機動戦士ガンダムForce   作:狼牙竜

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長らくお待たせいたしました!

ついにハジメとクラスメイト達との再会(一部)となります!


ガンダムビルドメタバースの情報が明らかになり、歴代ビルド主人公の新型の活躍がおおいに楽しみです。


そしてついにガンプラバトルが現実のものになる第一歩が動き出そうとしていますね!



感想、評価が作者のパワーとなります!



第3話 再会、友よ

広大な平原の遥か上空。

普通なら鳥か飛行できる魔物くらいしかいないはずの空間を、巨大な物体が飛んでいる。

 

 

…言わずもがな、ハジメの作り上げた戦艦ミネルバだ。

 

 

「ほえ~…風が気持ちいいですね~…」

 

そんなミネルバのデッキで風を浴びながら目立つウサ耳をぴょこぴょこと動かしているのは、外の空気を吸いに来たシア。

 

「もう、シアったらここで寝るつもり?」

「そんなことありませんよ~!でも、空の上で浴びる風を体感してみたくて…」

 

様子を見に来たマユに促され、艦内に戻るシア。

廊下を歩く中で2人は会話をする。

 

「それで、いつ頃目的の町に着くんですか?」

「うん。思ったより早く着くみたいで…少しだけなら買い出しで美味しいものも買えるみたいだよ」

 

その言葉を聞いて艦内で『料理担当』を割り当てられていたシアの眼が輝く。

 

「本当ですか!?なら、ハジメさんが言ってた故郷の料理も作るチャンスがあるってことですよね!」

「そうなるね。でも…まさか異世界でお米が買えるとは思わなかったな…一応、オーブでもそれなりに食べてたから私もちょっと楽しみなんだ」

 

やがてシアは厨房に着き、仕事に戻ろうとするが最後に質問をする。

 

 

「そういえば町の名前ってなんでしたっけ?」

「えっとね…『湖畔の町ウル』だったかな」

 

 

 

――――――――――

 

「はぁ…」

 

ウルの町をトボトボと歩くのは、ハジメ達と共に転移してきた数少ない大人の一人である畑山愛子先生。

 

その原因は1週間前に偶然再会した生徒の一人、清水幸利の安否である。

 

偶然にもこの町に現れた清水を介抱した愛子達だったが、どうやら清水はこの町から少し離れた場所にある北の山脈で誰かと行動していたらしく、一晩だけ休むと翌朝にはすぐに町を旅立ってしまった。

 

 

「そう心配することないですって先生。状況を見極めるくらい、清水ができないと思いますか?」

 

不安を感じながら食事の席についた愛子に励ましの言葉を送るのは、清水と同じ部活をしていた園部優花。

その横では夕飯を楽しみに目を輝かせている弟の優翔の姿もある。

 

「そうですね園部さん…じゃあ、ご飯にしましょうか!お腹いっぱい食べて、明日に備えましょう!」

 

 

これ以上暗い顔をしては生徒達ではなく幼い優翔や護衛についた騎士達にまで心配をかけてしまう。

そう考えた愛子は気持ちを切り替え、今日一日を共に頑張った子供達を労うことにした。

 

 

――――――――――

 

愛子達が宿泊している宿はウルの町で一番の高級宿である『水妖精の宿』。なんでも、この町の名物でもある『ウルディア湖』から現れた妖精をひと組の夫婦が泊めたことがこの名前の由来になっているらしい。

 

余談だがこのウルディア湖は非常に広大な湖で、その大きさは日本の琵琶湖の4倍ほどもあり、澄んだ水はこの国の要である農業に欠かせないものとなっている。

 

 

現在愛子達の拠点となっている水妖精の宿は1階がレストランになっており、この町の名物とも言える米料理が多数提供される。

 

