思ったよりマユの反響が大きくて驚きでした…
アンケートですが、今年いっぱいで締切となりますのでご了承ください。
感想、評価が作者の力となります!!
ハジメとユエが兎人族の少女『シア・ハウリア』や彼女と同行していた『ニコル・アマルフィ』、『マユ・アスカ』と出会ってから数十分。
ハジメ達はシアの『家族を助けて欲しい』という頼みを一応聞き入れ、シュタイフをもう一台出現させてともに移動していた。
「…それにしてもまさか、ニコルさんが魔力操作を扱えるなんて…」
「あ、ニコルでいいですよ?ハジメ君も僕とそんなに歳は変わらないでしょうし」
「だったら、僕のこともハジメでいいよ。敬語じゃなくタメ口にもするけど…」
そんなやり取りをしながら移動する2台のバイク。
因みにシアはハジメの後ろに乗り、マユはニコルの後ろに乗りながら移動している。
「………で、シアさん達の話をまとめると…まずニコル達は前世…『コズミック・イラ』の世界での記憶を引き継いだままこの世界で生まれ、それがハッキリしたのは1年ほど前と」
「ああ。僕もマユちゃんも幼い頃は教会で育てられて…そんな中で僕達が1年前、ステータスプレートを発行したんだ」
「そしたら私達の技能欄に『魔力操作』の技能があって…でも、教会としては魔物と同様の技能を持つ私達がいるのは宗教的な理由から忌避するべきことだと言ってました」
どうやら、そんな経緯があって彼らは教会から逃げ出しフェアベルゲン…亜人が住む国の近くまで流れたところをシア達ハウリア族に保護されたという。
「…でも、亜人族は人間族を敵視してる。どうして2人は受け入れられた?」
ユエの質問に答えたのは、シアだった。
「………私も魔力操作の技能を持っていたからです。本来は亜人は魔力を持たないのに私はそれを扱える。その上『未来視』と呼ばれる固有魔法が使えます」
どうやらその未来視は自身の危機が近づくと自動で発動する場合と自分の意思で発動させる二つのパターンがあるらしく、使える回数と必要なインターバルも決まっているがシアはその力を駆使してこれまで生き残ってきたのだという。
「………ですが、つい先日私の存在がフェアベルゲンの者たちにバレてしまい、ハウリアは樹海から追放。北の山脈を超えて新しい集落を築こうとしましたがそこで帝国兵と鉢合わせしてしまいました。しかもあの時はすでに魔力を使い切っていたので未来視も使えず…」
その結果半数近くのハウリアが捕まるか殺されてしまったらしく、シア達は魔法の使えなくなるライセン大峡谷に逃げてきたのだという。
「…ハウリアのみんなは戦闘能力は無いから、実質戦えるのは僕だけだった。でも武装のない状況ではみんなを連れて逃げるしか…!」
悔しそうな表情を浮かべるニコルにハジメ達は何も言えなくなる。
「…シアさんを連れて私達はこの峡谷に来たんですが、当初の予想が外れて帝国兵達は峡谷から出るための場所にテントを張って待ち構えています。私達がいずれ耐えられず出てくるのをおそらく狙ってるのかと………」
「そういうことだったんだね………わかった。なら………」
ハジメは一度バイクを停車させ、ニコル達に向き合う。
「…僕達は僕達の目的がある。だから………ハウリア族を助ける代わりに手伝って欲しいことがあるんだ」
――――――――――
ワイバーンのような外見の魔物…ハイベリアの群れが峡谷の中でハウリア族を襲撃している。
「みんな、岩陰へ逃げろ!!」
シアの父、カム・ハウリアが指示を出すが殆どが恐怖から逃げ遅れてしまい、ハイベリアの餌食になろうとしていたのだが…
「伏せてください!!」
どこからか聞こえてきた声とともに、ハイベリアの頭が吹き飛ぶ。
ハウリア達が周囲を見ると、ある一点から見慣れない乗り物に乗った謎の少年と自分たちの仲間でもあった少年の姿が見えた。
「ニコル、確か拳銃の成績良かったよね?」
「う、うん………って、本物ぉ!?」
ハジメがドンナーやシュラークとは別に開発していた試作拳銃をニコルに投げ渡し、2人はすぐさまハイベリアの群れに狙いを定める。
ドパンッ!!ドパンッ!!
