感想、評価をいつでもお待ちしています!
ライセン大迷宮の最深部でミレディから一通りの道具や阿頼耶識にまつわる情報を受け取ったハジメ達。
「…あの~、ハジメさん。そろそろ地上に戻るべきでは?」
「そう…だね。リヒティさん達の食料も限界が近いかもだし」
オルクスに残った仲間達と合流すべくライセンを立ち去ろうと決め、ハジメは受け取った道具やモビルスーツを宝物庫に収納する。
「あー!!!ごめんごめん、一つだけ忘れ物があったんだった!」
すると、突然ミレディがローブの内側に手を突っ込み、二つのビー玉サイズの石を渡してくる。
「おっと………って、これアリスタ!?」
ハジメとユエがそれぞれ受け取ったのは、ハジメが使うアリスタと同じ石。
「これも大迷宮の攻略報酬として準備してたんだ。オー君のは昔迷宮で神結晶と一緒にポロっと落としちゃったんだけど、他の迷宮でも1個か2個は手に入るはずだよ」
「そうだったんですね…」
さらっと語られたが、ハジメの命をつないだ二つの石の思わぬ出処にちょっと驚いている本人。
「あ~、気にしないで。神結晶もアリスタも将来的に奈落に落ちて偶然拾った幸運なんだか不幸なんだかわからない人に譲ろうってオー君とは話してたから」
そう言うとミレディは近くのロープを引っ張る。
「じゃあ、帰りの試練も頑張ってね~」
『…え?』
次の瞬間、足元が開き…激流の中に4人とも流されてしまう。
その様子はさしずめ、地球の水洗トイレのように…
「アハハハハハハ!!油断大敵~!」
「「「「ミイイイレエエェェディイイィィィィィ!!!!!!」」」」
最後の最後で思わぬ仕返しを受け、ハジメ達は叫びながらライセン大迷宮から出て行くのだった…
『第二試練 ライセン大峡谷………クリア』
――――――――――
山の中。
清水達との戦いでいくつか損傷していたザドキエルは身を潜め、そこから身動きを取らないまま数時間が経過していた。
『……………』
だが、ザドキエルの目だけは忙しなく赤や黄色、緑など様々な色に変化しており、そんなザドキエルに呼応するように動き出す影が周囲に現れる。
『それ』は一言で言えば異形。
バイソン型の魔物やネズミ型、さらには狼型など統一性はないが、それら全ての体の一部が機械化されているというこの世界に似つかわしくない不気味さを漂わせていたのだ。
そして…この異形の魔物達は既にザドキエルの周囲だけの存在ではなくなっていた。
――――――――――
「…ぷはぁっ!!」
5分ほどで河から脱出することに成功したハジメ達。
しかしその際にシアが溺れて息をしていないというアクシデントこそあったが、ハジメによる人工呼吸でどうにか蘇生に成功。
その際、王都では某治癒師の背後から真っ白いエクシアのオーラが溢れていたのは余談である…
「あら~、お久しぶりじゃな~い」
「…!?」
野太い声が後ろから聞こえて咄嗟に警戒したハジメ達が振り返ると、そこには見知った顔があった。
「…ん。クリスタベル、久しぶり」
「店長さん!お久しぶりですぅ!」
そこにいたのはブルックでシア達が買った服を取り扱っていた服屋の店長クリスタベルと、ハジメ達が世話になったマサカの宿の看板娘ソーナ・マサカ。
よく見ると後ろには護衛らしき冒険者の男が3人いる。
「ど、どうしたんですか!?いきなり湖から這い上がってきたときはビックリしましたよ!」
「あ、アハハ…実は近くで素材を狩ってたら川に流されちゃって…」
大迷宮を攻略していたなど信憑性が薄いと考え、当たり障りない理由を語るハジメ。
とりあえずリヒティ達を連れてブルックに戻ろうと考えたハジメはソーナ達から街への方角を聞き、別れようとする。
すると、街の方向で爆発音が聞こえた。
「!?爆発…!」
ソーナ達が驚き、ハジメは近くの木の上までジャンプするとそこから双眼鏡型アーティファクトでブルックの町を見る。
「ハジメ…どうなってる?」
ユエも風魔法で横に現れ、ハジメに聞く。
「…正直、酷い状況。数百を越える魔物が町の中に入り込んでる。それに…」
双眼鏡が捉えたのは、モビルスーツに負けないレベルの巨体を持つ狼や牛型の魔物達。
それも全てが機械化されており、狼の足や牛の角などが生物では有り得ないほどの銀色の光沢を放っている。
「あの魔物、絶対におかしい…とりあえず、僕はインパルスで出るからユエさんにはこれを預けるよ」
ハジメはそう言うと今必要な道具やガイアなどを全て出現させ、ユエに宝物庫を渡す。
「リヒティさん達を地上に連れてきて欲しい。もし可能なら置いてあるモビルスーツを使って合流しても構わない」
「………ん。わかった」
ユエが宝物庫を指にはめると、彼女はオルクス大迷宮へと転移。
