仕事に少し余裕が出来たので、もう少しだけ更新頻度上げられるかもしれません。
感想、評価が作者の力となります!!
バクゥの高速移動に翻弄されながらも反射的にビームサーベルで対応しようとするガイアガンダムだが、操作ミスなのか前のめりに倒れてしまう。
「うわあああああ!?や、やっぱり簡単にはいかないですぅ…」
「シアさん、気をつけて!」
インパルスがビームライフルでバクゥを牽制しつつ、攻めてきたエルドラブルード1と接近戦を繰り広げていく。
(もう少し…せめてもう少し広いところに出れば『新兵器』が使えるのに…!)
「シアさん…少し離れるけど、大丈夫そう?」
「は、はいです!私がどうにかあの犬型を倒してみせます!」
力強く頷いたシア。
その様子を見てインパルスは何かを召喚し、ガイアに投げ渡す。
「これ使って!」
「ええ!?って、何ですかこのドデカなハンマーは!?」
ハジメが宝物庫から取り出したのはガイアの全長とほぼ同じサイズの巨大なメカニカルハンマー。
にも関わらず一部に魔法陣などのデザインが落とし込まれた、近代的なデザインとファンタジーなデザインが融合した新装備。
「それはモビルスーツ専用アーティファクト『ボーディンドリュッケン』!強力な破砕系魔法と機体を守るための結界魔法を取り込んだ近接用武装だ!」
ドイツ語で『地面』を意味する単語を織り交ぜたそのアーティファクトを持ったガイアは、バクゥが迫る中でボーディンドリュッケンを振りかぶる。
「でええりゃあああああ!!!」
気合の入った可愛らしい掛け声とともにハンマーが地面に打ち込まれ…
地面が大きく揺れ、バクゥの足元に地割れが起きる。
「もらったですよおおぉ!!」
抜けなくなったボーディンドリュッケンを手放すとシアはコックピット内部であるコマンドを入力し、ガイアは四足歩行をするバクゥと似たシルエットの『モビルアーマー形態』に変形。
一気に加速しながら背部の『ビームブレイド』でバクゥを一刀両断し、撃破に成功する。
「ですぅ!!」
――――――――――
フェアベルゲンの近くではブリッツとザクウォーリアがデスアーミー、エルドラブルードの2体としのぎを削り合っていた。
「くうっ!」
ザクウォーリアはビーム突撃銃を使ってデスアーミーを牽制しているが、デスアーミーは構わずにフェアベルゲンの付近まで接近していく。
「カムさん!絶対に敵をフェアベルゲンに入れてはいけません!」
ブリッツはアンカー『グレイプニール』でエルドラブルードを捕縛し、必死に引っ張っていく。
「ニコル殿…でしたら、私に一つ策があります!」
ザクウォーリアはビームトマホークに持ち替え、デスアーミーの腕を破壊。
すぐさま通信で作戦を伝え、できる限りフェアベルゲンから遠ざけるべくタックルをする。
「敵を一箇所に集めてください!」
「わかり…ました!!」
グレイプニールを全力で引っ張り、デスアーミーとエルドラブルードが激突。
その隙にザクウォーリアがビームトマホークを投げつけ、エルドラブルードの頭に突き刺さる。
「これでも…」
「くらええ!!」
ザクウォーリアは腰のグレネードを投げつけ、ブリッツは右腕の複合武器『トリケロス』から実体槍『ランサーダート』を二発撃ち込んでデスアーミーとエルドラブルードに突き刺すと、ビームライフルに切り替える。
ザクウォーリアのビーム突撃銃とブリッツのビームライフルがそれぞれの武器に着弾し…
大爆発とともにデスアーミー達は粉々に砕け散った。
――――――――――
ニコル達の勝利を感じたハジメは、眼前のエルドラブルードを倒すべくビームサーベルを二本抜いて応戦し、胸部マシンキャノンでエルドラブルードをひるませようとする。
「くっ!こいつ、怯む様子がない!?」
エルドラブルードはバックパックのビームキャノンでインパルスを攻撃し、インパルスは陸戦型ガンダムのある場所まで吹き飛ばされてしまった。
「うぅ…僕達、どうなって…?」
陸戦型ガンダムのコックピットでフレディ達は目を覚ますと、目の前のモニターにはエルドラブルードと戦闘しているインパルスの姿が。
「僕達を守ってる…?」
「みたいっすね…?いや、多分あのモビルスーツと敵対してるだけかも…」
リヒティが答えるが、若干圧されているインパルスを見てられなかったのか近くのレバーを掴む。
「ちょ、ちょっとリヒティ!?」
「操作方法なんてわかんないっすけど…でも、どうにかしたいって気持ちはクリスにもわかるっすよね!」
「う、うん…」
操作方法がわからない中でも彼はこの状況を覆すべく動こうとする。