ドンナーとニコルの銃弾がハイベリアの頭を貫き、次々とハイベリア達は墜落していく。
「な、何が…?」
いきなりのことにハウリア達は呆然としていると、見知った人物が走ってきた。
「父様~!!みんな~!!助けを呼んできましたよ~!!」
『シア!?』
――――――――――
ハジメ達の介入により、ほどなくしてハイベリア達は全滅。
ホルスターにドンナーをしまったハジメは代表であるシアの父、カムと改めて話をすることとなる。
「南雲ハジメ殿…で宜しいか?私はカム。シアの父にしてハウリアの族長をしております。この度はシアのみならず我が一族、そしてシアの同胞でもあるニコル殿やマユ殿までお助け頂き、なんとお礼を言えばいいか…」
「いえ…僕達も少しだけ力を借りたいことがありまして。実は………僕達の目的を達成するために一度ハルツィナ樹海まで戻る必要があります。その見返りという形になりますが…少なくとも樹海内部で無事に生活出来る様になるかの交渉を行う形になりますが…」
そんな会話の中でハジメはふと疑問に思ったことを質問する。
「ところで、随分と人間族に対しての警戒心が薄いような…ニコル達のこともですけど、人間族によってここまで追われたのにどうして僕のことをすぐ信用してくれたんですか…?」
本来ならシア達亜人族は被差別種族であり、ここにいるのもその人間族によって追われたせいだ。
にも関わらず人間族であるハジメの存在をすんなりと受け入れているカム達に疑問を抱いてしまう。
「確かに私達は人間族によってここまで追われましたが、あなた方のせいではありません…それに、ニコル君達もあなたもシアが信頼した相手なのです。だから我々も信じようと思いました………私たちは、家族なのですから」
(家族…ね)
カムの言葉を聞いてハジメの脳裏によぎったのはもう4ヶ月近く会っていない両親の顔。
どれほど辛い状況においても家族を信じようとするその姿は自分たちが忘れてはならないものだと改めて思い知ることとなるのだった…
「…みなさん。ここはまだ魔物がいつ現れるかわかりません。この峡谷を脱出しましょう」
ハジメがそう言うと宝物庫から3体のハロ(電撃、フラッシュなどの簡易攻撃が可能な戦闘タイプ)が出現してハウリア達を護衛するように周囲をくるくると回転する。
「ハロ達はハウリアの皆を守ることに専念。もし敵が近づいてきたら守ること優先でね」
『リョウカイ!リョウカイ!』
『シャーネーナ!シャーネーナ!』
『シビレルゼ!シビレルゼ!』
ハロ達の元気な返事を聞いたハジメが頷き、一同は大峡谷を抜けるべく歩き出した…
――――――――――
ハウリア達を連れてからおよそ30分。
近づく魔物達に応戦するためハジメは基本装備の他インパルスの武装を実体化させてのテストも兼ねて戦い、ニコルもハジメが貸したナイフや銃を使い着実に敵を倒していく。
やがて峡谷の出入り口である岩壁を削って造ったと思わしき階段が見えてくる。
「あの~…ハジメさん、もし帝国兵達がいたら…」
「戦うよ。正直殺すのは最後の手段にするけど…もしみんなの命を向こうが狙ってきたら、そのときは戦う」
ハジメとしては神と戦い教会と敵対する以上いつかは『そういう日』が来ると覚悟はしている。
だが、酷な言い方をするが帝国兵が亜人を奴隷にすることは残虐な犯罪ではなくこの世界においては『普通のこと』であり、それを『気に入らない』などの理由で命を奪うことにハジメは迷いを感じていた。
だが、彼らを制圧しなければハジメ達はハウリア族を樹海に連れていけない。
(…大丈夫。みんなを守るため………覚悟を決めろ、南雲ハジメ!!)
知らず知らずのうちにドンナーに伸びていた手。
その手はわずかながら汗ばんでいた…
――――――――――
ハジメ達が階段を上り切ると、そこには大型の馬車が数台と30人ほどのカーキ色をした軍服を着た帝国兵たちがいた。
「おいおいマジかよ。本当に生き残っていたとはな…隊長の命令だから仕方なく残ってたけど、いい土産話ができそうだ」
「小隊長!隊長が探してた白髪の兎人族もいますよ!俺達ますますラッキーじゃないすか!」
「小隊長~…女もかなりいますし、少しだけなら『味見』していいっすよね?」
「しゃあねえなぁ…2、3人程度ならな?」
ハウリア達に下卑た視線を向けてくる帝国兵に嫌悪感をあらわにするニコル達。
当然ながらハジメ、ニコルが帝国兵の目からハウリア族を守るために立つ。
「あ?お前ら…兎人族じゃねえよな?」
「はい、見ての通り人間です」
ハウリアを狙いしつこく網を張っていた帝国兵を素通りできるとは思えなかったハジメ達はあえて彼らと真っ向から向かう合うことにした。
「はぁ~?なんで人間族が兎人族と一緒に…そうかお前ら奴隷商人だな?情報掴んで追いかけたと。まあそいつら全員帝国で引き取るから置いてけ」
「それはお断りします。彼らはすでに僕が引き取っており、亜人奴隷の所有権は最初に手にした者…つまり彼らと契約を交わした僕らにあるんですよ」