「ニコルとシアさんはガイアに乗って現場に向かって。ただ、今回は生身での地上戦をお願い!」
「わかった。ハジメも気をつけて」
「了解ですぅ!」
既に出現していたガイアに飛び乗るシアとニコル。
すぐさまガイアは走り出し、ハジメは唖然としているソーナ達に叫ぶ。
「とりあえず僕達は現場に向かうので、魔物に気をつけてくださいね!」
「は、はい!」
ハジメは『空歩』で空を駆けながらコアスプレンダーを実体化させ、現場へと急行した…
――――――――――
ブルックの町では、現在無数の巨大な魔物が住民達を襲おうとしていたが…
ビームの音が聞こえ、魔物の頭部が蒸発。
魔物から人々を守っていたのは明るい青と白が特徴的なモビルスーツ、アデル。
「この魔物…なんでこんなサイズに!」
コックピットで原因を探りながらパイロットのフリットは叫んだ。
『フリット!避難は大分進んだよ!』
「ありがとう、エミリー!」
エミリーからの連絡に答えたフリットだが、この状況は決して良いものではない。
(数十を超える巨大な魔物…それに、通常サイズの魔物の軍勢にブルックの冒険者たちでどこまで対応できるか…)
それでも手を止めることなく、フリットは主力武器の『ドッズライフル』で空から飛来する魔物を撃ち落とし、ビームサーベルで巨大な魔物を切り裂く。
「せやあああああ!!」
すると上空から何かが飛んできて、魔物の1体を切断。
そこにいたのは…
「ガン………ダム?」
4本の角にツインアイ。
自身が作った機体とは似て非なるデザインだが、紛れもなく『それ』はガンダムだった。
『アデル…すいません、状況を教えてください!』
すると、目の前のガンダムから通信が入る。
『こちらは南雲ハジメ、このインパルスガンダムのパイロットです!そちらは!?』
映し出されたのは赤いコートを着た17歳ほどの青年。
「僕は………フリット・アスノ。このアデルを使ってます!」
『フリット…まさか、あのガンダムAGE‐1からAGE‐FXまで開発したあのフリットさんですか!?』
ハジメの食いつきに驚くフリットだが、それに対して彼は頷く。
「は、はい…でも今は…」
『そうですね………半数は僕が引き受けます。あと、地上の魔物たちに対しても仲間が対処してくれるので心配はいりません!』
そう言うとインパルスは背中のフォースシルエットからビームサーベルを抜き、魔物の軍勢と戦闘に入る。
「だったら…僕も遠慮なくいかせてもらいます!」
――――――――――
迫りくる狼型の魔物が食らいつこうとするが、インパルスはシールドで防ぐとシールドで殴り飛ばし、ビームサーベルで狼を縦に両断。
その背後から襲ってきた牛型魔物に対してアデルはビームサーベルで角ごと頭を破壊し、町の被害を抑えるべくアデルはサーベルの出力を調整し、ビームダガーにして2体纏めて魔物を切り裂いていく。
「やりますねぇ、ハジメさん!だったらこっちだって…」
シアはドリュッケンを振りぬき、ニコルもサブマシンガンで魔物を狩る。
「…どうやら、向こうは気にしなくても大丈夫そうだね」
とりあえず大丈夫だと判断したハジメはインパルスのビームライフルを構え、空から飛んできたプテラノドン型の魔物を撃墜。
町に侵攻してくる魔物たちを倒すべく、アデルに通信を入れる。
「フリットさん!あとは一発で決めましょう!」
『わかった!』
インパルスは装備をバーストに換装し、全銃火器を魔物の軍勢に構える。
そしてアデルも続くようにドッズライフルを精密射撃モードにし、魔物の中で一番巨大な個体に狙いを定めると…
「『終わりだあああ!!!』」
インパルスとアデルによるビームの雨が魔物達を殲滅。ブルックを襲った危機は最悪の事態を迎える前に鎮圧されたのだった…
――――――――――
魔物が全て討たれ、夜が明けたブルックの町。
インパルスから降りたハジメの前には、アデルから降りたフリットの姿があった。
(………フリット・アスノ。ニコル達と同様にトータスに訪れていたガンダム世界の人間)
「えっと…君があのガンダムのパイロットかな?」
「は、はい…」
改めて対面したフリットに緊張気味になるハジメだが、フリットの元へ二人の女性が走ってくるのが見えた。
「………嘘…まさかあの二人までいるなんて…」
思いがけない人物との交流。
これがやがてハジメ達に訪れるさらなる戦いへの入り口となるなど、この時の彼らは予想していなかった…
次回予告
ハジメ達を襲った機械化魔物の襲撃。
だが、その余波は勇者パーティーにも及んでいた。
巨大なオーク型魔物に立ち向かう光輝達の前に現れたのは、深紅のボディを持った異形のガンダムだった。
次回、機動戦士ガンダムForce
特別編第1話 楽園からの勇者
胸に秘めた誓い…守り抜け、レギルス!