当初こそ高級宿に泊まることに抵抗があった愛子達だが、王宮から派遣された『神の使徒』御一行という肩書きから断りきれずにこの宿に泊まることを承諾。

だが、この国に来てから王宮が拠点だったこともあり3日ほどで馴染んだ愛子達はすぐにこの宿を気に入った。

今では農地改善などに奔走する愛子達にとって、この店の料理が一日の楽しみとなっている。

 

 

そして今日も奥の個室(カーテンで仕切られたVIP席)で一日の疲れを癒していた一同だったが…

 

 

 

 

 

「え…スパイスの在庫が無い!?」

 

愛子達に話しかけてきたのはこの宿のオーナー兼料理長であるフォス・セルオ。

 

「ええ、いつもはこのようなことがないように在庫を確保しているのですが…ここ一ヶ月ほど北の山脈に不穏な動きがありまして。それで香辛料を採取に行く者が激減していたのが原因です。つい先日も調査のために来た冒険者数名が行方不明になりまして…それもあってますます採取に行く者がいなくなりました。ですので、次の入荷については目処が立っていない状況です」

 

思った以上に深刻な状況だったことを知り、一同が重い空気に包まれる。

 

 

「しかし、その一件も解決の兆しがあるのですよ」

「それって、どういうことです?」

 

 

「実は日の入りくらいに新規のお客様が団体でいらしたのですが、どうやら何人かでこの異変を解決するため、明日にでも北の山脈に向かうそうです。フューレンのギルド支部長様直々の依頼らしく、ひょっとしたら異変の原因も解決してくれるかもしれません」

 

 

愛子達地球組は今いちピンと来ていないようだが、護衛の騎士たちは興味深そうな反応をする。

 

なにせフューレンは人間族の国の中でトップクラスの大都市であり、冒険者もかなりの数がいる上、支部長のイルワはギルド幹部の中でもかなり高い地位にいる。

そんな男が直々に指名した冒険者となると、戦いを生業とする騎士として興味を抱かないわけがない。

 

すると、二階の宿泊部屋のあるフロアから階段で誰かが降りてくる。

 

「おや、噂をすれば…ですな。騎士様。彼らは明日の朝にでも出発するとのことですからお話をするなら今かと思われますよ」

「ああ、感謝する。…だが、こんな若い声の男が『金ランク』にいたか?」

 

騎士のリーダー…デビットは困惑する。

本来、ベテラン揃いの金ランク冒険者でこのような若い声の人物はいないからだ。

 

そして、カーテンの向こう側で5人の男女の会話が聞こえてきた。

 

「あ~、まさかこっちで白米食べられるなんてね…」

「…ふふっ、『ハジメ』、嬉しそう」

「私としては、実際に食べてレシピの一つでも欲しいところですけどね。せっかく『ハジメ』さんが船に立派なキッチンも作ってくれたんですし!」

 

「そういえば、ニコルさんってプラント住まいでしたけどお米料理ってプラントだと普及してたんですか?」

「う~ん…農業プラントが規制されてたから、そこまで…ってかんじかな。専らパン食が多かったよ」

 

その会話の内容に愛子の、そして優花達の心臓が一瞬にして飛び跳ねた。

 

 

彼女達は何と言った?少年のことをなんと呼んだ?

 

そして、最初に話していた少年の声は、『彼』の声ではないのか?

 

 

愛子の脳内を一瞬で疑問が埋め尽くし、金縛りにあったように硬直しながら、カーテンを凝視する。

 

それは傍らにいた優花や大翔、クラスメイトの玉井達も同じだった。

 

その中でも『彼』と親友だった大翔は気がつかないうちに立ち上がっている。

 

クラスメイト達に『異世界の死』という現実を認識させ、多くのクラスメイトが忘れたいと思っていた記憶の根幹となっていた少年。

 

 

 

 

「…南雲君?」

「…ハジメ…なのか?」

 

愛子と大翔は勢いよく椅子を蹴倒しながら立ち上がると、すぐさまカーテンを開け放った。

 

 

 

シャァァァ!という大きな音にギョッとして立ち止まる5人組。

愛子と大翔はその中で、咄嗟に『彼』の名前を叫んだ。

 

