機動戦士ガンダムForce   作:狼牙竜

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お待たせしました!今回は準備回となります!

まもなくありふれ3期(10月)ですが、果たして本作ではどうなるのか…

いよいよ第3章も正念場!
感想、評価をいつでも待っています!



第9話 鋼の戦場

戦場になる可能性があるウルの町。

そんな中でウルディア湖に鎮座するミネルバの中では決戦に向けての準備が行われていた。

 

 

「玉井!陸戦型ガンダムの基本操作は覚えた?」

「ちょい待ってくれ…マニュピレーターの使い方を覚えれば…」

 

優花と共にマニュアルに目を通し、陸戦型ガンダムの使い方を学ぶ玉井。

 

「で、垂直飛行の時には下の『G』ってスイッチを上げるんだ。そうすれば内蔵魔力から飛行のための魔法が発動して、補助してくれる」

「なるほど…あと、この加速機能について教えて欲しいんですけど…」

 

また格納庫ではハジメが開発したサブフライトシステム型アーティファクト『ライティン』の操作をニコルが宮崎に指導していた。

 

そしてハジメはというと…

 

 

「これ…バルバトス?」

「ああ。ライセン大峡谷の迷宮で保管されてて、持ち主がきちんとメンテナンスしてくれてたから、ちゃんと動くよ」

 

鉄華団のエース『三日月・オーガス』や『明弘・アルトランド』、『ノルバ・シノ』の3人にかつての愛機だった3体のガンダムを返却していた。

 

「グシオン…こいつまでこの世界に来ていたとはな」

「よっしゃぁ!またよろしく頼むぜ、流星号!!」

 

懐かしい相棒と出会った3人はそれぞれの反応を見せ、ハジメは擬似阿頼耶識のパイロットスーツとヘルメットを手渡す。

 

「その擬似阿頼耶識システムはスーツと連動して装着者の思考をモビルスーツに直列してくれる。一応、少しの間だけならガンダムフレームのリミッターも外せるけど、脳への負担を抑えるためにリミッター解除は制限時間とクールタイムを入れてる」

 

ハジメの説明に、三日月が質問する。

 

「ねえ、どうして制限時間なんて入ってるの?前に戦ったのもだけど、あいつら相手に加減とか逆に危ないと思うけど」

 

かつて同様のモビルアーマー、ハシュマルと戦った経験があるだけに三日月達はモビルアーマーの危険さを嫌というほど理解している。

 

 

「…制限時間は、この戦いの『後』まで考えた結果だよ。ガンダムフレームのリミッター解除は、パイロットに大きな負担を与える。戦闘ではなく…日常における障害を残すほどにね」

 

そう。阿頼耶識システムとガンダムフレームのリミッターが外れた状態で運用すれば、膨大な情報量によってパイロットの体に深刻な障害が残るリスクがある。

実際、三日月は前の世界で強大なモビルスーツ『グレイズアイン』相手にリミッターを外したことで右目と右腕が使い物にならない状態となり、ハシュマルとの戦いで二度目のリミッター解放を行ったことによりとうとう右半身不随という重篤な症状が出てしまった。

 

「この制限時間内で止まれば、回復魔法で十分に身体機能も取り戻せる…そのギリギリを調整するためにこの機能をつけたんだ。それに………この機能はオルガ団長からの頼みでもあるからね」

「………そっか。なら従うよ」

 

三日月は納得したように頷き、ヘルメットをかぶるとバルバトスルプスのコックピットに飛び乗る。

 

「じゃあ、次は細かい感覚の違いを教えてください。できる限り元のシステムと同様の動きができるようにしたいので」

 

3人がそれぞれ自分のガンダムに乗り込んだのを確認し、ハジメは魔法システムで完成させていたコンソールに向かい合った…

 

 

 

――――――――――

 

 

それから数時間後。

ガンダムフレームの調整だけでなく万が一を考えて町を覆うように作った土の外壁を錬成したハジメは、手数を補うためのアーティファクトをできる限り展開。

 

すると、愛子が走ってくる。

 

「南雲君!とりあえずミネルバの緊急避難ポッドに女性と子供の収容は開始しています!これならあと2日でなんとかなりそうです!」

「ありがとうございます。あとは…」

 

ハジメが振り返ると、そこにはクラスメイト達と回復した清水、ティオもいた。

 

「俺と園部の魔力も回復したからな、機体の方は万全に動かせるぞ」

「私も、準備は出来たつもり」

 

大翔と優花がアリスタを取り出す。

因みに、優翔は避難ポッドではなくミネルバのブリッジで大人しく待機している。

 

「俺達も万全…とは言えねえが、少なくとも足は引っ張らねえつもりだ」

 

相川昇を筆頭に親衛隊メンバーも頷く。

 

