二ヶ月ほど仕事が忙しく、パソコンに向かうことも難しい状態でした。
ここから少しづつ投稿頻度を戻せていけたらと思っています。
機動戦士ガンダム 水星の魔女がついに始まりましたね!
まだ新作のガンプラは買えていませんが、いつかは組んでみたいと思っています…
感想、評価が作者の力となります!
時はハジメ達がライセンから地上に戻る数時間前のこと…
「それじゃあ、今日もお疲れ様!」
ホルアドの酒場で最前線に立っていた勇者パーティーは85層突破の労いを行っており、周りの冒険者達も勇者達の目まぐるしい活躍を称えていた。
「お疲れさん、光輝」
他の生徒達と会話をしていた光輝に龍太郎が話しかけてくる。
「ああ………香織と雫は?」
「二人なら、疲れたから今日は部屋で小さな打ち上げやるって先に宿に戻ったぜ。ここんところ相当張り詰めてたしな」
幼馴染の少女二人の姿が見えないことに疑問を持った光輝だが、龍太郎の言葉に納得する。
「そうか………でも、2人ともようやく元気になってくれてよかったよ」
あの悲劇から3ヶ月。
ハジメが奈落へ転落してしまい、模型部のメンバーが離れ離れになるといった事態からそれなりに時間がたった今、ようやく香織達も前を向いて戦っていけると安心していた光輝。
そんな中、突如として一人の男が入ってくる。
「あんたは…」
「いきなりですまない。俺はホルアド冒険者ギルドの『ロア・バワビス』だ」
メルドが対応したのは、この町の冒険者を仕切っていた男だった…
―――――――――――
聖教教会の地下。
そこを訪れたデシルは牢獄の中に入っていた男に声をかける。
「よう、久しぶりだな」
「……………」
投獄されていた男はデシルの呼びかけに反応せず、デシルは小さく舌打ちをする。
「…まあいい。それよりちょいと仕事してもらおうか。お前の機体なら既に準備が出来ているからな」
「………仕事?」
デシルは牢獄を開けると、手錠に繋がれた男を引っ張っていく。
「ちょいと妙な奴が暴れてるらしくてな。そいつが例の『勇者様』達と遭遇する可能性がある。だから………テメェが処理してついでに勇者様をこっちに連れてこい」
やがて、デシルは男をある1体のモビルスーツに案内する。
「…わかってるだろうが、逃げても無駄だぜ?その『首輪』でテメェの反逆はすぐに察知できる。そうなれば………『あの女』もどうなるだろうな?」
デシルの言葉を聞いて男は身を震わせる。
「ほら、さっさと仕事してこい………しくじるなよ、『ゼハート』」
―――――――――
「ここ…ですか」
ホルアドから少し離れた森を訪れていた光輝達。
ロア曰く、数日前から謎の巨大な魔物が夜にのみ出没するようになっていたという。
だが、つい先日冒険者の一人が殺され、その魔物に捕食された。
この危険な魔物は通常の冒険者の手に余ると判断し、王国の騎士と一般の冒険者を凌ぐスペックを持つ光輝達に白羽の矢が立ったというわけである。
因みに今回来ているのは光輝、龍太郎、香織、雫、鈴、恵里、浩介、メルドの8人だけである。
「………本当にここに魔物がいるのか?」
聖剣を持った光輝が警戒しながら歩くが、魔物どころか動物の気配すら感じられない。
本当に敵がいるのかと疑問を感じたが、そんな光輝に対してメルドが返す。
「油断するな。もし本当に魔物がいるとしたら、何が起こるかわからん………」
王国の騎士として多くの修羅場をくぐり抜けてきたメルドの言葉に改めて警戒する勇者一同だったが………
突然、月明かりが何かに遮られる。
「っ!上だ!」
メルドが叫ぶと光輝達はそれぞれ別方向に飛ぶと、『何か』が砂埃を上げながら着地してくる。
『それ』は、これまで誰も見たことのないような魔物。
外見的特徴を挙げるのなら『カラス』という表現が一番合うが、その体躯はどう見ても通常の魔物を凌ぐ18メートルほどはある。
さらに驚くべきことは、不気味な腕のようなものがついていたこと。
その姿はまるでカラスに人間の腕をくっつけたような歪な姿で、さらに驚いたのはクチバシが生物としてはありえない銀色の光沢を放っていたこと。
「これが………あの魔物か!」
「総員、戦闘態勢に入れ!」
光輝達はそれぞれの武器を構え、すぐさま戦闘が開始される。
――――――――――
(まずい………私達じゃこの敵には圧倒的に不利だ!)
