なんか書いてて段々ハジメ君が魔王と乖離していく流れになっていき、このまま別人のようなルートでやるべきか考えるように…
感想、評価が作者の力となります!!
フェアベルゲンを離れてからおよそ3時間。
そろそろ最寄りの街に着く頃だと考え、ハジメ達は二輪から降りると徒歩で街に向かった。
「ステータスプレートを。あと、街に来た目的は?」
「はい…目的は素材の換金と、食料や物資の補給です」
小さな町、ブルックに訪れたハジメ一行。
その中でステータスプレートを所持していたハジメ、ニコル、マユがそれぞれプレートを見せる(魔力操作の技能やハジメのステータスなどの情報は隠蔽を行っている)。
「そっちの5人は…」
「あ~…その、樹海の方で魔物の襲撃を受けちゃいまして…あと、後ろの2人は…ね?」
後ろに隠れていたシアとフレディの『首輪』を見て、大体のことを察する。
「…なるほど。随分と珍しいな。白髪の兎人族に獣の要素が強い犬人族とは…あんた、案外金持ちだったり?」
「さあ?どうでしょう?」
やがてハジメ達は門番から渡された小さい地図を頼りに町に入っていく。
――――――――――
「なるほど…まずは冒険者ギルドで素材の換金か…」
地図に書かれていたメモを見て歩くハジメ達だが、シアとフレディの顔が少し暗い。
「ごめんってば…でも、こうしないと後々面倒なんだよ?」
「わかってはいるんですよ…でも、なんというか…」
「ハジメさん…流石にいきなり首輪をされて落ち込むなってほうが無理なんです!!」
シアが半泣きで叫ぶが、ハジメは何とかして落ち着かせる。
「一応説明するけど、奴隷の扱いを持たない亜人は人間族の街を歩けないんだ。それに…」
頭を掻いたハジメは説明をする。
「フレディは亜人としては珍しい、人間より獣の要素が強い外見なわけだし…シアさんは髪色だけじゃなく容姿も可愛いんだから余計な騒ぎに………って、何クネクネしてんの?」
呆れ顔のハジメを他所に、シアは恥ずかしそうに身をくねらせる。
「も、もう何言い出すんですか!世界一可愛くて魅力的だなんて…」
「そこまで言ってない!!」
シアのセリフに思わず叫ぶハジメ。
そんなやり取りの中で彼らはギルドへと向かっていく。
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(やっぱりホルアドのギルドと外観は変わらないんだ…)
以前ホルアドを歩いた時に見かけたギルドと外観が変わらなかったことを思い出したハジメは、先頭に立ってギルドに入る。
「ここが本物のギルドか…」
小説やゲームなどでありがちな『酒場と併設になったアウトローな雰囲気』とは異なり、清潔感がある小綺麗な場所だった。
「なんていうか…喫茶店みたいですね」
「うん…」
ニコルの言葉に同意するハジメ。
中にいた冒険者達はハジメ達に視線を向けると、後ろにいたユエやシア、クリスとマユに視線を向けてきた。
ユエやシアは勿論のこと、ソレスタルビーイングでオシャレに気を遣うだけあってクリスも中々の美人でありマユも容姿端麗なコーディネイターなだけあってか男性たちの目を引くが、誰一人として異世界小説でありがちなちょっかいをかけてくる相手はいない。
ハジメが内心ホッとしながらカウンターにたどり着くと…
「キレイな花を4つも連れているのに、まだ足りなかったのかい、お兄さん達?」
受付にいたのは恰幅のいいおばちゃん。横幅がユエ2人分くらいある、笑顔の似合う受付だった。
美人の受付など幻想だったと突きつけられた気分のハジメ達だが…
「あははは、女の勘を舐めちゃいけないよ?男の単純な中身なんてアタシくらいになると簡単にわかっちまうんだからね。まあ、そっちの男前君と坊やはそんなこと考えなかったみたいだけど…」
フレディとリヒティが小さく笑い、ハジメとニコルはぷいっと目をそらす。
どうやら、このおばちゃんのお陰でここの冒険者たちの素行がいいらしい。
「…っと、そういえば忘れかけてましたけど…素材の買取、お願いします」
「あいよ。じゃあステータスプレートを出してくれるかい?」
そう言われ、ハジメ達は疑問に思いながらもプレートを出す。
「何でって顔してるね?冒険者だとわかれば、買取金額が一割増しになるんだよ。他にも宿の割引やら馬を安値で借りられたり…冒険者の行動で素材だのは手に入るから、それくらいの恩恵はあるのさ」
「なるほど…あの、僕達持ち合わせがないので、買取金額から冒険者の登録料差し引いてもらっていいですか?」