「妾も回復までに十分な時間を得た。存分に力になろう」

「この通り、俺とティオさんに関しても心配いらねえ」

 

ティオと清水が答え、ハジメは宣言する。

 

 

「…よし。じゃあこれよりブリーフィングをします!」

 

 

――――――――――

 

ミネルバの会議室で、ハジメは画面に映し出された地図を指差す。

 

「ザドキエル率いる改造魔物の数はおよそ6万。進路から予想して、奴らはこの渓谷から町に入るものと思われます」

 

ウルの町と北の山脈を繋ぐ道は複数あるが、魔物達の進路から一番近い渓谷を差すと、ハジメは説明を続ける。

 

「こちらの戦力はガンダムフレーム機が3体とサザビー、量産モビルスーツのアデル、ジェガン、陸戦型ガンダム、オーバーフラッグが1機ずつ。それと僕の持つインパルス、大翔の持つストライクMarkⅡ、園部さんの持つG‐エグゼス、清水君の持つクロウガンダム。もう1体ガンダムタイプはあるけど、今は改修中で出撃はできないから今回は戦力としてはカウントしません」

 

「あとは火力を補うために鉄華団の団員の皆さんに僕の作ったアーティファクト『モビルワーカー』30機を使ってもらいます」

 

画面に映し出された武装に団員達が驚くが、ハジメは説明を続ける。

 

「戦い方としてはまず改造魔物への応戦ですが…先制はモビルスーツではなく、ミネルバの主砲で蹴散らした後、モビルワーカーと僕のアーティファクト、ミネルバの内蔵火器による射撃でできる限り数を削ります」

「じゃあ、ある程度削れたら俺達の番か?」

 

淳史の質問にハジメが肯定。

 

「数を減らしたら、次は陸戦型ガンダムとジェガン、サザビーとアデルで敵を削って。特に玉井君達はまだモビルスーツを習熟してないから、今回は遠距離射撃にのみ専念して欲しい」

 

流石に1日やそこらで満足に動かせるほどモビルスーツは甘くない。

本来なら擬似阿頼耶識を使って操縦させようと思ったが、慣れていないシステムを使えば何が起きるかわからないため今回はシステム無しの操縦となった。

 

「宮崎さんはライティンを使って、飛行できないジェガンの支援をお願い。菅原さんはフラッグを使って随時空から出てくる魔物への対処も」

「うん!」

「わかった」

 

女子2人にも指示を出し、ハジメは次の計画を語る。

 

 

「清水君は宮崎さん達空中戦チームの指揮をお願い。そして…敵の数が1万を切った段階で僕とシアさん、大翔、園部さんと鉄華団のモビルスーツ隊が一気に勝負をかける」

 

スっと息を吸い、ハジメは今回の作戦におけるメンバーを発表する。

 

 

「今回、ミネルバの全体指揮を担当する艦長はユエさん。砲撃手は畑山先生で操舵はリヒティ、オペレーターはマユ、クリス、鉄華団からはタカキ君とチャドさん。あと鉄華団については団員達の撤退などの行動を団長のオルガとビスケットさんの判断で決めてください」

 

いつものように頷き、艦長帽を被るユエと軽く頭を下げる鉄華団の参謀『ビスケット・グリフィン』。

愛子は一瞬『私が砲撃!?』と驚いた表情だったが、ハジメは構わず続ける。

 

「鉄華団の皆さんには一人1台モビルワーカーを割り振り、パイロットに関しては三日月達に一任します」

 

「…わかった」

 

三日月が返事を返す。

 

「そしてモビルスーツについて…

 

 

玉井君が陸戦型ガンダム、仁村君がジェガン、相川君がアデル、ニコルがサザビー、宮崎さんがライティン、菅原さんがオーバーフラッグを担当してもらう」

 

「お、おう!」

 

 

 

「メカニックについてはフリットを中心に雪之丞さん達鉄華団のメカニックメンバーも参加をお願いします」

 

頷いたのは日焼けしたような黒い肌に屈強な体格をした中年の男『ナディ・雪之丞・カッサパ』と鉄華団でメカニックを担当していた少年達。

 

「僕とシアさん、ティオさんは魔法や迎撃用の射撃アーティファクトで敵の魔物を掃討し、作戦が進みしだい僕とシアさんはモビルスーツに搭乗。ティオさんは空中戦をしている清水君達の援護に向かってください」

 

ここまで語り、ハジメは改めて全員を見渡す。

 

 

「今から来るのは、この町を簡単に消せるような文字通りの怪物です。しかし………僕達が戦う以上、何が何でも守り抜きましょう!」

 

 

 

「これより作戦名『オペレーション・アイブルーム』を開始します!」

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

そしてハジメ達が準備を開始してから3日目の朝…

 