戦いの中で香織は冷静に状況を分析していたが、はっきり言って好ましい状態ではない。
まず、このカラスの魔物の脅威はその体躯。
圧倒的なサイズからくりだされる攻撃は一撃一撃が非常に強く、規格外のステータスを持っているはずの自分達でも直撃すればただでは済まない。
しかも戦いの中で気づいたが、クチバシだけでなく体のあちこちが生物としては明らかにおかしい耐久性を持っている。
現状、この防御を突破できそうなのは最大の火力を誇る光輝や近接戦最強の龍太郎、そして雫の3人。
しかし、もう一つの問題がある。
「でも…今のみんなじゃ遠距離戦が…!」
もうひとつの問題。それは遠距離攻撃に乏しいという弱点だった。
近接戦特化の龍太郎や雫は言わずもがな、光輝の光魔法もせいぜい中距離戦闘が可能になるだけの射程距離であり、ある程度距離を取られても戦えるのは現状、魔法の中でも攻撃魔法にそこそこ適性のある恵里だけ。
だが、ほぼ密着状態にある光輝と遠藤が射程に入るため恵里も香織も魔法による攻撃ができないでいた。
「雫ちゃん!一度光輝君達を下がらせて!」
香織の言葉に頷いた雫はすぐに光輝達に駆け寄り、強化された斬撃でカラスの魔物を僅かに退かせる。
そして、その隙を見た香織と恵里は炎魔法『羅炎』を使い、カラスの魔物の顔面を炎に包んだ。
「よっしゃあ!!」
「やった!これならいくら強力な魔物でも…!」
龍太郎がガッツポーズをし、光輝がホッとした表情で語る。
「ちょっと光輝君!変なフラグ建てないで!!」
不穏なセリフに思わず香織が突っ込むが…
『クウウルウゥゥゥオオオオオ!!!!』
炎が晴れ、顔面の皮膚が燃え尽きたカラスの魔物がその眼光を光輝達に向ける。
「そんな………」
「なんだよ…あれ…?」
顔面の皮膚が剥げたカラスの魔物
その顔はまるでロボットのように金属の質感がハッキリ出ており、その異様な姿に香織達は声が出なかった。
「ロボットの…魔物!?」
その姿に動揺していたため、香織達は一瞬反応が遅れてしまった。
次の瞬間、カラスの魔物が放ったビームが辺りの地面を吹き飛ばして香織達は宙を舞う。
「こいつ………マジで何なんだよこれ!!」
遠藤は思わず叫ぶが、光輝達に対してカラスの魔物がビームを放とうとして…
突如飛んできた光の玉がカラスの魔物を攻撃し、カラスの魔物の口の中が暴発。
「え………?」
思わず目をつぶっていた香織達が顔を上げると、満月をバックに大きな翼を持った『巨人』がいた。
真っ赤なボディは全体的に生物的なデザインになっており、どことなくエイリアンのような出で立ちをしている。
だが、その顔はスリット状の目にこそなっているものの4本の角という顔になっており、その顔を見て香織、雫、遠藤は愕然とした。
「嘘…だろ?」
「あの姿…それにあの色…」
光輝達が困惑している中、香織は眼前の巨人の名前を口にする。
「ガンダム……レギルス!」
カラスの魔物を見上げているガンダム…『ガンダムレギルス』のコックピット内部でパイロットの『ゼハート・ガレット』は宣言する。
「ゼハート・ガレット、ガンダムレギルス!対象を破壊する!」
――――――――――
『ギュウウエエエエ!!!』
不気味な叫び声をあげたカラスの魔物に対し、レギルスは掌からビームサーベルを展開するとカラスの魔物の表皮を斬り裂く。
「この魔物…やはり『ザドキエル』の刺客か!だが…」
手持ち武器のレギルスライフルを使い、カラスの魔物の片翼に穴を開ける。
『ギュウアア!!』
怯むカラスの魔物だが、負けじと固有能力のビームで応戦。
それに対して胸部のビームバスターを放ち、相手のビームを相殺。
「凄い…あのレギルス、魔物の攻撃に対応してる…」
的確に対応しているレギルスに関心の声が出る香織。
そんな彼女達の様子をよそに、ゼハートは勝負を決めるべく動いた。
「あまり長居は無用だ…一気に決めるぞ、レギルスビット!!」
レギルスは実体盾『レギルスシールド』を展開させ、球体状のビーム『レギルスビット』を射出。