登録しておけば後々役に立つだろうとハジメ達は冒険者登録を頼む。
「可愛いお嬢ちゃん達連れて文無しかい。今回はおまけに登録後の値段で買ってやるから安心しなよ」
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その後、ハジメ達は買取金額の『50万3千ルタ』を受け取る。
「意外と高額買取ですね…」
「そりゃあ、樹海や峡谷の魔物の素材なんて貴重も貴重。並みの冒険者じゃ挑むことすらできない魔境だよ?これでも登録料引いてるんだけどね」
お金を受け取ると受付のおばちゃんは地図を渡してくる。
「町の簡素な地図さ。オススメのお店や宿も纏めてるから、参考にしな」
「って、これ立派なガイドマップじゃないですか…普通にこれで商売できますよ?」
「なぁに、アタシが趣味でやってる程度さ。『司書』の天職持ちなら朝飯前だよ」
立派な地図をもらい、ハジメ達はギルドを後にすると今夜の寝床を探すため動き始めた。
――――――――――
一同が訪れたのはこの街でもかなり人気の宿で、名前は『マサカの宿』。
少し割高だが、その分食事と風呂がついてくるため資金に余裕のできたハジメ達は迷うことなくこの宿にチェックイン。
因みに部屋割りで多少揉めた(主にユエとシア)が、ハジメの計らいにより
『ハジメ、ニコル、フレディ』
『ユエ、シア、マユ』
『リヒティ、クリス』
の三つに別れることになる。
…なお、リヒティ達の部屋に関してはハジメによる珍しい邪念のこもった考えであることは言うまでもない。
「さて…これで男子組は全員だよね?」
クリス主体で食料品やシア達新規女子メンバーの洋服などを揃えるため買い物に出かけた女子達だったが、ハジメは男性メンバーを揃えて今後について話をすることにした。
「…とりあえず明日にでもライセン大峡谷に行き、迷宮攻略を始めたいと思います。それで…」
一度言葉を切るハジメ。
「………今回行くメンバーは僕、ユエさん、シアさん、ニコルの4人。リヒティさんとフレディ、マユちゃんとクリスさんには頼みがあります」
「頼み…っすか?」
リヒティの言葉に頷くと、ハジメは語りだした。
「今回の戦いで、樹海にモビルスーツがあることが判明しました。おそらくですが、今後もモビルスーツが見つかる可能性は高い。なので…それを運用するための準備をして欲しいんです」
ハジメはオルクスの宝物庫を指から外す。
「リヒティさん。今回残ってもらうメンバーには、僕が以前作って今はオルクス大迷宮に保存しているモビルスーツ運用戦艦…『ミネルバ』が運用できるか、操縦訓練などをして欲しいんです。それさえできれば、僕たちの活動範囲はより広がりますので」
そういったハジメの目には…強い光が見えた。
――――――――――
ハイリヒ王国のどこか。
薄暗い階段をアリー・アル・サーシェスは一人歩いていた。
「よお、その後『ガンダム』君の完成具合は?」
ニヤニヤと笑みを浮かべたサーシェスは軽薄に聞くと、聞かれた青年は嫌そうな顔をする。
「テメェ、俺の前でわざわざその名前を強調するか…?」
殺意をぶつける『赤髪の青年』に対し、サーシェスはどこ吹く風。
「…まあいい。見ての通りこの低レベルな技術しかねえ人間達にしちゃあ、よく頑張ってる方だな」
サーシェスと青年の眼前にそびえ立っていたのは、金色の鎧を纏った巨大なモビルスーツ。
その頭部デザインと見れば、多くの人が『ガンダム』と答えるであろうV字アンテナのモビルスーツ。
しかし、ハジメ達がその頭部を見たらこう呼ぶだろう………
『Ζガンダム』と。
「拾いもんのガンダムの頭をわざわざ兄弟のモビルスーツに据え付けるなんて面倒、よくやったもんだな?え?」
「あのお花畑勇者のことだ。どうせ元の顔じゃ俺達を疑うだろうしな…嫌な顔だが、仕方ねえよ」
Ζガンダムの頭を持った金色の騎士にも見えるモビルスーツ…だが、『臀部から見える尻尾』だけがその隠された異質さを表している。
「…『ガンダム・ギラズィ』…勇者のガキ専用モビルスーツってわけか…こりゃあ、今後のこのゲームが楽しみになるぜ」
邪悪な笑みを浮かべて赤髪の男…『デシル・ガレット』はサーシェスと共にこれからの波乱に楽しみを抱くのだった…
次回予告
第2の迷宮クリアを目指し、死の峡谷を彷徨うハジメ達。
だが、そこは正気を保つのが苦難と思えるほど、ある意味過酷な試練が待ち構えていた…
次回、機動戦士ガンダムForce
第10話 突撃、死の大峡谷
苦難の挑発に…負けるな、インパルス!