予想通り、渓谷を通ってウルの町に迫る魔物の群れをハジメの偵察機が観測した。

 

 

「どうやら、お出ましみたいだぜ?」

 

オルニスからの映像をモニターで確認したオルガが声をかけてくる。

 

「…この速さだとあと2時間もかからない。南雲さん、僕達も戦闘態勢に入ろう!」

「わかった。でも…その前に一つやることがある」

 

ビスケットからの言葉に頷いたハジメは、一度ミネルバのデッキに降りる。

 

 

 

 

ミネルバの下…地上では現場に残った男達が各々武器を持って準備をしていた。

 

どうやら優花いわく「避難を促しても自分達も戦うと聞かなかった」とのことらしい。

 

それを聞いたハジメは皆の前に立ち、声を張り上げる。

 

 

 

「ウルの町に住まう勇敢なる皆さん!聞いてください!」

 

いつの間にか後ろにはスピーカーが置いてあり、よく見るとハジメの口元にはピンマイクのようなものが付いている。

 

「あと数分でこの町に魔物が迫ってきます。ですが臆することはありません!あなた方は既に…奴らにはない『家族や隣人を思いやる心』という武器があります!」

 

だが、それに対して若い住民から反発の声が上がる。

 

 

「何言ってんだよ!何が心だ!そんなもの…!剣1本の代わりにだってなりゃしねぇよ!」

 

ハジメに対して噛み付くように叫んだのは、若い冒険者風の男。

 

「………確かに、心だけではなんの力にもなりません。ですが、攻めるにしても守るにしてもまずはそれをやり遂げると決めた心がなければ始まらないんです」

 

「かつて、ある異国の姫と呼ばれた女性は言いました。『想いだけでも、力だけでもダメなのだ』と。力なき想いは何一つ変えられず、他者を思いやれない力だけでは敵と認識したもの全てを破壊しつくし、最後には全てを失うだけ…」

 

かつてキラ・ヤマトは言った。

『気持ちだけで、一体何が守れるんだ』と

 

そして彼は想いだけで力が足りず、多くの命を取りこぼしてしまった。

思いやる心を失いかけ、彼は無二の親友を二度と手の届かない所に墜とすところだった。

 

 

「これより迫り来る魔物は、たった1体の心持たぬ怪物によって何もかも壊された人形達!だから、皆さんが持つ『想い』の力を僕達に貸してください!貴方達の『想い』と、僕達の『力』で、この美しい町の未来を!運命を切り開きましょう!!」

 

――――――――――

 

住民を避難させるのではなく、彼らの前で戦うと方針を決めたハジメ達。

 

そして…ついにその時をクリスが告げる。

 

「!レーダーが改造魔物を探知!光学映像、出ます!」

 

するとブリッジのメインスクリーンに渓谷を埋め尽くさんばかりの魔物の群れがひしめいていた。

 

 

「コンディション・レッド発令、ブリッジ遮蔽…これより対魔物、対モビルアーマー戦用意!」

ユエの言葉によってミネルバのブリッジが下部に下がり、マユが艦内にアナウンスをかける。

 

「コンディション・レッド発令!コンディション・レッド発令!パイロットは搭乗機にて待機せよ!」

 

続けてタカキが鉄華団にアナウンスをかける。

 

「モビルワーカー隊、『流星隊』と『筋肉隊』は直ちにモビルワーカーで出撃用意!『三日月隊』は砲撃用モビルワーカーで対空戦闘用意!」

 

するとコアスプレンダー用カタパルトとモビルスーツ用カタパルトが全て開き、それぞれ10機のモビルワーカーが出てくる。

 

 

『こちらハジメ!メツェライの準備完了!シアさんとティオさんもそれぞれ位置についた!』

 

ミネルバではなく防壁の上に立つハジメ。

その手にはドンナーのレールガン技術を応用したガトリング型アーティファクト『メツェライ』が握られており、シアもドリュッケンを砲撃モードに変形。

ティオはハジメが魔晶石から作り上げた魔力タンクのブレスレットを装備し、待機している。

 

 

 

 

「…これより、オペレーション・アイブルームを開始します!!」

 

ユエの宣言により、ウルの町の存亡をかけた一大決戦が幕を開けた…

 

 

 




次回予告

迫り来る魔物と、激突するハジメ達と鉄華団。

鋼が砕け、命が消え去る戦場でついに殺戮の天使とガンダム達が激突する!

次回、機動戦士ガンダムForce
第10話 『激突、ザドキエル!』(前編)

鉄の華と共に…咲き誇れ、バルバトス!


オペレーション・アイブルーム
対ザドキエル戦でハジメがつけた本作戦の名称。
アイブルームとは、ドイツ語における鉄『アイゼン』と華『ブルーム』を掛けた造語。

SEED FREEDOMの設定を反映してもいいか?

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