「攻撃できなくてもいい…動きさえすれば敵は隙を見せてくれるはず…」
意を決してリヒティはレバーをつかみ…
「いっけええええええぇえぇええ!?」
「「あああああ!?」」
動かそうとするが陸戦型ガンダムが動いた衝撃で操作を誤り、トリガーを引いてしまう。
突然動き出した陸戦型ガンダムに気を取られるインパルスとエルドラブルードだが、なんと陸戦型ガンダムから放たれた胸部バルカンがエルドラブルードに被弾して動きが鈍る。
「っ!」
そのチャンスを見逃すハジメではない。
インパルスは片方のビームサーベルを投げつけてエルドラブルードの左肩を破壊。
続けてビームライフルを使って4本の足のうち半分を撃ち抜いて機動力を奪い…
「シルエットチェンジ…セイバー!」
赤い翼のバックパックが装着され、刀『シロガネ』を出現させたインパルスはその刀で縦一文字にエルドラブルードを切断。
一拍遅れ、エルドラブルードが爆発を起こした…
――――――――――
決着がつき、インパルスから降りてユエ達と合流したハジメ。
「あれ?カムさんとニコルは…?」
「ん。二人は今回の一件についてフェアベルゲンの長老達と顔を合わせに行った。未遂とはいえ熊人族達はハジメやハウリアを狙っていた…ハジメとの契約に反すること」
ハジメがフェアベルゲンと交わした契約は『ハウリアは死んだ存在として扱い、危害を加えない』というもの。
にも関わらず、しかもハジメがいる段階で報復として攻撃をしてきた彼らの存在は契約違反に当たるため下手をすればフェアベルゲンが滅ぼされてもおかしくないのだ。
「まあ今のカムさんならフェアベルゲンの長老に臆するなんて無いとは思うけど…でもまあ、これでひと段落ついたね」
その言葉の意味を悟るシア。
「…それは、迷宮を攻略して樹海を出ていくということですか?」
「うん。もうシアさん達は僕がいなくても十分やっていける。家族を守るために強くなれたし、仮にここを出て行ってもどうにか一人で生きて…」
そこまで言うと、ハジメの前にシアが立つ。
「シア…さん?」
「ハジメさん。私…ずっと伝えていなかったことがあります」
――――――――――
シア・ハウリアにとってこの世界は小さく、そして生きづらい世界だった。
人とは違う力に自身が怪物だと苦悩し、外に出ることすらままならない。
何より、優しい家族に苦労をかけているという事実は純粋で心優しい少女に暗い影を落とすには十分すぎた。
「私、思ったんです。こんな力を持って生まれてきたのは何故だろうって…家族を危険に巻き込んで、一人、また一人と死んでいって…挙句の果てに皆が罪人か奴隷のどちらかの道しか選べない…こんな疫病神に生きる意味があるのかって…」
だが、目の前の優しい少年は彼女の暗い未来を切り開いた。
「あの日までなんの縁もない私のために、ハジメさんは本気で怒ってくれた」
『生きる価値が無いのは………彼女の痛みを、苦しみを何一つ理解しようとしないで切り捨てるアンタ達だああああ!!』
「私達の未来を守るためにフェアベルゲンに真っ向から立ち向かってくれた」
『ハウリアはこれ以上誰も死なせないし殺させない。ここであなた方の提案を受け入れたら僕達は約束を守れない単なる人でなしになります………それだけは、絶対にしたくない』
そのまっすぐな思い、どんな理不尽にも立ち向かう強い意思にシアは惹かれていた。
「ハジメさん………私はあなたが好きです!私の『運命』を切り開いてくれたあなたのことを、もっともっと知りたいんです!だから………
私も旅に連れて行ってください!!」
樹海の中で一人の少女の覚悟の言葉が木霊するのだった…
――――――――――
一方、シアの行動を察したユエは空気を読んで陸戦型ガンダムの方へと歩いて行った。
「…私はユエ。愛弟子を応援するために空気を読む女」
そんな独り言を呟きながらユエが陸戦型ガンダムの傍まで来ると…
「あ~!!すいませ~ん!」
そこには元気に手を振るフレディ達の姿がある。
「………あなた達、誰?」
どうやらフェアベルゲンの災厄は過ぎたが、まだひと段落残っているらしい。
その頃。
首を切断された熊人族の遺体の前に一人の女が立つ。
「…生体ユニット、回収」
銀髪の『戦乙女』と言えそうな服装をした女は、熊人族の遺体を担ぐと忽然と姿を消したのだった…
次回予告
樹海を旅立つ日がやってきた。
新たな仲間を引き連れて、ハジメ達は街へと旅立つ。
一方、ホルアドの勇者パーティは…?
次回、機動戦士ガンダムForce
第8話 人の世へ
新たなる旅立ち…踏み出せ、ブリッツ!