機動戦士ガンダムForce   作:狼牙竜

34 / 69
お待たせしました、第6話です!

もうすぐフェアベルゲン編も終わりが近づいてきました…

感想、評価をいつでもお待ちしています!!


第6話 大地の目覚め

森に入って9日目。

 

ハウリアの意識改革を行ってから彼らはメキメキと戦いの腕前を上げ、ペアで魔物を狩れるくらいには成長していた。

 

「隊長!目標の魔物を狩ってきました!」

 

若い男性のハウリア達5組を筆頭に全員が戻り、そこには魔物達の残骸が纏められていた。

 

 

「お疲れ様です。あとは…これから行う卒業試験の後に渡したいものがあります!今から明日の朝まで自由時間にしますので、もう少しだけ頑張りましょう!」

 

『はいっ!!』

 

自然と統制が取れているものの、彼らの目には確かな実力を身につけたという自信が見て取れる。

 

(…これなら、樹海で見つかった『あれ』を預けても大丈夫かもしれない)

 

ハジメは訓練の合間にニコルから呼び出され、樹海で発見された5機のモビルスーツについてどうするか話し合っていた。

 

 

「…ブリッツはニコルに預けるとして、ガイアと他2機も操縦系統はザフト製モビルスーツだったから基本操縦を彼が教えれば問題ない。でも…陸戦型ガンダムはどうしようかな…」

 

別次元でのモビルスーツなためブリッツ達とは操作が異なったのだが、幸いなことに操縦はブリッツ達より簡略化されていたらしい。

そのためハジメは陸戦型ガンダムをこのままハウリアに預けるか、それとも後でミネルバに格納して解析するか判断に迷っていたところだった。

 

 

「…ハジメ、お疲れ様」

「ユエさん。シアさんの様子は…?」

 

ふと気が付くとユエが戻ってきており、ハジメはそれとなくシアについて尋ねる。

 

「…魔法の適正はハジメと変わらないけど、膨大な魔力を全て身体強化に特化させてる。単純な力技ならハジメに次ぐレベル」

「生まれつきの才能でそこまで行くんだ…因みに、具体的なスペックは?」

「………推測だけど、今のハジメの6割くらい。でもまだ成長段階」

 

その話を聞いてハジメは驚く。

 

「…これ、近い将来僕よりはるかに強くなりそう。ユエさんも油断してると傷つけられちゃうかもよ」

「…大丈夫。まだ負けない」

 

ユエはシアから『どんな小さな傷でもつける』というルールでユエと手合わせしており、この様子だと本当に負けそうに思えてきたためユエは一抹の不安を抱えていたのだった…

 

 

――――――――――

 

 

その日の夜。

ハジメ達が寝静まった頃、森の中を歩く複数人の男達がいた。

 

「レギン殿!まもなく『機人』のある場所にたどり着きます!」

「ああ…」

 

完全武装していたのは以前ハジメによって吹き飛ばされた熊人族の若き戦士、レギンを筆頭とした戦士達。

族長のジンがあっさり敗北し、格下と侮っていた人間族の子供に負けたという事実から自信喪失しかけていたのを見て、仇討ちと言わんばかりに若い戦士たちを集めて動いていたのだ。

 

「しかし、よろしいのですか?機人を勝手に動かすなど…」

「構わん!どうせやつも機人を使う以上、我々が同じものを数人で使えばどうとでもなる!」

 

亜人達は自らの族長達が課したルールによって機人…モビルスーツの使用を禁止されている。

それは単に彼らがそれの扱いを知らないことだけでなく、その秘めたる力を警戒してのこと。

しかし、ハジメがインパルスガンダムを持っていたことから自分たちも同じだけの力がなくては対処できないと考え、モビルスーツを使いハジメ達を暗殺しようとしていた。

 

 

 

 

 

「レギン殿!みつけました!」

 

部下の報告にレギン達が向かうとそこには緑色でモノアイを持ち、左肩にスパイク付シールドを装備した機体…『ザクウォーリア』と四足歩行の犬を思わせる青みがかったモビルスーツ『バクゥ』が鎮座している。

 

「これさえあれば…ええい、使い方などどうにでも…ん?」

 

