機動戦士ガンダムForce   作:狼牙竜

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お待たせいたしました!

前回のアンケートの結果を踏まえてSEED FREEDOMありきの展開として進めていきます!


SEED好きにはたまらない映画でしたが、配信でもまた見たいと思っています。

ありふれ三期も決まったので、少しでも更新ペースを速めていきたいところです。

感想、評価をお待ちしています!


第7話 破滅の天使

機能停止した鋼の獅子を確認し、ハジメ達はそれぞれのガンプラを本来の大きさに戻す。

 

「お、終わりましたか…?」

 

物陰から隠れていた愛子とウィルが恐る恐る出てきて、ハジメは頷く。

 

「何とか…倒せたと思います」

 

ハジメの言葉に全員が安堵し、生身で戦っていた生徒達は死の恐怖から解放された反動からか座り込んでいる。

 

「とりあえずは…ミネルバにガイアを収納して、あとはこの残骸もできれば………ウルの町に戻って、この一件について報告しましょう」

 

全員が頷き、ハジメは正確な位置情報を知らせるための光を空に打ち上げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ん?なあ、南雲…あれって…?」

 

ふと空を見上げた相川が、あるものを見つける。

 

「ちょっと待って………あれは!」

 

ハジメも魔眼石を起動させ、望遠状態で飛来してきたものを目視する。

 

飛んでいたのは二体のモビルスーツで、片方は紫色のカラーをしたドラゴン型という、モビルスーツとしては異形の部類に入る『ダナジン』。

だがその左腕はひどく破損しており、ひと目で使い物にならないとわかる。

 

しかしハジメを驚かせたのはもう一体のほうだった。

 

「あのデザイン…まさか!」

 

魔眼石では色までわからないため、ハジメは双眼鏡型アーティファクトを使い遠目に見る。

 

黒を基調にしたカラスのような色合いに、鳥のような形態で飛ぶモビルスーツ。

その機首のバスターライフルは先端に刃がついた形状になっていた。

 

「クロウ…ガンダム!」

 

ハジメはインパルスを展開すると、クロウガンダムとダナジンの前に飛ぶ。

 

 

『清水君!!』

『…お前、南雲か!?』

 

 

インパルスに乗ったハジメが現れ、クロウのコックピットに乗っていた清水幸利は驚きを隠せなかった…

 

――――――――――

 

ミネルバのモビルスーツドッグ。

傷ついたダナジンをMSハンガーに搭載し、清水はクロウガンダムをガンプラに戻した状態でハジメ達と邂逅する。

 

「お前…本当に生きてたんだな」

「まあね…色々あったけど、こうして生きているよ」

 

清水とあの日以来となる生身での再会を果たしたハジメは、気になったことを問う。

 

「清水君…君はどうしてこの山を調べてたの…?それにあのダナジンは…」

 

 

「それは、妾が話そう」

 

 

突然、凛とした女性の声が聞こえる。

 

ハジメ達が振り返ると、そこにはダナジンのコックピットから着地した一人の女性が立っていた。

外見はハジメ達より年上…20代半ばに見え、和服によく似たデザインの服と艶のある黒髪はどことなく日本人を連想させ、西洋の文化に近いトータスの人間としてはある種の異質さを感じる。

だが、かつてハジメが出会った森人族と似た少し長い耳と金色の瞳が、彼女を日本人ではなくこの世界の住人だと語っていた。

 

 

「幸利殿の友人達よ…妾の名はティオ・クラルス。遠き地より参じた、竜人族の末裔じゃよ」

 

 

 

――――――――――

 

 

ミネルバ内部のブリーフィングルームでティオはこれまでのことを語る。

 

およそ4か月前に竜人族の隠れ里に住む者の一人が、トータスの地から膨大な力の本流を観測したこと。

過去の件もあり本来ならトータスとの関わりを絶つべきなのだが、それでもこれほどの事態は過去になかったために一族の中で一番の実力者であるティオが情報を集めるべくトータスに降り立った。