15発のレギルスビットは一斉にカラスの魔物に襲い掛かり、魔物の表面が無数の穴を開けられたことにより墜落を始める。
「これで…終わりだ!!」
レギルスはビームサーベルを展開させると、そのままカラスの魔物の頭部を穿いて地面に叩き落とすのだった…
――――――――――
カラスの魔物をあっさりと撃破したレギルスに一同が驚く中、レギルスは跪くように着地すると、その頭部が開き内部から聖教教会の騎士団の制服を着たゼハートが降りてくる。
「はじめまして。私は聖教教会のイシュタル様からの命によって派遣された者…教会騎士のゼハート・ガレットです。以後、お見知りおきを」
騎士団の敬礼をするゼハートに、メルドが返事をする。
「あ、ああ………助けてくれて感謝する」
軽く会釈をしたゼハートは、その視線を光輝に向ける。
「勇者殿…実は、イシュタル様が勇者殿に教会へと来て欲しいとおっしゃっている。突然ですまないが、私と一緒に教会へと戻ってくれないだろうか?」
「え…俺一人で…ですか?」
突然の名指しに困惑する光輝。
「ああ。どうやらエヒト様はこのような魔物が暴れだす事態を予想していたらしくてね…こういった魔物に対抗するためのアーティファクトを勇者殿のためにと教会が準備してくれていたんだ。だが、そのアーティファクトは勇者殿専用らしくてね…」
しばし考える光輝だが、視線をふと向けた龍太郎達が頷くと顔を上げる。
「…わかりました。ですが、あまり仲間達を置いて留守にするわけには…」
「それなら心配ない。レギルスに乗れば片道1日もあればたどり着けるはずだ」
やがて話がまとまったのか、光輝はみんなに語る。
「…ということで、俺は一度教会に戻る。その間クラスの皆は…」
そう言うと、手を挙げたのは香織と雫。
「わかってる。あんたが戻ってくるまでとりあえず私達でどうにかするから」
いつもの雫の姿に安心したのか、光輝はゼハートと共にガンダムレギルスに乗り込む。
やがて、レギルスは大きく翼を羽ばたきながら空へと消えていくのだった…
「………雫ちゃん。あのゼハートさんって…」
「こないだのトリニティと同じかも…でも、なんというか『腑に落ちない』のよね…」
仲間達と共に帰路につく中、香織達はどうしても違和感が拭いきれなかった。
――――――――――
ゼハートに連れられて教会に降り立った光輝は、そこで待っていた人物に驚きの声を上げる。
「よう、久しぶりだな勇者の兄ちゃん!」
「ゲイリーさん!お久しぶりです!」
いつぞやに出会った冒険者、ゲイリー・ビアッジがそこで陽気に手を振っていた。
「ゲイリーさんはどうしてここに…?」
「ああ、ちょっとここの教会とは縁があってな………お前さんのための新しい力を渡すために俺が案内役を買って出たってわけさ」
やがてゲイリーは光輝を教会の地下へと連れてくると、そこの扉を開く。
「なっ………!?」
『それ』を見て、光輝は思わず声がこぼれた。
「これは………ガンダム!?」
「おうよ!教会の管理していた異世界からの最強アーティファクト………その名も『ガンダム・ギラズィ』。何でも、エヒト神に選ばれて世界を救える真の勇者にしか扱えない代物…って教会の上層部にしか伝えられていないらしい」
銀の装甲を身に纏ったモビルスーツに、光輝は思わず魅了される。
「………これが、これがあれば…」
あのカラスの魔物に手も足も出なかったとき、光輝は己の無力さに怒りすら感じた。
だが、見ただけでわかる。
「これがあれば、仲間達だって守れるんだな…!」
新たな力に決意を固める光輝。
だが、その横に悪意を秘めた怪物がいたことに、彼はまだ気づいていなかったのだ…
次回予告
戦い、傷ついた清水。
そんな彼と相棒は、意外な人物達と出会う。
再会と動き出す運命の歯車。そして、ハジメ達もまた旅立ちを迎える事になる。
次回、機動戦士ガンダムForce
特別編2話 再開への秒読み
新たな未来へ…羽ばたけ、クロウ!