コックピットまで登ろうとしたレギンだが、ふと近くの茂みに気配を感じる。

 

 

「何者だ!?」

 

レギン達が武器を抜いて威嚇すると、そこから出てきたのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

紫色のキャタピラのような触手が、近くにいた熊人族の首を切断してその首を茂みの奥に引っ張っていく。

 

「ひっ!?ひいいいい!?」

 

突然の仲間の死に動揺する一同。

だが、さらに二つの触手が迫り…

 

 

 

夜の樹海に男達の悲痛な叫びが響いたのだった…

 

 

 

――――――――――

 

翌日。

カム達の特訓の間にハジメはニコルと共にガイア、ブリッツのメンテナンスを行っていた。

 

「ニコル…ブリッツの改造プランだけどどうする?」

「うーん………とりあえず、もう少しだけ武装増やしたほういいかも。ブリッツは連合の試作機って扱いだったから、武器も限定的なのしかないからね…」

 

そんなやり取りをしていると、一人の少年が走ってくる。

 

「は、ハジメお兄ちゃん!!」

「パル君…何があったの?」

 

来たのはハウリアの年少メンバーでもあるパル。

その慌てぶりにハジメ達は何かがあったと察して質問する。

 

 

「く、熊人族が近くで倒れてて…死体もあって…!」

 

その報告を聞いたハジメはニコルに目配せをし、現場に向かう。

 

 

 

 

――――――――――

 

 

現場に訪れたハジメが見たのは、ガタガタと木陰で震えハウリア達に介抱されていた数人の若い熊人族達。

 

 

「あ、ハジメ部隊長!」

「カムさん…一体、何があったんですか?」

 

カムに事情を尋ねるハジメ。

因みに戦い方を教えた影響からか『部隊長』と呼ばれるようになったハジメである(カムは族長と普段呼ばれるが、戦闘や訓練の際は隊長呼びに変更された)。

 

「それが…どうやらこの者たち、私達の命を狙っていたらしいのです。部隊長が熊人族の長であるジンに勝利したことがよほど腹に据えたのでしょう…」

「なるほど…でも、どうして彼らはあそこまで怯えて?」

 

 

すると、震え声で熊人族の一人が語りだした。

 

「お、俺達…あんたの機人を倒すために森で見つかった機人を動かそうとしたんだ………でも、でも…!!森の中で変な魔物みたいなやつが出てきて、仲間の首を…!」

 

 

すると、遠くで爆発音が聞こえてきた。

 

「や、奴だ!もう俺達を追いかけてきたんだ…!うあああああ!!!」

 

頭を押さえて悲鳴を上げる熊人族達。

その様子を見たハジメはカムに対して指示を出す。

 

 

「カムさん、彼らのことをお願いします!僕は敵を抑えてきますのでニコル達にも伝えてください!」

 

 

 

そう言うとハジメはその場から走り出し、インパルスのガンプラを取り出すと叫ぶ。

 

 

「来い!コアスプレンダー!」

 

ブレスレットにしたアリスタが輝き、ハジメは実体化したコアスプレンダーに乗りながら発進。

 

空中から敵の姿を確認しようと旋回するが、そこでハジメは2機のモビルスーツを発見する。

 

 

 

 

「あれは陸戦型ガンダムと………あれは、デスビースト?」

 

視界に映ったのは倒れた陸戦型ガンダムと、それを攻撃していたのは灰色に近いカラーリングをした『デスビースト』に似たモビルスーツらしき存在。

 

(あの陸戦型ガンダムに誰か乗ってる…?だったら!)

 

コアスプレンダーが上空からデスビーストに似た機体…『エルドラブルード』に機銃を撃ち込んで意識を逸らすと、ハジメは残ったパーツを実体化させる。

 

 

「ドッキング開始…!」

 

飛来したチェストフライヤー、レッグフライヤーと合体し、さらに飛んできたフォースシルエットと合体することでハジメのコアスプレンダーはフォースインパルスガンダムに変形。

 

ビームサーベルを抜いたインパルスは、エルドラブルードに斬りかかった。

 

 

―――――――――

 

 

一方、ユエとの『約束』のための戦いにひとまずの決着をつけたシア。

2人は爆音を聞きつけてニコル達の元へと走り、マユとニコルの姿を発見する。

 

 

「マユちゃん!一体何が!?」

「わ、わかりません…でも、熊人族の人達が何かに襲われたらしく…きゃっ!?」

 

さらによく見ると、少し離れた場所から爆炎が上がっている。

 

 

「あの煙の量…間違いなくモビルスーツが戦ってる!」

「じゃあ………ハジメが!?」

 

ニコルの言葉に反応するユエ。

それを知ったニコルは急いでブリッツを起動させるべく動こうとする。

 

 

 

 

(ハジメさんが戦ってる…モビルスーツ…ガンダムで?)

