機動戦士ガンダムForce   作:狼牙竜

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長らくお待たせいたしました!

間もなく2章も終わり、第3章に移行します!

仕事の疲労か筋肉の炎症で体を動かすのがキツイ状態に陥ってしまいました…


感想、評価が作者の力となります!



第15話 悪魔のシステム

サタンミレディガンダムのコックピットが破壊され、力なく倒れたのを確認したハジメ達はようやく戦いが終わったと息を吐き、それぞれのモビルスーツから降りる。

 

 

「今度こそ終わった…?」

「ん…コックピットを正確に破壊したから間違いない」

 

ユエがコックピットを覗き込むと、原型をとどめないレベルで爆発したのか、コックピットはボロボロになっていた。

 

 

「ってことは…初勝利ですぅ!!」

 

シアが喜び、エクシアを手に握ったハジメも合流する。

 

「お疲れ様、シアさん、ニコル」

「ん…ニコルはもちろんだけど、最後のシアの一撃は迫力があった…」

 

従軍経験のあるニコルはともかく、元々争いと無縁だったシアが1月ほどでここまで戦いにおける結果を出したことはハジメ達にとって予想外だったらしく、ユエの素直な褒め言葉にシアは照れ笑いを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

『あ、あの~…楽しそうな雰囲気で悪いんだけど、そろそろヤバイからちょっとこっちに注目してくれないかな~』

 

「「「「!?」」」」

 

後ろから聞こえてきたミレディの声にハジメ達は反射的に武器を手に取る。

 

よく見るとサタンミレディガンダムの目がまだ光っており、どこかについたスピーカーから喋っていたらしい。

 

『ちょっ!もう大丈夫だって!試練はそっちの勝ち!モビルスーツの内部にエネルギーがまだ残ってるから少しだけ話す時間をとっただけだよ~』

 

しかしどうやらミレディに戦う意思は無いらしく、ガンダムの目も光が点滅している。

 

 

「話とは…?」

『話っていうか…アドバイス?君の望む魔法が手に入らなくても、残る5つの神代魔法は必ず手に入れること…君達が元の世界に帰るのにもあの神を滅ぼすのにも、私達の神代魔法は必ず必要になるから…』

「…だったら、残る5つの迷宮の場所を教えてください。貴女達が表舞台から姿を消して、少なくとも500年以上は過ぎています。だから情報が失われていて分からないんです」

『そうなんだ…そっか、もう迷宮の場所がわからなくなるほどの時間が外では過ぎていったんだね…うん、場所………場所はね…」

 

砂漠の中央にある『グリューエン大火山』。司るは『忍耐の試練』

 

西の海の沖合周辺にある『メルジーネ海底遺跡』。司るは『狂気の試練』

 

聖教教会総本山『神山』。司るは『意思の試練』

 

東の樹海にある『大樹ウーア・アルト』。司るは『絆の試練』

 

そして最後は大陸南側、その東にある『シュネー雪原氷雪洞窟』。司るは『真実の試練』

 

 

『…以上だよ。あとは頑張ってね』

「はい…ありがとうございます」

『いいってことだよ…それより、色んな仕掛けでイラつかせてごめん…でも、あのクソ野郎共はホントに嫌な奴でさ…これを乗り越えられたら、きっと大抵の嫌がらせじゃ揺さぶられることはないはずだから…』

 

 

 

『………でも、君達は自分の信じた道を進めばいい。それが……その選択がきっと、この世界の『最良』だから…』

 

 

そしてサタンミレディガンダムから小さな光が天へと登っていく。

その様子を見てユエが静かにミレディに近づいていった。

 

『どうしたの…?』

 

「…お疲れ様。よく頑張りました」

 

自分よりも遥かに長く、孤独に身を投じた偉大な先人に対するユエなりの労いの言葉。

それに続くようにハジメやニコルはザフト式の敬礼をし、慌ててシアも同じ礼を取る。

 

 

 

(……………あっ)

 

ユエとミレディの最後のやりとりを見ている中でハジメは『あること』に気がつき、表情が引きつる。

 

 

 

 

『…さて、時間だね………君達のこれからが…自由な意思の下に…あらんことを……』

 

オスカーと同じメッセージを残し、『伝説の解放者』の一人は天へと消えていった…

 

 

 

――――――――――

 

 

ミレディの気配がガンダムから消えると、周囲に浮いていたブロックが一列に並び、一つの道を作り上げた。

 

 

「…最初は根性がねじ曲がってると思ってましたけど、ただ一生懸命な人だったんですね」

「………ん。ずっと希望を求めて孤独の中で戦っていた。きっと、すぐ他の仲間と会える…そう信じたい」

 

女子達が会話をしている中、ハジメは物凄く微妙な表情をしていたが…

 

 

「…ねえ、ハジメ。今更気づいたんだけど…」

「ニコル。今は言わないほうがいい」

 

