がついたのだ。
香織が大事そうに握っていた『エクシア』に…
「おい香織。それって…どうしたんだい?そんな人形なんて」
「…ちょっと、ね?たまたまこういうの売ってるお店に立ち寄って、親切な人からいろいろ教えてもらったんだ」
確かに香織のような美少女とこのエクシアのプラモデルはぱっと見た限りミスマッチとも思えるだろう。
だが、香織にとってそんなことは関係なかった。
「香織…君にそんな『オタクの使うようなもの』は似合わないよ?もっとこう、かわいいのが…」
その言葉を聞いて、香織の中で『何か』が引っかかった。
「………そんなの、光輝君に関係ないよ。あなたがなにを言おうと、このエクシアは私にとって宝物なんだから」
それだけ言うと、香織は家まで帰ろうと光輝を素通りする。
だが、光輝はその手を掴んだのだ。
「…離してくれないかな?」
「いや…それはできない。香織にそんなものは似合わないよ」
『オタクの使うようなもの』
『そんなもの』
ハジメと一緒に組んで、一緒に仮想空間で空を飛んで…
たった一日、数時間でも十分すぎるほどの思い出がつまったものを『そんなもの』呼ばわりされて香織の心に黒いものが浮かぶ。
「そんなものって何!?光輝君がどうして私の好きなものも決めるの!『あの時』だってそうじゃない!」
「お、落ち着け香織!俺は君のために…」
香織は光輝の手を振り払おうとするが、光輝もしっかりと香織の手を掴んで離さず…
やがて香織の手からエクシアが離れ、アスファルトに叩きつけられる形で衝突した。
「あ……………っ!」
激突し、あちこちが破損したエクシア。
それを見たとたん、香織は光輝の手を振りほどいてエクシアを拾うと走って家まで戻った。
「お、おい!香織、どこに…」
光輝が後ろから叫ぶが、香織はもう聞いていない。
家に戻り、部屋に入ると彼女の手にはボロボロになったエクシアがあった…
―――――――――――
あの後、しばらく香織は泣き続けており落ち着く頃にはすっかり日が落ちていた。
「…やっぱり風当たり強いよなぁ」
ガンプラバトルというのは突き詰めれば『ただの遊び』。
GVR(ガンプラバトルVR)の発達によってアニメ『ガンダムビルドファイターズトライ』のように学生のガンプラバトル大会が開かれるようになっても、まだコンテンツとしては発展途上。
聞く所によると天之河光輝は中学でもそこそこの成績を残すほどの剣道少年らしく、スポーツマンである彼からしたら確かにガンプラはオタクのお遊びかもしれない。
でも…それが香織からガンプラバトルを取り上げたり否定したりする理由にはならない。
「ふーん。それでお姉さんの所に相談に来たってわけ?」
「はい…すいませんマギーさん」
ハジメが香織を家に送り届けたあと相談に来たのはGBNで色々と教えてくれたダイバー『マギー』がリアルで経営しているバー。
「いいのよ、あのサウスちゃんが女の子のことで相談があるって言ってくれたからお姉さん感激しちゃったけど」
因みにこんな口調だがマギーは長身の男性である。
『男性』である。
「でもまあ極端な話よね…ガンプラ女子なんて今時珍しくないし、ましてやその香織ちゃんが選んだのってエクシアでしょ?女の子人気高いSEEDやダブルオーのガンプラを可愛い女の子が持ってたって何の違和感も無いとお姉さん思うんだけどね」
「まあそうなんですけどね…僕もマギーさんもSEED機体使ってるわけですし、男女の区別なんていらないとは思うんですけど…問題はそこじゃないんですよ」
そう。
光輝と香織は『幼馴染』である以上彼と香織の接触はそうそう避けられない。
引き離すのは難しいが、この場合できることと言ったら…
「そうね…ならいっそ、その少年君が文句を言えないくらいの活躍でもしてみたら?サウス君、たしかもうすぐ受験だし…高校生になったらその香織ちゃんと一緒にGVRの大会に出て成績残せばいいのよ!」
「うーん………それは確かに魅力的ですが………実は問題がひとつありまして」
――――――――――
翌日の昼。
香織は親友の『八重樫雫』と一緒に昼食を食べていた。
「大丈夫、香織?まあ光輝のやらかしはキツいものがあっただろうけど…辛い時は私に言いなよ?」
「うん、ありがとう雫ちゃん…」
今日、香織は一度たりとも光輝と会話するどころか目を合わせてすらいない。
それほどまでに今回の出来事は香織にとって辛かったのだ。
すると、香織のメッセージアプリに通知が来る。
「え…南雲君?」
「南雲君って、たしか香織とガンプラ組んだって言う?」
「うん…でも、どうしたんだろう」
香織がアプリを開くと、そこにあったメッセージは…
『白崎さん!勉強教えてくださいお願いします!!』
のメッセージが表示されていた…
ガンプラ解説 フォースインパルスガンダム(ハジメ機)
腰に大型スタビライザーがついている所を除けば造形的には通常のフォースインパルスと変わらないが、大きな特徴として変形するシールドにザフト軍のマーキングが施されているところとフォースシルエットの黒い翼がメタリックバイオレットに変化されている。
多少の高速戦闘でも体制を崩さず安定した戦いが可能。