 

だがこの山の探索中に鋼の獅子に遭遇し、そこで清水に助けられてこれまでともに戦っていたという。

 

「あの…過去の件って一体何があったんですか?」

恐る恐る宮崎が質問し、ユエとハジメが答える。

 

「ん。竜人族は500年前に当時の聖教教会から異端扱いされ、絶滅したことになっている」

「僕も王宮の図書館で調べたけど、その理由は亜人でありながら魔法適性が人間族より優れてるなんてふざけた内容だったけどね…」

 

ハジメが嫌悪感を顕にし、愛子達はどう声をかけるべきか悩む。

 

「まあ、妾や爺様など一部の者はこの大陸を離れ、別の土地に移住して過ごしておったんじゃが…まあ後は先ほど話したとおりじゃ」

 

「で、俺は俺で食っていくために冒険者の仕事やってたり世話になっている人達の集落に時たま仕送りしたりしてたんだが…道中でヤバイのと遭遇してな。それで奴を追いかけてるうちにティオさんと手を組んだってわけ」

 

大体のことが分かり、ウィルが口を開く。

 

「で、ですがあの獅子が倒されたから…もう大丈夫ですよね…?」

 

 

 

しかし、ウィルの言葉に清水が首を振る。

 

「いや、残念だけど事態はまだ何一つ解決しちゃいないんだ」

 

その言葉に生徒達はギョッとする。

 

「お、おい何言ってんだよ清水…あのライオンみたいなのは南雲達が倒したんだぜ…?」

「ああ…でもあいつは…『本命の敵が作った尖兵』でしかないんだ」

 

清水の告げた言葉にその場の皆が驚愕した。

 

 

――――――――――

 

ミネルバがウルの町に進む道中で清水は今回の黒幕について語る。

 

「この事態を引き起こしたのは『モビルアーマー・ザドキエル』。狼の姿をした自律型モビルアーマーで、ポストティザスター…ハシュマル同様、鉄血世界のモビルアーマーだ」

 

ハジメ、優花、大翔の表情が強張り、菅原が尋ねる。

 

「ね、ねえ優花っち…そのモビルアーマーってそんなヤバイやつなの…?」

「………ええ。モビルアーマーって言ってもガンダムの世界観毎に大きく変わるけど、今回のは私たちが見た中でも間違いなく最悪の部類に入るわね」

 

 

続けて清水が語る。

「鉄血世界のモビルアーマー…端的に言えば、人を殺すようにプログラムされた完全自律型の殺戮兵器だ。あの世界の物語の300年前にはモビルアーマーの量産によって大規模な戦争…厄災戦なんて戦いの発端になったほどだよ」

 

思わず息を呑む一同に、ハジメも続ける。

「あの世界のモビルスーツはビーム兵器が全くと言っていいほど存在しない…だけどモビルアーマーはその中で唯一ビーム兵器を持っている上、機体によってはそこらのガラクタを内部に取り込んで無人の随伴型メカ『プルーマ』を作って手駒や機体の修理要員を確保したりしていた。しかも奴らの装甲は特殊な加工がされていて、ビーム兵器を弾くんだ」

 

自らで随伴機を精製し、並のモビルスーツを寄せ付けない攻撃力と防御力と機動力を持ち、さらに無尽蔵のエネルギーで大暴れする殺戮兵器。

そんなものがウルの町に近づいていると知ったみんなの顔に怯えの色が出る。

 

 

「…それに、ここまで戦って分かったことがある。

 

 

 

ザドキエルは無機物からプルーマを精製するんじゃなく、魔物やほかの生き物を捕まえては肉体を改造して眷属にする性質だってことがな」

 

「じゃ、じゃああの鋼の獅子や山に現れたあのブルタールは!?」

「…間違いなく、ザドキエルによって改造された魔物だろうね。実は僕達もブルックの町にいたころ、一度だけ町にサイボーグの魔物が襲ってきたんです」

 