とんでもなく上から目線にさすがのハジメも多少引っかかるものはあったが、あくまでも穏便に事を進めるため所有権を主張。
だが断られると思っていなかった帝国兵達は眉をひそめ、さらにガラの悪い態度になる。
「…おいガキ。口の利き方に気をつけろ。痛い目に遭いたくなかったらさっさと兎人族、そして後ろにいる女達も渡せ」
「…それは脅迫行為…でいいんですね?」
ハジメとニコルはコートの内側にこっそり手を忍ばせ…
「ああ?ったく状況がわかってねぇガキだな!お前らはいいから俺らの言葉を黙って聞いてry」
最後まで言い切る瞬間、ドパンッ!!という音が聞こえ男が膝をつく。
ハジメがドンナーに込めていた弾丸の一つ『非殺傷ゴム弾』を顎に撃ち込み、意識を刈り取ったのだ。
「っ!」
突然のことに驚く帝国兵だが、小隊長が倒れてもすぐに前衛が剣を持って後衛が呪文を唱え始める。
性格面が腐っていてもやはり実力主義の国出身なだけあり、戦闘力は紛れもなく本物だ。
だが…
「ふっ!」
ハジメがドンナーのゴム弾で敵の足などを撃って怯ませ、シュラークに込めた実弾が相手の剣やアーティファクトを破壊。
ニコルもまた帝国兵の背後に回るとアキレス腱を切り、行動できなくなるように武器や手などを銃で撃ち抜いていく。
片や奈落の底で地獄を見たハジメ。片や基礎能力に優れたコーティネイターでエリート軍人であり、『実戦』をいくつも経験してきたニコル。
実力があれど場数の差に帝国兵達は為すすべもなくほぼ全員が無力化され、残るは一人だけになった。
「お、お前ら!俺達にこんなことをして、ただで済むと…ひいっ!?」
腰を抜かしながらも啖呵を切る帝国兵に対してハジメはシュラークの弾丸をスレスレで撃ち、黙らせる。
「僕の質問に答えてもらう。そうすればここにいる他の兵士はもちろん、あなたの命も助かるかもしれません」
「他の兎人族はどうなりました?彼らの仲間をすでに何人も捕まえたと思うんですが…?」
ハジメ達が知りたかったのは自分達が出会う前に捕まったであろう兎人族の行方。
聞いた話だと捕まったのは100人規模だったため、移送に時間がかかるようなら助けるつもりだった。
「多分…全部移送済みだと思う。人数は絞ったから…」
その言葉にシア達が絶句するのが後ろからでも伝わり、ハジメはシュラークを握る手に力が入る。
人数を絞った。それはつまり、老人など『愛玩奴隷としての需要のない兎人族は殺した』という意味に他ならないからだ。
「………わかりました。それだけ聞けたら十分です」
そう言うとハジメは帝国兵の首をつかみ持ち上げる。
「ハジメ!?」
殺さないと宣言していたはずのハジメの行動に思わずユエが叫ぶが、ハジメは黙って帝国兵に視線を送っていた。
「ぐ………た、助け…」
「言ったはずです。あなたは『殺さない』。だけど………」
ハジメの体に僅かながら電気が流れていく。
「これはハウリア達の痛みのほんの欠片です。あなた達の『仕事』の代償…それを覚えてもなお奴隷として彼らを狙うのなら…もう僕は何も言わない」
それはハジメなりの落としどころ。
彼らが『仕事』で奴隷を使っているのがこの世界の常識であり、自分達が気に入らないからと彼らを殺すのは暴虐でしかない。
だが、彼らの行動は倫理的に目に余るのも事実でありこれを見逃していいものかと迷った結果…この行動に移った。
「奴隷を探すというのなら、『この顔』を覚えてくださいね」
そう言うとハジメは優しい笑顔になり、『纏雷』を使って帝国兵を失神させるのだった…
―――――――――
余談だがこの時ハジメが放った魔法『威圧』によって気絶していた帝国兵達も夢の中で彼の姿が焼き付いたらしく、飛び道具や電撃を使う魔物に対してトラウマを植えつけられたのは別の話…
次回予告
ついにたどり着いたハルツィナ樹海。
その中で出会ったのはこの世界の真実の一端に触れた者。
そして…『最弱』を狙う悪意。
混乱の中で見つかったのは、ハジメの知る『法則』から外れたモビルスーツだった…
次回、機動戦士ガンダムForce
第3話 亜人の森
神秘の森で何を語るのか、ガンダム…?
ハジメチームの量産MS、何がいい?(上位3体まで)
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アデル
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ジム
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ザクウォーリア
-
ザク
-
陸戦型ガンダム
-
クランシェ
-
マン・ロディ
-
ジェガン
-
M1アストレイ
-
ムラサメ
-
グフイグナイテッド
-
ティエレン
-
フラッグ
-
イナクト
-
その他(活動報告にて)