「南雲君!」

「ハジメぇ!!」

 

「え………………………畑山先生に………大翔…?」

 

 

愛子達の前にいたのは、片目を大きく見開き驚愕の表情を浮かべる、銀髪に眼帯をして赤いコートを着た青年。

その周囲にはウサ耳が特徴的な青白い髪の少女と、金髪の小柄な少女。そして大翔から見たらどこかで見たことのある少年少女がいる。

 

 

その中で、自分にはっきりと反応をした銀髪の青年へ愛子と大翔は視線が吸い寄せられた。

 

 

 

 

 

記憶より10センチほど伸びた身長に髪色は記憶の中にある南雲ハジメと目の前の彼は大きく異なった外見。普通なら他人だと思うだろう。

 

だが、慌てた時の反応と驚いて目を泳がせているのは、大翔もよく知る彼の癖だ。

それに髪色や体格が変わっても、顔立ちや声は記憶のものと何ら変わらない。

何より、青年の腰には自分や優花達と同じ『チームメンバーの証』であるガンプラのホルダーが着けられている。

 

「南雲君……やっぱり南雲君なんですよね?生きて…本当に生きて…」

 

死んだと思っていた教え子とのまさかの再会に感動して涙腺が緩む愛子。

 

だが、顔を合わせたハジメの内心は決して穏やかではなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(………なんでここに先生と大翔がいるのおおおおおおお!?え!?もしかして先生の農地改良の場所にピンポイントで来ちゃったわけ!?)

 

できる限り落ち着いて対処しようとするが、混乱のあまり変な声が出そうになるハジメ。もう頭の中はパニック状態だった。

 

すると、ゆらりと大翔が近づいてくる。

 

「えっと………や、大翔…くん?」

 

ただならぬ雰囲気にたじろぐハジメだったが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の瞬間、大翔の拳がハジメの顔面に突き刺さった。

 

「!!!?」

 

突然のことに動けずにいるその場のみんな。

だが、突然殴られたハジメはよろけてしまい、大翔に胸ぐらを掴まれる。

 

 

「この、バカ野郎!!4ヶ月も俺らに連絡の一つもよこさねえで一体どこほっつき歩いてた!」

 

大翔の怒声に思わず固まるハジメ。

だが、ハジメは何も言うことができなかった。

 

 

 

「お前がいなくなって、俺達は大変だったんだぞ………それでも、白崎はお前のこと諦めてなくて………」

「………ごめん。もっと早く無事を伝えるべきだった」

 

大翔の目に涙が浮かんでおり、ハジメは悟った。

 

(…そうか。まだ大翔も香織さんも、僕のことを…)

 

親友達に無事を伝えるべきだったと反省したハジメは、カーテンの向こうからこっちを見ていたクラスメイト達に声をかける。

 

 

「みんな…久しぶりだね」

 

「ハジメにいちゃあああぁぁぁぁん!!!」

すると、今度はようやく状況を理解したらしい優翔がハジメの足にしがみついてくる。

 

 

「優翔も………ごめんね。ちゃんと戻ってきたなら声をかけるべきだったよ」

 

目線を合わせ、優翔の肩に手を置くハジメ。

そして、彼は愛子にも視線を向ける。

 

 

「………南雲君、まずは無事で良かった…これは私達の本心です」

 

すると、愛子は真っ直ぐにハジメの目を見る。

 

「ですが、この4か月間で君の身に何があったのか………話せる範囲で構いませんので教えてくれませんか?」

 

 

 

 

 




次回予告
少年は変わった。
優しい性格はそのままに、相手の『力』に折れなくなった。

だが、それは果たしていいことばかりなのだろうか?

今、ハジメの口から語られるこの世界の残酷な真実。
それを聞いた愛子は、大翔は、優花は何を思うのか…?

次回、機動戦士ガンダムForce
第4話 真実の遊戯

悍ましい現実に…立ち向かえ、G-エグゼス!
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