 

またしてもハジメは戦火に身を投じている。

目的があるとは言え、ハウリアを…自分達を守るために彼はまた先頭に立っている。

 

 

『シア…もしあなたがハジメについて行こうと思うなら、一つだけ約束して』

 

思い出すのは、ユエから特訓の合間に伝えられたメッセージ。

 

 

 

『ハジメと一緒に戦うつもりなら…私の手が届かないとき、ハジメを支えて…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は………ニコルさん!」

 

シアは気が付くと大声でニコルを呼び止め、周囲がシアに注目する。

 

 

「…どうしたの、シア?」

「………お願いがあります。私に―――――」

 

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

狭い森の中で翼の大きいフォースシルエットが邪魔になるのか、苦戦を強いられるインパルス。

 

(かといってセイバーもそれなりに翼があるし、バーストじゃ周囲を焼き払う…いっそシルエットを外すか、もっと広い場所に…)

 

だが、次の瞬間インパルスの背中が爆発。

 

 

「うああああ!?」

 

後ろを見ると、そこには発見されたモビルスーツの一つであるはずのバクゥがレールガンを使っていた。

 

 

「バクゥが誰かに奪われたのか!?でも、誰が…ぐうう!?」

 

突然のことに混乱する中、もう1体のエルドラブルード、さらに原型と思われる『デスアーミー』が出現し、不意を突いてインパルスを攻撃。

 

あっという間に4対1となり、劣勢になるインパルス。

 

(まずい…コアスプレンダーを破壊されないようにするならシルエットは外せない!でもここじゃまともに動きが…)

 

絶体絶命の危機に陥り、自然と操縦桿を握る手に力が入り…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『おおおおりゃあああ!!』

 

突然聞こえてきた気合の入った声とともに黒いバクゥに似たシルエットのモビルスーツがバクゥに体当たり。

さらにエルドラブルード2とデスアーミーに対してビームが飛び、咄嗟に避ける。

 

「ブリッツ…ニコルか!でも、そのガイアとザクは…?」

 

助けに来たのはニコルの駆るブリッツとパイロット不明のガイアガンダム、そして発見された今のところ最後のモビルスーツ『ザクウォーリア』。

すると、ガイアとザクから通信が入る。

 

 

「ハジメさん!お手伝いにきました!」

「部隊長!あの棍棒持つ小さいのはこのカム・ハウリアにお任せあれ!」

 

なんとガイアのパイロットはシアで、ザクのパイロットはカムだったのだ。

 

「2人とも…どうして!?」

「私達、散々ハジメさん達に救われてきたんです!少しはいいとこ見せないと、女が廃るってものですよ!」

「ハジメ殿への恩義…万分の一でも返させてください!」

 

ガイアはインパルスと同型のビームサーベルを抜き、ザクもまた武器であるビームマシンガンを構える。

 

 

「2人とも、僕の言ったとおりに操縦するようにね!」

 

ニコルの言葉に頷くガイアとザク。

 

「了解ですぅ!シア・ハウリアとガイアガンダム!守るために、戦います!」

「はい!カム・ハウリアとザクウォーリア!家族のためにその身を捧げる!」

「なら僕も…ニコル・アマルフィとブリッツガンダム!対象を破壊します!」

 

インパルスと並び、動き出す3機のモビルスーツ。

 

樹海を巡る大きな戦いが動き出した…!

 

 

 




次回予告
激突する8機のモビルスーツ。
激闘の末、ハジメは大迷宮にたどり着くことができるのか?

次回、機動戦士ガンダムForce
第7話 信念と誓いと

家族のために…戦い抜け、ザク!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。