これまで動いていたサイボーグ達。

そして今回、これまでとは比べ物にならないレベルの強力な魔物の登場。

 

 

「………やばい、これじゃあウルの町が壊滅しかねない!」

 

何かに気が付いたハジメは慌ててミネルバのブリッジへ向かい、愛子達もあわてて追いかける。

 

 

「クリス!マユ!今すぐ僕が飛ばしたオルニスに魔力回線を繋げて!ナンバーは01!」

「う、うん!」

 

突然のことにクリスだけが何とか返事をして、手元のキーボードを操作。

 

「どうしたんだよ、ハジメ…?」

 

大翔が聞くと、ハジメが語る。

 

「…実は、気になることがあってミネルバに乗る前からオルニスを飛ばしてたんだ。あの鋼の獅子の同類が隠れてないか…ってね」

 

すると、オルニスの視界がミネルバのメインモニターに映し出される。

 

 

 

 

 

 

「なっ!?」

 

誰かが声を上げるが、無理もないだろう。

 

 

山脈を破壊しながらゆっくりと進むのは、魔物の大群。

それも、百や千なんてものではない。

 

 

 

「…この魔物の群れ…ミネルバのシステムで数えたところ、その数はおよそ…六万」

 

 

文字通り、桁外れの魔物の軍勢に誰もが現実なのかと疑いそうになるが…

 

「っ!あれがザドキエルか!」

 

魔物の軍勢の一番後ろで、40メートルを超える巨体を誇る鋼の狼が堂々と立っていた。

だが次の瞬間、ザドキエルと目が合ったかと思うとオルニスからの信号が途絶えた。

 

「やられたか…だけどあの進行具合だと、町までの到達時間は…」

「最短で2日…長くても3日だと思われます」

 

マユがそう言い、愛子が慌てる。

 

「は、早く町に知らせないと! 避難させて、王都から救援を呼んで……それから、それから……」

 

 

 

 事態の深刻さに、愛子は混乱しながらも必死にすべきことを言葉に出して整理しようとする。

だが現実問題、改造を施された数万の魔物の群れが相手ではチートスペックとは言えトラウマを抱えた生徒達と戦闘経験が全くない愛子、駆け出し冒険者のウィルでは相手どころか障害物にもならない。

生徒達の中で戦えるのは今のところ優花と大翔だけであり、まず戦闘にすらなりはしないだろう。

 

 地球組が慌てふためく中、ウィルがポツリと口を開く。

 

 

 

 「あの、ハジメ殿たちなら何とか出来るのでは……?」

 

 その呟きに全員が一斉にハジメたちを見やるが…

 

「…正直、無理だね。今回の目的はウィルさんの保護で、何よりこの山場であれだけの数だと撃ち漏らしは避けられない。まずはこの事実を町に知らせて住民の避難を優先させるべきだ」

 

ハジメがユエに視線を送ると、ユエは頷いて艦長帽を被り、席に着く。

そして艦内放送を使い、全員に呼び掛けた。

 

 

「これより、全乗組員に告げます。当艦はこれよりウルの町に戻り、住民の避難及びモビルアーマー・ザドキエルへの対策を立てます」

 

ユエの言葉にマユとクリスはうなずき、リヒティも操縦桿を握る手に力を籠める。

 

 

「コンディション・レッド発令!全速力でウルの町に急行してください!」

 

 

 

 

 




次回予告

圧倒的な力を持つ怪物、ザドキエル

人を蹂躙する殺戮の天使にハジメ達は成す術がないのだろうか…

だが、戦場にいるのは悪意の天使だけではない。

決して散らずに咲き誇る鉄の華が現れし時、絆で結ばれた悪魔達が再集結する!

次回、機動戦士ガンダムForce
第8話 鉄華団
無慈悲なる天使を…壊し尽くせ、バルバトス!

SEED FREEDOMの設定を反映してもいいか?

  • 反映に賛成!
  • 無しでいい
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