どうやらニコルもまた気づいたらしい。

それでも何も言わずに通路を進んでいき…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヤッホー!さっきぶり!ミレディちゃんだよお!」

 

「「………ん?」」

 

華奢なボディに乳白色のローブを纏う小さなゴーレムがいた。

しかもご丁寧に表情が簡易的な絵として浮かび上がる。

 

 

「あぁ…やっぱ生きてたんですね、ミレディさん」

「おやぁ?男子達は気づいてたみたいだねぇ」

 

意外と言うように語るミレディにハジメが説明する。

 

 

「この迷宮はオルクスと違って魂をこの世に残したミレディさんが管理しているってのはさっきから分かってましたけど、じゃあもしさっきの戦いでミレディさんが消滅したらこの迷宮の維持は誰がするのか…そう考えたら気がつきましたよ」

「それに…浮遊してたブロックは貴女が動かしてたって思い出したので」

 

ハジメとニコルの説明にうんうんと頷くミレディ。

そこに硬直が解けた女子達が質問をする。

 

 

「………さっきのは?」

「ん~?ああ、もしかして消えちゃったとか思った?ないな~い!そんなことあるわけないって~!」

 

「で、でもさっき光が昇って…」

「ふふ、中々の演技だったでしょあれ!ずっと考えてたけど、まさか本気で信じちゃうなんて、ミレディちゃんは役者の才能も………あれ?」

 

ようやく気が付く。

ユエの目から光が消え、シアがドリュッケンを構えていることに。

 

 

「…ハジメさん。そういえばまだ試練でドリュッケン使ってませんでした。性能テストしてみますね」

「あぁ…ほどほどにね?」

「え、えーっと………」

 

目がマジなシアに恐れを抱いたミレディが取った行動は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…てへぺろっ♪」

 

 

次の瞬間、爆音がミレディの部屋に響くのだった…

 

 

 

――――――――――

 

 

 

オルクスと同じ魔法陣の中に案内され、第2の神代魔法を習得するハジメ達。

 

「…やっぱり、予想通り『重力魔法』だったね」

 

ハジメとユエは前回経験したため無反応だったが始めて経験するニコルは僅かに体が震え、シアに至っては思いっきり体が跳ねた。

 

「私の神代魔法は重力そのものを自在に操る『重力魔法』!うまく使って…と言いたいところだけど、金髪ちゃん以外あまり適性無いね~。ハー君とウサギちゃんは笑えるレベルで適性無いし」

「いや…まあ覚えさえすれば生成魔法との組み合わせもできますし。それに………これがあれば『ミネルバ』だって動かせるかも知れない」

 

やはり適性の壁は高く、元々錬成に特化した才能に割り振られたハジメや身体強化に特化したシアでは重力魔法はさほど使えるものではなかったらしい。

 

「二っ君は普通だけど、多分使えるとしたらウサギちゃんと同じように体重を軽くしての白兵戦の補助くらいかな?でも金髪ちゃんは適性バッチリ!これなら十分ど派手な魔法を使えるはずだよ」

 

どうやらニコルはそこそこ使えるようで、ユエは新たな戦法が広がるほど適性が高かったらしい。

 

 

「それで…ここからはボーナスだね。あのクソ神を倒すのに使えそうなものを特別にプレゼントしておくよ」

 

そう言ってミレディが歩き出し、ハジメ達もついていく。

 

 

「一応、オー君のところでは説明してたかわかんないけど、私が知り得る限りのやつの情報を教えておくね。質問があったら遠慮なく聞いて」

 

 

歩くなかでミレディがそう言い、説明を開始する。

 

神エヒト。その本名はエヒトルジュエという『元人間』。

彼もまたトータスとは異なる異世界から訪れ、類い稀なる才能で到達者に至ったという。

 

「到達…者?」

「まあ、わかりやすく言えば今の君や私と同じ…世界に影響を及ぼせる神代魔法の使い手ってこと」

 

だが、その高い力が原因で彼の世界は消滅。そのため彼を含む生き残った異世界人はトータスに流れついたらしい。

そしてその才能をトータス人に見せたことにより崇められ、いつしか神性を得た。

しかし…それによって人の上に立つ快感を知ったエヒトは彼らの作り上げた英知を破壊することに愉悦を感じるようになってしまう。

 

「神代魔法が使える異世界人…じゃあ、この世界が歪められたのは彼による『侵略』ってことに…」

「そうだね…あと、旅を続けるならば一つ忠告。君達とは違う、正真正銘の『神の使徒』が奴の懐にいる。能力自体が非常に高いけど、奴らは権力者を洗脳してエヒトの手駒にしてくるから要注意だね。外見は銀髪の女で、私の予想だけどクソ神の手駒だから修道女か何かに化けてる可能性がある」

 

 

そこまで説明を聞くと、ハジメが質問をした。

 

「あの…ずっと気になってたんですけど

 

 

 

 

あのモビルスーツは一体どこから入手したんですか?」

 

オスカーの日記から、このモビルスーツは解放者が旅の中で見つけたというのは予想していたハジメ。

だが、どうしても詳細は本人の口から聞きたかった。

 

 

「あれはね…私達が旅をしている中で打ち捨てられたりしてるのを拾ったんだよ。内部は相当複雑だったけど、オー君が中心となって修理して、私達が神の使徒と戦うための切り札として使おうとしてたんだけど…流石に殺傷力が桁違いすぎるから、おいそれと使えなかったんだ。それに…数だけは大量にあったけど、使える人材が少なかったしね」

 

多分だけど…と一度区切るミレディ。

 

「モビルスーツは、多分エヒトが別世界から持ち込んだんじゃないかな?奴はこの世界だけでなくハー君達の世界にも干渉している。だとしたら…」

「確かに…シアさんのガイアを除いてほとんどが原典となる世界で破壊された機体です。ガイアも最終的には戦場に出る機会を失っていたから、そういったモビルスーツを中心にエヒトが回収していった可能性は十分あります」

 

 

そんな会話を続けていると、目の前に大きな鉄製の扉が。

 

 

 

「さあ、これがミレディちゃんから君達へのプレゼントだよ!」

 

 

 

―――――――――

 

 

 

「こ、これは………!?」

 

ミレディの『コレクション』の数々にハジメは言葉を失う。

 

「モビルスーツが…4体…」

「ふえええ~…これ、全部持って行っていいんですか~!?」

 

ユエとシアが驚く中、ハジメはその4体の名前を呟く。

 

 

「すごい…『バルバトスルプス』に、『フラウロス』に…『オーバーフラッグ』と『ジェガン』まで…!」

 

 

 

以前見つけたグシオンと同じ『ガンダムフレーム』搭載型のモビルスーツ『ガンダム・バルバトスルプス』と『ガンダムフラウロス(流星号)』。

そしてガンダムエクシアのライバルが乗っていた『オーバーフラッグ』に宇宙世紀の名機と言われた量産機『ジェガン』。

さらによく見るとそれぞれのモビルスーツの修理用パーツまである程度揃っている。

 

思いがけない報酬にハジメが目を丸くしていると、さらにミレディはある紙の束を渡してくる。

 

「あと、これはオー君が残してた鉱石のレシピ表ね。これさえあれば、この迷宮で使ってたからくりは再現できるから。それと…」

 

懐に手を伸ばしたミレディが取り出したのは、『上下の楕円を一本の杭が貫く』デザインが施された指輪。

 

「はい、これがライセン攻略の証ね。これは樹海の鍵としても使えるから無くさないように」

「あ、ありがとうございます!」

 

指輪とレシピを受け取ったハジメがレシピに目を通す中、ミレディは最後にこう言った。

 

 

「…じゃあ、これがミレディちゃんからあげられる最後のプレゼントかな」

 

ミレディは自身を浮かばせてバルバトスのコックピットに潜り込むと、そこから何かを持ってくる。

 

 

「これはオー君や私達が研究してきた、モビルスーツ操作の要と言えた技術…それを君に託すことにするよ」

 

そう言ってミレディが渡したのは、一つのヘルメット。

 

 

「この機体に搭載されていた『阿頼耶識システム』…だっけ?それをオー君は独自に解析して、私達のモビルスーツに取り付けた。その実物は、君が持って行って」

「っ!」

 

渡された物。その『重さ』にハジメは思わず息を飲んだのだった…

 

 

 

 

――――――――――

 

夜の空。

ある小さな町で夜空を眺めていたのは、ハジメ達と共にこの世界に訪れてしまった数少ない大人の一人、畑山愛子。

 

「…あれって、流れ星…?」

 

一筋の光が一瞬通り過ぎたのを見た愛子だが、この時の彼女はまだその正体に気づくことはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐっ……あぁっ!?」

 

夜の森の中で肩が外れたのか、全身傷だらけの清水が倒れていた。

 

 

(ちくしょう…下手打った…)

 

ザドキエルを追いかけた清水だったが、本人の魔力が切れかけたタイミングで反撃をくらい、あちこちを負傷して動けない状態まで追い込まれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ぃ!…っ!!」

 

意識が遠のく中、清水は誰かに呼びかけられていることに気がつく。

 

 

 

「しっかりするのじゃ!今治療をする!」

「……ぁ…」

 

意識が途切れる瞬間に見えたのは…和装をした黒髪の女性だった。

 

 




次回予告
地上に帰還したハジメ達。

だが、清水が追っていた異変はすでにこの世界に小さくない影響を及ぼしていた…

ブルックに迫る脅威に急ぐ中、ハジメは『伝説の救世主』と出会う…

次回、機動戦士ガンダムForce
第16話『救世主とガンダム』
暗闇の世界を…照らし出せ、アデル!
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